501. シューテム・アップ
《ネタバレ》 銃の名手という設定からの百発百中。そこは百歩譲って良しとしましょう。ですが『大勢から一斉に撃たれて一発も弾が当たらない』という説明にはなっていません。娯楽作品への愛が半端ない私。そんな自分がいくらなんでもあんまりだと思っちゃう。今まで見た映画の中でもこれがダントツでひどいかもね。 アクション?サスペンス?いやいや、これはもはやコメディです。 車を正面衝突させて相手の車に飛び移る。スカイダイビングしながらのガンアクション。やりたい放題の究極のカタチ。 弾は全く当たらないけれど、居場所はどこにいてもすぐにばれるというご都合主義。 何でも開き直れば凄いもんができる良い見本です。 で、設定のいい加減さに対し、ストーリーは無駄に凝りすぎ。ちょっと黒幕が多すぎる印象。そんでそれが特にサプライズになっているわけでもないんですよね。『へー。銃会社の社長さんが黒幕なんだー』『へー。大物政治家のドナーが狙われていたんだー。』ぐらいです。ストーリー的面白さは皆無と言って良いでしょう。 ただいろんな銃の扱い方、一風変わったガンアクションが見られるので、普通のガンアクションに飽きちゃっている人は楽しめるかもしれません。 結構マニア向けかもしれない作品。悪くはないですが、映画そのものを楽しみたい人にはオススメできかねます。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-09-01 13:10:46)(良:1票) |
502. 96時間 リベンジ
《ネタバレ》 1作目に比べると、有無を言わさぬ無双感はやや減ったかな。前半が防戦一方、逃げの一手で、そこが前作とは違うところ。ただ、その分緊迫感は前作より上。 目隠しをされて拉致。移動中に覚えておいた『時間』『鳥』『船』『演奏』などの『音』をヒントにアジトを特定。こんな離れ業をやってのけるブライアンはやっぱスーパーマン。 今作はカーアクションだけでなく、アクション全般にわたってカット割が早い。スピード感があるが、画が見づらく状況がやや把握しづらいのが難点。 ストーリーは『拉致』『脱出』『救出』『殲滅』。娘がサポート役にまわり、銃を届けたり車の運転をするのは前作と違うテイストで面白かったです。ただ、その分ブライアンの敵に対する非情なくらいドライな部分がうまく描ききれていない印象。最後だって見逃してあげようとするし。ブライアンの無敵っぷりを堪能しようと思ったら、ちょっとだけ物足りなさが残る出来かもしれないですね。 とは言え、目を見張るシーンが多く、エンターテイメント性に優れた作品であることは確か。『アメリカ大使館に車でつっこんで避難』⇒『電話で元CIAの友人に身の安全をお願いする』シーンなんか、かなり好き。良質なアクション映画に仕上がっています。 ラストは前作より良いかもです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-01-02 00:34:22)(良:1票) |
503. スタンドアップ
《ネタバレ》 『がっつり法廷もの』を想像していたのですが、予定とは少し違う内容でした。 一人の女性が労働者としての正当な権利を獲得するまでの『プロセス』を、職場、友人、家族を通して描いたものですね。 見応えのある作品です。その一方で、精神的にやや疲れる作品でもあります。なにせ、全体の8割は、主人公のジョージ・エイムズと共に四面楚歌状態を体験しなければならないのです。見るときには気力が必要。くたくたになります。 もちろん、その抑圧された空気は、後半のカタルシスへと一気に昇華されるので、後味は悪くありません。 やや卑猥な発言や、ちょっとした落書きなどは、個人的にはイタズラ程度で済まされそうなもの。後半はエスカレートしてきますが、それもジョージーの過剰な反応が招いたものという気がしないでもありません。ですが、それでも後半のジョージーに対する仕打ちは相当なもので、絶対に許されるものではありません。 ややヒステリックで、『自分だけがかわいそう』なジョージーが感情を抑制できずに、周囲を傷つけるため、前半はジョージーにも共感できません。父親も同様です。 だけどストーリーが進むにつれ、過去の真実、父親の本心が明らかになり、いつの間にかジョージーたちに同調している自分がいます。 ボビー・シャープの心変わりが唐突だったり、ジョージーの家庭を壊す要因となった高校教師はそのまま放置されたりと、もやもやしたり気になったりする部分は結構あります。 そういった点をふまえたうえで、ラスト、法廷で皆が立ち上がるシーンは心にぐっとくるし、いつの間にか泣いていたので、やはり良い映画なんだと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2017-05-12 08:52:33)(良:1票) |
504. ヴィンセントが教えてくれたこと
《ネタバレ》 こーゆー映画嫌いです。 これって、普段真面目に生きている人が良いことをしてもスポットが当たらない。 ですが不良が良いことをすると、途端に美談に見えるのに似ていませんか? ヴィンセントって聖人ですか?私にはただのクズにしか見えませんが。 子供が困っていれば誰だって手を差し伸べます。 愛する奥さんの洗濯だったら私だってやります。 お国のために戦場に行ったことは、そりゃあ立派なことだと思います。ですがみんな大なり小なり社会のために働いているわけです。彼だけが特別立派なわけではありません。 そして、そういった善行が、金を踏み倒して良い理由になるんでしょうか。 子供を競馬場に連れて行くところまではまだ許しましょう。 ですがそこで大穴を当てたのであれば、借金を返済するのが筋です。外れたフリを子供にまでさせて借金を踏み倒すところを子供に見せつけるのはクズです。 子供のために口座を作ってあげたのには感心しました。ところがその口座から勝手に金を引き出して競馬でスる始末。 『それは奥さんのため?』いやいや、だったら最初からギャンブルなんてするんじゃねえよ。 何か月分も入居費が溜まっているから出て行ってくれと言われるのは自分の責任。むしろ今まで待っていてくれたことに感謝すべき。 酒とギャンブルに溺れるから金がないんでしょーが。どんな良いことをしようがクズはクズです。 どこかで良いことをしているからって、他者に迷惑をかけることを肯定するようなエセ美談はうんざりです。 こんな人間を賞賛するかのように盛り上げる過剰なクライマックスの演出には虫唾が走ります。 むしろ聖人は、オリバーであり、マギーであり、ダカであり、介護職員であると思います。 [DVD(字幕)] 3点(2020-07-31 11:36:49)(良:1票) |
505. スクリーム2
《ネタバレ》 このシリーズは良いですね!予測の範囲をちょっとだけ超えてくる辺りに、ホラー映画としてのセンスの良さを感じます。 今作について言えば、「まさかこんなとこで?」という場所で事件が起こるのが良い。 その一発目はもちろん映画館。あの衆人監視の最中でまさかの殺戮。確かに、人々の視線は映画にいっているわけだし、映画の悲鳴で犠牲者の悲鳴はかき消される。更には周りにもコスチュームを着てスクリームごっこをしている人がたくさんいるから、違和感は感じづらい。よく考えられているな~。 そして真昼間の大学キャンバス内で、一瞬のスキをついて車中に引きずり込むってのもかなり意外でした。てっきりあそこは電話で脅かして終わりだとばかり思っていたので、完全に油断しちゃいました。 で、何と言っても警官に完全にガードされているところをあえて襲うという無茶っぷり。 この作品って、何気にクオリティ高いと思います。ホラー映画のセオリー踏んでいるようで、そこをさりげなく一歩踏み出しちゃっている大胆さがあると思います。結構実験的なホラーを見事に演出してくれていると思います。 まあ、ラストのサイコっぷりは前作のほうがいっちゃっていた点と、ランディを殺してくれちゃった点だけは、少しマイナスです。 ですが、ホラー映画としては、質・量の両面でレベルは高いと思われます。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-04-21 00:20:11)(良:1票) |
506. マスター・アンド・コマンダー
《ネタバレ》 まず、長い。必要な尺ならまだしも、『アケロン号を追っかけるだけ』の2時間強、これを冗長と言うのでしょう。 そしてこれだけ時間をかけているのに、人物が全然頭に入ってきません。描き方が中途半端で、個性が足りません。 だから、『海に落ちた後見捨てられる人』『自殺する人』『最後の戦いで命を落とす人』と、描かれている戦の悲劇が、観ている側にほとんど伝わりません。それこそが最大の悲劇と言えましょう。何か起こっても、『そもそもあんた誰だっけ』状態です。 で、その分ストーリーで盛り上げてほしいところなのですが、これがまたつまらない。本当に面白くない。 私はラッセル・クロウが好きで、更にはポール・ベタニー演じる船医が凄く良かったので、何とか最後まで見ることができたという感じです。 それに、冒頭とラストの戦闘シーンは緊迫感があって良かったです。 ただ、正直映画として見る価値はほとんど無いようにも思われます。どちらかと言えば、製作サイドの自己陶酔型映画と言えそうです。 ラストのオチも好きじゃない。 こーゆー作風だからこそ、爽快な勝利を信じて最後まで見ていたこちらの気持ちはどーなんの、っていうオチでした。 [DVD(字幕)] 5点(2017-07-27 13:16:08)(良:1票) |
507. マイアミ・バイス
《ネタバレ》 酒飲む。おどる。ボート乗る。身の上話する。いちゃいちゃする。本筋と関係ないやりとりがだらだらだらだら。あくびが出ます。 本編のストーリーは新しさがなくありきたり。でもそれでもいいんです。王道、正統派の『良さ』があれば、ありふれたプロット大歓迎です。ところがその『良さ』もない。 要所要所で目をひくシーンは確かにあります。イエロ達との交渉シーン。仲間の救出シーン。その緊迫感がなかなか良い。FBIの中でも、優秀なプロフェッショナル集団。それを窺わせる突入シーンは凄く良い。 でもそれくらいかな。野球に例えるなら、良いプレー、良いバッティングはあったけれど、単発ばかりで結局点に結びつかない感じなんです。 FBI、麻薬取締局、その他各機関にそれぞれ異なる曜日で情報を提供。内通者をあぶり出す、シンプルかつ合理的な機転の利かせ方が最高。結果FBIに内通者がいることが判明。これは面白くなってきたぞと思ったのに、そこはなぜか掘り下げません。なぜ?どうでも良いエピソードにはたっぷり時間を使ったくせに。 結局誰がどうやって何の目的で情報を流していたのかすべて不明。イエロは死んだけどモントーヤは放置。これだけの長尺を頑張って見た結果、なんだか全然すっきりしない終わり方。いまいちです。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2019-04-27 04:31:01)(良:1票) |
508. グリーン・カード
《ネタバレ》 最初の「偽装結婚」という設定で既に筋書きの予想はついてしまいます。ですので、「次に何が起こるのだろう」という楽しみ方ではなく、登場人物たちと一緒に、おそらくそうなるであろう筋書きの決まったストーリーを一喜一憂しながら楽しみました。 もちろんこの映画の良いところは、予想を裏切ることがないことです。嘘から始まった二人の関係が次第に本物になっていく。特に終盤のブロンティの変化は、かなり可愛らしく好感がもてます。個人的には、試験が終わってからブロンティはこれで終わりといったそぶりで別れていくのですが、それから何となくジョージのことを考えているのが表情から伝わってくる静かなシーンが好きです。そして、チャイムが鳴ったらジョージだと思って満面の笑顔で玄関に出て行くシーンが最高に良いです。(結局ジョージではなかったのですが) そんなにラブストーリーを面白いと思うことは少ないのですが、これはかなり良かったです。コメディのバランスもとても良いので、最初から最後まで飽きることなく観られますね。 [DVD(字幕)] 9点(2012-05-10 00:02:52)(良:1票) |
509. タイヨウのうた
《ネタバレ》 昔ドラマを見ていました。結構好きなドラマでした。 雨音薫は沢尻エリカよりYUIのほうが良い。でも藤代孝治は、塚本高史より山田孝之のほうが雰囲気があって好きですね。 ドラマでは、二人の交流をじっくり見ることができました。そのイメージがあったので、なんとなく映画は敬遠していたんですよね。時は経ち、ドラマの記憶もすっかり薄くなってしまったので、今回映画版も鑑賞。多少の不安はあったものの、見始めると驚くほど丁寧な人物描写に驚きです。 映画はスローペースで落ち着いた雰囲気。そんな淡々とした空気感の中、『ストリートライブ』や『迫り来る日の出』など、盛り上がるイベントや緊張感漂うシークエンスがあり、メリハリが効いています。映画として大変バランスが良いんじゃないでしょうか。 主人公や大切な人が、病気や事故や自殺で死んじゃう。この頃の邦画はそんなんばっかり。この作品も例外ではありません。ただ、そーゆーテイストではあるものの、悲しさ一辺倒ではないのがこの作品の良いところ。コメディタッチで、さわやかな雰囲気。孝治のキャラクター。YUIのキャラクター。そういったものが、さわやかな雰囲気や、生きる希望、そういった前向きなオーラを全面に押し出しています。 人の優しさや強さを感じられる映画は良い映画。 個人的には、序盤がちょっともったいつけすぎ、尺をとりすぎなのが気にかかるか。『藤代との恋愛』『ストリートライブ』『病気』『家族と友人』『CD製作』この辺りが作品のテーマとなるのでしょうが、本題に入るまでがもったいつけすぎかも。序盤でいきなり中だるみします。 それにしてもYUIの透明感あふれると同時に、芯の強さも感じられるキャラクターは貴重ですね。 薫の曲がラジオから流れてきたことがわかるクライマックス。ここをあえてサイレントにしちゃう演出のセンス、最高の余韻を感じさせてくれます。 不要だったのは棺おけに入った薫を映してしまったこと。そこはナレーションだけにしたほうが良かったと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2018-06-10 11:55:26)(良:1票) |
510. ミクロキッズ
《ネタバレ》 ディズニー映画にはずれなし、ですね。 本当に良い映画が多いです。 ディズニーのコメディは、鼻に付くようなわざとらしい笑いではなく、普段の生活のなかで普通にありそうなことを笑いにする「あるあるネタ」が多いから好きです。 電話がかかってきて、「パパ、ママだよ。」と言った時、パパが「どこ?」って探す天然とか、姉の作った焦げた朝ごはんを見て、「僕炭素は食べないことにしている。」と言って、姉が怒って犬にあげたら犬も食べないとか、べたなんだけど面白い。 犬の自動えさ出し機は最高にGOOD。 仕事命の母、研究命の父、とにかく釣りに行きたい趣味命の隣人のパパ。 ですが子供がいなくなったことに気づくと、それぞれの大切なものより、子供の安全を一心に考える姿が素敵でした。 普段あって当たり前のものが、ふっと目の前から消える。そのとき、自分たちにとって本当に大切なものが何なのかに気づく。 当たり前のことなんですが、大切なことに気づかせてくれました。 [DVD(字幕)] 8点(2012-04-28 15:06:37)(良:1票) |
511. チャイルド・プレイ/チャッキーの種
《ネタバレ》 個人的にはホラー・コメディの成功例と思っているチャイルド・プレイシリーズ。 今作も例にもれず、安定感のあるエンターテイメントとして仕上がっています。 二人の子供という新しい要素、家族ドラマを取り入れながらも、ファンが見たいチャッキーを見せてくれます。 ストーリーが粗くても、私はこの作品の芸の細かさが好きです。 例えば、呪文で目覚めた後は、人形なのに体の中が人間と同じになっていたり。こーゆーの好きです。 『人間に戻る』という目的がずーと変わっていないのも好き。 今作は犠牲者が多いため、一人あたりにかける時間はとても短いです。 そのためテンポは良いが、ホラーの緊張感はパワーダウン。 むしろ、今回の殺人はおまけみたいなものでしょう。 今回はチャッキーファミリーの教育方針をめぐる家族ドラマであり、親子ドラマ。このシュールさ、嫌いじゃないです。 ついにチャッキーが、『うるせー』ってぶちぎれちゃって、『やめだやめだ、人形のほうが気楽で良いぜ。』って言っちゃうシーン、大好きです。あんた、それを言っちゃあおしまいですよ。 それにしてもジェニファー・ティリーはぶさいくだなぁ・・・。 ジェニファーの女マネージャーと運転手、二人とも凄く良い人だったので、殺されちゃったのが少し残念かもです。 [DVD(字幕)] 6点(2017-04-13 14:50:11)(笑:1票) |
512. スパイダー パニック!
《ネタバレ》 『パニックもの』としても『サバイバルもの』としても大変良いですね。 『田舎町』で起きるモンスターパニックというのが、昭和のB級ホラーを彷彿とさせてよいです。 古き良き時代のホラームービーを、最新のCGを使ってハイクオリティなものへと仕上げてくれているのが、嬉しいじゃないですか。 産業廃棄物に汚染されたクモ達が、巨大化し街を襲うという、ストーリーはいたってシンプル。そしてごくごくありふれたもの。ですがそれが良いんです。 『そーゆーのが、久しぶりに見たいんだよね。』って方にはうってつけの映画です。 『ショッピングモールへ逃げ込む』という舞台設定。店にあるもので装備を整え徹底抗戦。ゾンビ世代には嬉しいノリ。 こーゆーのが、結果がわかっていてもわくわくするのです。 また、ジェイソンのコスプレしている人がいたり、所々で歴代のホラー映画への愛を感じさせてくれる作品。 『新しさ』や『深さ』を求める人にはまるで向かない作品ですが、昔のホラー映画を何度も見ちゃうような人であれば、まちがいなくはまる作品です。 まあホラーと言いながら、全然怖くはないので、少々かったるい感じはしますけどね。 [DVD(字幕)] 7点(2017-03-31 12:04:59)(良:1票) |
513. ワン チャンス
《ネタバレ》 事故に病気にイジメと、かなり紆余曲折なサクセスストーリー。更には前半の別の女の子とのエピソード。ちょっとくどい結婚のくだりなど、寄り道多め。うーん、実話を元にしているから仕方がないのかぁ。 いじめっ子にはだいぶイライラしました。終盤で父親がいじめっ子を高く評価しているのもむかつきました。これって感情移入しちゃってるってことですね。でも主人公のポールにも、そのふがいなさにさすがにイライラすることがありました。中盤くらいまでは応援していたはずなのに。夢に一途。女性に一途。良い人間だーと思ってました。 やっぱあれだね。奥さんが仕事で帰ってきたシーンで、家事もせずソファでごろごろ。ここで間違いなく1回は幻滅しています。しかも1年以上そんな生活っていうじゃありませんか。税金滞納、借金生活。奥さんかわいそう。結婚していないなら挫折してもいいけどね。結婚していたらだめでしょう。 これは、もう、ちょっとないなあ・・・・と思っていたところにゴッド・タレント。ゴッド・タレントはずるいわ。あれ、みんなが立ち上がって拍手するとき絶対感動するもん。あれは反則ですわ。 いじめっ子も、ポールの父から鉄拳制裁。すっきりします。 ゆるやかに蓄積された不快指数がまとめて払拭されるラスト、そして最後はセレブの仲間入り。若いときに頑張った貯金が、ちょっと時間はかかったけれど、こうやって報われる日がくるのだと思うと、うん、未来に希望が持てますね。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-05-14 06:26:17)(良:1票) |
514. ミッドナイトクロス
《ネタバレ》 「僕は人生はりきっていません!」 という雰囲気まるだしのジャック(トラヴォルタ)。 「風の効果音」と言われれば、まるで流れ作業のように風の音を録音しに行きます。 そこに突然の事故。 あわてて助けに行くジャック。 そして出会う二人。 少しずつ人間が変わっていくジャック。 そう、ジャックはサリー(ナンシー・アレン)と出会ってから、なんかだんだん熱い人にチェンジしていきます。 まるで、人生の目的を見つけたかのように。 実際、サリーに「事件の決着がついたら一緒に旅しよう。」と、冒頭の彼からは想像もできない提案がされます。 事件が進むに連れて、口調もキャラもどんどんヒートアップ。 そしてクライマックス・・・! まるで花火のように、一際熱く光り輝いていたジャックの人生に、再び闇が訪れます。 そうか、あの花火は、ジャックに訪れたこの短いストーリーそのものの象徴だったのか・・・・とさえ感じてしまいます。 だとしたら、再びジャックがもとの彼にもどってしまったのも、納得がいくわけです。 彼にとってサリーの叫び声はもはやただの効果音にすぎず、あの扱い。 ただのサスペンスとは一味ちがう感じです。 [DVD(字幕)] 7点(2012-10-15 23:52:22)(良:1票) |
515. センター・オブ・ジ・アース(ブレンダン・フレイザー主演)
《ネタバレ》 まさにジェットコースタームービー。いや、アトラクションムービーか。 ストーリーは単純明快。地球の中へレッツゴー。地底探検?そして脱出。ただそんだけ。 ショーンの父であり、トレバーの兄であるマックスの存在。それが多少のドラマ性をもたせているものの、やはり添え物程度の扱い。メインストーリーは地底に行ってからで、そっから先はひたすら『間欠泉に乗って地上へ』を合言葉にひたすら突き進むのみ。地底の温度がほっとくと活火山の影響で90℃を超えてしまうので、蒸し焼きになる前に脱出するというタイムリミットつき。ですがこの時間制限も添え物程度の設定で、効果的とは言えません。 やはりこの作品の見所は『ありえない地下世界』。これにつきます。『地底の海』『巨大磁石の浮かぶ岩』『凶暴な魚』『巨大水棲生物』『巨大食虫植物』『恐竜』これを子供の頃に戻って純粋な気持ちで楽しむ。これはそーゆー映画です。そして私はこーゆー演出、映像が大好き。なのでトロッコに乗ってからエンディングまで、もうこの世界感にどっぷりと浸るのでした。 この年代の作品にしては映像がチープで作り物感満載なのも逆に味があります。 無駄なエピソードを一切省き、子供が飽きないように作られているテンポの良さが実に良い。 ただ、最初の感想に戻りますが、これは『映画』というよりは『アトラクション』でしょう。 [DVD(字幕)] 7点(2020-01-27 12:20:23)(良:1票) |
516. 8月のメモワール
《ネタバレ》 今までどんな的外れの邦題を見てもほとんど気にしたことが無かったのですが、さすがに今回はダメでしょう。「8月のメモワール」は美しいタイトルですが、本作のテーマではありません。しかも劇中、結構良いタイミングで「メモワール」の単語が出てくるもんだから、見ている人達をミスリードしちゃう危険性まであります。 本作は原題の「The War」が全てです。父親(ケヴィン・コスナー)が戦争による貴重な体験を息子ステュー(イライジャ・ウッド)に伝えるんです。ステューは最初反発しますが、父親との会話を通しながら、少しずつ父親が自分に伝えたいことを理解し始めます。ツリーハウスの下で、涙ながらに語るダッジのエピソードにより、父の言葉と心をステューは完全に理解するのです。 ところが、更なる悲劇が父とステューとその家族に起こります。そして哀しみに暮れるステュー姉弟から、いじめっこグループがツリーハウスを奪い取ります。ステューは父の言葉を忘れ、戦いをしかけます。そして戦いの中、ステューも姉も、次第に自分を見失っていくのです。ところが、偶然高いところから皆の諍いを見下ろしたとき、再びステューは父の言葉を思い出します。そして実感するのです。戦争を。戦争の中に身を置いた人間を。 これは完璧なまでの反戦映画です。ものすごくわかりやすく、それでいて心の深い部分にまで訴えかけてきますから、メッセージ性はかなり強いと思われます。 ただの少年少女をとりまくひと夏の思い出映画として勘違いしながら見てしまうと、きっと痛々しい現状ばかりが目についてしまうのではないでしょうか。原題のイメージで鑑賞するからこそ、この映画は意義深いものとなり、見る人に感動を与えるのだと思います。一本の映画で何回も泣いてしまったのは、年のせいだけだとは思いたくないです。 素晴らしい隠れた名作であり傑作です。こういった作品は、どうしても採点を迷います。やはり私にはちょっと厳しすぎる現実が辛すぎました。苦手な要素も内包した作品でしたので、個人的嗜好も含めての採点になっております。 [DVD(字幕)] 8点(2014-04-02 08:06:18)(良:1票) |
517. ファイナル・デッドコースター
このシリーズだけはいつまでたっても飽きないですねー。 数々の伏線。伏線がつながった瞬間に起きる惨劇。はしる戦慄。心無い人から『殺人ピタゴラスイッチ』なんてゆわれちゃいますが、正にその通りなので、何も言えません。 ゾンビも殺人鬼もモンスターも出ないのに、これだけハラハラできるシリーズが他にあるでしょうか。 死に方も偶発的なものに人為的なミスを絶妙な匙加減でからめ、大変自然に、でも大惨事に仕上げているこの手腕が素晴らしい。 必死に写真からヒントを探し、それを次の犠牲者になんとか伝えようとする、わかりやすくも引き込まれてしまうストーリー。 このシリーズでしか感じることのできないドキドキが、確かにあります! [DVD(字幕)] 8点(2016-01-18 02:08:24)(良:1票) |
518. おおかみこどもの雨と雪
《ネタバレ》 かなり好きなタイプのアニメです。 この作品に対する批判的な意見。それは裏を返せば、批判的な意見を持たざるを得ないほどに、見た人がこの作品にリアルを感じてしまっている証明にもなるでしょう。アニメなのにだ。狼男という架空の生き物が出てくるファンタジーなのにだ。これは凄いことではないでしょうか。 まず第1部の母と父が結ばれるまでの導入部がよくできています。普通にラブストーリーとして心温まる物語だし、二人を応援したくなります。それにプラスして、狼男だと明かす最初の名シーン。この序盤が一番好きかもしれないです。 第2部ではお母さん奮闘記が描かれます。ここは何をやってもうまくいかないシーンが多くて辛い。シングルマザーの子育ての苦悩を追体験するだけでなく、子供たちの秘密まで守らなくてはならない。普通だったら心が折れます。ですがこれはアニメでありフィクション。心は折れない。頑張り続ける。私には狼男の存在以上にこの母親の存在がファンタジーでした。 そして第3部。子供たちの成長。 主人公は花から次第に雨と雪にシフトされていきます。 すばらしかったのは、雨と雪がそれぞれ違う人生を選択したこと。雪は人間として生きることを選び、雨はオオカミとして生きることを選ぶ。子供のときは雪のほうが野性味あふれていたのに…。このあたりのポジションチェンジがさりげなくてうまいです。 大きな目的に向かって突き進むような映画ではありませんが、何とも言えない余韻を残してくれる名作。 そして声優さんたちが実に良い! [ブルーレイ(邦画)] 8点(2022-09-26 04:37:10)(良:1票) |
519. 殺人の告白
これはよくできたサスペンスですねー。アクションが邪魔になるくらい、サスペンスフルな脚本がよく出来ています。 結末まで見てしまうと、また最初から見直してみたくなります。時間がないのでしないけど。 例えば警察署でドゥソクがヒョングに耳打ちしたシーン。同僚が『ドゥソクはお前になんて?』と尋ねると『ジャージャー麺をぶつけろだとさ』と答えるヒョング。このときはヒョングが皮肉まじりのジョークをとばしていたのかと思ったのですが、本当にそう言っていたんでしょーねー。 それにしても恋人の末路が悲惨すぎて、素直にハッピーエンドと言えないのが辛いところ。恋人の母親がヒョングに厳しく接してしまったせいで、ヒョングはクリスマスのときに家に送らなかった。その結果、恋人がJに拉致監禁されたと考えると、やりきれないです。 それにしてもカーチェイスと最後の追いかけっこは要らなかったんじゃないかなぁ。特にカーチェイスは作風に合っていない気がするのですが。 最後の追いかけっこも蛇足感あり。せめてTⅤ局内で決着をつけるほうがドラマが際立ったように思えるんだけど。 まあ、そーゆー余計なところはありますが、警察、ドゥソク、J、遺族、四つ巴の争いがとにかくスリリング。その背景にある被害者の悲しいドラマも断片的ではありますがしっかり描かれ・・・。2度目の討論会での真相を明かすシーンではカタルシスさえ感じる…。久しぶりに見ごたえのあるドラマを見ました。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-04-20 00:57:18)(良:1票) |
520. キス&キル
《ネタバレ》 この一昔前のよくあるB級アクション大好き。 『実はスパイだったんです。』『凄腕の殺し屋だったんです。』とゆー何万回も作られてきたであろう設定が、いつまでも変わらず好き。そして何よりアシュトン・カッチャーがかっこいい。イケメンなのに、どこかずれている部分があって、そこがまた良い。 隣人や同僚や友人が突然襲ってくるっていうシチュエーションはあんまりないかもしれない。 みんな父親に雇われた潜伏スパイ。女友達いわく『この日のためにあんたの自慢話を3年間も我慢して聞いてたのよ』ってことは、3年前からみんな父親の雇われヒットマンだったってことかい?同時期にそれだけの人が移住してきたらさすがに変な気はしますが、細かいことは抜き。このノリと雰囲気を楽しみましょうという作品。 私はこの監督の作品とはことごとく相性が良いみたいです。ちょっと古風で野暮ったい作風がどーにも好き。 難を言うならば、アシュトン・カッチャー演じるスペンサーが、登場シーン以外あんまりぱっとしなかったのがもったいなかったかもしれませんね。 凄腕のエージェントならではの見せ場みたいなもんが随所にあって、ジェーンが夫のそんな隠れた一面に少しずつ新たな魅力を見出していくっていう展開ならより一層のめりこめたかも。 ラストはジェーンが主導権を握って、父親とスペンサーをしかりつけるようなオチが凄く好きです。 [DVD(字幕)] 7点(2021-02-27 03:50:29)(良:1票) |