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自己紹介 2006年春にレビュワーにしていただきました。よろしくお願いします。

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1.  永遠<とわ>の語らい 《ネタバレ》 
かなりメッセージ性の高い作品だと思います。DVD_吹き替えと字幕の両方で鑑賞しました。その途中で地図と世界史の教科書を読んで勉強もしました。それぞれの史跡の案内や挿話、ディナーでの会話の一語一語に重要なメッセージが込められているのだと思います。それらのメッセージは、通常の教育を受けた西洋人なら誰でもわかることなのでしょう。残念ながら、私にはそれらに込められたメッセージの一部しかわかりません。ギリシャ神話や聖書、西洋史の知識も乏しいし、オデッセイやベルギリウスといわれても名前ぐらいしか知らないし。こんなメッセージ性の高い作品の全てを理解できるだけの素養がないのが悲しいです。船長が女の子にプレゼントしたのはイスラム女性の人形。その意味は理解できます。乗客が下船する際の通路の壁に掛けてあった宣教師の絵はなんでしょう。殉教者の絵?多分キリスト教圏の人ならすぐにその絵の意味がわかるのでしょうが、わたしにはわかりません。本当に残念で悔しいです。もう少し、西洋文明の知識をつけて再度観てみたい作品です。
[DVD(字幕)] 8点(2006-05-20 23:01:56)(良:1票)
2.  シルヴィア 《ネタバレ》 
欧米ではシルヴィア・プラスは今でも人気のある詩人だそうですから、その半生はよく知られていることと思います。この作品も「シルヴィアはよく知られた詩人」という前提で作られたものだと思います。私はシルビアという詩人をこの映画を見て知りました。死の少し前に出版された彼女の自伝的小説「ベル・ジャー」も読んだことがありません。そういう環境で鑑賞したレビューになります。シルビアが夫となるテッドと出会ってから、出産、テッドとの別れ、そして自殺までの10年足らずを映画化したもの。それ以前の描写は映像としてはありませんから伝記とは言えない。彼女は双極性障害(躁鬱病)に悩まされたそうですから、多分自殺も病気のためでしょう。映画も躁のあと鬱状態になります。最初の30分ぐらい(テッドと結婚するぐらいまで)は映像も明るくて楽しい雰囲気。残りの80分は映像も薄暗く、重い空気に包まれています。見ていて「カミーユ・クローデル」を思い浮かべました。あちらは、統合失調症でロダンとの恋と仕事の間で悩み精神のバランスを乱してゆく姿を、アジャーニが激しく熱演していました。この作品でも、病気は異なりますが、シルヴィアが苦悩して次第に精神のバランスを欠いていく姿を、パルトローが静かに好演しています。シルヴィアの唐突な行動や、まわりとの不調和の描写も精神疾患を描くための演出だと思いますが、最後までその点をはっきり記述していないので、かえってわかりにくくなっている感が否めません。実話なので仕方のないことですが、暗いどんよりとした空気のまま救いようのないエンディングをむかえます。
[DVD(吹替)] 7点(2006-05-27 10:47:15)(良:1票)
3.  恋愛適齢期 《ネタバレ》 
大変にできの良いコメディです。ダイアン・キートンは、しわだらけで豪快に泣き笑い。ジャック・ニコルソンは、トドのように太ってる。でも、どちらも可愛いいです。作品の設定では、二人ともこれまで本当の恋をしたことがない。63才のニコルソンは30過ぎた女性とつきあったことがなく、セックスしても同じベッドでは決して眠らない。ダイアンは仕事仲間と「都合の良い」結婚をし子供がいるけど、離婚し前夫とは相変わらず仕事仲間。そんな二人が、セックスしたあとに本当の恋におちるというお話。なので、初老の男女の、いわば初恋(?)を描いてる作品です。その二人にキアヌがからまって・・・というストーリー。作品の流れがダイアンとニコルソンがくっつくという設定のせいか、私がダイアンの年だったら、やっぱニコルソンを選ぶなあ。キアヌだといっつも緊張して疲れそう。ニコルソンなら平気で大笑いできて楽しそう。ホントに楽しいコメディーでした。
[DVD(字幕)] 9点(2006-05-12 21:26:10)(良:1票)
4.  タンポポ 《ネタバレ》 
何度も見ている大好きな作品です。はやらないラーメン屋を再建する話をメインにして、役所広司と黒田福美がホスト役。その間に食べ物にまつわる話を入れ込んだ設定。伊丹さんは、ラーメンストーリーよりも「食にまつわるエッセイ」の方が描きたかったのではないかなあと推測しています。その中でも一番のメッセージは「エロティックな食物たち」かなあ。いろんなシーンでそれを表現していますが、私が一番感じたのは、原泉おばあちゃんが津川店長と追っかけっこする場面(いつぞやのテレビ放映ではカットされていた)。カマンベールをグニュ~、桃をグチュグチュ、お汁がピュッってシーンです。ああ、食べ物はエッチなんだと理解したのです。エンディングの公園での授乳シーンの意味が最初見たときはわからなかったけど、何度目かに見たときに「ああ!母乳が生まれて最初の食べ物なんだ」とわかったときは嬉しかったなあ。一つ一つのシーンがとても丁寧に撮られていて、本当に美味しそう。食物の周りの人間心理もうまく描かれています。伊丹映画の中で一番好きな作品です。最後に大好きな台詞をご紹介。「だっておじさん、ラーメン食べるのはそのド素人なのよ。素人にわからない味のラーメン作ってどうするの」
[DVD(邦画)] 9点(2006-05-21 17:15:15)(良:1票)
5.  イザベル・アジャーニの惑い
DVDで観て、原作を読んで、またDVDを観ました。原作はアドルフの独白が大部分を占める、題名通りアドルフの物語です。エレノールにイザベル・アジャーニのような個性の強い女優さんをもってきているにもかかわらず、ほぼ忠実に原作のもつテイストを映像で再現しています。「アデルの恋の物語」はストーカーですが、エレノールは普通の範囲で情の深い女性だと思います。その役をほんとにアジャーニが静かに好演してます。この物語はいくつかある男女の愛の形のなかでも、かなりポピューラーなパターンのものですが、それを凡庸にならず、また奇抜にもならず、2人の心の動きを静かに坦々と表現しています。それでいて退屈せずに最後まで鑑賞できるのは、一つには映像の美しさがあると思います。また、音楽も(多分)1旋律だけを繰り返し使っていて、それでいて十分な効果を上げています。他の方も書かれていますが、ハリウッド映画ではとてもまねできない秀作ですね。アドルフが主役ではありますが、私としてはすっかりエレノールに感情移入してしまいました。男女それぞれによって感情移入する役も異なってくると思います。終幕近くのポーランドの雪景色、その中に二人がとけ込んで本当に美しいです。是非一度、映画館の大きなスクリーンで観たい映画です。 追加:惑うのはエレノール(アジャーニ)ではなくてアドルフの方ですよねえ。
[DVD(字幕)] 8点(2006-06-17 21:06:17)(良:1票)
6.  彼女を見ればわかること
これって、5話が完全に独立しているわけではないのですね。同じ街でそれぞれの人が微妙に交錯して話ができている。退屈しないで最後まで観られました。こういうのは、自分に年齢とか境遇が近いエピソードに心ひかれるものですね。それにしても、わずかにためらいは表現されていたにしても、アメリカではあんなにドライに中絶しちゃうんだと唖然としたけど、最後に相手の男性を閉め出すシーンでホッとしたなあ。あと、銀行の副支店長(?)、彼は3回登場しますよね。見るからに「ああいう人」っていますよね。本当に「ああいう人」にふさわしい男優さんで、思わずにんまりしてしまいました。
[DVD(吹替)] 7点(2006-06-17 21:04:29)(良:1票)
7.  まぼろし 《ネタバレ》 
フランス映画らしい雰囲気とテンポの作品。マリーと夫(ジャン)とのそれまでの幸せな生活描写なしに、夫を亡くした寂寥感や空虚感に説得力を持たせるのは大変難しい。ヴァンサンという男を登場させてジャンと対比させることにより、かろうじてそこを描こうと演出している。成功しているかどうかは微妙なところ。寂寥感や空虚感それ自体は、シャーロット・ランプリングの演技力で見事に描かれています。ただ、それと夫とがつながらないような気がします。なので。この点数の大部分はシャーロット・ランプリングのものです。それにしても姑とのやりとりは、静かだけど恐ろしい。この部分はすごいなあと思いました。失踪は姑との確執から認めたくないし、かといって死亡も受け入れがたい。時計は、結局ジャンのだったんですよね?
[DVD(字幕)] 7点(2006-06-03 19:14:19)(良:1票)
8.  王子と踊子 《ネタバレ》 
舞台は1911年ジョージ5世の戴冠式。バルカンの狐と称されるカルパチアの摂政(大公)とショーガールの2夜の恋の物語。オリジナルはテレンス・ラティガンがローレンス・オリヴィエ、ヴィヴィアン・リー夫妻のために書いた戯曲(The Sleeping Prince:眠りの森の王子)。テレンス・ラティガン自身が駄作を書いてしまったと夫妻に詫びるも、公演はロングランとなり大成功したらしいです。映画化に際してヴィヴィアン・リーの役をマリリン・モンローが演じます。マリリン主演映画の中では私の一番好きな作品です。私はこの映画で演じたエルシー・マリーナこそ、マリリンの特長が十分生かされた役柄だと思っています。作品の中で、大公がエルシーのことを「小児を思わせるかと思うと、ボクサーのような筋肉を持ち、人生の機微を心得ておる」と評するシーンがありますが、こういう役を演じたときのマリリンは最高です。この後、ヨーロッパはバルカン戦争を経て第1次世界大戦に突入する。この時代背景を考えれば、別れのシーンにもリアリティーを感じてしまいます。マリリンの可愛さと別れの切なさに、9点つけさせていただきます。
[DVD(字幕)] 9点(2006-05-07 14:33:50)(良:1票)
9.  スライディング・ドア
予備知識無しに見たのですが、面白かったです。この運命の分岐作品の長所は、1)2つの世界の弁別が容易なこと、2)2つの世界の切り替えが自然なこと、3)2つの異なった運命が背中合わせで、しかも寄り添うように進行すること、4)最後に2つの世界をどのように一致させるかとそこへの期待感を見る者に抱かせること、です。作品中のエピソードは単純ですがそれだけにわかりやすく、楽しめる作品に仕上がっています。脚本家が、紙に一本の線を引いて、それをある点で2本の線に分岐させ平行線を描き、その2本の線を再度一本にまとめる。その線の上にエピソードをレイアウトしていったかの様にわかりやすい本作品は、教科書にのせてもいいような佳作でした。パルトローの自信のなさそうな、おどおどした演技もなかなか珍しくて良かったですよ。
[DVD(吹替)] 7点(2006-12-28 21:39:33)(良:1票)
10.  エリザベスタウン 《ネタバレ》 
失意とそこからの復活。それを支える恋人、友人、家族。そういうモチーフの作品は数限りなくあるけれど、普遍的なテーマだけに上手に作れば何度でも観る者に感動を与えられる。この作品も結構感動を与えてくれるんです。ただ残念なことにあまりにも散漫すぎます。ドリューとクレアが出会ってから、再会するのは分かり切っているのに、その間エリザベスタウンの人たちが如何に父が好きだったかという描写に長時間費やされる。かといって父のキャラクターが明確にされるわけでもないし、ドリューとの親子関係も不明瞭。ドリューとクレアの電話のシーンも会話の内容はほとんど無し。ただ延々と電話をしているシーンだけ。「これだけ長い間電話してるんだから好きになって当たり前でしょ。それぐらいわかってね」っていうことかな。それを映像表現するのが映画だと思うけど。告別式で、母が語る父との恋愛なんか作品にどのような意味を与えるのか全然わからない。120分以上の作品に仕上げる意味がないと思います。ドリューとクレアとの関係に絞って90分ぐらいの作品に仕上げていたら、もっと良い作品になっていたと思います。編集ってほんと大切なんですね。
[DVD(吹替)] 5点(2006-06-24 22:33:48)(良:1票)
11.  未知との遭遇
人間は誰でも心に宇宙を抱えているもの。この作品は、スピルバーグの心の内を表現した叙情詩なのだと思います。そして、二十世紀最高の美しさをたたえた映像作品です。大スクリーンで観られなかったのが本当に残念です。
[DVD(字幕)] 10点(2007-01-06 22:38:15)(良:1票)
12.  シンシナティ・キッド 《ネタバレ》 
こんなすごい作品があったんだと感動。登場人物のプロファイリングも、スートーリーの進行に含める形でしっかりと描き込まれています。しかも、私の大好きな100分程度の作品。とっても引き締まって無駄の無い作りです。カール・マルデン、エドワード・G・ロビンソンの好演に加え、アン・マーグレットの悪女ぶりもとってもいいです。黒人の男の子の使い方もとっても上手です。唯一の欠点は、マックィーンの恋人の役割がが明確でなく、いない方が作品を引き締めたのではないかと思います。ラストも、恋人と抱き合うより、黒人少年にまで負けて一人寂しく立ち去る、どこまでもツキに見放された男を演じる方が良かったかなと思います。レイ・チャールズの音楽も、こういう状況の男性を表現するのには(普遍的に)ピッタシです。派手な道具立てはないけれど、傑作です。最後に・・マックィーンって、、、すっごく格好いい~~!!!癖になりそう。
[映画館(吹替)] 9点(2007-11-18 16:36:54)(良:1票)
13.  プリティ・ウーマン
ずっと以前にテレビで観て、今回DVDで見直してみたら、ジュリア・ロバーツってこんないい演技してたんだなあと改めて関心しました。それにホテルマネージャーがすっごくいいですね。彼の態度や視点を通じてヴィヴィアンの変化を描いているのだと思います。この作品はロマンティックコメディの代表作の一つですね。
[映画館(吹替)] 8点(2007-02-07 21:55:30)(良:1票)
14.  二十四時間の情事
普遍的な映像美をもった作品です。冒頭の男女が肌を重ねるシーンもきれいですし、上半身の肌の重なり合いだけ(下着が描写されない)なので古くささを感じさせません。背景は50年前の日本なので実際古いのですが、白黒作品であるということと、男女の顔のクローズアップが多いのでこれも時代を感じさせない要因になっています。また、フランス女性は顔の作りが日本人に近いので、岡田英二さんと共演しても大きな違和感はありません。ただ、フランス人女性側のそれまでの人生は描かれていますが、日本人男性側の人生がまったく描かれてないのがちょっと不満です。日仏合作とはいえ、フランス人脚本監督のあくまでフランス映画ですから、大戦でドイツに蹂躙されてそこから解放されて10年ちょっとのフランス人の気持ちになって鑑賞するといいのかもしれませんね。岡田英二さんは行きずりの日本人男性という設定で良かったのかな。ちょっと、モンティ&ジェニファー・ジョーンズの終着駅を思い浮かべてしまいました。8点つけようとしたんですが、ラストがやや唐突な気がしたので一点減点。でも、メディアが変わっても消滅しないで引き継いで欲しい作品です。
[DVD(字幕)] 7点(2008-02-10 09:45:37)(良:1票)
15.  ヴェニスの商人
この映画を「シェイクスピアの戯曲」と関連づけないで観ればとてもいい映画です。原作は喜劇でこの映画は悲劇になってますよね。なので、喜劇として観るとあてはずれ。今、ヴェニスの商人を映画化しようとすればこういう形でしかできないのでしょうね。それでも、映画としては大変良いできですし、台詞も設定も原作とほとんど変わらないのに、配役・演技や音楽・光などの効果で喜劇の戯曲も悲劇に変わってしまうんですね。映画というのはほんとうに奥が深いなあと、原作が有名なだけに感じてしまう作品でした。
[DVD(字幕)] 8点(2006-05-07 17:33:14)(良:1票)
16.  追想(1956)
ロシア革命の混乱の中で生き残ったと噂される、ロマノフ王朝最後の国王ニコライ2世の第4皇女アナスタシアの物語。こういう人物がいたのは実話(裁判までおこしたらしい)、映画は創作。バーグマンのハリウッド復帰第一作で、彼女はこの作品でアカデミー主演女優賞受賞。受賞にふさわしい演技です。ブリンナーは同年、「王様と私」でアカデミー主演男優賞を受賞。「王様と私」がなかったら、追想で受賞していたかも。二人の緊迫感のある演技に皇太后のヘレン・ヘイズが加わって、厚みを増しています。わけあって、ずっと英語版のビデオで(つたない英語力で)鑑賞してましたが、この度DVDを購入しました。全般的に、日本語字幕や吹き替え版では、英語版で鑑賞したときよりも薄っぺらい印象をもちました。特に、バーグマンとヘイズの謁見シーンは、英語版の方が遙かに迫力があると感じました。
[DVD(字幕)] 8点(2006-05-07 14:31:02)(良:1票)
17.  この森で、天使はバスを降りた 《ネタバレ》 
アメリカの自然は美しいし、軽い謎解きの部分もあり引き込まれる作品です。人物の性格もはうまく描写されています。なのに、全般に説明不足の部分が多くて残念です。たとえばイーライがなぜ母親であるハナと顔を合わせず、あのような生活をするようになったかは全然わかりません。ベトナム戦争の後遺症だとか、あるいは戦線から脱走したとか、なにか理由を説明してもらわないと、最後にパーシーはイーライのために命を落とすのですから。また、ネイハムが最後にみんなの前で詫びてお終いというのも釈然としないですね。どう考えてもパーシーを陥れようとしたのに。原題はただの食堂の名前、The Spitfire Grill。邦題は、この森で、天使はバスを降りた。パーシーが天使だというのなら、人間の罪深さを一身に受け止めて死んでくれたのだ、そう考えるなら、見事な邦題の付け方といわざるをえません。
[DVD(吹替)] 6点(2006-12-22 21:59:19)(良:1票)
18.  存在の耐えられない軽さ
長いです。グイグイのめり込む分けでもないし、アメリカ映画だけど、フランス映画みたいに冗長なところもあります。でも、削ったほうがいいと思うシーンもないんですよねえ。不思議な感じですねえ。見ていて退屈しないのは、主演のふたり以上にレナ・オリンの存在感がすごいからかな。皆さん書かれてますがラストはすごいです。音楽もすごくいい。静かで、傷口の上を優しく撫でるような感じ。長いけれども一見に値する映画だと思います。個人的には、トマッシュみたいにチャランポランそうに見えても、決めるところでは意地を通す男性に憧れるのでいい点つけちゃいました。現実に彼みたいな人がいたら大迷惑でしょうけどね(笑)。
[DVD(字幕)] 8点(2006-09-10 20:24:44)(良:1票)
19.  スタンドアップ 《ネタバレ》 
社会派・問題提起ドラマとしては抑え気味な演出で、決して扇動的な内容ではありません。それがかえってリアリティを感じさせます。作品の構成は、裁判と鉱山そしてジョージーの過去が交錯しながら進んでいき次第に裁判の比重が大きくなりますが、決してわかりにくいことはなく無駄なシーンもありません。ジョージーと父、また息子との理解しがたい関係も、ドラマが進行するにつれてその理由が明らかになってきます。シャーリーズ・セロンはレイプ・DV・セクハラの被害者であり、その中で闘いながら生きている姿を決して演技過剰にならずに好演しています。フランシス・マクドーマンドの、ストーリーのもう一方の中心となるほどの力強い演技もいいです。最後のテロップをみると、原題のNorth Countryにもそれなりの意味があるみたいですが、日本語題名のスタンドアップも作品の意図に沿ったいい題名だと思います。不当な扱いに「立ち向かう」というのは、まさに「起立する」ことなのですね。最後はほんとに泣いてしまいました。今ではセクシャル・ハラスメントは日常語になっていますが、この作品の舞台は1989年、和解が成立したのが1998年。ほんとつい最近のことなんですね。
[DVD(吹替)] 9点(2007-02-12 20:45:18)(良:1票)
20.  心の旅路 《ネタバレ》 
哀愁と同じく、マーヴィン・ルロイ監督のメロドラマの傑作。記憶喪失を扱った作品で、最後はhappy。記憶喪失を扱った作品としては、かなり初期の作品になるのかな。ロナルド・コールマンの、どこか不安げな内省的な演技がいいです。グリア・ガースンの理知的で力強い女性もピッタリです。強い女性が最後には疲れはてて一人旅に出る。その気持ちも良く伝わってきます。ストーリーの途中でガースンの話し相手(愚痴聞き相手?)になる男性がいったいどういった人なのかは、なんど鑑賞しても不明です。年代のせいかセットは貧相ですが、その貧相なセットで、最後にスミシー・オー・スミシーとガースンが呼びかけるシーンを思い出すだけで涙ボロボロです。なので、満点です。余談ですが、この映画を教えてくださった年配の男性(多分、日本公開時に観ている)の感想は一言。「女は恐ろしいなあ」でした。
[DVD(字幕)] 10点(2006-05-07 14:28:15)(笑:1票)

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