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1.  ブリキの太鼓 《ネタバレ》 
この物語の中では2つの時間が流れている。1つは、祖父母の異常な馴れ初めから始まる、正気を失った一族の時間。もう1つは、異常な指導者に率いられ、正気を失っていった国と民族の時間。この狂気に満ちた2つの時間を統合するのが、大人になることを拒否したモラトリアムの権化オスカル。3才だった彼にとって、大人になることは正気を失うことを意味していた。彼の視線は2つの時間を照射し、性と愛で狂い、差別と憎悪で狂う大人たちの痴態を余すところ無く映し出す。そんな世界を否定するオスカルは、二人の父親が命を落とす原因を作ってしまい、ヤンはドイツ兵に銃殺され、アルフレートはソ連兵に撃ち殺される。間接的にせよ「父殺し」を行ったことが、オスカルのモラトリアムに終わりを告げたのだろうか、彼は再び成長し始める・・・。デフォルメされたキャラクターたちが繰り広げる、毒々しく、寓意に満ちていながらも、極めてリアルに感じられる不思議な世界。家族と社会という二つの異なる次元の物語を、異形の子供の視線によって重ね合わせ、見事に描き切った快作であり怪作。
9点(2004-03-12 01:44:29)
2.  気狂いピエロ
村上春樹の『海辺のカフカ』という小説に、こんな一節がある。『シューベルトというのは、僕に言わせれば、ものごとのありかたに挑んで破れるための音楽なんだ。それがロマンティシズムの本質であり、シューベルトの音楽はそういう意味においてロマンティシズムの精華なんだ』・・・そう、ゴダールというのは、ものごとのありかたに挑んで破れるための映画。この作品こそ、まさにロマンティシズムの極地。自らを取り囲む社会に挑み、そして散っていくあまりにも美しい物語。かれこれ10数年前の学生の頃に出会い、自分の「映画」観に、いや「表現」というものへの向き合い方に、決定的な影響を与えた一本。それ以来、僕にとって常に一種の基準として機能し続けている。自らにとっての“世界”への違和感を表明すること。それこそが「表現」であり、その方法論の違いが「作家性」なのだと思う。日常への倦怠、それを打ち破る恋愛、反社会的行為の快楽、逃避への願望、死と破滅への憧れ、けれど生きていたいという情けない思い・・・。“世界”への違和感が生み出す、こうした全ての感情が叩き付けられた結果が、稀有な一回性を生み、1965年という時代を刻印した。間違いなく、ゴダールの最高傑作であり、ヌーヴェルバーグの頂点。
10点(2004-03-05 00:15:32)(良:3票)
3.  太陽に灼かれて 《ネタバレ》 
緑美しいロシアの田園地帯の風景とは裏腹に、物語は徐々に重苦しさを増し、救いのないラストへと進んでいく。ミハルコフ監督自身が主演し、監督の実の末娘も現実と同じ娘役で出演しているが、まさに天才子役というべき素晴らしさ。その純真無垢で天使のような存在が、逆に二人の男の悲しさを際立たせている。ミーシャが、昔話の形を借りて過去を語るシーンと、最後に自殺するシーンに登場する小さな太陽は、秘密警察となった彼の心に残された真実や愛の象徴だろうか?哀しげなテーマ曲が耳について離れない傑作。やや叙情に流され気味なことと、前半が若干冗長なことが残念。
6点(2004-03-02 00:47:27)(良:1票)
4.   《ネタバレ》 
1969年、フランス。まさに政治の季節。そんな時代に、実話を元に、政治的な謀殺や反政府運動をテーマに撮られた映画と聞いただけで、重苦しくイデオロギーバリバリの作品かと思うが、観た印象は全く異なる。誇張された政府側の人々の言動は、ある種コミカルですらあり、素直に演技の妙を味わえる。演出面でも、テンポのよい展開の中に、唐突に挿入されるフラッシュバックがアクセントとなり、心地よい緊張感でストーリーを引っ張っていく。特に音楽が秀逸で、冒頭から独特な作品世界の構築になくてはならない要素として機能している。権力が張り巡らせる罠の恐怖を描いていながら、決して主張を押し付けるのではなく、むしろ楽しんで見られる傑作。後半は判事のヒロイックな奮闘を中心に据え、ハッピーエンドを期待させるが、あっさりそれを裏切るラストが重い余韻を残す。全編に溢れる、熱い政治の時代を象徴するかのような太陽の光が、逆に現実の冷たさを際立たせている。
8点(2004-03-01 02:09:48)
5.  シベールの日曜日 《ネタバレ》 
モノクロームなのになんと美しい映像なことか。カメラワークはちょっと狙いすぎな気もするが、ヌーヴェルバーグ真っ只中な感じがして、それもまた良し。青年と幼い少女の交流というテーマ自体は、昨今の日本でのペド犯罪の多さを考えると、現代ではもはや手離しでは歓迎できないだろう。しかしこの映画は、「純粋さ」というものが現実世界によって打ち砕かれてしまう悲しみと儚さを描いた、一種の寓話、ファンタジーとして見るべきもの。フランス映画に、ヌーヴェルバーグにのめり込んでいた学生の頃見ていたら、より深く心に残る一本になっていただろう。この監督とシベール役の女優が、その後ほとんど活躍していないところが、映画史の中でこの作品の輝きを一層増しているようだ。 【おまけ】オープニングと劇中のシーンで、なぜチベット音楽なのかが分からなかった。インドシナ戦争とは関係ないし。異教的なものの象徴だろうか?
8点(2004-02-22 16:19:32)
6.  コレクションする女
ロメールお得意の必殺バカンス映画。こんな作品が日本未公開で残っていたとは。むせ返るほどの夏の香りと、眩いばかりの海のきらめき。女優の体のパーツを舐めるロリなカメラ。これぞヌーヴェルバーグ、これぞフランス、これぞロメール。ため息でちゃう・・・
7点(2004-02-17 01:58:18)
7.  聖杯伝説
アーサー王の聖杯伝説を映画化した作品。と言っても「ロード・オブ・ザ・リング」とは大違いで、まるっきり書割りの舞台で繰り広げられる演劇で、映画のダイナミズムは皆無。おまけに俳優はセリフだけでなく、ト書きというか地の文を自分で喋るというぶっ飛びぶり。こりゃなんじゃ?と見ているうちに引き込まれて、なぜか目が離せなくなる。かなり面白い作品です。ロメールが実験的な映像作家であることを思い知らされる一本。 【おまけ】パーシヴァル役の主演俳優は Manchester United のガリー・ネヴィルにそっくり。
6点(2004-02-17 01:12:40)
8.  愛する者よ、列車に乗れ
いかにもフランス映画な感じだが、全体に散漫な印象。群像劇と言えば聞こえはいいが、収拾がついていないとも言える。死んだ画家の葬儀に参列するために、その画家の友人知人、家族親族が列車に乗って田舎町へ行くというのが前半。そこで彼らの様々な人間関係が断片的に示されるが、あくまで断片なので、詳しいことが把握できないまま物語は後半へ。田舎町での葬儀の後、もつれていた人間関係がいくつか修復されたり、決着がついたりする。こう書くと少しは面白そうだが、ストーリー展開には特に山場がなく、だらけてしまう。雰囲気は盛り上げるものの、雰囲気だけで2時間はもたない。死んだ画家の人となりも結局最後までよく分からないまま。とにかく、ゲイとおかまが主役級という時点でツライ。墓地の俯瞰のシーンは美しいけれど。
4点(2004-02-09 00:28:28)(良:1票)
9.  ファム・ファタール(2002)
素晴らしい映像美、先の読めないストーリー展開、魅力的な役者たち、さすがデ・パルマ。ゴージャスでワクワクできて、娯楽としての映画のエッセンスが詰まってる作品。だったのだが、これだけ引っ張っておいてオチが・・・とは。伏線の緻密さはよーく分かるが、何とかならなかったものか。しかし、実によく作り込まれた作品であり、見て損はない。
6点(2004-01-27 20:02:02)
10.  鬼火(1963)
学生の頃、青春真っ只中だった自分が、最も深く共感できた作品。深夜のテレビで、この作品にたまたま巡りあえたことで、引きこもりにも犯罪者にもならず、何とか社会人として暮らしていられるのかも知れない。アランの絶望ほど、自分にとってリアルな心理描写はなかった。個人的に最も客観的に評価できない映画。この点数はあまり他人の参考にはならないかも知れない。
10点(2004-01-27 01:40:49)(良:1票)
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