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1.  アバター(2009)
 自分としては、評価は低いです。  映像面では、最先端技術をもってしても、パンドラの先住民や動物たち、ラストのバトルは、CGアニメにしか見えなかった。TVなどで見る実写の動物の映像を思い浮かべれば、その違いは明らかだと思う。ゲームのデモ映像と同じ印象を受けてしまう。グルグル動くカメラも、作り物映像に拍車をかけているのだろう。  そして、本作独自の映像イメージが特に無いのは、最も残念なところ。「マトリックスっぽい」とか、「ブレードランナーっぽい」イメージは思い浮かぶが、「アバターっぽい」イメージというものが思い浮かばない。  ストーリーの題材は王道で悪くないが、演出や脚本の出来が低レベルなのは、かなり期待外れである。特に、主人公が兄の代役だったり、車椅子だったりする設定がほとんど生かされていないのは致命的。  観客は、「主人公が人類と先住民のどちらに味方するのか?」という、葛藤の果ての結末を期待して見るわけだが、これがあっさりしていて肩透かしを食らう。  他にも、先住民や大佐や研究者たちのキャラクターが、パターン化し過ぎていたり、彼らとの人間関係が浅すぎるなど、欠点がやたらと目に付く。162分の映画としては、かなりずさんな作りの脚本だと思う。  また、キャメロン本人が、本作で描きたかったものが全然伝わってこず、脚本やテーマ自体が借り物的な印象を受ける。  簡単に言うと、「CGと3Dに頼りすぎの映画」。逆に、「CGで何でも出来る」という罠が見えた気がする。例えば、本作では先住民と人間の身長差を使った演出などが、全く無いが、20年前なら先住民をぬいぐるみで作り、人間と演技させる中で身長の差を生かした演出を現場で考え出したであろう。  本作のヒットで、ハリウッド映画界において脚本軽視のCG大作路線が強化されるのが、非常に残念。
[映画館(字幕)] 3点(2010-01-19 22:49:41)(笑:1票) (良:7票)
2.  野性の証明 《ネタバレ》 
 実物の戦車や、広大なロケーションが効果を上げたダイナミックな作品であるが、佳作と呼ぶにはいささかためらってしまう作品だと思います。  まず、大量殺人事件に自衛隊の暗部、地方都市の腐敗や予知能力を持つ少女、といった刺激的な題材を盛り込んだにもかかわらず、それぞれの関係性が薄く、ストーリーの芯をなかなかつかめないと感じました。  例えば、村の惨殺は農作物の病気が原因でしたが、三國連太郎の系列会社が流した工業廃棄物が原因だったとか、予知能力を持つ少年少女を自衛隊の研究班が人体実験のために誘拐している、などの相互関係がおり込まれていれば、主人公・高倉健の闘う意味がより大きく、力強くなったと思われます。  また、アクションシーンのぎこちなさ、出来の悪さは、かなりのマイナス点となってしまいます。同時期(翌年)製作の「戦国自衛隊」では、千葉真一がアクション監督をつとめ、素晴らしいアクションシーンを作り上げているのと、どうしても比べてしまいます。  厳しい言い方をすれば、派手な作りと高倉健という俳優に寄り掛かった内容の薄い作品という事になるでしょう。しかし、この作品には、映画の持つ大きな魅力の一つである「高揚感」があると思います。ポスターや紹介記事などをみて、ワクワクする気持ち、これこそ大作映画に欠かせないものであり、そういった意味では成功作と言えるのではないでしょうか。  追記として、最近原作を読んでみたのですが、ストーリーとしてはおおむね同じでしたが、大きく違っていた部分がありました。実は原作では、自衛隊はほとんどストーリーに登場していなかったのです(サバイバル訓練と特殊部隊出身という設定のみ登場)。上記の感想から改め、本作の脚本は、原作を決して壊さずに、映画向けのシークエンスを混ぜ込み、膨らみあがった要素をまとめあげた力作と感じました。
[DVD(邦画)] 7点(2007-02-24 23:03:08)(良:3票)
3.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 
 高い評判だったので、期待しすぎたかもしれません。面白かったのは飛行場のシーンまでで、以降は不満にみちた長い時間となってしまいました。  まず、敵の強大さ、悪党ぶりが消えます。「計画が阻止されて、金を失ったからギャンブルで増やす」「金の取立てに来た数人のテロリストになすすべもなくボコボコにされる」…こんな頭も悪く、強くもない奴をジェームス・ボンドが倒す必要があるのか?取り立てを倒したボンドの方があきらかに強く見えるので、対決の構図にまったく緊迫感がないと感じてしまいました。  そして、見せ場となるカードの勝負も、「顔が引きつったらブラフ」という超低レベルの心理戦からスタートしているのも、信じ難いものでした。しかもそれ以上に発展しない…。ボンドガールとの初対面時のシーンで、「ギャンブルは心理戦がすべて」と、戦いの見せ場が高度な心理戦になることを予感させておいて、いつのまにか「俺は必ず勝つ!」みたいな根性論にすりかわり、最終的にこれまでの007映画のお約束=「ボンドだから勝つ」という結末では、盛り上がるわけがないと思うのですが。  ラストでは、ボンドガールの女が、「恋人を助けるために裏切ったけど、ボンドにも惚れてしまった」ような感じになりますが、あまりすっきりしない展開だと思います。ボンドと愛し合っていたとしても、じゃあ恋人は何だったの?と思ってしまいますから…。恋人よりも家族を人質に取られたほうがまとまった気がします。  冒頭のトイレのバイオレンス系格闘と、OP後の「マッハ!」的なアクション、空港での派手なチェイスはそれぞれ見所がありましたが、統一感が感じられないのが残念でした。  ダニエル・グレイグの存在感と、以後のシリーズに向けての期待で、5点といったところでしょうか。
[DVD(字幕)] 5点(2007-09-09 22:31:43)(良:3票)
4.  デジャヴ(2006) 《ネタバレ》 
 観賞後、時間がたつにつれて、評価が徐々に下がる作品でした。設定や展開の強引な点が、よく考えるとかなり無茶苦茶で、まったく整合性がないことに気付くからです。 良く言えば、「映画」という、一方的にストーリーが流れていくスタイル(と、主役のデンゼル・ワシントンの持つ説得力)をうまく利用しているのであるが、逆に見れば、見せ場の要素だけで作った話の、細かい部分を誤魔化しているともとれると思います。  色々気になる点は多いですが、いくつか挙げると…1.前半で女性が殺されているが、過去に行ったデンゼルが接触した形跡がいくつもある。ストーリーの伏線であるのだが、デンゼルと接触したなら、生きているはずで、過去に戻っても、救えるのか無理なのか判らなくなる。 2.レーザーポインタの光が過去の相手に届くという事は、物理的に空間がつながっているという事になる。向こう側に相手が存在していなければ、光を当てても反応しない。ということは、犯人に対して狙撃もできるはずだし、メモも投げれば届くし、人間もモニターに向かって飛び込めば、向こうに行けるはず。そうじゃなければ、なぜレーザーの光だけが届くのか?まったく説明も無いし、重要な演出にしていることの神経を疑う。  3.衛星画像のデータを処理し、4日前の特定地域の3Dヴァーチャル空間を再現していたら、本物の過去つながってしまった。という設定だが、この現象と「過去を見ることができるゴーグル」とのテクノロジー的関連性は全く無い。なぜ過去が見られるゴーグルが作れるようになったのだろうか?もちろん、説明は無い。  正直、上記の点は観賞中には、そんなに気にならなかった(というより、ゴーグルが出てきた時点で考えないようにしました)ので、映画としての勢いはあったと思います。ブラッカイマー節全開といったところでしょうか。  しかし、私がもっとも違和感を感じたのは、主人公の行動が、「女性を助けるために過去に行き、そのついでにテロをくいとめる」ように見えてしまった事です。とても感情移入しづらい行動理由であったと思います。また、登場シーンでは、知的で行動力あふれるキャラクターだった主人公が、途中より行動力のみになってしまったのも、残念に感じました。 
[映画館(字幕)] 3点(2007-05-16 01:39:36)(良:3票)
5.  ライトスタッフ
おそらくアメリカにとって一番派手なエピソードである、アポロの月面着陸を扱っていないことが、まず面白いと思いました。  航空宇宙史という形で映画は進みますが、事象よりも飛行士たち人間のキャラクターの方に、目が向けられていることが徐々に判ります。  科学的好奇心よりもソ連との競争が行動原理になっていたり、人命よりもポッドのデータを優先する、飛行士にはトラブルの詳細を知らせない、など随所で現れる政府の非人間的な部分に対し、飛行士たちは人間の意地やプライドを貫こうとしています。その根底にあるのは、アメリカ人の「開拓者精神(フロンティア・スピリット)」ではないでしょうか。  この映画は、空と宇宙という未開の地に挑んだ男たちの、開拓者精神を描いたものであるからこそ、アポロよりもNASAに至るまでの、マーキュリー計画を題材にしたのだと思います。  この映画が作られた頃、スペースシャトルの時代が始まり、アメリカは宇宙開発をリードする立場を確立しましたが、それはマーキュリー計画の飛行士たちの開拓者精神の上に築かれたものである、ということを忘れないために作られたのが、この映画なのかもしれません。そんな、アメリカ人の、先人に対する崇敬の念が存分に伝わってきました。私が思うに、「開拓者精神」を日本語に意訳すると、「サムライ」という言葉になるのではないでしょうか。
[DVD(字幕)] 8点(2007-01-19 18:18:22)(良:2票)
6.  X-MEN:ファイナル ディシジョン 《ネタバレ》 
1、2から監督が変わった不安要素を、スピーディーかつパワフルな演出で吹き飛ばす快作だと思います。むしろ、1や2に不満を感じてしまう程で、ここまで面白くなったパート3映画はかなり珍しいのではないでしょうか。 印象的だったのは、マグニートーが移動監獄のトレーラーを襲撃するシーン。道路に立ちふさがり、超能力でパトカーをいとも軽くつぶして放り投げる姿は、彼の底知れぬパワーを描ききっていたと思います。ミュータント達が、敵味方にぎやかに登場するのも映画を盛り上げ、「これがX-MENだ!」と見る者にX-MENワールドを強力に提示し続けた104分と言えるのではないでしょうか。私も、原作のアメコミはまったく読んでおらず、映画のみのファンでしたが、見ている間ずっと「これがX-MENか!!」と眼からウロコが落ちるような感覚を感じていました。 世界観の説明や、キャラクターの紹介等の省略が出来るという、パート3映画の有利な点をフルに生かして見せ場を凝縮させたことと、監督の(パンフレットによると大のX-MEN原作ファン)意気込みとこだわりから生まれたセンスがうまくマッチした傑作SFアクションになったと思います。1、2の存在が不可欠なのでマイナス2点にはなりますが。 
[映画館(字幕)] 8点(2006-12-27 01:10:24)(良:2票)
7.  ターミネーター4 《ネタバレ》 
もはやCGの戦闘シーンを延々見せられても、盛り上がらない時代になったと思う。巨大ターミネーターとの戦いも特に目新しいものを感じなかったし、中盤あたりから退屈になる。 結局、ビジュアルよりも心に残るのはドラマであると思うのだが、最近のハリウッド映画同様、本作も薄味。特に登場人物のキャラクターでは、マーカスの人間性やジョン・コナーのリーダーの資質といった、核となる要素が全く描かれていない。あるのは「子供は助ける」「説得すれば皆味方になる」といった陳腐な図式のみ。 マックGの素質は、結局「パロディスト」ということで全て語れると思う。ラストの工場やシュワ、溶鉱炉などの「ターミーネーター」へのオマージュが一番印象に残り、本筋は特に語るべきものはない出来。
[DVD(字幕)] 2点(2009-11-26 00:25:12)(良:2票)
8.  サロゲート 《ネタバレ》 
近未来ものに見受けられる「全世界に○○が広まる」という設定は、おおむね極端すぎることが多く、この点だけでもリアリティを欠いている。 たとえば、現在でも携帯電話は世界的に普及しているが、携帯依存症の人はごく一部だし、自分の周囲にも携帯を使っていない人は何人かいる。 本作でも、「サロゲートを全員が常に使い、街には生身の人間がいない」という状況は、単純に「ありえないだろ」と一蹴されるレベルの設定だと思う。 また、「子供のサロゲートは?」とか、「犯罪率はむしろ増えるだろ?」「食事はどうしてるのか?」などといった疑問が湧き出し、ストーリーよりも気になってしまう。アクションシーンでは、ターミネーター化してるし(笑) テーマは悪くないはずだが、どういう理由で「サロゲートは人類に良くない」のか明確でなく、ただ話の構成上アンチを掲げているだけのように見える。 ラストの「サロゲートを全滅させる」といった極端過ぎる展開も、リアリティ無視の失笑に近い出来と感じる。相変わらず、攻撃も防御策もキーボード叩くだけで、ウンザリするし…。  
[DVD(吹替)] 3点(2010-12-10 21:20:15)(良:2票)
9.  ハプニング 《ネタバレ》 
「自然界の出来事は完全にはわからない」…だから「この映画も完全にわからなくていいよ」ってことですか? 多くのレビュアーの方も色々な作品で訴えてますけど、「謎は解決しないけど、見ている間ハラハラしたからいいでしょ」的な映画はもうやめて欲しい。ドラマも無いに等しく、ハラハラしなかったし。いい加減頭にくるので0点にします。
[DVD(吹替)] 0点(2009-03-06 01:19:45)(良:2票)
10.  トゥモロー・ワールド 《ネタバレ》 
 期待せずに観たら、予想をやや下回る面白さで、残念な印象でした。  最大の欠点は、「子供がいなくなった世界」を全く表現できていない点だと思います。セリフやニュースで語られるだけじゃなく、もっと「子供がいないこと」に悩み、苦しみ、寂しさや絶望を感じる人々の感情や生き方を見せなくては、観客には実感をわかせることはできないと思います。  また、人類が急に(2年程度で)すべて不妊化してしまう理由に全く触れられていないのも、面白さを削いでいる原因だと感じました。なぜなら、終盤に赤ん坊が生まれたということが、未来への希望につながるかどうかはっきりしないからです。  例えば、病原菌による症状ならば、妊娠した女性から耐性を持つ薬を作り出すことができる、というように「物語」のなかでは、原因と解決策は表裏一体であると思います。原因が明らかでないために、解決もおぼろげになっているのではないでしょうか。  上記二点が、本来この映画の見せ場であるべき 1.劇中で女性が妊娠しているのを明かすシーン 2.出産のシーン 3.皆が赤ん坊を目撃し、息を呑むシーン のカタルシスをすべて奪い去っているといえるでしょう。  「×××が○○○な未来だったら…」というシチュエーションSFとしては、アイデア倒れの作品といえるのではないでしょうか。  本来のテーマと外れたところですが、緊張感のあるシーンを長回しのカットで撮影しているのは効果的で、銃撃戦はへたなアクション映画よりも迫力がありました。
[DVD(字幕)] 3点(2007-07-25 17:11:02)(良:2票)
11.  ブラック・レイン 《ネタバレ》 
マイケル・ダグラスの魅力が最も輝いている一本だと思います。汚職や暴力的な性格といった、人間臭い刑事の役どころは、当時のマイケル・ダグラスにぴったりで、存在感充分です。対するキャラクターとしては、高倉健演じる警部補で、この二人が対立を経てお互い理解しあうというストーリーの軸は、よくあるハリウッド刑事映画の基本パターンではあります。ですが、そこにアメリカと日本という要素を加えることによって、一段上の作品に仕上がっていると思います。 この作品が持つテーマとは、違う国の文化、習慣、考え方に対しての「敬意」ではないでしょうか。監督のリドリー・スコットや製作者は、日本を舞台にしながら、それまでによく見受けられた、忍者・芸者・腹切りなどといった見世物的要素を排し、日本人の「考え方」に眼を向けています。高倉健の役は、規則に縛られて上司の目を気にする警部補で、ケイト・キャプショーは「何年住んでも、日本人からみれば私も“ガイジン”」とセリフで語り、形見分けの習慣も劇中で使われるなど、「日本人とはどのような人間なのか」という探求心を、製作者側が持っていたことが感じられるのです。 アメリカ人と日本人が始めはぶつかり合うが、悪を倒すための捜査という行動を経て、お互いに敬意を払うようになる、という人間の可能性を描いた、単純ですが品位の高いストーリーだと思います。異なる宗教や民族の集まるアメリカが抱える問題に対し、一つの回答を提示した作品、と言ってしまうと過大評価になってしまうのでしょうか? 
[DVD(字幕)] 9点(2006-12-31 21:38:08)(良:2票)
12.  フィクサー(2007)
この映画の致命的な欠点は、「主人公が有能なもみ消し屋である」事を描くシーンが全く無いことだ。また、被害者側の苦しみも具体的には描かれない。そのため、主人公の悩みや行動など、全ての展開に実感が湧かず、盛り上がることが無い。 企画自体に、血が通ってない印象を強く受けた。 ジョージ・クルーニーではなく、無名の俳優だったら30分も見られなかったであろう。
[DVD(吹替)] 2点(2009-06-29 23:06:15)(良:1票)
13.  マイケル・ジャクソン/THIS IS IT
 この作品のすごい点は、マイケルジャクソンという男のアイデンティティを、再び確立したことだと思う。  彼のファンではない多くの人々は、いわゆるゴシップ的情報によって彼を「変人」「奇人」というレッテルでしか見ていなかった。むろん、自分もそうであった。  しかし、フィルムの中に映し出された男は、まぎれもない歌手でありエンターテイナーであった。そしてそれこそが最も大切な事実だったということに気づかされた。この作品を鑑賞することで、「マイケル・ジャクソン」が本当は何者であったのかを、我々は知ったのだ。  一方、熱心なファンには、「マイケルの本当のライブはこんなレベルじゃない」「中途半端な状態のものを見たくなかった」という感想を持つ人もいるようだ。それはおそらく正しいであろう。  しかし、誤ったマイケル像を抱いていたファン以外の人々が、彼の本当の姿に目を向けたことを喜んでほしいと思う。  一本の映画が、一人の男のアイデンティティを取り戻した。しかもそれは、さまざまな演出を加えたものではなく、彼の歌う姿=彼の本質をひたすら提示したフィルムであった。舞台を共にしていた、ケニー・オルテガの製作姿勢も素晴らしいと思う。
[映画館(字幕)] 10点(2010-01-09 12:23:12)(良:1票)
14.  ランボー/最後の戦場 《ネタバレ》 
この映画は「ミャンマーの内戦をテーマにしたアクション映画」ではなく、「ランボーの活躍できる舞台をミャンマーに設定した」だけのように思える。それは恐らく「ランボー3」のアフガンと同様なのだろう。内戦についての切り口はなく、代わりに残酷な殺戮シーンが繰り返される。内戦の悲惨な面は伝わってくるけれど、それについて考えさせられることは特に無い。  アクション映画としては、80年代によく作られたMIAものから全く進歩してないことに驚く。むしろ展開が薄くなっており、「もう終わりかよ!?」と拍子抜けする感じ。  また自分としては、「独善的で無知な人間のために、多くの人間が無駄な戦いで死ぬ」という話では盛り上がれない。せめて、使命感の強いプロの傭兵を助けるために戦う、などという展開が欲しかった。
[DVD(字幕)] 3点(2009-03-21 21:48:08)(良:1票)
15.  インサイド・マン
期待が大きかっただけに、失望感も大きい作品でした。オープニングこそ、緊張感がうかがわれる雰囲気で良かったのですが、数多くの方が指摘されているように、1.ジョディ・フォスターの役割がまったく不必要 2.クライブ・オーウェンのキャラクターが無い 3.トリックが子供だまし といった欠点が目立ちすぎると思います。 1.ジョディ・フォスターの役割が不必要 …本当に脚本的に意味が無いので、不思議です。もっと犯人や刑事サイドに関わる人間関係を設定すべきであり、ジョディ・フォスターをキャスティングするに足るキャラクターが全く作られていなかったと感じました。 2.クライブ・オーウェンのキャラクターが無い …この作品の致命的な欠陥だと思います。「何のために銀行強盗に入って、必要な物を盗むのか」という、目的が全く明かされていないので、表面的なストーリーだけが延々と続きます。自分の欲のためなのか?社会を良くするためなのか?復讐なのか?といったストーリーの主軸となる目的があれば、クライブ・オーウェンと他のキャラクターとのドラマが生まれてくると思うのですが。 3.トリックが子供だまし …ネタとしては、アッという驚きがありますが、あくまで軽い驚きにしか過ぎないと思います。このトリックと同レベルに位置するのは、恐らくテレビアニメの「ルパンⅢ世」だと思います。とても、3大ハリウッドスター共演の大作映画の劇中で使用されるレベルではないでしょう。 「フライトプラン」に続いて、ジョディ・フォスターの作品を選ぶセンスに、疑念を抱かざるを得ない作品でした。 
[DVD(字幕)] 2点(2006-12-29 23:44:22)(良:1票)
16.  誘拐犯(2000) 《ネタバレ》 
残念ながら、脚本の出来が良くないと感じました。まず、多くの方が指摘しているように、主人公二人のキャラクターが描かれていないため、魅力が全く表現されていないと思います。また、敵方のキャラクターも同様に描かれないまま、突然各々が自己主張を始めてしまうという、中途半端なドラマが全編を覆っているため、ストーリーにも魅力を感じませんでした。 冒頭の喧嘩のシーンをはじめ、行き当たりばったりで目的もよく判らないまま、犯罪が進んで行くため、緊迫感や爽快感が無く、退屈な展開が続きます。 やはり、どんな理由で金が欲しいのか?なぜ子供が欲しいのか?なぜ汚い仕事を続けるのか?といった、人間の欲望や行動理由が描かれていないため、底が浅いドラマになっていると思います。 ラストの銃撃戦がリアルだといわれていますが、リアル=面白いではないと思います。やはり、人間と人間が戦うという事は、そこにもドラマを求めてしまうものですから。弾数や銃の扱い方よりも、人間の思い、行動、感情が観客の心を動かすのではないでしょうか。 細かい点で気になった所は、1.誘拐のシーンで一旦逃げる主人公たちを、なぜボディーガードたちは撃たなかったのか?2.その後、なぜ主人公たちは戻ってきたのか?ボディーガードたちよりも先に外に出たのに、入り口近くにいたのもおかしい。3.医師のカバンを主人公の一人がチェックしたのに、なぜ拳銃を見逃したのか?4.主人公たちは狙撃銃など多数の武器をいつのまに手に入れたのか?などでした。 好きな人たちには申し訳無いのですが、結論としては「才能があるかもしれない監督の、ひとりよがりの作品」といったところでしょうか。監督の以降の作品が聞こえてこないのも、この作品が評価されていない証といえるのかもしれません。 
[DVD(字幕)] 2点(2007-01-19 18:13:40)(良:1票)
17.  “アイデンティティー” 《ネタバレ》 
 私の感覚では、「ぎりぎりアウト」です。判断基準は、ネタ割れした後に「あ~そうだったのか!…で、この後どうなるんだ!?」と感じるか、「え~っ今までのは何だったの!?…もう、この後はどうなってもいいや」と感じるかで、本作は後者になってしまったからです。  また、多重人格の治療法についてはかなりSF的なものであるにもかかわらず、話の中では何の論議もされずに(観客に対しても説明は不充分)、死刑が撤回されてしまうなど、荒っぽい部分が多いと思います。  「多重人格者の脳内での戦い」というアイデア自体を活かすなら、最初の30分以内に観客に提示するべきだと思います。そして、脳内バトルを医師たちがモニターしながら、殺人者の人格を倒すべくリアルタイムで治療をしていく話などにすれば、正統な構成になったと思います。  (余談ですが、口直しにブライアン・デ・パルマの作品を見て、その力量を改めて感じることになりました)
[DVD(字幕)] 2点(2007-09-09 22:40:08)(良:1票)
18.  告発のとき 《ネタバレ》 
テーマや姿勢が真面目で、「いい映画」を目指しているのは好感が持てる。しかし、映画の出来としては今ひとつで、そのため心に残るはずの訴えが、うまく伝わってない感じを受けた。 特に、「戦争が引き起こす兵士たちの狂気化」を描くなら、戦場に出る以前(から変わった点)も描くべきであったと思う。主人公が元軍警察なのだから、その点には詳しいはず。 同様に息子の変化も、戦争前にどんな人間だったかを、父がもっと語るべきだったと思う。例えば「犬をよけて車を電柱にぶつけた」などの思い出話があれば、だいぶ印象が違うと思う。 また、地元の警察との確執があるが、「一般犯罪者」と「戦場(帰り)の狂気」の違いも描けたはずだと思う。それによって問題の大きさ、深さをもっと分かりやすく浮き彫りにすることもできたのではないか。 そして、「なぜ兵士が狂気化するのか?」という問題にまで踏み込んで欲しかった気もする。この作品なりの切り口が見たかった。 色々考えると、もっと面白く、心に残る作品に出来たと思うのでいささか残念。 
[DVD(字幕)] 4点(2009-03-27 01:26:14)(良:1票)
19.  グエムル/漢江の怪物 《ネタバレ》 
 大掛かりなモンスタームービーとして、かなり力の入った作品で、家族をテーマに、娘を取り戻そうとするストーリーも、なかなか良いと感じました。  しかし、全体の作りとして、いささかまとまりが悪いと思います。多くの方が指摘されているように、ウイルスや米軍の介入などは、必要な要素とは思えず、その分家族間のドラマを描いて欲しかった気がします。冒頭から怪物が暴れまくり、街がパニックになりますが、その危機感が持続しているとは言いづらいのも、マイナス点ではないでしょうか。  オーソドックスな展開として、1.夜中に怪物に襲われて、父親の前で娘がさらわれる 2.父親の言うことを誰も信じてくれない 3.娘から電話があり、家族が団結して助けに向かう 4.警察などと反目しながら、下水の怪物を探し当てる 5.怪物は人々の前に姿を現わし、パニックに陥る というものがまず考えられるが、家族の結びつきや、ラストの怪物退治のカタルシスは、こちらの流れの方がより高まると思います。  気になったのは、随所に見られるコミカルな演出です。病院からの脱出は、コメディ調にして誤魔化しているとしか思えないし、残弾の数え違いが原因で祖父が殺されるシーンは、笑えもしないし、悲しめもしないという、理解に苦しむものでした。 
[DVD(字幕)] 4点(2007-02-18 23:08:27)(良:1票)
20.  ポセイドン(2006) 《ネタバレ》 
 パニック映画において、絶対に失ってはいけない「魂」、それは「できるだけ多くの人々を助けようとする、主人公の姿勢」だと私は考えます。  しかし、この映画には全くそれが無い。主人公の男と元市長の二人は、脱出できそうだとわかるやいなや、周囲の人々を放り出して、すぐさま自分たちだけ逃げ出してしまう。救おうとするのは、自分の家族や好きな人だけである。そんな主人公たちに、一体どれだけの観客が声援を贈るのであろうか?  「リアルな人間の行動だ」ととらえることも出来るし、そこに観客は共感できるとの見方もあるだろう。だがそれは、この上なく「安い共感」であり、何の感動も得られるものではない。 たとえ「非リアル」でも、不可能と思える困難に立ち向かい、限界まで人道を追求する主人公の姿にこそ、観客は憧れ、感動するのではないでしょうか。  1972年作の「ポセイドン・アドベンチャー」は、まさにそんな映画であった。今回のリメイク版は、魂の抜けた「ポセイドン・アドベンチャー」であり、このような作品を製作するなら、もっと大胆にストーリー展開や設定を大きく変えても良かったのではないか。  最近の作品らしく、脱出シークエンスは派手に作ってあり、一応見どころにはなっていました。 
[DVD(字幕)] 2点(2007-07-25 17:03:39)(良:1票)

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