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ちゃじじさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 304
性別 男性
自己紹介 つたない文章力で自分なりのレビューを心がけます。映画館で観た作品は自然と評価が高くなりがちです。

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1.  エル・スール 《ネタバレ》 
画面外から画面内に異物が侵入し空間が侵される事で、外へと漏れ出す。時間は停滞し過去へと進んでいく。そしていつともどことも知れない一点から、モノローグが響く。 家と家の前の一本道、映画館に限定された空間。四季折々の広大な美しい風景は開放感ではなく、家族を取り巻く閉塞感、停滞性を際立たせる。 周囲に民家がない一軒家という孤立した空間に外部から手紙や写真、電話が介入する事で、父と娘の思いは外へと広がっていく。 そしてモノローグという物語の構造上、あるいは断片的に提示される父の過去故に、時間は現在から過去に向けて逆行して進んでいく。 冒頭の徐々に外光が部屋に射し込み、定点で捉えられた画面の外で犬、母、家政婦の声が響く場面。無理のない時間の経過と空間の奥行きの広さを捉える見事なショット。 列車の通過音で乗り過ごした事を示す場面や、レストランで鳴り響く演奏など画面外から侵入し、画面内を侵食する音響の効果も素晴らしい。 表情に冷たさを帯びた母親、一人気さくで外界を象徴するようなミラグロスなどの人物造形も魅力的。 人間と対比して、無機質に経年変化していく、表札やブランコ、風見鶏、外壁も物哀しい。 そしてラスト。エストレーリャは、「父の遺品=父」を持ち彼とは逆の道程を辿り、「エルスール=外の世界」に向かう。 彼女は自ら時を止めてしまった父と共に、未来へと時間を進める事が出来るのだろうか。
[DVD(字幕)] 9点(2017-10-28 23:50:52)
2.  ダゲレオタイプの女 《ネタバレ》 
写真というものが、身体的外見を人工的に固定し、存在を時間から引き離す事で、存在を生につなぎとめるものであり、被写体を死の運命から解き放つ事で、生者の心をかき乱す存在であるとするならば、それは幽霊とも似ているのではないか。 ドゥニーズは幽霊となりステファンの前に現れ恐怖させ、悩ませる事で、彼の精神を縛り続け支配下に置いていた。 それは生前彼女が、”写真を撮る”という行為を通して行われていたであろう束縛を、最も体現した報復律。 彼女は、そのように死後幽霊として夫を苦しめていた時の方が、マリーは死後幽霊としてジャンと逃避行をしていた時の方が、生前より自由であったのではないか。 肉体的な生と死(人が一般に定義する生死)、どちらがより自由で幸福であるかは、他人の尺度で測れる事ではない事実と同時に、生と死の境界線の曖昧さも描いている。 そして、写真が良くも悪くも、身体と精神を永遠に縛り付けるものであるとするならば、映画という映像芸術は虚構を映像化する事で、そのものを解放する作業(今回であれば、幽霊となったドゥニーズとマリー)となり得る。 正負どちらにも転びうる、生と死の概念、映画と写真という芸術の関係性や特性を見事に表現していた。 他にも、水銀が植物園を枯らしてしまう(ステファンの罪がマリーの尊厳を犯す)という視覚的表現や、階段下にカメラを置く事で原因を不明にし、結果のみを伝えるという落下表現も瑞々しい。 この監督は、あらゆるものの可能性、とりわけ映画という媒体の可能性に挑戦し、生と死の境界線を揺るがし続けている。 だからこそ、その大きな挑戦から目を離すことが出来ない。
[DVD(字幕)] 9点(2017-09-24 20:27:59)(良:1票)
3.  ダンケルク(2017) 《ネタバレ》 
この映画には、括弧付きのリアリティと偽りの体験しか存在しない。 執拗に水面に置かれたカメラ、兵士の顔を映すクローズアップや主観的視点。緩急もなく、ひたすら意味ありげに鳴り続ける重低音と音が大きければ迫力があると言いたげな音響。CGに頼らない映像。ヒーローになる事はない名もなき兵士達。 あらゆるものが”リアリティ”という言葉を盾に、これ見よがしに主張し合う。 しかしそのどれもが、映画の画面から飛び出して来る事はない、表面的で小手先のリアリティ。 そもそも、少なすぎる戦闘機の数、観客のカタルシスを満たすが為に示し合わせたように一斉に集う小型船、エンジン停止した戦闘機が不時着する間に寸前までいた砂浜の兵士達がいきなり全員いなくなる、戦場なのにゴア表現が一切ないなど、映画内のリアリティラインすら滅茶苦茶。 体験という視点においてカメラは水面に水中に銃撃戦に度々置かれる。しかし、いざ人が溺れる瞬間、撃たれる瞬間、カットは変わり”カメラ=観客の視点”は直ぐにその場から逃げる。観客は痛さも苦しさも味わう事はない。観客は第三者として、特権的な立場を保ったまま、決して当事者になる事はない。 観客は陸海空を何にも縛られもせず、時制をも超越して自由に動き回る事ができる。そこにはリアリティも究極の体験(あるのは必ず安全圏が確保されている、アトラクションのような体験)も決してない。映画の最後まで、スクリーンと観客の距離が縮まる事はない。 そして、驚くようなショットも表現もない。 インターステラーを観た時も思ったが、この監督は、決められた映画という枠の中で、深く見られがちな主題の皮を被り、メロドラマを軸として、驚きも色気も危うさもない演出と映像で真面目な映画を作る監督なんだろうと思った。 余談だが、ボルトン中佐が怪訝な顔をして空を仰ぐ→カットが変わって敵機が迫り来るという度々繰り返される演出は、鈍重でしかない。 空戦の場面もカットを細かく割り、クローズアップ、主観、引きのショット、別場面を織り交ぜるので緊迫感に欠け、構図が分かりにくい。
[映画館(字幕)] 5点(2017-09-22 01:09:54)(良:2票)
4.  サンドラの週末 《ネタバレ》 
自分を犠牲にしてまで相手に尽くす事ができるか。という、答えの出ない問い。 本作はその問いを投げかける。そして、主人公は自分の生活、復職を犠牲にして、自分を守ってくれた人を最後に守る。 否定のしようのない立派な行動と結末。 だがその不変的な問題に対する、暴力的にも思える圧倒的な正論が、困窮してるようには見えない主人公一家共々どうしても上辺だけの浅薄な結末に思えてしまう。
[DVD(字幕)] 4点(2016-07-01 02:02:12)(良:1票)
5.  アタック・ザ・ブロック 《ネタバレ》 
彼らは常に一般人には見えない敵、たとえば貧困や差別や偏見と、団地=自分達の居場所を守る為に戦っているのだと思った。そしてその戦いは公に評価される事はない。エイリアンとの戦いにそれが全て象徴されていた。 BGMとシンクロするような短いカットの連続がテンポのよさ、若者達の行き場のない疾走感をうまく表現していた。
[DVD(字幕)] 6点(2015-11-06 10:00:29)
6.  メランコリア 《ネタバレ》 
人類が滅ぶとなったとき絶望する人もいるが、喜ぶ人がいても何も不思議な事ではないし、今までそういった人々に焦点を当てた映画は見たことはなかったので自分には新鮮だった。
[DVD(字幕)] 4点(2015-10-29 14:04:52)
7.  岸辺の旅
今まで霊をこちら側から撮っていた監督が、ついにあちら側からこちらを撮っているという感覚になった。 霊を恐怖の象徴でなく、救い、癒しの象徴として描いていること。生きている人間(瑞希や朋子)の中に恐怖を感じさせていること。作品全体を包む幻想的な雰囲気、町並みからそれを感じた。 死者と生者が境目なく存在する世界の舞台の中で、監督自身が、どこか人間と距離を置き世界を俯瞰して見つめる生者でも死者でもない存在になってしまったとさえ感じた。その変化にはさびしさも感じたが、今までのどの作品よりも優しく、温かく、懐が深い作品だった。
[映画館(邦画)] 8点(2015-10-04 08:19:08)
8.  フォーリング・ダウン 《ネタバレ》 
渋滞から外れた車=社会から外れた主人公、から物語が始まる。そこからは、ただ堕ちていくだけ。主人公が取る行動はどう考えてもただの八つ当たりだし、どこからどう見ても変人。しかし、誰もが普段世の中に抱えているであろう不満、鬱憤を晴らしてくれるその姿はスカッとするし、本当の意味での等身大のヒーロー、善悪の基準を揺るがす絶対的な存在にも思えた。 誇大化していく自意識が、強力になっていく武器で表現されていながら、最後の最後で武器が水鉄砲になるという皮肉。二人の男が最後にたどり着き、対峙した場所が二人の人生の行き詰まり具合をあらわすような桟橋であったりと、その映像による表現にも凄さを感じた。
[DVD(字幕)] 8点(2015-09-04 21:20:03)(良:1票)
9.  ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン! 《ネタバレ》 
ビデオ屋によって置かれている棚のジャンルが違いそうな作品でした。 それぐらい色んなジャンルの要素(作品の土台になっているコメディ、中盤のミステリー、後半のアクション)、社会風刺、グロさを持っていて、それぞれが邪魔をすることなく絶妙な分量でうまい具合に混ざり合っているので、どの分野でも十分に満足させてくれ、くどすぎず飽きることなく文字通りワクワクドキドキハラハラさせてくれます。  一見すると大味に見えますが、内情は綿密に作りこまれています。それでいて村民が殺人を犯す理由を稚拙で馬鹿馬鹿しく留めているので、変な高尚さを感じさせず作り手の計算が鼻につきません。 子どもの時に楽しい映画を観ていたときに感じた感情を思い出させてくれるすばらしい映画でした。
[DVD(字幕)] 9点(2011-03-20 21:23:43)(良:1票)
10.  シンプル・プラン 《ネタバレ》 
金が絡むと人間の本性が見えてくるって表現は実に的を射てますね。 一つの出来事がきっかけで、今まで見て見ぬ振りしていた問題や隠していた不満、思いがすべて表に出てくる。最後には全てが崩れ、後には妙な爽快感と後悔が残る。自分の体験にもあるなぁ~と思いました。
[DVD(字幕)] 7点(2011-02-19 18:13:04)
11.  恐怖の報酬(1953)
世界で一番スリリングなロードムービーでした。家に着くまでが遠足という意味が、小さいときにはさっぱり理解できませんでしたが、この映画を観てやっと理解出来ました。
[DVD(字幕)] 8点(2009-12-05 00:59:27)
12.  ロスト・チルドレン 《ネタバレ》 
見た目が大人だろうが、子供だろうが心が強いものは強いし、弱いものは弱いということでしょうか。普通ではない見た目やどこかに一癖ある人物が多く、そういう場合大体はそういった人物に焦点が当てられ魅力を持ってたりするんですけど、この映画は唯一といっても良いぐらいごく普通の見た目で、特に特徴がないミエットが持っている魅力、力強さがずば抜けてました。いろんな意味を含めて人間は見た目だけでは決まらないということでしょうか。 内容抜きにしても、この独特の世界観や映像は凄くて、それだけでも見る価値はあります。
[DVD(字幕)] 6点(2009-11-15 16:53:22)
13.  太陽はひとりぼっち
ただそこに在る無機質なものに囲まれ、一分一秒に一喜一憂しながら人生をかけ、いつ終わるとも知れない恋に、戸惑いを感じながらも身を任せる。 どれだけ愛しあってもその愛が無くなればただの他人。その人にとってはいないものと同じ。それでも、ただ無機質のように存在する事が出来ない為に、また他の誰かに認識されることを求め、生きていくんだと思いました。
[DVD(字幕)] 6点(2009-11-09 18:53:41)
14.  バーン・アフター・リーディング 《ネタバレ》 
最初は小さなことが雪だるま式に色んな人を巻き込みながら、大事になっていき観終わった後に何ともいえないばつの悪さを感じさせるのはコーエン兄弟の得意技。みんなまとめて皮肉って最後に笑ったのは整形女。そこにどんな意味があるのかは分かりません。
[DVD(字幕)] 5点(2009-11-08 12:32:22)
15.  コーラス
音痴という理由で楽譜台にされてしまった彼とモンダンの行く末に少し不安が残りました。マチューのような先生は生徒に光を与えるが、他方では影も与えやすい存在。この校長は少し行き過ぎかもしれませんが、ある程度生徒と距離が離れたところにいるような人も必要。だからきっとこんな先生ばかりでもうまくはいかないんでしょうね。 でもいなくてはならない、いて欲しい先生だと思いました。
[DVD(字幕)] 6点(2009-11-07 01:26:32)(良:1票)
16.  潜水服は蝶の夢を見る
内容云々よりもこの題材、見せ方で映画を作ろうと思った監督が凄いと思った。医療関係の職につこうとしている自分には、とても為になる映画だった。
[DVD(字幕)] 6点(2009-10-28 01:03:58)
17.  シェルブールの雨傘 《ネタバレ》 
美しい音楽に、美しい町並みや家、衣装。そして美しいカトリーヌ・ドヌーヴ。話の筋は何でもないものだと侮っていたら、ガソリンスタンドでのラストシーンでやられました。美しい別れでした。しかも、その別れを演出したのが醜い戦争というのが、なんともいえません。
[DVD(字幕)] 6点(2009-10-24 21:03:42)
18.  ランド・オブ・ザ・デッド
ゾンビが前作より成長していた。
[DVD(字幕)] 4点(2009-10-17 19:38:17)
19.  天井桟敷の人々 《ネタバレ》 
結局誰一人として幸せになっていない。「人生はクローズアップで見れば悲劇 ロングショットで見れば喜劇」その言葉が見事に当てはまっていました。人生は素晴らしい!と声高に掲げている作品も嫌いではなく、むしろ好きです。ただ自分には悲しく辛い事ばかりでも、人生は所詮そんなものだ気楽に生きようぜ、と軽く笑い飛ばせる気分になれる本作のような映画の方が性分にあっているし、好きなようです。自分も天井桟敷の人々に笑われるような面白おかしな人生にしたいものです。
[DVD(字幕)] 7点(2008-12-26 00:19:18)
20.  パラダイス・ナウ 《ネタバレ》 
百人いれば百通りの正義があり、その人の身にならなければその正義が間違っているとは安易にいえる事ではない。ただ彼らの肉親、母親は心の底では今日も息子の帰りを待っていた。それだけは、はっきりと言えるような気がしました。そして自分の中の正義を貫き通したサイードでさえ坊主になったとたんに表情をなくしたように見え、ハーレドと二人でいた時が一番幸せそうに見えたのは気のせいでしょうか。今の日本で生きていて、ましてや神への信仰心のうすい自分には想像も理解も出来ない状況の話でしたが現在の世界情勢の一端を漠然と知れたというだけでも意味がある事でした。普段テレビで報道されているニュースの奥側を少しだけ見れたような気がしました。
[DVD(字幕)] 6点(2008-04-01 20:26:35)
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