Menu
 > レビュワー
 > 目隠シスト さんの口コミ一覧
目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2253
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : カナダ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234
投稿日付順1234
変更日付順1234
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  サイコ・ゴアマン 《ネタバレ》 
80年代少年漫画でありそうなベタなファンタジー設定と、CG全盛の今となっては懐かしい「特撮」の相性や良し。50代の私にとっては、ある意味ノスタルジーに浸れる作品でありました。宇宙人(もはや怪人)のデザインは『真・女神転生』や『ベルセルク』あるいは日本特撮系アクションヒーロー悪者の系譜。コメディパートはシュールかつクレイジーで遣りたい放題。人物造形も気持ちがいい。特にミミちゃんとお父さん。好きな人には「たまらない」のは間違いなく、かくいう私にとっても「あざとい」と感じるくらいドストライクなB級映画でありました。ただし一般的には「なんじゃこりゃ」であろうことも想像に難くありませんが。 オチについて一考。宇宙を滅亡させるほどの力を持った(ホントかな?)サイコ・ゴアマンを世に放った点をどう評価しましょうか。これは「罠にかかった熊を可哀そうだから森へ逃がしてあげました」と同類なのか、あるいは「人知及ばぬ自然災害は諦めるしかない」なのか。おそらくどちらの要素もあるでしょうが、一切丸く収める気のない無責任な結末に痺れました。化け物に変えられてしまった少年の顛末についてもそう。せめてサイコ・ゴアマンに元に戻してもらうお願いくらいすればよいものを、ミミちゃんにそんな素振り全くなし。ヒトデナシが過ぎます。きっと「腹水盆に返らず」「悔いても仕方がない」「それなら前を向きましょうよ」なのでしょう。所詮他人事だからとも言えますが(ホントに酷い!)ブラックコメディとして正しい姿勢ですし、見方を変えれば「達観している」とも言えます。下品ではありますが、なかなかにハイブローでは。「好きな人にとっては」という注釈が付くものの見事な出来栄えだと思いました。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-01-19 19:47:19)
2.  MAMA(2013) 《ネタバレ》 
結末に言及しています。未見の方はご注意ください。  端的に言うなら『狼少女ジェーン』(ガラスの仮面より)のオカルトホラー仕立て。描写の中に近代ジャパニーズホラーの礎とも言うべき『リング』から「指さし男」が引用されていたのが感慨深いです。ゴッホの作品に浮世絵が登場するような誇らしさとでも言いましょうか。これはパクリではなく「オマージュ」でよろしいんですよね。 私は冒頭オカルトホラーと書きましたが、ヒューマンドラマとしてつくり込まれており「ダークファンタジー」にカテゴライズする方が適切かもしれません。何といっても『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロが製作総指揮ですから。終盤の救出劇には手に汗握り、ぐいぐい引き込まれました。展開もまさしく『リング』さながら。はじめは寝転んで眺めていましたが途中から正座です。「助けてやってくれ」「見逃してくれ」と何度も心の中で叫びましたが願い届かず。観終えた直後は相当滅入ったものの、冷静になれば納得の結末と言わざるを得ません。「もし・あの時・ああしていれば」が見当たらないのです。そう自分に言い聞かせています。 大量のさくらんぼの種が意味すること、視線の使い方、キーアイテム「メガネ」の役割など、ツボを心得た演出が冴え渡り好印象。ママの造形は怪物に寄り過ぎていた気もしますが、「亡霊の子育て」という設定上おどろおどろしい見た目でなくてはいけなかったのでしょう。最期の瞬間、怨念から解き放たれ穏やかな表情であったのがせめてもの救いでしょうか。2人の子どもは本当に可愛かったです。ずっと「私は行かない」としか言わなかったお姉ちゃんの気持ちが胸を抉ります。妹にはどうしても「行くな」と言えなかったのですよね。姉妹にとって亡霊は母親に違いなく、行先が地獄と分かっていたとしても一緒に居たいと願うのが子ども心。姉は妹の気持ちを尊重したのです。姉妹で明暗を分けたのは人間社会との繋がりの差。「メガネ一つ分」の違いでありました。 タイトルといいビジュアルイメージといいあまりぱっとしませんが、こんなところに傑作が隠れていたとは驚きです。福引で一等賞を当てた気分。覚悟のいる物語ではありますが、皆さんにお勧めします。
[インターネット(吹替)] 9点(2023-09-11 18:20:51)
3.  ポゼッサー 《ネタバレ》 
雰囲気は80年代のSFサスペンス。レトロ感さえ漂うアナログチックな設定と映像表現に容赦ないグロテスクな殺傷シーンの相性は抜群で、個人的に大好物の作風でした。ハイセンスな映像美だけでなく物語の方も魅せます。本来主人公は蝶の標本作りにさえ罪悪感を覚えるタイプの女性。それなのに暗殺を生業としていることが悲劇の種になっていました。救いの無い結末ですが因果応報としては極めて正しい。それゆえにやるせないのです。地獄映画で気分が落ちること必然ですが、虚無感を味わう映画があってもいいでしょう。ところでブレインダイブ(?)はWiFiですか。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-04-11 22:44:35)
4.  ゲーム・オブ・デス(2017) 《ネタバレ》 
※はじめに注意!こちらは2010年制作の同名映画ではありません。スプラッタージュマンジがこちらです。再度ご確認くださいませ。  『N人殺すまで終わりません』な殺人ボードゲーム。代数はたぶんランダムで今回は24でした。つまり24人を殺さない限りプレイヤーは生き残れないルール。無理ゲーかつ糞ゲーここに極まれり。ゲームクリアはほぼ望めません。ゲームバランス(設定)が滅茶苦茶なのです。一番の害悪は時間制限が極めて短いこと。おそらくインターバルは15分から20分程度。もし時間の猶予があれば、血の契約を破棄する方法を探すことも出来ますし、対処療法的に殺す相手を吟味することも可能でしょう。しかしこの短時間ではどうしようもありません。諦めて死ぬか無差別殺人くらいしか選択肢がありません。まあ対策を取られたらゲーム制作者(悪魔又は死神)が困るんでしょうけど。結果、ただ悪趣味なだけのスプラッターが一丁出来上がりと。希望が皆無なので、サバイバルとしてもスペンスとしてもぱっとしません。ただしスプラッター祭りと割り切れば不満はありません。血飛沫は特盛ですが、不思議と汚らしい感じはありませんし(あまりに浮世離れした設定だからかな?)プレイヤー最後の演説は、達観した者の凄みがありました。なお特徴的なテレビゲーム演出は惨殺シーンの省略(制作費削減と刺激低減の両方)の意味合いがあったように感じますが、どうせ馬鹿映画なのですから小細工なしで殺しまくった方が潔くて良かった気がします。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-04-05 22:18:08)
5.  ホラーマニア vs 5人のシリアルキラー 《ネタバレ》 
ブラックなB級おバカコメディ。個人的に大好物のカテゴリーですが、当たり外れが大きいのも特徴。だからこそ当たりを引き当てた時の嬉しさは格別なのですが。それでは本作の感想をば。 一言でいえば「残念」であります。理由の一つ目は「セールスポイントを早々に放棄した」点です。言わずもがな「ホラー雑誌のライターが本物の殺人鬼のフリをする」パートのこと。「なりすまし」はコメディに限らず数多の作品で採用されている人気素材。最後まで引っ張ることが出来る大ネタです。でも本作では導入部分のみでアッサリ終了しました。単純に勿体ないと感じるのです。鱧、骨が多いので食べるの止めましたみたいな。おいおい、ちゃんと料理すればご馳走ですよって話。 2つ目の理由は「キャラクターの活用不足」です。人形は顔が命、コメディはキャラが命が持論。本作ではコメディパートを担うキャラとして警官3人が配されていました。高圧系大バカ、小バカに、マニアバカ。ムカつきますが単細胞。結構いい味を出しているのです。ホルスターから拳銃が抜けないとか、謎の髭コンプレックスとか。もっと活躍の場を与えればいいのに。 理由3つ目は「ドラマ不在」です。本作は振り返ってみれば「殺人鬼ハンターチーム結成秘話」でした。主役2人がコンビを組んだ経緯を延々と見せられていた訳ですが、何故2人が惹かれ合ったのかイマイチ分かりません。特に女の方は男の何処を気に入ったのでしょう。もっと明確にラブロマンス(片思い系がオススメ)に仕立てても良かったのでは。女の背景についても今ひとつ判然としません。続編用にとってあるのかもしれませんが、やはり消化不良感は否めません。どんなジャンルであれ、核となるのはドラマと考えます。 凄く面白くなりそうな要素が多いだけに、期待値が上がり物足りなさを感じたのだと思います。残念無念。そう簡単に当たりは引けません。
[インターネット(吹替)] 5点(2022-09-19 19:53:20)
6.  ポーカーナイト 監禁脱出 《ネタバレ》 
『パーフェクトトラップ』鑑賞時に前作『ワナオトコ』を復習しようと某サブスクで検索したところ本作が引っ掛かりました。殺人鬼の見た目が完全にワナオトコのそれでしたが、関連はなかったようです。もうすぐ配信終了だった為これも何かの縁と『パーフェクトトラップ』と続けて鑑賞することに。おかげで内容がごっちゃになりました苦笑。 簡単にあらすじを説明しますと、主人公の刑事は犯人に監禁されます。そこで先輩刑事の体験談に基づく教訓を思い出しながら脱出を試みると。このアプローチは新鮮でしたが、いわゆる精神論の範疇であったため、大して教訓が役立っているとは思えませんでした。「諦めるな」とか、そりゃそうでしょって話ですし。もっと『スラムドッグミリオネア』みたいに具体的かつミラクルな脱出法だったら良かったのに。とはいえ、サスペンスとしては上質の部類で、二転三転する展開は見応えがありました。もっとも、利口な犯人が適度にスキを与えたから、主人公が見せ場を作れたとも言えますが。後味はビターですが悪くありません。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-09-08 21:28:39)
7.  ザ・ブルード/怒りのメタファー 《ネタバレ》 
本サスペンスの見どころは、コトの真相が明かされるまでの過程にありました。一体何が起きているの?殺人鬼は何者なの?様々な可能性に思いを巡らせます。いよいよ種明かしされた後は早仕舞い。それはもうアッサリしたもの。そういう意味では如何に真実をカモフラージュするかが重要でした。然るにこのタイトルはどうでしょう。完全にネタバレじゃないですか。ブルード=一腹の子。もっとも横文字が苦手な私は全く気づかす何の問題もありませんでしたが。もし邦題が『怪奇!黒雪母と7人の小人』だったなら、ボンクラな私でも流石に気付いたでしょうけども。見終えてみれば、雰囲気はあるけど、いまいち捉えどころのない映画。オープニングの音楽は如何にもサスペンスな趣で良かったです。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-04-16 13:50:17)
8.  ウィッチ 《ネタバレ》 
コミュニティから弾かれ孤立する家族。唯一の拠り所は信仰心。しかし柔軟性なく凝り固まった心は、最も大切にしなければならない家族の絆を断ち切っていく。行き着く先が悲劇なのは必然でした。王道のオカルト様式でありながら、スーパーナチュラル確定でなく、精神疾患(追い詰められた主人公が脳内で作り出した架空のお話)の可能性を感じさせるあたり作品の奥行きを感じさせます。派手さはないものの、ホラーとしては一級品です。恐ろしいのは魔女か、悪魔か、はたまた人の心か。
[インターネット(吹替)] 8点(2022-02-10 22:50:19)
9.  マーターズ(2007) 《ネタバレ》 
殺戮シーンと拷問描写、人体破壊のグロさや胸糞具合は業界トップレベルですが、これら蛮行に『理由』を与え物語の体裁を整えたが故に、衝撃度合は弱まった印象を受けます。『理解できないもの』が最恐だと思うので。というより、そもそもホラージャンルの映画でもない気がします。『悪趣味』とか『アングラ』でしょうか。それにしても、最後の主人公の言葉が気になります。もちろん私たちに知る由もありませんが、仮にあの世を垣間見てきたのだとしてもそれは口にせず、奴らに一矢を報いるために考えた『絶望させる一言』であって欲しいです。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-07-23 18:58:14)
10.  ゴーストランドの惨劇 《ネタバレ》 
細部に至るまで綿密に計算されたテクニカルな構成に感心しますが、とくに言及したいポイントは2つあります。一つ目は俳優交代について。主人公姉妹は、ローティーンと成人、都合2つの年代が描かれます。N〇Kの朝ドラでもない限り成長期を跨いで一人の役者に任すのは無理筋ですから、俳優交代は絶対条件。とはいえ経年違和感のない交代俳優を探すのも大変です。観客の脳内補完必須でしょう。ところが本作では、役者交代に何の違和感もありませんでした。ほとんど完璧なバトンタッチでは。よく似た子役をキャスティングした点もさることながら、顔がボコボコだったり厚化粧だったり人相判別を困難にした事が功を奏したと考えます。なるほど、単純ですが上手いやり口です。これは称賛ポイントでしょう。二つ目は、終盤の展開について。殺人鬼系ホラーで見慣れた典型的な流れで、ご都合主義も目につきました。趣向を凝らしたこれまでの展開と比して無策に思えます。しかしこれも観客を惑わす計略のひとつ。なぜなら本作の肝は『主人公はホラー小説家志望』という基本設定にあるからです。物語の裏地にぴたりと張り付き、観客の判断を惑わせます。目を凝らして観るほどに『ここが不自然な気がする』と疑問符がつく仕立て。題材(展開)はプレーンなほど好都合というワケ。虚実の境目の見極めは、観客に委ねられました。極端な話、主人公はまだ捕らわれているかもしれませんし、イチから全部小説との見立ても可能でしょう。解釈に幅があり、物語に奥行が感じられるのは、優れたミステリーホラーの証と考えます。なお、壮絶・胸糞なストーリーにも関わらず『観易い』のも本作の特徴です。前述した丁寧なお仕事をベースに、各種配慮が行き届いていました。『鬼畜監禁もの』とは思えぬマイルドな暴力表現で、後味も悪くありません。デートムービーにさえ使えるレベル。この大衆性・汎用性の高さはセールスポイントでしょうが、多方面に気を配った結果、ホラー映画としてのパンチ力(狂気)を欠いた気がしないでもありません。(以下余談)と書き終えて、他の方のレビューを拝見したところ、私の感覚に大きなズレがある事が判明しました。やっぱりデートムービーは無理みたいです。ご注意を。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-02-15 22:47:02)(良:1票)
11.  スーサイド・ショップ 《ネタバレ》 
自殺が蔓延する暗い社会。自殺幇助アイテムショップが舞台。主人公は、店を営むファミリーです。キャラクターの目にはクマ。笑顔厳禁、希望なんてもっての外。アニメでは珍しく、かなりブラックな設定です。ミュージカルを多用した演出や展開も極めてシュールながら、着地点は意外なほど常識的でした。やっぱり前向きに生きようよ。愛(あるいは性欲、または食欲も可)があれば大丈夫。この結末に異議などあろうはずもありませんが、肩透かしされた感は否めません。そんなに簡単に切り替えられるほど、人生は軽くないんじゃないの?と。表でクレープ売って、裏で青酸カリでも密売してくれた方が、よほど腑に落ちた気がします。ただし、グラマラスを越えてデブの域にあったお姉ちゃんがイイ女扱いされていたのは、良かったと思います。価値観もイロイロ。だから、生きていられるのだから。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-11-25 19:28:35)
12.  残酷で異常 《ネタバレ》 
ありそうで無かった気がする××の描き方。『後悔先に立たず』されど『反省はできる』がテーマかと思いきや、『どんな完璧なシステムにもエラーは付きもの』という意外な着地点でした。キアヌ・リーブス主演の某オカルト映画のルールに従うなら、主人公は××から〇〇行きへ変更になっても良さそうな気がしますが、婆ちゃんの面目を潰したからダメなんですかね。もっとも彼は覚悟の上ですから、何度同じ体験を強いたところで、満足こそすれ反省などしないでしょう。表情をみれば一目瞭然。こういう人には、諦めて〇〇に行ってもらうか、もう一度『苦行』を課した方がいいと思いますが如何ですか、お婆ちゃん。集会で美魔女が椅子を2つ占拠していたり(一つは踏み台)、急に老化したように感じたり(時間軸が異なる)、芸が細かくて感心します。婆ちゃんやピッカリ君をブラウン管に閉じ込めたセンスもなかなか。唯一邦題だけは頂けないなあと思ったら、原題直訳ですか。なら仕方ないです。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-11-15 01:56:49)(笑:1票) (良:2票)
13.  タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら 《ネタバレ》 
ジャンル”あるある”を逆手にとったパロディ映画は時々目にしますが、『殺人鬼もの』をコメディに、いやラブコメディに仕立て上げるとは、この切り口は新鮮でした。スプラッターホラーお約束の醜男に、お馴染みチェーンソー振り回し。なるほど殺人鬼のディテールをそういう流れで再現しますか。よく考えますな。でも本当に凄いのは、人が死にまくるのにきちんと笑えること。クダラナイのもテクニックのうちと。もちろん、コメディの肝は人物造形。主役2人は絶品の愛されキャラで、感情移入しまくりでした。ホント、人は見た目で判断してはいけませんね(でも悪そうな人は大体悪人なんですよ)。風体はまさに猟奇殺人鬼のそれ。なのに中身は善人、しかも友情に厚いというギャップに萌え、好意と善意が悪い方にしか転ばぬ運の悪さに身悶えしながら観入りました。ですから、溜まりに溜まったアンラッキーの負債をチャラにするラストの多幸感たるや、もう!全非モテ男、感涙必至なのであります(ただし、『果報は寝て待て』な解釈はご法度。デイルは、優れた人間性が正当に評価されたのです。知性も高いですし。原石は磨いて宝石に。市場に出されて、初めて価値がつくという教訓です)。危うく10点を献上するところでした。もうホント大好きです。ただ、肯定前提で注文をつけさせてもらうなら、敵役の大学生がちょっと可哀想でね。彼に殺人鬼の血筋をあてがうのは筋悪。無理して悪者に仕立てなくても、このお話は成立したと思うのです。徹頭徹尾、大学生たちの思い込みと勘違いだけで物語を組み立ててくれたら最高でした。さて、これだけのナイスキャラを一作で終わらせるのは勿体ないような。続編は、セラピスト志望のヒロインも含めて、殺人鬼ファミリーもので如何でしょうか。
[インターネット(字幕)] 9点(2020-04-25 11:49:17)(良:1票)
14.  エイリアン:コヴェナント 《ネタバレ》 
前作『プロメテウス』は鑑賞済みながらも、あらすじは忘却の彼方(そんな方が多くて、ちょっと安心しましたが笑)。本作はちゃんとタイトルに『エイリアン』が入っていて良心的ですな。さて、何時の間にやらヒロイン(シガニー・ウィーバー)がエイリアンと戦うサスペンスホラーから、アンドロイドがエイリアンを使って人間を絶滅を目論む哲学アクションにシフトしたようでございます。王道SFという太い幹は揺るがないものの、ここまでテイストが変わるシリーズも珍しいのでは。これはこれで面白いとは思いますけども。以下余談。中川パラダイスが出演していたような…気のせいですかね。
[DVD(字幕)] 6点(2019-06-10 20:18:50)
15.  シンクロナイズドモンスター 《ネタバレ》 
設定とオチを思い付いてから、逆算して脚本を書いたような印象を受けます。そう思ってしまうほど、基本となるアイデア(自分と同じ動きをする巨大怪獣が何故か異国の地に現れる)と、結末の“成る程そうきたか“感が抜きん出ているのです。言い方を変えるなら、本筋となるドラマがいまいちピンと来ないというか。アル中負け組の主人公が世界を救う爽快ストーリー。確かに間違いではありませんが、そもそもの原因は彼女にあるワケで。どちらかと言えば尻拭いなんです。そして元カレと幼馴染との三角関係が何とも微妙で。ラブコメのヤキモキが薄いんです。というのも、観客の感情移入先である“イイ人そうな“幼馴染が、結局クソ野郎だったワケです。更に言うならジョーカーとおぼしき常連イケメンの存在に意味が有ったのかも疑問。彼、肝心な場面で空気でした。何だよ結局セフレかと。すげえ羨ましいぞと。つまり、ラブコメな雰囲気アリアリなのに、全然そのカテゴリーでは楽しめなかったのです。一方、SFのギミックとして、理屈は通っているとは言い難いものの、説明責任は果たしており問題なしと考えます(2018.7.20投稿の『◯ディウス』とは似て非なるものです)。アイデアは純粋に素晴らしいと思いました。事情を知らないならまだしも、ロボと同化していると知りながら破壊行為を行ったクソ野郎には正直ドン引きで、もう少し気軽に笑えるコメディだったら良かったと思います。
[DVD(吹替)] 6点(2018-11-05 18:53:41)(良:1票)
16.  (r)adius ラディウス
吉祥寺駅徒歩3分、2LDK、バストイレ別、新築、エアコン付き。家賃5千円!流石にワケありだろうと、いや、一体何人死んでいるのか確かめてやろうと不動産屋を訪ねたら、まあ、それはいいじゃないですか。それよりコチラの物件がオススメなんですよと、国分寺駅徒歩14分、1DK、ユニットバス、築15年、ロフト付き、家賃8万4千円共益費5千円の物件を契約させられたでござる。みたいな映画。
[DVD(吹替)] 4点(2018-07-20 20:40:28)(笑:1票) (良:1票)
17.  ターボキッド 《ネタバレ》 
チャリ版『マッドマックス2』あるいは『北斗の拳(実写版のほう)』。それ以外の適切な表現が思いつきません。使い古された世界観、超テキトー設定、やり過ぎゴア描写。全くもってB級映画のテンプレート満載です。ザ・安普請。ただ、見捨てておけない魅力があるのも事実。おそらくそれは、主役2人のキャラクターに起因するのでしょう。ひたすら真面目な主人公、明らかに可愛いアップルちゃん。主役2人のラブストーリーが微笑ましく、血飛沫ハラワタ飛び散る“汚らしい”世紀末バトルとのギャップに眩暈を覚えました。荒地の2人鬼ごっこ。いい雰囲気で見つめ合ってゲロ。妖精バットでタコ殴り、人体串刺しユニコーン。何んだこりゃ。でもいいぞ!クライマックス、血の雨が降り注ぐ中、パラソルの下で交わしたファーストキスは、極めて映画的な美しさに溢れていました。人とロボット。血は通わずとも、通うものがある奇跡。ああ、良い映画を観たなと錯覚するのです。鉄拳カウボーイや丸ノコガイコツ男、悪の親玉隻眼ゼウス。サブキャラクターも良い味出しまくり。美術は並かそれ以下、脚本は穴だらけながら、演出と役者の技量で一本勝ちなんです。愛すべきB級映画をまた一つ見つけました。
[DVD(字幕)] 8点(2018-04-05 00:27:55)
18.  メッセージ 《ネタバレ》 
巨大宇宙船、タコ型地球外生命体、そして“未来の記憶”。トラディショナルなTHE・SF映画の体裁です。ストーリーは“異星人との意思疎通”にほぼ終始するという極めて地味な展開ながらも、情感たっぷりのヒューマンドラマを孕み、見応は十分でした。最終的には親子愛という普遍的なテーマに落とし込むあたりも、王道中の王道のSF作品。個人的な好みで言えば『コンタクト』や『インターステラ―』と甲乙付けがたい傑作SFとの認識です。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2018-03-20 19:59:44)
19.  IT イット “それ”が見えたら、終わり。 《ネタバレ》 
ホラーの看板を掛けながらにして、その実売るのは青春ドラマ。恐頭青肉。普通なら誉められた商売手法ではありませんが、 極上のジュブナイル映画を見せられては文句など出るはずもありません。それにしても、邦題の悪質なこと(笑)。映画ほど予習不要な娯楽は無いですね。個人的には嬉しいサプライズでありましたが。まず素晴らしかったのが人物造形。典型的なキャラクターの例示は、あなたもこの中のひとりですよの意。みんな愛すべき“私たち”です。ミステリーとしての手際もなかなかのもの。次々と提示される“ピエロが見える理由”。複数の仮説を観客から検証してもらう仕立てです。廃墟でメガネくんの失踪チラシが出てきたときには震えました。このような絶妙なタイミングでのフェイントやフェイクが、謎解き要素を終盤まで持続させてた所以。見事な手際でした。さて、メインとも言うべきピエロはどうでしょうか。ジェイソンやレザーマスクのように表情を見せない&喋らない派が主流の殺人鬼業界にあって、彼のようなスタイルは異色です(ゆるキャラ界のふなっしー的存在でしょうか)。はっきり言って、怖くないのです。特に大人視点だと子供騙しにしかみえません。そこに意味がありました。ピエロは、子どもが大人になるために乗り越えなければならない壁。それを恐怖の対象に据えたと。このアイデアが秀逸でした。早く大人になりたいと背伸びしつつも、行動はガキそのもの。ホント思春期の子供は、自身がピエロに相違ありません。大人の階段を昇る子供が戦う相手は、勿論自分自身でしょう。それに大人になるのは、確かに怖いことですから。守られる立場から、守る立場へ。自分自身を守ることが最初の一歩。そういう意味では、子どもなのに全然守られていない(あるいは過度に守られて腐る寸前な)“毒親持ち”が複数人いたのはショックでした。恐怖に立ち向かう勇気の源を、そもそも持たせてもらってないなんて酷い話です。それでも負け犬連合には、幸運にも仲間がいました。一人で駄目なら、皆で戦えばいい。私自身そういうことが出来るタイプではなかったので、彼らが羨ましく思えました(ピエロに立ち向かう姿は、まるでノロイと戦うガンバとその仲間たち)。ベバリーが言うように、戦った記憶さえ無くしてしまうのが大人になった証拠なのでしょう。それは多分当たり前のことであり、だけど少し寂しいこと。だからこそ大人は、自身の記憶の欠片を呼び起こして胸を熱くするのだと思います。劇場には多くの若者の姿がありましたが、この映画のメインターゲットは彼らではありません。そう、この映画を観て、大いに笑って、感傷に浸って、大人になった自分自身を誉めてあげて欲しいのは、かつて子供だった皆さんです。
[映画館(字幕)] 9点(2017-11-15 00:27:03)
20.  キングコング: 髑髏島の巨神 《ネタバレ》 
大味なバカ映画なんだろうなと高をくくっていたところ、意外にもシニカルかつポリティカルなメッセージが込められていたことに驚きました。“本当は戦う必要のない相手がどうして敵なのか”。頭空っぽにしてコングの大暴れが観られればいいと思っていたので、少々面食らった次第です。とはいえ基本は、巨大化け物バトル・ロワイアル。コングだけでなく、”ひたすらでかい”水牛、蜘蛛、怪鳥、そしてトカゲも頂戴できて大満足でした。劇場大スクリーンで迫力を楽しまなきゃ損の娯楽作品で間違いありません。PJ版キングコングから早12年ですか。CGのクオリティに関しては、もう文句のつけようのない極上の仕上がりで、本音を言えばストーリーなどどっちでもいいのですけれども。エンドクレジット後のオマケは、和製怪獣映画に対するオマージュという捉え方でよろしいんですよね。はい、大変面白かったです。
[映画館(字幕)] 8点(2017-05-10 21:42:52)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS