Menu
 > レビュワー
 > 目隠シスト さんのレビュー一覧。9ページ目
目隠シストさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2253
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41424344454647
>> 通常表示
161.  制服サバイガール II 《ネタバレ》 
前作の不満“仲村みうは何故脱がないのか?”が、僅かながらも解消されている点が、本作唯一の長所です。それ以外は全ての要素で前作を下回りました。もうアクションでもサバイバルでも、何でもない。B級バイオレンスがチープ過ぎて、ギャグっぽく見えてしまうのは珍しくありませんが、本作のようにはっきりおふざけモードに逃げているのは意外と少ないかもしれません。それも一つの楽しませ方ゆえ否定はしませんが、どうせやるなら徹底して欲しい。手裏剣一つで人の頭を切り落とす度胸とセンスがあるなら出来るはずです。とりあえず全員の乳首に真っ赤なお花を咲かせてみませんか。話はそれからで。(余談)まさかずきゅーぶりっくさん、どうもです。それにしても、Ⅰでズッコケたはずなのに懲りずにⅡを観て、さらに感想まで書いているレビュワーさまの勤勉さには頭が下がります。今のところ、2作連続レビュー率100%。案外、愛されるタイプのバカ映画なのかもしれないですね。
[DVD(邦画)] 2点(2010-02-18 18:58:15)(良:2票)
162.  50回目のファースト・キス(2004) 《ネタバレ》 
自分はいわゆる“難病もの”というのが苦手です。設定で泣けるのは何となくずるい気がするから。悲しい結末が予想できるからです。そのため、そういう雰囲気を漂わせている作品は敬遠しがちになります。本作についても躊躇はありました。でも思い切って鑑賞することに。衝撃的でした。自分の抱いていた“難病もの”の定義が覆りました。徹底して明るいつくり。終始一貫ラブコメディ。気持ちよく笑えました。その分当事者の苦しみ、周りの人の悩み葛藤は描けていないのかもしれません。しかし、全てをありのまま描くのが、いつも良いとは限りません。病気は理解して欲しい。けど同情して欲しくはない。同じ悩みを抱える人たちも、こんな明るい作品を望んでいる気がします。“毎回ファーストキスなんてステキ”。見方を変えれば、感じ方も変わる。いろんなことに当てはまります。とっても前向き、爽やかにハッピー。いいお話でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-02-18 18:11:40)(良:2票)
163.  ゲット スマート
「基本デキる男だけど、どこかズレている」という主人公のキャラ設定は、ベタなコメディでお馴染みの「とことんお馬鹿でドジばかり」より、数段レベルの高い脚本を要求されます。必然的に笑いのハードルも高くなる。主役スティーブ・カレルは、見た目で笑いを取れる風貌ではありませんし、日本での知名度も高くない。演者のキャリアがモノを言うコメディにおいては大きなハンデです。笑いは文化そのもの。異文化を理解するのはただでさえ困難なのに、瞬発力を必要とする笑いであれば尚更のこと。本作は、日本人にとって見た目以上に敷居が高いコメディだと考えます。かく言う自分も、そんなに笑えませんでした。ただ、代わりと言ってはなんですが、ヒロインのアン・ハサウェイは最高でした。あの美しさと可愛さは尋常じゃない。とくにキラキラドレス+ボブカットにはやられました。二の腕フェチにはたまらないカットも続出。これが本当の「エロカワイイ」です。アメリカンコメディに慣れた方なら結構楽しめるのではないかと。
[DVD(字幕)] 5点(2012-12-22 21:59:27)(良:2票)
164.  バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌 《ネタバレ》 
銃撃戦の手ブレ画面が不快。これは本当に観づらい。デジタルっぽい質感の映像と相まって、頭がクラクラしてきます。見せ場となるアクションの度にテンションが落ちるのだから辛いです。物語の構想もピントがずれている。顕著な例が、「男子○番 ××××死亡 残り○名」というキャプション。『バトルロワイアル』では最後の一人になるまで殺しあえという指令が出ていたから意味があった。ところが本作ではそんな設定ありません。煽るなら、「ターゲット(七原秋也)まで○メートル」のほうが正しい。“子供同士の殺し合い”という意味では、確かにバトルロイヤルの要素はあります。でも現実は紅白戦です。しかも後半はそれさえ無くなる。代わりに提示されるのがVS大人という概念やアメリカ批判。説教臭い。おまけに浅い。1作品として、出来は良くないと思います。さらに続編としての罪がある。『バトルロワイアル』の後日談として最悪です。命の大切さを身にしみたはずの七原が、テロリストに堕ちるとは。革命が必要なのは分かる。ただそのために命が失われても構わないなら、彼は先のゲームで何も学ばなかったことになってしまう。彼が忌み嫌った大人と何も違わない。全ての大人に宣戦布告する?笑わせてくれる。ただ、前田愛のキャスティングに前作を補完する意味(教師キタノが中川典子に執着した理由説明)があったこと、困った息子を持つ母に『三田佳子』という配役が神レベルだったので、その分加点します。
[DVD(邦画)] 1点(2007-12-22 18:21:54)(良:2票)
165.  ルパン三世 カリオストロの城
映画作品としては、宮崎駿監督のベスト作品だと思います。アクションよし、ストーリーよし、キャラよし、音楽よし、脚本よし、演出よしの何拍子も揃った奇跡のような作品です。とくに台詞については暗記している台詞がいくつもあるくらい、名台詞の宝庫です。また、メインの悪役こそ、とことん悪く描かれていますが、そのほかの登場人物は悪役側も含めて、みな憎めない人ばかり出てくるのも、宮崎作品の特色であり、好きなところです。これだけわかりやすく、エンターテイメントに徹した作品を他に知りません。たしかに本来のルパンⅢ世シリーズとは明らかに外れますが、1作品として面白いので許してください。何度観ても見飽きない心躍る傑作です。監督が巨匠になりすぎてしまったので、食わず嫌いの方もいるかもしれませんが、これを観ないのは本当にもったいないです。
[地上波(邦画)] 10点(2006-04-16 01:47:58)(良:2票)
166.  X-MEN2 《ネタバレ》 
X-メンVSマグニートのミュータント対決は、表面上のぶつかり合い。その裏にあるミュータントVS人間の構図が本シリーズの本質です。それが強調される第2作目。敵対するX―メンとマグニートが一時手を組み、危機を乗り越える展開は巧みだと思いました。全ミュータントの命が、悪の親玉の力によって救われる展開はお見事。しかしすぐさま状況は一転。やはり敵は敵だと再認識させられます。シビレる巻き返しでした。ラストの主要キャラクターにの死は、物語を盛り上げる上での常道手段。ただ、あのシチュエーションで死ぬ必要があったでしょうか。無理やりエピソードを突っ込んだ気がしました。(次作での復活はあるのかな?)多彩なミュータントの能力と比べると、主役の能力は実に平凡。しかも本作では同一の能力者が現れる始末。主役の能力にスペシャル感が全く無いのも、めずらしいと思います。でもそれがいいところ。アメコミ原作の映画では一番好きなシリーズかもしれません。
[地上波(吹替)] 8点(2008-01-26 21:11:09)(良:2票)
167.  メアリと魔女の花 《ネタバレ》 
キャッチコピー「魔女、ふたたび」。エンドクレジットの「高畑」「宮崎」「鈴木」氏への謝辞。過去ジブリ作品へのオマージュの数々。そして何より「ジブリ印」のキャラクターとエピソード。本作は、のれん分けした後継者の“本家ジブリ宣言”と見て取れます。つまり、ジブリ作品を観たければ、今後はスタジオポノックへお越しくださいということ。これはまるで故三沢光晴氏が旗揚げした「プロレスリング・ノア」と同じ。当時全日本プロレスのエースだった三沢が、ほとんどの選手とフロントスタッフを引き連れ、新たに立ち上げたのが「ノア」でした。“明るく、楽しく、激しい”全日のプロレスが観られるのは「ノア」の方。ただし全日本プロレスの創始者・故ジャイアント馬場の妻、元子夫人が社長を務めるのは残された「全日本プロレス」の方。さて、どちらが正統な「全日本プロレス」なのでしょう。私自身は、全日に残った川田選手のファンだったため並行してどちらの団体も観続けましたが、旧全日ファンは基本的にノアに流れたと記憶しています(ひいきの選手がいる団体を応援するのは当たり前ですしね)。おっと、無駄話が過ぎました。話を戻しましょう。スタジオジブリとは何ぞや?と問われるなら、それは「宮崎駿」であり「高畑勲」でしょう。宮崎駿のキャラが空を飛び、自然環境保護を叫びながら、ウルトラアクションをこなせば、=ジブリ作品とはなりません。それは『ゲド戦記』で確認済み。『ジブリ作品』か否かのポイントは“監督は誰か”に尽きると考えます。『ドラえもん』だろうが『鷹の爪』だろうが『ポプテピ』だろうが、宮崎駿が監督すれば『ジブリ作品』です(あるいは故高畑勲監督)。勿論これは私個人の判断基準。レシピ通りであれば、それで満足という方もおられるでしょう。私の感覚では、本作のジブリ再現度は80点。一般的には充分合格点です。でも、模倣80点はオリジナル50点に劣ると考えます。本家ジブリ路線はビジネス的には正しいかもしれません。でも作家が目指すべきは、やはりパイオニア。元祖ポノックを望みます。もっとも、本家がいつの間にか元祖を凌ぐことも、ままあることではあります。さて、ポノックの行く末や如何に。
[DVD(邦画)] 5点(2018-08-10 19:56:38)(良:2票)
168.  インシディアス 第2章 《ネタバレ》 
♪過去と未来とあの世とこの世、行ったり来たり~(byタイ○ボカン)な続編。いやはや、今回もしっかりオカルト、それでいてミステリー。なかなかの見応えでありました。前作の足りない部分を補うというよりは(そもそも前作単独でちゃんと成立しています)、味変というか、薬味足しというか、シリーズ作品全体としてぐっと味わいが増す満足度の高い内容でした。このシリーズ構成はお見事だと思います。バスターズコンビを(控えめながらも)コメディリリーフに仕立てた点、さらにサイコロに糸電話と、小物の使い方も実に巧みで感心しました。この2作で完璧だと思うので、あまり余計な続編は観たくないというのが偽らざる本音。でも、ひょっとしてコチラの想像を超えてくれるのではないかという期待もあります。うーん痛し痒し。現時点では『SAW』シリーズを完全に上回る完成度と考えます。
[DVD(吹替)] 8点(2017-05-30 21:15:41)(良:2票)
169.  プラダを着た悪魔 《ネタバレ》 
自分はファッションに興味がありません。ミランダほど強烈な上司の下に付いたこともありません。でも琴線がうずくのです。社会人1年生の頃を思い出します。今から考えると信じられないくらいに青かったと思います。使えない、本当にダメダメな新人でした。でもプライドだけは一人前だったりするです。だから仕事はつまらないし、辛いし、頭にくるのです。最初の頃のアンディと同じ。とくに彼女の場合は、ファッション業界に興味が無かったから尚更でしょう。自分の価値観の範疇の外。角界に例えると分かり易い(かな?)。例えばアメリカ人の新弟子。「OH!フンドシなんてナンセンス。」「チョンマゲカッコ悪いネ。」「股割りナンテ痛いだけヨ。」こんな事を言ったら、多分とっても“カワイがられる”でしょう。でもどちらに非があるかは一目瞭然です。世の中には理不尽な事がいっぱいあります。腑に落ちない事だらけ。でも観方を変えると、受け取り方も変わるのです。もしかしたら、自分が知らないだけで、意味があるのかもしれないのに。よしんば、本当に無駄な仕事だったとしても、一生懸命やれば充実感はあるでしょう。個々のマイナスを避けるよりも、トータルでプラスになればOK。それが生まれ変わった主人公の姿だった気がします。ただ、彼女は気付いてしまいました。大成する素質はあったのに、横綱の生き方に魅力を感じなくなってしまいました。大横綱も理事長になったら、あの体たらく(失礼)。寂しい。虚しい。自分には違う生き方が合っていると気付いてしまいました。どちらが良いか、悪いかの話ではありません。彼女は彼女の選んだ道を歩いていくのです。ちなみに関取になれずに廃業した元力士は、どんな業種でも潰しが効くそうです。“忍耐”“努力”なんて最近では流行らない言葉。でも大切なことは、いつの世も変わりません。頑張った人には、頑張っただけの報いがあると信じたいです。最後はちょっと泣けました。
[DVD(字幕)] 8点(2007-09-13 18:09:57)(良:2票)
170.  ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月 《ネタバレ》 
マークとブリジットの愛の強さが明確なので、2人を襲うピンチがショボく見えてしまうのが難点。それに、ほとんどブリジットのひとり相撲。また“異国での投獄”というシチュエーションはかなり強引に感じました。観客と等身大のヒロイン像が魅力の作品。身近なエピソードの方が笑い易くていいかも。ところで、ブリジットの体重増について。前作は“ぽっちゃり”レベルでしたが、本作ではしっかりおデブの領域。「ありのままの君が好き」という言葉を鵜呑みにした結果です。ここで問題。マークは彼女の巨大化をどう考えているのか?①ルックスは全く気にならないね。彼女の内面に惚れたんだ。②むしろ大歓迎。デブ専ですから。③ストライクゾーンから少し外れたけど、まあOKでしょう。①か②ならノープロブレムです。本当にイイ人を見つけたと思う。もし③のケースだったら要注意。普通の男が口にする「ありのままの君が好き」とか「飾らない君でいて」系の口触りの良い台詞は、寝言かウソか勘違い。本気にすると痛い目に合う可能性大です。そこは見極めないといけない。親子の愛と男女の愛は別物。無償の愛は尊いけれど、努力を伴う愛には価値がある。彼女がその事を理解していると感じられたら、ハッピーエンドに素直に喜べたと思います。
[DVD(字幕)] 5点(2007-12-28 18:57:24)(良:2票)
171.  遊星からの物体X 《ネタバレ》 
今となっては『既視感』を覚える描写が多いものの、裏を返せば後発作品に与えた影響が甚大ということ。映画はもとより漫画など、数々の名作傑作を生む礎となった作品に低い評価など付けられるはずもありません。ちなみに1951年製作のオリジナルは鑑賞済みですが記憶は薄く、当時の感想を見返してみても正直あまりピンと来ません。その点、本作のインパクトは抜群で強く記憶に残るものであり、リメイクが成功した稀有な事例であるのは間違いなさそうです。というより、基本設定のみ頂戴したオリジナルと見立ててよいのかも。さて結末について。主人公はやけくそになって基地を爆破し『生き物』と心中を図ったように見えますが、極寒の地でも冬眠で生き残れるヤツらに対し有効な作戦とは思えません(その点、主人公は百も承知)。彼もまた『生き物』に同化されていた可能性も捨てきれない気がします。このあたり、真相を結論づける決定的な証拠は無いと思われ、それゆえに解釈に幅があります。エンドクレジットで感じる不穏な余韻は、本作が特撮技術だけではない、一級のホラー映画である証であります。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-12-10 19:29:54)(良:2票)
172.  トゥモロー・ワールド 《ネタバレ》 
空飛ぶ車もレーザービームも出てこない未来。見て取れるのは、カーナビの進化くらい。現在のペースでテクノロジーが進めば、驚きの発明や進化にお目にかかれそうなもの。しかし世界は薄暗く、貧困ばかりがクローズアップされます。人々は活力を失っている。生きる力が無いから進歩もないということ。その理由は、子が産まれないからだという。日本のみならず先進国と言われる国が皆抱える少子化問題。その究極のかたちと言えます。ですから設定には、リアリティがありました。子がいないIfの未来。世界で一番若い18歳の少年は、スーパーアイドルで人間国宝級。歌いも踊りもしないのに。人々は正気を失っている。もし新たな赤ちゃんが誕生したらどうなるか。法王クラスか、はたまたメシアの再来か。その子が持つパワーと利用価値は計り知れません。母子が逃げる理由には説得力がありました。主人公と母子の逃避行。その緊張感は“凄まじい”の一言に尽きます。守るべきものがある恐怖。内戦の中、母子を探す場面の臨場感に身が震えました。赤ん坊の泣き声ひとつで兵士達が戦いを止める。表現としては陳腐かもしれません。でも心を打たれます。そもそも赤ちゃんの鳴き声や子供の笑顔には、それだけの力があると思う。愛や母性という言葉で説明してもいい。『利己的な遺伝子理論』を持ち出してもいい。いずれにしても、人の心はそうプログラムされていると感じます。私たちには、次の世代に“大切なもの”を受け渡す責任を負わされている。それは逃れられない事実だと思います。“大切なもの”はDNAだけではありません。知識、知恵、文化、思想もそう。喜びや悲しみ、感動だって伝えたい。私たちは、途方もない数の命と、想いと、願いを受けて生きています。だから命は尊い。他人のことは知らない。私が死んだら世界は終わり。そういう価値観も否定しません。でも “繋がっている”と考えると、穏やかな気持ちになれると思う。誰かの手を握るだけで安心するように。伝えたいものがある。託す相手がいる。そのことに感謝したいです。物語は一応ハッピーエンド。しかし銃声は鳴り止まず、トゥモロー号は深い霧の中。希望の光が照らす明日は見えません。だから思う。失ってから気付くのでは遅いと。本作の設定は一例に過ぎません。世界を終わらせるのは、そう難しいことじゃない。今のままで、明日がやって来るのか。私たちは問われていると思う。
[DVD(字幕)] 8点(2007-10-03 18:14:18)(良:2票)
173.  ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション 《ネタバレ》 
そもそも、妹を救いたいという姉の自己犠牲精神を発端とした革命大河ドラマの結末に、まさか最愛の妹の死を用意するとは!この展開に痺れました。主人公のこれまでの決断、選択を全否定しかねない危険なロジックです。もっとも、彼女は行き掛かり上革命軍のシンボルに祭り上げられたというより、強い信念(思想)から進んで広告塔を引き受けたとみて取れます。それこそ、コイン首相が自身の立場を脅かす存在と「勘違い」するほど重たい“モノ言う神輿”。ですから、革命が成し遂げられ「新しい世界」という法外な成果を得た以上、それ相当の代償を払うのは物語のバランス上、理不尽とは思えません。2度にわたるハンガーゲームを生き抜き、ボッドなる無理ゲーを潜り抜け、家族も恋人も無事でしたでは、幸運過ぎて逆に気持ち悪いというもの。ハッピーエンドではありませんが、容認できる結末と感じました。それにしても裏ボス・コイン首相があまりにも頭が悪すぎて肩すかしを食らいました。女狐さん、いくらなんでもシッポを出すのが早過ぎます。このあたりのツメの甘さが、作品のクオリティを一段落としている気がします。
[DVD(吹替)] 6点(2016-12-15 18:54:28)(良:2票)
174.  ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ 《ネタバレ》 
ラスト、見事に真実の赤林檎が揃いました。それも1人を救うため全員がマイナス覚悟で赤林檎を投じている。感動も一入です。でも自分はここで逆に醒めてしまいました。いくらなんでもそれは無い。ファンタジーが過ぎます。そんなお人好しが集まっているのなら、ハナからこんなゲームは成立しない。もちろん、これまでの投票結果を通じて、プレイヤーは騙し合うことの不毛さを学んだのかもしれない。でも、1億円はオッサン一人を救うために諦められる額じゃない。1億円。それは庶民の生死を左右する額。倫理観の針が捻じ曲がる値。わが身を犠牲にしてまで他者を救いたいと願う神崎の心根は尊いけれど、それを他のプレイヤーにも求めるのは間違っています。彼女の主張からは、“みんな仲良く貧乏暮らしの共産主義”あるいは“手をつないで一緒にゴールする幼稚園の徒競走”のような、似非平等主義の臭いがする。赤林檎の教訓ってそうじゃないはず。“幸せは誰かの不幸のもとに成り立つものではない”そこに気づけたのなら、安易に自らの利益を損なう選択をしてはいけない。その場はよくても、無理は後から必ずたたる。赤林檎は、みんなが幸せになるために揃えられてこそ価値があると思うのです。神崎がどうしても仙道を救いたいのなら、ゲーム終了後に自らの才覚で彼を助ければいいのです。カネの事をマネーと言い換えていることからも判るように、『ライアーゲーム』は騙しあいの駆け引きを、ゲームと割り切って楽しむ趣向。そもそも倫理観を問うものではありません。ですから“流して”観る分には面白いのですが、事の是非を考えてしまうと駄目なんですね。
[DVD(邦画)] 6点(2011-08-16 21:27:19)(良:2票)
175.  暗くなるまで待って 《ネタバレ》 
“夫以外の男性に惹かれるなんて初めて。でも私は人妻。いけないわ。でもこの気持ちはもう止められないの…”で「暗くなるまで待って」な話だとずっと思い込んでいました(笑)。全然違いましたね。アパートの一室で展開されるサスペンス。主人公が盲目という設定が上手く生かされていて、見ごたえがありました。2度目の電話のベルには思わず唸り、電灯をすべて壊してまわるあたりでは鳥肌が立ちました。暗闇での対決は名シーンだと思います。(見えないけど)。ただ最後にきて展開に“もたつき”や生々しさを感じたため、もう少しスッキリと終わっていても良かったかなと思います。それでも、尻上がりに面白くなる作品でした。タイトルで勝手な思い込みをしてはいけませんね(自戒します)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-08-18 18:07:17)(良:2票)
176.  いつも月夜に米の飯 《ネタバレ》 
いきなり結末に触れています。未見の方はご注意ください。  最大の関心事は、千代里とアサダが再び巡り合った経緯です。最も現実的な可能性は、アサダが千代里を呼び寄せたパターン。でも、それは母娘に別れを告げた男の決断に反しますし、再会時の驚いた様子や、砂浜を共に歩くシーンでの会話とも矛盾します。よってこの説は却下。次に考えられるのは、千代里がアサダを探し出した可能性です。アサダは2人にとって思い出の料理屋に身を寄せていたのですから、彼女の捜索網にかかっても不思議ではありません。ただ、それなら店主から「お前を探している女がいるぞ」くらいの事前情報は入りそうなもの。よってこの説も不採用。となると、残る可能性は『偶然』です。アサダを見つけた時の千代里のリアクションの薄さは気になるものの、彼女がこの再会を必然の『運命』と捉えているなら、あの態度も府に落ちます。ただ、そうだとしてもこの『偶然』、少々キナ臭いのです。何故アサダはあの料理屋に居たのかという話。もちろん馴染みの店なのでしょうが、同時に千代里が訪ねてくる危険性も排除できません。もし男が本気で母娘と縁を切るつもりなら、あの店を選ぶ道理はありません。そう、アサダは千代里が訪ねてくることを内心期待していたのでは。自分が呼び寄せるのは道義的にNGでも、彼女から見つけてもらう分にはOKという理屈。狡い。あくどい。でもその下心は理解できます。親子ほど年齢差のある年下美女をGETできる大チャンスを棒に振る独身男など、この世に存在しないのですから。彼は2人に別れを告げることで泥沼関係を一旦清算し、奇跡の再会に賭けたのだと思います。いやー見事な博打でした。アサダ自身も理解しているように、千代里の恋心は経験不足とファザコンによる『気の迷い』の類。一般的にいう『虎舞竜シンドローム』というヤツです(失礼。そんな言葉はありません)。2人の関係が、恋→愛→情と上手く成熟させられれば長続きするでしょうが、私は5年以内の決別にスーパーひとし君人形を賭けたいと思います。 さて、主演を務めた山田愛奈さんについて。基本的に表情が薄く、台詞も棒読みで、演技が上手いとは思えません(ごめんね)。ただ「今時のJK」感は抜群でしたし、感情が見えない事がかえって『女の業』を感じさせました。エンドロール直前の彼女の一言は完全に『ホラー』ですが、安易に『ロマンス』に落とし込む話でもないので、結果オーライだった気がします。また高橋由美子さんの『恋多き女』役もお見事でした。高嶺の花ではなく(失礼)、手を伸ばせば手に入る感が絶大で、現実の『モテる女』とはああいう感じの女性なのだと思います。名作ドラマ『南くんの恋人』でお馴染みの美少女が、このように成長したと思うと何か得も言われぬ感慨もあったりします。
[インターネット(邦画)] 5点(2020-10-05 18:53:13)(良:2票)
177.  闇金ウシジマくん Part2 《ネタバレ》 
ヤンキー愛沢に起因したトラブルと、ホストに貢いだ女の転落劇。原作未読(御免なさい立ち読みくらい)のため詳細は承知しませんが、単独では映画用エピソードとしては弱いので2つ纏めてボリュームを持たせた印象です。実は双方のお話は繋がっていました的な“上手い”仕掛けは無いものの、同時進行する性質の異なる2つのエピソードをバランス良く配した巧みな脚本術と感じました。今回、お見事だったのはメインゲストのキャラクター造形。門脇麦は純粋無垢で孤独な少女を好演しましたが、秀逸だったのは中尾明慶でしょう。馬鹿なオマケに極悪非道のクズ人間・愛沢は、本来嫌悪の対象でしかありません。彼がどんなに悲惨な目に会おうと知ったこっちゃないのです。ところが中尾演じる愛沢には、不思議な愛嬌がありました。中尾明慶個人が有する善人オーラとでも申しましょうか、これが極悪クズ設定のキャラと化学反応を起こしました。愛沢ならぬ“哀”沢とでも呼びたいようなトホホ感。彼のオトシマエに対して、多少なりとも同情を誘えた事で悲惨な結末に人情の味わいが加味されたと考えます。困窮者の弱みに付け込み法外な金利を貪る闇金と、違法と知りながら闇金を利用し堂々と「被害者」を名乗る債務者は、いわば持ちつ持たれつの共犯関係。貸す方が悪いのか借りる方が悪いのかって話です。双方とも犯罪者で間違いありませんが、社会のルールを破るのなら、その恩恵も放棄して欲しいとは思います。義務は果たさないのに、いざとなれば公権力やセーフティネットを頼る気満々の“善良な市民”ってのが、一番タチが悪い気がしますが。さて、闇金を利用するつもりが無い大多数の観客にとって『ウシジマくん』は、未知なるアナザーワールド。『スタートレック』感覚で、日常の隣にあるエグい世界を疑似体験してみるのも一興かと。悪趣味ですが、原作に比べれば相当にマイルドな劇場版第2作目でした。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2015-02-03 20:57:58)(良:2票)
178.  セントラル・ステーション 《ネタバレ》 
駅で代書屋を営むドーラ。ある事情から、母親を亡くした少年ジョズエを遥か遠方に住む父親のもとへ連れて行くことになります。ブラジルの社会や生活を感じられる心温まるロードムービーです。(以下ネタバレです)投函を依頼された手紙を破り捨てるドーラは善人とは言えません。しかし、手紙を棚へしまい込むところに良心の呵責が見て取れます。成り行きとはいえ、ジョズエと旅したことも同様です。代書屋として他人の人生を垣間見るうちに、また父との関係、孤独な生活の中で擦れてしまったであろうドーラの心。ジョズエとの旅で徐々に癒されていきます。旅の途中、今までなら捨てていた手紙を投函する場面や、ずっと自分の為の(言い訳としての)嘘ばかりついていたドーラが、ジョズエを思いやってつく嘘に心の変化が現れています。ラストで明らかになる事実、二つ並んだ手紙に、人生の機微を感じずにはいられません。ラストで記念写真を覗く2人の姿に自然と涙が溢れてきます。たまたま交差しただけのドーラとジョズエの人生。しかしそれは数多くの人生が行き交う「セントラルステーション」が生んだ小さな奇跡だったのではないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2006-05-11 17:54:18)(良:2票)
179.  脳男 《ネタバレ》 
生田斗真の相手役に、松雪泰子をキャスティングしたのがお見事でした。カウンセリングで対峙する2人。特徴的に鼻の高い両俳優の横顔は、実に画になります。まるで合わせ鏡のよう。感情が無い男と、感情を理性で封じ込めえる女。2人は外見だけでなく、内面にも共通点がありました。そんな2人が出会った事の効用。女医の涙はロボットの中に眠っていた感情の欠片を掘り起こしましたし、鈴木は女医の過ちを正しました。「善悪の基準を勝手につくって審判を下す権利なんか誰にも無いわ」女医の台詞は、彼女の理性が言わせている模範解答。でも感情は、また別モノです。それが女医自身を苦しめている事に、彼女自身気づいていません。理性と感情、果たしてどちらに従うのが正しいのでしょう。いやこの2つを切り離す事に無理があるのだと感じます。どちらも等しく大切なもの。女医最後のつぶやき「(あなたは)何処へ行くの」は鈴木だけでなく、彼女自身にも向けられていると感じました。一次救護に当る訳でもないのに、ただ「救急車を早く呼んで」と泣き叫ぶ医療関係者や、「死んでも償い切れない」と涙を浮かべる加害者は“うそ臭くって信用できない”が私の持論。案の定、化けの皮が剥がれ落ちる結末は腑に落ちましたが、後味はかなり悪いです。でも因果応報の原則は守られているので不快感は低め。暑いけど湿度は低い、寒いけど乾燥していない、そんな余韻を味わえました。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-12-30 18:55:00)(良:2票)
180.  いいかげん馬鹿 《ネタバレ》 
前作『馬鹿まるだし』と比べると、相当こなれた印象。岩下志麻の語りをベースに、丁寧に物語が進行します。ただ、人情喜劇としては正直面白味に欠けました。最大の要因は、ハナ肇の馬鹿っぷりの弱さ。シリーズ他作品と比べると明らかにパワー不足です。常識人といっていいくらい。やっぱりハナには無茶苦茶やって欲しかった。また、物語としてソツなくまとまっているのも逆効果。前作のある意味不細工さが、作品の魅力であった気がします。なお、ラジオドラマきっかけで、島が観光地化するエピソードについて。かつて自分の住む島でも全く同じ現象がありました。観光バブルで、浮き足立って設備投資。地に足が着かない事業の末路は、何処でも同じです。リアルに想像できて結構切なかったです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-30 18:06:08)(良:2票)

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS