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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2255
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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61.  アイドル爆弾(OV) 《ネタバレ》 
爆弾装着と解除のルールについて整理してみます。愛里を標的に指定した犯人の証言から判明しているのは以下のとおり。①爆弾はある組織により装着される。②爆弾装着者は、新たな標的を指定し、さらにその者が別の標的を選んだ時点で最初の爆弾が解除される。③標的はフルネームを言える知人に限定される。④複数の標的を指定することが可能。その他、状況から推測されるのは以下。A.爆弾は、脳波や筋肉を感知して爆発する性質を持ち、装着者に多大なストレスを与える。B.装着者が次のターゲットを選んだとき②のルール説明は必須ではない。C.複数の標的を選定した場合でも、そのうち1人が新たな標的を選べば爆弾は解除される。露見しているゲームルールはこれくらいでしょうか。でも、本来はもっと様々な制約があるはずです。例えば④なら人数制限があるはず。一度に100人とか無理でしょう。Bが有効ならば、いくらでも人殺しが出来る。③の“知人”の範囲は何処までOK?自分なら某将軍様を指定しますが。提示されていない“裏ルール”の存在が予想できます。『カイジ』や『ライアーゲーム』は、この部分にポイントを置いた作品でした。一方、本作は“爆弾魔に翻弄されるアイドルちゃん“という事象を披露することに終始します。前述の作品と比べると、残念ながら物足りない。アルバトロスのモキュメンタリーとは思えぬ真面目なつくりだったので(主演のアイドルちゃんも熱演でした)、せめてオチは納得のいくものを用意して欲しかったです。あんな投げっぱなしの結末は良くないです。あ、手榴弾ってことか?
[DVD(邦画)] 4点(2011-08-07 17:57:56)
62.  悪魔を見た 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。ご注意ください。)もう30分尺を足してスヒョンと婚約者の関係性を描写していたら、もっと主人公に感情移入できたと思う。本作のアプローチはやや手緩い。もっともコレは観客に対する気遣いかもしれない。正面から受け止めるには、結構な精神力の要る物語でありました。『悪魔を見た』の悪魔とは誰を指すのか?強姦殺人狂のギョンチョルか。確かに奴の所業は畜生にも劣る。でも欲望の赴くまま、場当たり的に犯行を重ねる様に狡猾さは無い。印象としては我侭な子供。では復讐者のスヒョンはどうか。敵を追い詰める眼差しには確かに鬼気迫るものがあった。執拗な暴行にも躊躇がない。でもトラブル発生時の対応策を考えていなかったのは間抜けだし、反撃について考慮していなかったのは愚の骨頂。スヒョンもまた目的達成のため、周りが見えなくなっていた子供です。2人がやっていたのは、やられたらやり返す子供の喧嘩。つまり本作に“悪魔”はいなかった。タイトルは『子供を見た』が正しい。もっとも子供とは、人間の生の感情のこと。押さえつけている状態の方が不自然なのかもしれない。個々の直情を制御し社会を形成するために編み出された知恵が、法であり、刑罰です。だから刑罰は大人の理屈ではなく、子供の感情を満足させるものでなくては、本来の意味が無いと思う。倍にして返せとは言わないが、せめて同等の痛みは感じてもらわないと。一発殴られたら、一発殴り返す。それだけのこと。それが許されない理屈って何なんだろう。本作を観て、あらためて死刑制度の必要性を認識しました。死という結果はもとより、死刑囚として過ごす1日1日に本物の反省が期待できるのではないか。いや、期待するより仕方がない。無益な復讐の連鎖を生まないために必要な刑罰があると思う。利口になり過ぎた私たちの社会は、今試されている気がします。スヒョンの復讐について。“遣り過ぎだ”と思う場面は皆無。ただ唯一引っかかるとすればラストです。親を巻き込むのは構わないが、息子だけは勘弁してやって欲しかった。あれでは息子が狂ってしまう。新たなギョンチョルを生んでは、一人を始末した意味がないです。(余談)イ・ビョンホンとチェ・ミンシクのキャスティングを換えても面白そうだと思いました。ただイ・ビョンホン好きのおば様たちからは非難轟々かもしれませんが。
[映画館(字幕)] 8点(2011-02-27 00:54:01)(良:2票)
63.  アンストッパブル(2010) 《ネタバレ》 
一度失敗したとはいえ、ヘリで運転室に乗り込むのが最も確実に列車を止める方法でした。然るに、何故2度目のチャレンジは行われなかったのか。それは対策本部に責任を取る覚悟がなかったからです。一度目の失敗は言い逃れできても、2度目はそうは行かない。出て来るプランは惨事を防ぐための最善策ではなく、経営陣保身のため次善策。だから決断が後手に回る。デンゼルとクリスがいなかったら、手をこまねいて最悪の事態を眺めるだけでした。かといって、2人は善意で命を張ったワケでもない。デンゼルに有ったのは解雇に対する怒り。彼は経営陣に言ってやりたかったのだと思う。「お前らの判断は(いつも)間違っているんだよ!」と。要するに意地です。手柄を立てれば、解雇が取り消される目論見もあったのかもしれない。若造の方はプライベートのゴタゴタで判断が鈍っていたところを言いくるめられた。美談ではありません。彼らは賭けに勝っただけ。でも、結果的に多くの人命や財産が救われたのは事実。それで十分。ヒーローが生まれる時って、案外こんなものだとも思う。事態終結後のインタビューは本来であれば無粋な描写です。でも冒したリスクの分、見返りは欲しい。誰だって良い事をしたら褒められたい。そんな人間の本音をさらけ出したラストだったと思います。キレイ事で終わらせなかった。でもそこがイイ。
[映画館(字幕)] 8点(2011-02-03 20:52:29)(良:2票)
64.  悪魔のいけにえ 《ネタバレ》 
ホラー・スプラッターのジャンルで、名作の誉れ高い本作。それ故に鑑賞を躊躇してきたのですが(気分が沈むのが嫌だから)、ついに観てしまいました!監禁や追いかけられる恐怖は、類似作品とそんなに変わらないし、残酷描写のエグさは『SAW』シリーズの方が上だと思います。飛躍的に技術が向上した視覚効果の分野では、70年代作品に勝ち目はありません。にも関わらず、本作はこの先も名作であり続けるであろうことを確信しました。本作の何がスペシャルなのか。それは“理解出来ないモノ”で溢れているからです。例えば、印象的な瞳の接写。これだけ執拗だと確かに気色悪い。けれども、監督の意図は理解出来ます。理不尽な監禁と容赦ない虐殺。でも殺人鬼ならそれくらいやるでしょう。理解できるものは、克服できる。しかし、キーパーソンと思しき車椅子の男をアッサリ殺したり、ミイラ爺さんに無理やりトンカチを握らせたりするのは、意味が分かりません。親父が女性を捕えたときに“ほうき”を使ったのも。完全にツッコミ待ちのボケですもの。実際、ミイラ爺さんがタライにトンカチを落とす度に爆笑しました。笑いながら、気分が悪くなりました。怖かったはずなのに、笑うって何なのさ。隣り合わない2つの感情が同居した事が不快でした。監督のセンスが、自分の許容範囲を超えていたのだと思います。極めつけは、レザーフェイスのダンス。何それ。何だお前。これ、一歩間違えば、いや半歩間違えばクソ映画です。でもその半歩を外さない手堅さも感じます。クソ映画と傑作が紙一重とは。良い映画とは何なのでしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2010-09-19 21:27:21)(笑:1票)
65.  悪夢のエレベーター 《ネタバレ》 
当初、観客はエレベーターに乗り合わせた第三者でした。誰かに感情移入した状態ではなく、いわば5人目の乗客。一歩引いた立場ゆえ、状況を客観視する余裕がありました。そう、マンションのエレベーターに閉じ込められたくらいで生きるの死ぬの嘘くさい。最初のサプライズは不発でした。そういう意味では、視点が主役に固定される“ネタバレその後”が本作のメインと言えます。マンション管理人への致命的な誤解、そして事件の黒幕について、知れば知るほど、事態が悪化するほどに、観客は主人公と共に恐怖の渦に巻き込まれていく仕組みです。でも自分はコチラも大丈夫でした。冷静でいられた。それは主人公に共感できなかったから。所長は“いい人”過ぎました。例えば、助手が言うように愛人の自殺など放っておけばいい話。でも彼にはそれが出来なかった。ラスト走り出したのも、これから黒幕が引き起こすであろう次の悲劇を防ぐため。我が身の保身よりも、人命を優先して考えられる男です。繰り返しますが、主人公はいい人だった。しかるに彼は、管理人を2度にわたり殺しました。混乱したから。勘違いしたから。そういう言い訳は確かに出来ます。でも人間って、そうじゃないだろうと思う。切羽詰ったときに出るのが本質です。1度目は過失だとしても、2度目のスパナは覚悟の一撃。今更管理人が目撃者じゃなかったら、どうだと言うのでしょう。事件隠蔽を図るなら、どのみち奴の口は塞ぐ必要がある。主人公の中途半端な善人ぶりに、というより人物造詣のリアリティの無さに、自分は感情移入できませんでした。
[DVD(邦画)] 5点(2010-08-02 20:44:57)
66.  あんにょん由美香 《ネタバレ》 
序盤のインタビュー、中野貴雄監督の言葉が耳に残りました。『林由美香は2度死ぬ』。これは『007は二度死ぬ』を引用したもの。One life for yourself and one for your dreams.誰からも忘れ去られたとき、人はもう一度死ぬ。氏の解釈が合っているかどうかは別にしても、妙に納得しました。女優だからこそ2度死ぬ。いや2度死ねる。フィルムに自己の存在証明を焼き付けられる者のみに許された名誉の死。でも見方を変えれば、思い出してもらう度に生き返るとも言えます。林由美香は野郎どもの心の中で永遠に逝き続け、生き続け、イキ続ける。なんかスゴい。それにしても面白いのは、これだけ多くの関係者のコメントにもかかわらず、彼女の人となりがほとんど掴めないこと。単純に監督の力量不足?それとも、それが林由美香という女優の魅力?自分には分かりません。でも本作製作のきっかけが、監督が彼女に言われた一言「松江くん、まだまだだね」だとすれば、前者の理由のほうが“微笑ましい”。自分は林由美香というピンク女優に思い入れはありません。でも観終えて彼女との距離が近づいたような、少しだけ好きになったような気がします。林由美香への愛と情に包まれた優しいドキュメンタリーでした。
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-27 18:54:52)
67.  アドレナリン:ハイ・ボルテージ 《ネタバレ》 
前作の課題「アドレナリンを出し続けろ!」より、本作の「充電し続けろ!」の方が判り易くて良かったです。終始一貫、あの手この手で人体充電法を披露してくれました。物語の方は前作を遥かに凌ぐバカっぷりで、ハッキリ言って無茶苦茶です。弾けた演出は、良く言えば「悪ふざけ」悪く言っても「悪ふざけ」という感じ。製作サイドが楽しんでいるのは分かりますが、ノリがキツ過ぎて受け入れられない人は多いだろうなと。少なくともタキシード&イブニングドレスの紳士淑女の評価は糞味噌でしょう。本作一番の驚きは、あっちのヤーさんは、落とし前をつけるのに小指ではなくびーちくを落とすのだということ。知らんかった。てか、知らんでも良かった。
[DVD(字幕)] 7点(2010-07-24 19:45:53)(笑:1票) (良:1票)
68.  アマルフィ 女神の報酬 《ネタバレ》 
織田がポリスに銃を向け、天海を逃がした件には疑問が残るものの、それ以外の脚本はそんなに悪くないと感じました。織田主演の映画の中では、上々の部類に入るかと。でもイマイチ物語に入り込めないのは何故か。“渋い”というよりは“辛気臭い”、“優雅”というよりは“カッコつけ”という作品の全体像。これは織田の演技が醸し出している雰囲気だという気がする。『県庁の星』でも感じた事ですが、彼の演技は観ていて楽しくない。当たり役の青島刑事、『振り返れば奴がいる』の司馬はホントにイキイキしているのに、どうしてなのか。キャラの色がハッキリしていない役には向いていないのかな?本作の場合は、輪をかけて天海が上手くありません。脇役は豪華なのに仕事を与えてもらっておらず勿体ない。キャスティングが上手くいっていないような気がします。配役が変われば、随分と印象の変わる映画ではないかと思いました。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-07-03 21:28:02)(良:2票)
69.  アイアンマン 《ネタバレ》 
“遠足は遠足の準備のためにある”は、確かさくらももこ(ちびまる子ちゃん)の名言だけど、本作を観るとまさしくコレが当てはまります。“実戦は準備を楽しむためにある”。アイアンマンの製作過程が楽しくて楽しくて、仕方なかった。1号機は、悪条件下での製作というシチュエーションに燃えたし、2号機以降は丁寧な試作実験の繰り返しに痺れた。製作過程をつぶさに観ることで、スタークのアイアンマンではなく、僕のアイアンマンになっていく。ラストの決戦。上空で凍結した敵をコツンとやる快感!!こちとら、そんな欠点は克服済みなんだよ、と。アイアンマンスーツがボロボロになっていくのもタマラナイ。マジンガーZでもガンダムでも、最終回では壊滅状態。少年の心を酔わせた、あのヒロイズムが蘇ってくる。もう、アイアンマン、カッコ良すぎ。大好きだ!この際、物語の薄っぺらさなんて気にしません。フィギアも買います。遊ばせて。
[地上波(吹替)] 8点(2010-04-25 19:09:41)(良:2票)
70.  アン・ハサウェイ/裸の天使 《ネタバレ》 
主人公ら高校生たちが「退屈だ」「スリルが欲しい」と嘆くのは、実生活にリアリティが無いからです。生きている実感が無い。それはすなわち彼らが“責任と恐怖”を知らない事を意味します。大人はいつも感じている。生きる糧を得ることの厳しさを。属するコミュニティに対する役割を。行為の結果を想像しながら動くのが大人。其処にはいつも責任と恐怖が付きまといます。ですから、遊び半分で危険な地区に足を踏み込んだりしない。覚悟もなしに銃を持ち出したりしない。図体は一人前でも、彼らはまだ子供だということが分ります。黒人文化の“まねっこ”が好きなのも、幼いパーソナリティの表れ。ケツも自分でふけません。もっとも、かく言う自分も彼らを笑う資格はありません。自分だって、あれくらいの頃はガキでした。不平不満や文句だけは一人前。何の権利であんな大口を叩けたのか今となっては謎ですが、実際自分は愚かでした。今も理想とする大人像には程遠い体たらくぶり(苦笑)。ただ希望があるとすれば、人は反省できる生き物だということ。無様な自分を肥やしにできます。幸いなことに主人公は、自分のバカさ加減に気付けたようです。痛みと引換えに少し大人に近づけた。ただ、これも生きていればこそ。クラスメイトの兄ちゃんたちは、もう反省する事さえ適いません。“自分と他人の命を大切にする”。最も大切なルールを教えてこなかった親は罪深いと感じました。最後にまとめの一句。「ハサウェイの パイオツ肴に ふける夜」ほら、こういうところがダメでしょ自分。
[DVD(字幕)] 5点(2010-04-13 21:10:21)(良:1票)
71.  アバター(2009) 《ネタバレ》 
“アバターはイチローである”。自分は本作をそう結論付けました。『アバター』は言わずもがな最新3D映像が最大のウリ。その圧倒的な画力によって観客は異郷の惑星パンドラを体感します。世界の美しさに息を飲み、スピード感溢れる極上のアクションに酔い痴れます。本当に素晴らしい。ただ、脚本は普通だと感じました。良くも悪くもない。ナヴィたちは人間に比べて遥かに優れた能力と豊かな文明を有しています。主人公じゃなくても生まれ変わりたい。ミイラ取りが特上ミイラになっただけの話です。命を賭した主人公にその資格はありますが、冷静になれば結構身勝手ではないかと。ナヴィ=アメリカ先住民族と見立てられる設定ですが、ナヴィ=クジラと見ることも可能です。だとすれば主人公は、某エセ環境保護団体と変わらない。同種族間の侵略行為と異種族間の闘争では意味合いが全く違います。意思疎通が可能な人間とナヴィの関係は、丁度その中間くらいと捉えるのが正しい気がします。主人公の微妙なスタンスを把握しておかないと、人間が一方的に悪いと感じてしまう脚本なので注意が必要だと感じました。心情的にはナヴィを応援したいですが、主人公には最後まで人として生きて欲しかった。ただし、鑑賞中はそこまで思考が回らない。映像の感動に引っ張られて、物語も非の打ち所が無いように感じてしまう。ここで冒頭の結論に戻ります。イチローは国民的ヒーロー。それは彼がプロ野球選手として活躍したからで、人間性は関係ありません。本来は。でも現実にはそんな区別はなく、人間イチローが丸ごと素晴らしいと評価される。もちろん評価は総合点ですから、得意分野で点数が稼ぐのは構わない。本作の評価もそれと同じと考えます。世界興行収益の記録を塗り替え、観客を劇場に呼び戻した本作の功績は絶大です。この人気を一過性の流行に終わらせるか、映画復興の呼び水と出来るかは、後発の映画に懸かっている。ただし視覚効果のインパクトは必ず薄れます。爆発力があるほど、飽きられるのも早い。3D特需の今こそ、求められるのは良質な脚本だと思います。
[映画館(吹替)] 8点(2010-01-31 19:25:51)
72.  秋深き 《ネタバレ》 
「オッパイを失うくらいなら死んでもいい」ではなく、「どうせ死ぬならオッパイを残しておきたい」が一代の気持ちだと受け取りました。彼女は自分の死期を悟っていた気がする。手術でボロボロになって寺ちゃんを悲しませるより、治癒の希望を夫に抱かせたまま死にたいということ。ブラを焼き捨てたのは生還出来ない事を知っていたから。自らの選択のケジメでもある。胸が痛みます。自分は当初、「オッパイを切らないで頑張ってみたい」という一代の言葉を、寺ちゃんは鵜呑みにしたのだと考えていました。その結果、狂って暴走したのだと。だから腹が立った。少しでも長く彼女の傍に居てやれ。一刻も早く手術を受けるように説得しろ。殴って目を覚まさせてやりたかった。でもラストの寺ちゃんの顔を見て、それが勘違いだった事に気づきました。あれは悔いのない人間の顔。彼はちゃんと一代の想いを受け止めていた。何もかも承知で彼女の我侭を許したのだと感じます。それがどんなに辛い決断だったことか。励ましの言葉をかけるのは容易い。でも「無理しないでいいよ」は愛していなかったら言えません。彼は間接的に“このまま死にたい”という一代の願いを叶えたのだと思います。勿論、ガソリンを飲んでも助からないことや、壷がインチキだってことは百も承知。でも、奇跡を願わずにはいられない。それが人の心。後追い自殺だけは許せませんが、彼の精一杯の足掻きを自分は批難できません。終末医療については様々な考え方があると思います。自分自身、当事者になってみないと判らない。でも最期は自分で決めたいと思う。秋深き。冬支度の頃。少しでも穏やかな冬が我が身に訪れんことを、心から願います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-01-19 20:25:16)(良:2票)
73.  有りがたうさん 《ネタバレ》 
有りがたうさん、少々余所見が多ござんす。それに八方美人な面も。ですから娘さんは旦那の浮気にご用心。ちゃんと旦那の手綱を、いやハンドルを(下品な意味じゃなく!)握っていないと、崖から落っこちちゃうかもしれませんよ。それではまた、有りがたう~。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-08-09 19:17:08)
74.  悪魔のシスター 《ネタバレ》 
映画知識に乏しい自分でも“デ・パルマタッチ”という呼び名は耳にした事があります。技術的な考察は出来ませんが、本作を観てデ・パルマ監督らしいとは思いました。画作りに特徴アリです。で、自分が注目したいのは“画面分割”や“瞳のアップ”ではなくて、“死体を隠したソファに血が付いているシーン”。何気ないカットなのですが、妙に気になりました。血の染みは事件を立証する決定的な証拠。でも登場人物の誰一人として気づきません。知るのは観客のみ。当然その心境は「記者よ、早く気づけ!」となる訳です。ドリフで言えば「志村!うしろ!!」状態。でも、探偵役の記者は気付かない。まあ、これは当然の成り行き。お約束です。でも、犯人には気づいて欲しいと思います。あるいは後々の展開で、証拠として活かして欲しい。何故なら、“ソファの血にカメラが寄る”というフリに対するオチが必要だからです。ラストのトボけた味わいにしても同じような事が言える。もう事件の焦点は其処に無いんですよと。「腑に落とさせない」微妙なスカシが本作の隠れた味わい。それが結構面白いと思いました。
[DVD(字幕)] 6点(2009-06-20 20:24:00)(良:1票)
75.  OUT(2002) 《ネタバレ》 
小説の中の人間に、匂いやかたちはありません。声色も分からない。読み手が頭の中で、作者の世界を“再構築”する訳です。言わば映画もひとつの解釈例。自分の原作解釈とは随分違いますが、監督の“理解”は面白いと思いました。遺体をバラバラにする主婦たちの会話。「まずは頭を落としましょう」「魚じゃあるまいし」。水着に着替えるかどうかで、じゃれあう2人。ニュースの中の出来事が、いざ目の前で起きている現実に心が追いつきません。泣きもせず、気も触れず、罪悪感で押し潰されもしない。いつものように笑っている自分に驚きます。追い詰められた4人がカラオケボックスで集うシーンが秀逸。『人生いろいろ』の歌詞が彼女らの生き様にオーバーラップします。挿入される解体場面。えも言われぬ不快感が胸を過ぎります。忘れていた古傷が疼くような。ああ、こうやって今までも不具合に目を瞑り、自分を騙してきたのだと気づかされます。何も今回が特別なことじゃない。法という枠組み、倫理観の縛り、自分が知っている自分を、飛び越える「OUT」。境界を踏み越えるのはかくも容易い。終盤の流れは映画オリジナル。これがまたいい。雅子と邦子を乗せたトラックが、大平原の一本道をひた走ります。脇道が無いのは、選択肢が無いあかし。彼女らの行く末の暗示です。先は霞んで見えません。これを恐怖と感じるか、希望と捉えるか。邦子はともかく、雅子の瞳には後者の輝きがありました。しがらみを捨て去った開放感と、人生の半分を無駄にした虚しさが入り混じった眼差しでした。最後にキャスティングについて。間寛平は普段のイメージが少し邪魔をしました。香川は滅法上手い。室井、倍賞、西田は100点。原田美枝子は200点。彼女の描いた雅子の魅力的なこと!素っ気無い口ぶりがたまらないです。あの雅子なら、家庭の崩壊も、一連の事件の成り行きも、妙にしっくりきます。イケてる女は、倒れてもまた、立ち上がる。
[DVD(邦画)] 8点(2009-06-05 18:44:57)(良:2票)
76.  哀憑歌 ~CHI-MANAKO~ 《ネタバレ》 
愛らしい動物の代表「ウサギ」を、オカルトホラーの題材に選んだ着想は悪くないと思います。真っ白な体毛は『呪怨』の伽椰子を、赤い瞳は『SIREN』の島民を、始終ヒクヒクとしている鼻は『奥様は魔女』を連想させます(こりゃホラーじゃなかった)。ウサギのディテールは、よく見りゃコワイのです。また、芸能界ウサギ顔ランキングがあるなら、上位に食い込むであろう田畑智子をキャスティングしたセンスも間違っていません。ただ、どうせなら市川実和子や中嶋朋子といった一流のウサギ顔も登場させて欲しかったところです。上手く作れば結構なホラーになった可能性はあります。でも残念ながら、ウサギはやっぱりウサギでした。草食小動物の可愛らしさは消せていませんでした。肝心の田畑もウサギ人間に成り切れていません。『A.I.』のオスメント君の“まばたき無し”を見習って、鶴太郎の小森のおばちゃまよろしく始終モゴモゴしないと。オチも弱く、怖くも悲しくも驚きも無い、味気のない仕上がりの作品でありました。ちなみに印象的に使われる小道具「化粧品」は、ウサギを使った動物実験が問題になっているとのこと。プロパガンダ映画の要素もあるようですが、その効果は如何ほどか。
[DVD(邦画)] 3点(2009-05-09 19:51:05)
77.  アメリ 《ネタバレ》 
アン・シャーリーが善なる空想家なら、アメリは厄介な妄想娘といったところでしょうか。ただ妄想するだけなら害はありませんが、悪戯癖には困ったものです。やり過ぎのお仕置きや、他者の人生に介入するような真似は褒められた話ではありません。ですが、これも人生の“スパイス”と考えれば少しは許せるというもの。旅するドワーフに感化された父親は引きこもりから抜け出たようですし、“ほとんど病気”の2人はめでたく(?)結ばれました。美味しい料理にも、楽しい人生にも、スパイスは欠かせません。気になる彼に仕掛けた恋のトラップなんて微笑ましいです。でも、スパイスが過ぎたら料理は台無しになってしまいます。それに香辛料だけではお腹は満たされません。ずっと自分の人生と向き合う事を避けてきたアメリは、ルノワールの絵の中の「水を飲む娘」と同じと言えます。心ここに在らずだから、真ん中にいるのに存在感が薄いのです。本気でぶつからなかったら、自分の人生を手に入れられません。やがては絵描きのおじいさんのように、他人の絵を模写する事で大切な時間を使い切ってしまいます。やはり絵描きは、”自分の絵”を描かなかったらウソだと思います。おじいさんは、アメリにそうなって欲しくないと願ったのではないでしょうか。勇気の一歩はいつでも踏み出せます。でもそのタイミングは無限ではありません。疾走するバイクの如く、時はあっという間に過ぎていくのです。2人乗りが出来たアメリは幸せを掴んだ様子。もちろん一人乗りだって気持ちが良ければそれで構いません。大切なのは、納得できる人生を歩むこと。やらない後悔より、やって後悔。失敗だって人生のスパイスに違いありません。本作で描かれている様々な人生のかたちは、観客に優しくその事を問い掛けている気がします。
[DVD(字幕)] 9点(2009-01-01 00:00:01)
78.  アリーナロマンス 《ネタバレ》 
主人公のアイドルオタク。彼がアイドルのSTK(ストーカーの略だそうです)に堕ちたのは何故でしょう。校長(掟ポルシェ)にプライベートを詮索するのは良くないと注意されていたのに。ネットオークション詐欺を働いた理由は?そもそも自分だって詐欺の被害。辛い思いを知っているはず。それに何故詐欺をしてまでお金が必要だったのかも説明がない。美少女同級生の心情も謎です。オリキ(熱心なアイドルの追っかけのこと)を外れて、“やらかし”(ファンの仁義から外れる行為)をしたのは何故?アーティスト志望からアイドルに転進した理由は?主人公の事が好きなの?それとも追っかけをしている芸能人の方が好きなの?登場人物達が何を考えているのかよく分かりません。意図的に描いていないのか、描けていないのかも分からない。これはマズイ。感情移入が叶いません。2人のロマンスも彼女の芸能界入りで悲恋に変わるのかと思いきや、そうでも無さそうだし。う~んんんん。サッパリ分からない。ちなみに、オタクネタを扱うなら、オタ芸くらいは見たかったかな。
[DVD(邦画)] 3点(2008-12-25 22:56:42)
79.  愛の流刑地 《ネタバレ》 
「先生が私を作り変えてしまった」と冬香が言った時点で、普通の男なら地雷を踏んだ事に気付く。トヨエツもいい大人なんだし、「ヤバイ」と思ったでしょう。でも正常な判断力は働きませんでした。よほど体の相性が良かったのか、それを愛とよぶのか、自分は知りません。ただハッキリしているのは、冬香は恐ろしい女だということ。彼女の望みが垣間見えた時は身震いしました。トヨエツの新作は、言わば2人の子供です。トヨエツは完成した時点でかなり満足している。でも冬香は違いました。種を植えて満足の男と、育てることに意義を見出す女の違いか。わが子を世に出すために自らの命と父親の将来を捧げます。まるで自爆テロ。どんな大義名分もいい訳でしかありません。大人が自己責任で不幸になるのは構いませんが、罪の無い子供が巻き込まれるのはいたたまれない。本作では意図的に冬香の実の子供に言及していないように感じますが、それはズルいと感じました。それでも野次馬根性で飽きることなく観られたので点数は甘めです。ちなみにハセキョウは相変わらずハセキョウでしたが、いつもよりは少し良かった気がします。それは自分が無類のノースリーブフェチであることと無関係です。
[DVD(邦画)] 6点(2008-09-09 22:06:23)(良:1票)
80.  アイ・アム・レジェンド 《ネタバレ》 
最愛の家族の死を目の当たりにし、人類滅亡の過程をつぶさに見てきた主人公。彼が心底絶望していたであろうことは想像に難くありません。世界を救うための研究も、生存者への呼びかけも、日課のひとつ。大した意味など無かった気がします。彼をかろうじて支えていたのが、愛犬サムの存在でした。唯一残された家族。そして命の温もり。パートーナーを失い、彼は壊れた。遂に自殺行為に及びます。感染者を一人や二人殺したって何の意味もありません。そもそも感染者に罪がないのは彼もよく知っている。でもどうにもならない。彼の心は擦り切れてしまった。だから生存者の登場にも戸惑うばかり。「とっておきのベーコンだったのに」なんて、全く観点がずれています。一度切ったスイッチはそう簡単には戻らない。真の絶望は奇跡をも拒絶する。主人公の最期の決断について。彼は何故死を選んだのでしょう。彼は淡い希望を目前にして、怖気づいたのではないか。このまま希望を託しつつ楽になりたい。再度の絶望に耐えられないと感じたのだと思います。その気持ちは理解できます。でも決して希望を捨てなかった女性の強さに、より共感します。伝説という冠は彼女にこそ相応しい。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-06 22:16:37)(良:1票)
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