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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2255
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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41.  暗黒女子 《ネタバレ》 
観終えた瞬間の印象は『リアリティゼロのなんちゃってミステリー』。しかし、その後小一時間ほどのボランティア清掃中に物語を反芻した結果「悪くないかも」に感想は変化しました。以下私なりの解釈。そもそもオチがセールスポイントの映画ですので、鑑賞後にお読みいただければ幸いです………。 リアリティが感じられない要因は大きく2つ。①狂言自殺で屋上から飛び降り?マジで?しかも後遺症ナシなの?②自身が犯した殺人を、自ら皆にバラすって、むしろ弱み握られてない?清水の言い分を“真実”と捉えるから“嘘くさい”と感じられるのです。そこには“ミステリーのお約束”が存在していました。最後に披露される“事件の真相”を無条件に受け入れてしまう心理。果たして信用するに足る裏付けや証拠の類は提示されていたでしょうか。そう、脇役たちが告発した“小説”と、清水の“種明かし”に本質的な違いはありません。彼女の解説もまた“ある意図をもって創作された”と考えらます。しかも、清水は飯豊の参謀。事の全容を掌握できる立場。月は太陽に成り代わる為に、一計を案じたと推測します。子供たちはまんまと清水に騙されたのではないでしょうか。もちろん飯豊は自殺済み。脇役たちは人肉など口にしていません。金持ちのお嬢様なら、パニックに陥った子供たちを一瞬信じ込ませる程度の「模造腕」の入手など訳も無いでしょう。策士、清水の作戦勝ちと。さて、子供たちがこの“作り話”に気付く日は来るでしょうか。少なくとも“女子高”という閉ざされた世界に囚われているうちは、無理な気がしますが…。ここまで想像して、初めて価値が出る映画と思われます。これが正しい見方とは思いませんが、こう解釈しても面白いということで。たしか本作公開時に清水さんが事務所を辞めて出家されたと記憶しております。騒動が故に公開が危ぶまれた一方、結果的に清水の“サイコキャラ”イメージを補完しており、作品としての完成度が増しているのは皮肉なものです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-05-15 00:13:16)
42.  アウトレイジ 最終章 《ネタバレ》 
前作が『ビヨンド』なら、常識的にいって本作は『ファイナル』か『フォーエバー』ですよね。何故に『最終章』だったのか。見終えてその謎が解けた気がします。それは監督からのメッセージ。“お前らの想像どおりには行かないよ”ということ。テンション高い「バカヤロー、コノヤロー祭り」を期待していた私としては完全に一本取られた心境です。でもちょっと嬉しいような。多分、正しい商業監督、あるいは職人監督なら、ちゃんと観客のニーズ通りの映画を撮ったでしょう。でも北野監督は、芸人であり、芸術家。同じコトの繰り返しでは満足しなかったものと推測します。前2作を前フリに使っての見事なスカシ。裏切りこそ笑いの神髄。痺れました。雰囲気激変の静かな『アウトレイジ』ではありますが、基本エッセンスは健在でした。会長、花田のエグ過ぎる殺され方。大友&市川のマシンガン襲撃。カタルシスは十分です。シリーズ映画完結作として、ケツの拭き方も見事なもの。ただ、大友が「なんだよ、お前ら信じちゃったのかよ。コレだよコレ」なんて台詞を吐きながら、トマトケチャップを差し出してきたら、拍手喝采したい気分ではありますが(笑)。(以下余談)それにしても役者「北野武」は全くもって大根だと再確認しました。いや正しくは味わい深いので“いぶりがっこ”でしょうか。好きな演技は塩見さん。印象に残ったのは原田泰造さん。あの小物感、テンパリ感はいいなと。大御所・名優・クセモノ揃いの俳優陣の中で、チョイ役ながらちゃんと輝いていたと思います。
[映画館(邦画)] 7点(2017-10-13 23:59:12)
43.  アフター・アース 《ネタバレ》 
不合理な部分が多い事に困惑します。何故銃器が存在しない?筏で寝るってオカシクない?鷹(鷲)の恩返しって正気ですか?細かい点では、宇宙船の座席が気になりました。ワープ機能まで装備しているハイテクマシンなのに、高速バスより座り心地が悪そうです。これらを単なる“設定の粗”で片付けてよいのでしょうか。意図したミステークに思えて仕方ありません。矛盾を解消する解釈は一つだけ思いつきます。それは“夢オチ”。それも主人公キタイではなく、二世俳優ジェイデン・スミスの。偉大なる存在、父ウィル・スミスのプレッシャーから、息子がこのような悪夢をみたのであれば合点がいきます。メタ・ファンタジー。ですから近い将来、ジェイデンの寝起きシーンがラストに挿入された【完全版】が公開されると予言しておきます。ただし【完全版】で物語に整合性が与えられても、感動には繋がりません。そりゃそうです。夢の中でどんなに活躍しても、手柄にはなりませんから。真の意味での【完全版】はジェイデン・スミスが父の庇護を離れて大成することで完成すると考えます。それは俳優として成功すること?いいえ違います。キタイは最後、レンジャーの才能を捨て、母と一緒に働くと口にしました。父と同じ道は歩まないという意味です。果てさて、ジェイデン・スミスの将来はどうなるのでしょうか。俄然楽しみになってきました。こう捉えてみると、どんなSF超大作よりロマンがある作品なのかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-09-21 18:58:47)
44.  R100 《ネタバレ》 
齢百の映画監督が撮り上げた“本作”は、タイトル通りR100(=100歳未満視聴禁止)とのこと(100歳未満は観ても理解出来ないとも)。さらに監督は試写会で困惑する関係者を尻目に、恍惚の表情を浮かべていました(劇中の主役・大森南朋と同じ性癖と推測されます)。つまり①誰にもこの映画は観て欲しくない(批評して欲しくない)。②もし批判されてもマゾヒストにとってはご褒美ですよ、ということ。鉄壁の映画批評拒否姿勢です。それはもう清々しいくらい。こうなると評論家は困るでしょう。批評を拒絶している映画に高評価は与えたくないのが人情ですし、かといって低評価を付けるのも監督の注文通りのようで腹立たしい。こんな時、ただの映画好き素人は気が楽です。評論ではなく、単なる感想ですから。以下、素人の毒にも薬にもならない独り言……。本作で採用されている演出技法で印象的なのは「巻き戻し・繰り返し」。渡辺直美の唾プレイや、ダイナマイトCEOのプール飛び込み場面などで多用されています。映画というより、テレビバラエティの演出技法(BGMはマンボのリズムがお馴染みですね)。それゆえ真っ当な映画監督は(そのプライドから)使いたがらない手法ではないでしょうか。監督はそれを見越して、あえて使用している気がするのです。それでいて、ちゃんと面白いのが流石でした(巨躯CEOの膝から入水するフォルムが抜群!)。個人的には、大森のエンドルフィン放出時の顔がキマグレン(又は波岡一喜)ソックリでツボでした(笑)。映画文化自体に喧嘩を売るノリ、関係者及びファンからは総スカンを食らって当然でしょう。一文の得にもならない無駄な喧嘩。私は天邪鬼ゆえ支持させていただきます。今までの松本作品の中で、最も“もう一度観直してみたい”と思える魅力があったのは間違いありません。
[DVD(邦画)] 7点(2014-07-21 20:26:52)
45.  アナと雪の女王 《ネタバレ》 
本作のアイコンであり、記録的大ヒットの最大要因『Let It Go』。私は日本語吹き替え版で観賞しましたが、歌と映像は文句なく素晴らしいです。ただし、劇中に組み込まれてみると、物語前後の繋がりがぎこちないと感じました。会話劇からミュージカルへの転調に対する違和感ではなく、単純に脚本の流れに沿っていない気がするのです。自己肯定を高らかに歌い上げたエルサが、アナの訪問を頑なに拒むのは不自然ではないかと。極論かもしれませんが、私は『Let It Go』は全カットで良かったと思います(氷の城建造過程は観客の想像力を信用して問題ありません)。あるいは大団円のエンディングにこそ相応しいと思いました。エルサの能力はコントロール出来れば、巨万の富を得られる超パワー。築き上げるなら氷の城ではなく、冷凍食品製造工場でしょう。急速冷凍の高品質品。バカ売れ確実。「(懐は)少しも寒くないわ」ってね。失礼。おフザケが過ぎました。が、半分は本気です。「愛は氷を溶かす」は正しいですが、「愛ゆえに凍りつく」もまた真実。事実、エルサは親の利己的な愛に囚われました。彼女がどのような心理過程を経て、自己解放に辿りついたかを描く事が重要だった気がします。サントラCDを売るためのミュージックビデオとしてなら満点で間違いありません。(以下余談)今回は長女(小学3年生)と二女(保育園年長)を連れての劇場観賞(クレヨンしんちゃん逆襲のロボ父ちゃんの感想でも触れましたが、日頃の罪滅ぼし)。ちなみに点数を聞いたところ、二女は10点、長女は9点でした。お父さんはちょっとひねくれているので7点です。
[映画館(吹替)] 7点(2014-07-09 19:29:38)(笑:1票) (良:1票)
46.  アダプテーション 《ネタバレ》 
物書ならば、おそらく誰でも一度は考え付くであろうアイデア。でもほとんどの作家が実際に作品化しないのは、作品にしても面白くないから。寝てみる夢を他人に語ってもつまらないのと同じように、この面白さは当事者でないと理解できない範疇のもの。それに、どうしても独り善がりな表現になりがちです。そういう意味では、本作は作者の体験(脚本家の苦悩)を客観的な娯楽性を担保しながら具現化出来ていたと思われます。及第点以上。夢と現が混在しているのに、それを観客に意識させないのは高等テクニックと言えましょう。もっともその大部分をニコラスの頭髪が担っている気がしないでもありませんが。「志村、うしろ~」と同じノリで、「ケイジ、あたま~」と何度口にしたことか。ニコラス・ケイジの鳥の巣ヘアーに敬意を込めて+1点進呈。自虐的過ぎて、イマイチ笑うに笑えないのがもどかしいところ。
[DVD(字幕)] 7点(2014-01-04 17:58:53)
47.  赤い珊瑚礁 オープン・ウォーター 《ネタバレ》 
サメの描写自体は、水族館やネイチャーチャンネルでお目にかかるものと、何ら変わりありません。画のインパクトは無いに等しい。にもかかわらず、これほど恐怖を感じるのは何故でしょう。それは人が置かれた立場が、あまりに無力だからです。抵抗する事すら叶わぬ状況。もし彼らがナイフ1本でも所持していたら、きっと勇気を持てたと思うのです。実際それでどうなる訳でもないでしょうが、心の在り様は全く違ったはずです。見事な設定勝ちでした。サスペンスホラーは、とかく“加害者”を如何に恐ろしく描くかに腐心しがち。でも本当に大切なことは、そうではありません。この映画には“恐怖のメカニズム”が正しく活かされていたと感じます。それにしても、あの状況で船に残らない選択が正解だったとは。まさに事実は小説よりも奇なり。海洋パニック映画の金字塔『ジョーズ』とは違う手法論でサメの恐怖を引き出した点を評価したいと考えます。
[DVD(吹替)] 7点(2013-02-12 19:44:08)(良:1票)
48.  あぜ道のダンディ 《ネタバレ》 
本作における“ダンディ”の定義とは、“やせ我慢してカッコつける”ということ。居酒屋で、主人公の親友が息子君に説明しています。確かに主人公の言動は、この定義に当てはまりました。お腹が空いても朝ごはんを食べない(朝食代の節約?)。ゲーム機の知識が無いのに店員さんに聞かない(無知をさらすのが恥ずかしい)。「お金はいっぱいある」と嘘を言う(子供に心配させたくない。でもバレバレですよ)。そもそも体裁を気にする日本人にとって、“やせ我慢”とは美徳の一部でした。ところが欧米のライフスタイルが浸透してきた昨今、価値観も一変しました。利益至上主義。やせ我慢なんてナンセンス。でも主人公にシンパシーを感じてしまうのは、自分も同じオールドタイプだからでしょう。単に恥ずかしがり屋の見栄っ張りとも言いますが(苦笑)。そんな本作のダンディ父さん。親友の前では弱音と愚痴吐きまくりです。2人の掛け合いがまるで漫才のようで可笑しかった。画面に向かって何度ツッコんだことやら。見た目はオッサン、中身は中学生って、一体何処の名探偵ですか。子育てや介護といった高いハードルを乗り越えてきた立派な大人が、子供に戻ってしまう滑稽さ。でも、こうやってバランスを取りながら、大人は苦い現実と折り合いを付けているのだと思います。ラスト、主人公は言います。「依然として後方」と。多分ずっと後方。逆転なんてありません。でもいつか来るはずの、ラストスパートのために、今は力を溜めるのです。そんなやせ我慢で、耐えられる今日がある。似合わない中折れ帽で、ダンディを気取る親父さんに、幸あれ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-09-12 19:56:51)(良:1票)
49.  アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事! 《ネタバレ》 
ド派手なカーチェイスとポリス映画お馴染みの“イカした台詞(言い回し)”で、まずツカミはOK。“主役”刑事の見事な死に様に大爆笑し、これは自分好みのコメディだと確信しました。(ちなみに、イケてる刑事の最期は個人的に大変ツボでして、コメディタッチの刑事ドラマの最終回は、すべからくこれを採用して欲しいとさえ思いました。宙に舞うタカとユウジ。最高じゃん…)バカ過ぎる展開としょーもない小ネタの数々、これぞアメリカンコメディ。爆発炎上シーンも欠かせません。主役の脇役2人が、最後まで脇役(アザー・ガイズ)であり続けた一貫性も良かったと思いました。ただし、エンドロールには疑問符が付きます。意図は理解できるものの、ここに来てのインテリ臭は不要です。バカ映画の価値が下がってしまいます。バカはとことんバカであってこそ輝く。このあたりは『みんな~やってるか!』の精神を見習って欲しいと思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2011-11-18 18:54:46)
50.  あんにょん由美香 《ネタバレ》 
序盤のインタビュー、中野貴雄監督の言葉が耳に残りました。『林由美香は2度死ぬ』。これは『007は二度死ぬ』を引用したもの。One life for yourself and one for your dreams.誰からも忘れ去られたとき、人はもう一度死ぬ。氏の解釈が合っているかどうかは別にしても、妙に納得しました。女優だからこそ2度死ぬ。いや2度死ねる。フィルムに自己の存在証明を焼き付けられる者のみに許された名誉の死。でも見方を変えれば、思い出してもらう度に生き返るとも言えます。林由美香は野郎どもの心の中で永遠に逝き続け、生き続け、イキ続ける。なんかスゴい。それにしても面白いのは、これだけ多くの関係者のコメントにもかかわらず、彼女の人となりがほとんど掴めないこと。単純に監督の力量不足?それとも、それが林由美香という女優の魅力?自分には分かりません。でも本作製作のきっかけが、監督が彼女に言われた一言「松江くん、まだまだだね」だとすれば、前者の理由のほうが“微笑ましい”。自分は林由美香というピンク女優に思い入れはありません。でも観終えて彼女との距離が近づいたような、少しだけ好きになったような気がします。林由美香への愛と情に包まれた優しいドキュメンタリーでした。
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-27 18:54:52)
51.  アドレナリン:ハイ・ボルテージ 《ネタバレ》 
前作の課題「アドレナリンを出し続けろ!」より、本作の「充電し続けろ!」の方が判り易くて良かったです。終始一貫、あの手この手で人体充電法を披露してくれました。物語の方は前作を遥かに凌ぐバカっぷりで、ハッキリ言って無茶苦茶です。弾けた演出は、良く言えば「悪ふざけ」悪く言っても「悪ふざけ」という感じ。製作サイドが楽しんでいるのは分かりますが、ノリがキツ過ぎて受け入れられない人は多いだろうなと。少なくともタキシード&イブニングドレスの紳士淑女の評価は糞味噌でしょう。本作一番の驚きは、あっちのヤーさんは、落とし前をつけるのに小指ではなくびーちくを落とすのだということ。知らんかった。てか、知らんでも良かった。
[DVD(字幕)] 7点(2010-07-24 19:45:53)(笑:1票) (良:1票)
52.  秋深き 《ネタバレ》 
「オッパイを失うくらいなら死んでもいい」ではなく、「どうせ死ぬならオッパイを残しておきたい」が一代の気持ちだと受け取りました。彼女は自分の死期を悟っていた気がする。手術でボロボロになって寺ちゃんを悲しませるより、治癒の希望を夫に抱かせたまま死にたいということ。ブラを焼き捨てたのは生還出来ない事を知っていたから。自らの選択のケジメでもある。胸が痛みます。自分は当初、「オッパイを切らないで頑張ってみたい」という一代の言葉を、寺ちゃんは鵜呑みにしたのだと考えていました。その結果、狂って暴走したのだと。だから腹が立った。少しでも長く彼女の傍に居てやれ。一刻も早く手術を受けるように説得しろ。殴って目を覚まさせてやりたかった。でもラストの寺ちゃんの顔を見て、それが勘違いだった事に気づきました。あれは悔いのない人間の顔。彼はちゃんと一代の想いを受け止めていた。何もかも承知で彼女の我侭を許したのだと感じます。それがどんなに辛い決断だったことか。励ましの言葉をかけるのは容易い。でも「無理しないでいいよ」は愛していなかったら言えません。彼は間接的に“このまま死にたい”という一代の願いを叶えたのだと思います。勿論、ガソリンを飲んでも助からないことや、壷がインチキだってことは百も承知。でも、奇跡を願わずにはいられない。それが人の心。後追い自殺だけは許せませんが、彼の精一杯の足掻きを自分は批難できません。終末医療については様々な考え方があると思います。自分自身、当事者になってみないと判らない。でも最期は自分で決めたいと思う。秋深き。冬支度の頃。少しでも穏やかな冬が我が身に訪れんことを、心から願います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-01-19 20:25:16)(良:2票)
53.  青い春 《ネタバレ》 
“親友であるためには対等でなくてはならない”青木はそう思ったのでしょう。でも九條と自分では格が違いました。見ている世界が違うのです。それが悲しかったし、許せなかったのだと感じました。同じ世界を共有するために彼がしたこと。髪形も変えました。悪もやってみました。でも足掻けば足掻くほど、あいつとの違いに打ちのめされます。九條と肩を並べるための最後の、そして唯一の方法が、あの“結末”だったのだと思います。夜通し身動ぎもせずに考え抜いて決意したこと。九條より多く手を叩くことに意味はありません。九條と同じ境地「今ここで終わっていい」に辿り着かなければ意味がありません。青木は覚悟の自殺を遂げたのだと思います。絶対に彼は間違っています。親友の意味も履き違えています。でもそんな風に間違えてしまう青春も確かにあります。マメ山田先生は言いました。「花は咲くためにある」「枯れてもまた咲けばいい」でもそれは、根っこが生きていればこそ。根こそぎ摘んでしまった芽は、決して花をつける事はありません。青木の青春は無様で最低でした。ただし個人的には、汗と涙の爽やかな青春像より、こちらの方が百倍しっくりきます。
[DVD(邦画)] 7点(2008-03-07 18:51:31)(良:1票)
54.  遊びの時間は終らない 《ネタバレ》 
地震や火事を想定した予行演習。小中学生の頃はよくありました。先生は必ず言います。「真剣にやれ!」と。でも子供たちの耳には届きません。だって先生たちから真剣さが伝わってこないから。申し訳程度のスモーク。都合のいい時間帯、場所からの出火。どこにリアリティがあるのでしょう。「お約束」という大きな看板がどーんと掲げられています。小学の高学年くらいになれば、それくらい分かります。だから白けてしまうのです。最初はそういう大人世界の矛盾を、子供心に“変だな”と思ったもの。でも次第に慣れてくるのです。イチイチ突っかかるのが面倒になってきます。いつの間にか、物分かりのいい大人が出来上がっているという仕組み。本作の主人公は、そんな大人にならなかった男。真っ直ぐで、正直で、正義感が強い。彼はひたすらリアルに銀行強盗を演じました。当然いろいろな不都合が出てくるのが道理。困るのは大人たち。これがシニカルな笑いに繋がりました。子供心に抱いたモヤモヤがスッキリする不思議。だから、大人社会に疑問を感じている人ほど観ていて爽快なのだと思います。主人公に共感できるか、はたまた眉をひそめてしまうか。観客の“大人度”が量れそうです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-10-08 20:06:44)(良:3票)
55.  アザーズ 《ネタバレ》 
見事に騙されました。でもアンフェアな印象はありません。振り返ってみれば、ヒントは豊富に出されていたことに気付きます。出し過ぎと思えるくらい。早々にオチに気付かれた方が多いのにも納得です。有名な類似作品もあります。分かってしまえば、気付けないのが不思議なくらい単純なロジック。でも優れたトリックほどタネは単純。真実をカモフラージュする技術が素晴らしいのは、映画も手品も同じです。真相を知ってから観る2度目の鑑賞も悪くないです。台詞の意味が違って聴こえます。ただ基本的に何も起きていない物語なので、オチのためのお話に見えてしまうのが少々惜しい。この家族はこれからもこの屋敷に居続ける。光の恐怖は去ったものの、喜びも消えてしまった。これもひとつの地獄。余韻は深いものがあるだけに、オチ抜きでも魅力的な物語性が欲しいと感じました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-31 18:23:05)
56.  アイランド(2005) 《ネタバレ》 
一言でいえば大味。それを強く印象づけるのはアクションシーン。つまり企業側のトラブル対応の悪さに起因するものです。秘密裡に処理しなければならない案件なのに、ドンパチやるのは不自然です。映像の煩わしさも個人的にマイナス。でも、設定、物語のディテールは決して粗くはありません。人の部品を採るための製品。製品にも人生を与えなくては、品質は良くならない。製品にはオリジナルの記憶がある。記憶の保存場所は脳だけではないということ。これらから読み取れるメッセージは何か。ミラクル連発。“九死に一生”の行き過ぎた展開。これは「君たちは神に愛されている」という台詞を言わせたいがため。神に愛されている彼らは何者か。「それが命の値段なら安いものだ。」「人は生きるためになら何でもする。」印象的な台詞も多いです。(「どんな世界でも女にカードは持たせるな」が一番ですけど。)クローン、脳死、臓器移植。本作のファクターは“人の”生の根元に関わる問題ばかり。軽々しく扱えるものではありません。でも考えなければならないこと。本作がこれらの問題提起を目的としているとは思えません。でも、そのきっかけに“してはいけない”ということはない。少なくとも自分はこの問題について考えました。それだけでも本作には価値があるかと。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-04-07 21:57:28)(良:2票)
57.  アサルト13 要塞警察 《ネタバレ》 
本作の攻城戦には、立て籠もる側の勝利条件に“引き分け”がありました。これがあるのと無いのとでは大違い。戦略が全く違ってきます。相手を全滅させる必要はなく、時間切れに持ち込めればOK。持ち堪えるため、時間を稼ぐためにどんな工夫を凝らすのかが見もの。その観点からすると、いささか物足りません。13分署は単なる箱でしかなく、砦として機能させようという意識が守備側にみられません。その箱に歯が立たないのだから、寄せ手はもっと情けない。“時間制限”という緊張感を煽れるファクターがあるのに、活用しない展開がもどかしい。人物の描き込みも今ひとつ。先の事件で心に傷を負うほど繊細な主人公が、今回の事件で立ち直るのは腑に落ちません。民間人まで死なせてしまった本件の失策の方が、より重大だと思います。同僚が死ななかったからOKなのでしょうか?とは言いつつも、実は結構楽しめました。そもそも自分はこういう設定が好きなのです。秘密基地をつくった世代だからでしょうか。ただ、期待値までは届かずでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-03-28 19:06:18)(良:2票)
58.  暗黒の恐怖
肺ペスト(黒死病)を扱った社会派サスペンス。その題材ゆえ、緊張感が途切れないのが強みです。自分の正義を信じ突っ走る主人公。その懸命さは分かるのですが、独断ぶりも鼻に付きます。彼は職務を全うしようとするあまり、周りが見えていません。しかし様々な障害が彼に教えます。人には立場があること。見方によって物事の捉え方が変わること。そして協力無くして大事は成せぬことを。一人の男の成長物語でもありました。(主人公は妻も子ある男。社会的には立派な大人。そんな彼でも成長できる。成長は子供や若者の専売特許ではないことに勇気づけられました。)手がかりゼロの状態から感染経路を追っていく過程は見応えあり。ただペストの恐怖がイマイチ実感として沸きません。それだけ今は恵まれているという事なのでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-02-16 18:26:28)(良:1票)
59.  アイドルとデートする方法 《ネタバレ》 
お話自体は、ありがちなラブコメ。恋敵となる2人の男が対照的です。例えるなら、スーパーアイドルがフェラーリで、スーパーの店長は原チャリ。それくらいポテンシャルに差がありました。同じスーパーでもだいぶ違います。店長は彼女を奪い取るために派手なアクションを起こしません。トラックの前に飛び出て「ぼくは死にません」と叫んだり、ステータスを上げるために司法試験を受けたりしません。彼女の幸せのためと自分に言い訳し、黙って身を引こうとします。ドラマとしては物足りません。でも現実はこんなものかなと思います。彼は原チャリとフェラーリの値段を比較して諦めた訳です。でもどちらを選ぶかは彼女が決めること。原チャリにだって風を切る爽快感、燃費の良さがあります。とりあえず告白しない事には何も始まりません。それを教えてくれた女バーテンダーは本当にカッコ良かったです。台詞も気が利いていて◎。“6つの笑顔”のくだりはウルッときました。なお本作で最も素晴らしいのがヒロインのキャスティング。美人ではないけれど、愛嬌のあるルックスが純朴な田舎娘にピッタリでした。ベタもベタですが、こんなお話大好きです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-02-13 18:32:54)(良:1票)
60.  アイス・プリンセス 《ネタバレ》 
「自分の歩む道は自分で決める」当たり前のように感じますが、これが意外と難しい。当然ながら生まれたての赤ん坊にそんな芸当は無理で、親がある程度まで、人生の水先案内人を務めることになります。この“ある程度”が曲者。早い段階で道を決める力を持つ子もいれば、そうでない子もいる。親がどこまで案内するか、その見極めが難しい。それに親の影響を受けない子はいない。自分で道を決めたと思い込んではいないか。経済的な問題もあります。本作の主人公は自身の才能に気付き、進む道を見つけます。幸せなことだと思います。道を見つけられたことも、才能を持ち合わせていたことも、それに気付けたことも。「進みたい道」と「才能」が一致するとは限らない。それに「才能に気付く」ことも難関。そして主人公は、“自らの意思で”進む道を決めます。勇気のいること。しかし誰もがしなければいけないこと。彼女はこの時成長したのだと思います。「賢明な判断」より「後悔しない決断」が勝るのが人生。自分はどうだろと振返り、ちょっとへこんでみたり(苦笑)。物語の展開はスポーツものの定石どおりで、目新しさはありません。でも2組の親子の葛藤と成長が丁寧に描かれていて好印象でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-14 19:03:23)
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