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TANTOさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 901
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 最近になってまた映画を観る習慣が出来ました。
前はほとんど観なかった邦画をたくさん観るようになり
新しい映画ライフが充実しています。

昔ほど数はこなせませんが
趣味と生活のバランスをうまく保ちながら
なるべくたくさんの映画を観て、
なるべく読み応えのあるレビューを続けていきたいと思います。

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1.  火口のふたり 《ネタバレ》 
『ここは退屈迎えに来て』でほんのちょい役だったにもかかわらず瀧内公美さんが強く印象に残りました。それをprime videoで鑑賞しておそらく瀧内さんつながりで「あなたへのおすすめ」で出てきたのがこの『火口のふたり』。概要を見ると瀧内さんが主演と言うことでさっそく観てみることにしました。  上述のように、別の作品で印象に残っていて「綺麗な人だなー」と思っていた人がここまで体を張った役をやっているとは思っていなくて、もう自分もいい歳ですがちょっといいなと思っている女性のあんなシーンを見てしまったらドキドキしてしまいます。  昔付き合っていたふたりが賢ちゃん(=柄本祐さん)が故郷の秋田へ戻ってきたことをきっかけに、昔の関係に戻っていく物語。流れを見る限りでは、瀧内さん演じる直子は元々そういうつもりで賢ちゃんに接近していたように見えました。賢ちゃんははじめだいぶ自制しようとしていましたが、直子に詰め寄られてキスされてからはもう直子にズブズブ状態に。そんなつもりではなかったはずなのに、ある一線からはもうその女性にのめり込んでしまう心情はすごくよくわかる。すごく純粋で、変な言い方ですが、「真っ当な」人々からしてみれば体の関係で始まり体の関係でつながるこの二人のような恋愛は邪道なのかもしれません。しかし、ふたりが心でつながっているのがわかれば経過はさして問題でもないような気もしてきました。体の言い分ではじまる恋愛も、全然捨てたもんじゃないな、と。そういえば、男はバツイチで女は一応結婚前なので、不貞関係にはならないのかな。  個人的に、瀧内公美さんの声のトーンや話し方、ときおり見せる幼い態度がとてつもなくツボでした。可愛い。あの声で「なに?」とか「うん」とか言われるだけでゾクゾクします。お肉屋に入る前の会話が下ネタなんですが、前の晩痛めた賢ちゃんの下半身に対して、「今日使えそう?」「やった♪」という様子が可愛すぎて。あのくらいの年齢の女性が無邪気に、でも性に対して開放的にはしゃいでいる様子は何とも言えずエロティックでした。  こういう恋愛ができる時間ってすごく貴重で、大事にしないといけないんだなとつくづく思いました。作中の直子が自分と賢ちゃんのいとこ関係を引き合いに出しながらのセリフで、「私たちみたいにいとこで関係を持ってる人や、兄弟や親子でやってる人だってほかにもたくさんいると思う」というのが印象的でした。ドラマや映画の話って作り物で、だから現実と比べればとても奇抜なものだという先入観がありますが、現実に生きている人間一人ひとりのドラマも、この映画に負けないくらい奇抜で驚くようなことはいっぱいあるんだろうなと改めて思いました。  現実は富士山の大噴火ではなく感染病の蔓延に苦しんでいます。比べるわけではないですが、火山灰よりももっと大規模に影響をもたらす感染病がはびこる中、この映画のようにいびつでも前向きになる出来事があれば、と思います。  【追記】 何となく映画のタイプ的に満点をつけるのが憚られるような気がしてはじめは9点を付けていたのですが、もう一度鑑賞して、二人のやりとりや関係が心に刺さって感情移入のようなものが抑えられなくなってしまったので、10点を付けることにしました。主に瀧内さんの演技に対してですが、本当に魅力的で、印象的な演技でした。
[インターネット(邦画)] 10点(2021-05-11 02:11:44)
2.  彼らが本気で編むときは、 《ネタバレ》 
観る前は正直、苦手なジャンルの映画だと思っていました。ですが、観ていくうちに段々と引き込まれていき、登場人物の多くに感情移入してしまいました。  正直なところ、私はLGBTQなどの性別問題は自分とは無関係だと思っています。自分は違うし、でも無関係というからにはそんな人が周りにいても極端に反応したり差別したりも特にしません。自分は違うので恋愛対象にはなりませんが、友人であればこちらも特になんとも思いません。何かの拍子に誰ががそうだと分かったとしても、「あ、そうなんだ。ふーん」程度の反応しかしないと思います。「わたし、日本人より欧米の人の方が好みなの」とか言われるのと同じくらいどうでもいい。 子供の頃から思っていたことで、なんというか、説明が難しいのですが、そういう人たちに特別な呼び名をつけたり、「こういう人たちもいるから理解して」という運動そのものが既に差別なんではないかと思っている自分がいて、そういうのを見ていると言い方は悪いのですが、アホらしい、と思ってしまいます。 人権、ともよく言うがそういう呼び名を付けられた人たちの人権には特別配慮してそうでない人たちには配慮しないこともよくわからない。この映画では取り上げられなかったが、体が男で心が女であっても女子トイレには行かないだろう。女風呂にもおそらく行かないだろう。そこは自分の仕組みと、社会の仕組みとを双方に考えた上でバランスを考えるべきだと思う。性的には大多数に属する男の自分だって、性とはまた違う自分の個性の仕組みと、社会の仕組みとのバランスをうまく考えて折り合いをつけているのだから。誰にだって多かれ少なかれ、大なり小なりそういう面はあるだろう。だから、リンコさんが検査入院になったとき、病院の事情も考えずに人権侵害だと大騒ぎするマキオには大いに違和感を感じた。ああ、彼にとっての人権というのもそういうことなんだな、と。  別にこういう考えの自分が大正義だとも思っていません。ただ、上述したリンコさんの病室を変えるよう病院のスタッフに迫るマキオのように、相手の事情やその場所の仕組みも考えず、ただ自分たちはこうだからこうしろ、と迫るのはなんだか嫌だな、と率直に感じました。病院のスタッフが、リンコさんの容姿や特性に対して明らかに差別的な態度や嫌がらせ等の攻撃をしてきたというなら話は別ですが。そういう意味では、トモがカイの母親に持っていた洗剤をぶっかけるシーンは痛快でした。ああいうのは良い!!スカッとしましたね。  改めて、私は自分はこういった性別問題とは無関係だと思っています。もし私が誰かを攻撃したり悪口を言っていたら、多分それはその人のことが嫌いなだけです。体は男で心は女で…とかどうでもいいです。その人そのものと仲良くなれるかどうかは別問題なので。ただ、社会の仕組みを無視して権利の話ばかりしているシーンは見たくないなというのが率直な感想です。映画のレビューっぽくは無いですが、この映画を観てこういうことを思いました。一つの考え方としてご一読ください。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-03 23:57:11)
3.  勝手にふるえてろ 《ネタバレ》 
普段人が考えてることを声に出したり表に出せば、個人差はあれどこういう感じになるのではないでしょうか。はじめは少し苦手な映画かなと思いましたが、一人の女の子の心情を表に出したものを描いた映画、として見たら結構面白かったです。いわゆるこじらせキャラのような感じで少しエキセントリックに描かれていますが、それほど彼女が思っていることがおかしいかというと全然そんなことはない。誰かを想う気持ちとか、想われて嬉しい気持ちとか、ちょっと奇抜なあの人に話しかけてみたい気持ちとか、多分誰でも思いそうなことばかり。よく見れば理解できる話ばかりでした。  二と付き合うことになったのは個人的にえーって思った。デート中にイライラしてみたり文句言ったり、あれははっきり言って嫌だなあ。絶滅危惧種の話で盛り上がってたんだし、名前は忘れられててもあのままイチと今後の関係を築いていく展開はなかったのかな。そこだけ少し疑問符でした。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-10-20 20:30:55)
4.  かもめ食堂 《ネタバレ》 
たとえば日本で、どこの国の人ともわからない人がどこの国のものかもわからない食べ物を出してる食堂を見つけたら……… けっこう面白そうですよね(笑) それと同じで、日本人がフィンランドでおにぎりメインの食堂なんか出したら、まあみんな好奇の目で見ますよね(笑)ある意味あの時点でもうこの店は流行っていたのかもしれない。しかしはじめは閑古鳥。来る日も来る日も来店するのは日本かぶれの豚身くんのみ。しかも来店第一号でずっとコーヒーはタダ。映画のラストにはこの店閉めてしまうのかなとか思ってしまったりして。 しかし日本人同士の奇妙な縁から始まり、段々とお店は流行っていきます。とんかつ定食などを美味しそうに頬張るフィンランドの人たちが、雅子さんが頼んだパリッパリの海苔で巻いたおにぎりを食べるシーンを凝視するのにはまた笑えた。めっちゃ美味しそうですよね。 そこからなのでしょうか、フィンランドの人たちが文字通り老若男女を問わずかもめ食堂におにぎりを食べるために訪れ、食事を楽しんでいきます。けっこうロックないでたちをした女の子たちも食べていましたね。  最初にした例え話ですが、もし日本でよその国の人がたった一人でその国の食べ物を出す食堂をしていたら………やはり最初は好奇の目で眺め、その後徐々に入っていく人たちに紛れ、自分もその店に食べにいくんだろうな。  「おにぎりは日本のソウルフード」  確かに。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-06-17 22:43:06)(良:1票)
5.  神様のカルテ 《ネタバレ》 
 そういえば私には、医者なんて素晴らしい肩書きの友人なんていませんが、彼ら医師から見てこの映画ってどう映ってるんでしょうか。綺麗事ばっかり言って、と映るのか、いやいややはりこの映画のように人に寄り添うことを第一にしないと、と映るのか。外科、内科、麻酔科、救急、はたまた医局の医師、そうでない医師、山村などの過疎地域に勤める医師など、色んな立場の医師の感想を聞いてみたいと思いました。   主役の栗原医師の極端な二面生活が描かれていました。私生活ではまるで明治時代のような旅館とそこに住むこれまた古風な友人たち。一方職場では医師として医療機器やPHSなどの現代機器に囲まれ日々職務に追われる生活。医師としての現代生活の葛藤を、我が家で弁舌な友人たちや妻と共にたっぷり思案にふける。奇妙ではありますが、なんとも彩りのある暮らしだなと感じました。   結局、患者、というか人とはたっぷり時間を共有してお互いを知ったり思い合ったり理解することが必要なんですね。私は大学病院が冷酷だとも、作中の本庄病院のようなところのほうが大学病院よりも優れているとも思いません。要は患者やその家族が何を求めるのかでどちらに行くか変わってくるだけの話だと思います。例えば私は病院は基本的に嫌いですし、この信濃病院のように怪我や病気だけ見て効率的にパッと直してくれる大病院はむしろ歓迎ですが、病院自体に行き場を求めたりそこに存在理由を見出すような人には本庄病院のようなところがいいのでしょう。もちろん、それで良いのかって色々賛否もありそうですけど、それはそれで議論したい人や考えを巡らせたい人はたっぷりやっていただければ良いと思います。   同じような理由で、大病院で研究に身を捧げるかはたまた田舎の病院でひたすら患者と共に生きていくか、その選択を迫られる栗原医師。私の仕事も、一生現場で生きるか管理職としての道を考えるかみたいな選択肢がたまに提示されることがありますが、絶対現場がいいと思っています。全然内容は違いますが、自分の境遇と重ねて見ることができました。まあ自分はそんな選択肢すら提示されませんが(笑)でも一生現場で悩みながらも楽しく好きなことをして過ごしたいと映画を観て思えました。   あまりキャストに感想を書かないタイプなのですが、出られていた中で池脇千鶴さんは、患者に医師に同僚に、それぞれに配慮ができるしっかり者の主任でありとても輝いていました。失礼ながら、あんなに可愛い顔をしながら主任という役がしっかりはまっていて、人間的な魅力を感じました。良かったです。   原作未読です。映画は『2』があることを先ほど知りました。続編があるつもりで見てなかったので、しばらくこの余韻は寝かせることにします。また気が向けばいずれ。。。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-10-04 01:48:32)
6.  影踏み 《ネタバレ》 
かつて空き巣=「ノビ師」として有名だった真壁はある議員宅に「仕事」に行った際にかつての旧友でもある刑事の吉川に捕まってしまう。その後刑務所で刑に服し、出所したところから話は始まる。  真壁が捕まった日に本当は何があったのかを探るミステリーと、双子の関係性について描いた作品。私は双子ではありませんが、やはり同じ人を好きになったりする確率は高いんでしょうかね。 「同じ顔をしている」というところが彼らとしては大事なところなんだろうか。それ以外は別に双子でなくてもよくある話のような気がする。自分の持ってないものを持っていたり、欲しかったものを取られたり、そんなのは双子でなくても兄弟がいれば日常茶飯事だとも思う。いや、何なら兄弟じゃなくても、友人や知人など、誰かと生活してればそんなのはよくあることだろう。となるとやはり双子で、同じ顔を持つ者にそれをされるのが堪え難かったということ。「同じ顔をしてるのに何であいつだけ」「俺とあいつの何が違うんだ」という感情は芽生えるのかもしれない。けれど、どんなに同じ顔でも同じDNAを持っていたとしても、人が二人いる以上彼らはそれぞれ別の人格で別の人生を持っている。本体と影では本質が全く異なるように、彼らも「自分は自分」という意志を持って生きてほしかった。  そういった生き方を出来ずにただひたすら自分の影を踏み続けた彼ら。影が嫌になった時、その影から離れるか、影を消しにかかるのか、、、自分ならどうするだろうか。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-08-30 01:52:33)
7.  紙の月 《ネタバレ》 
銀行員として働く主婦が、ある日出会った若い男の大学生と不倫の恋に落ち、彼に貢ぐために銀行のお金を横領する、というお話。  なかなか興味深く鑑賞できました。銀行に勤めたことはありませんが、目の前ですごい額のお金が行ったり来たりするっていうのはどういう感覚なのでしょうね。やはり心動いてしまうものなのでしょうか。ニュースとかでも横領など似たようなことはよく聞きますが、なかなか人間、みんながみんなそう言う誘惑に勝てるわけではないですよね。きっかけ次第で人間なんてどう転ぶかわからないってことかな。  結局お金というのは身の丈にあった使い方をすべきなんだなと感じる。いたって当たり前のことだが。短期間に何千万も使って…というのももちろん贅沢なんだろうが、世の中にはもっと長期間にもっと大金を使う人もいるわけで。不倫相手とホテルで豪遊、アパートを借り上げてPCも買ってあげて、学費も出してあげる。そんなふうに過ごした期間は確かに幸せだったろうし、充実したものだっただろう。ただやはり、そうやってお金で示した愛情は愛情として伝わらないもので。案の定彼はただただ堕落した人間になっただけという。しかも身の丈にあってない暮らしぶりのツケは、文字通りツケとして巡ってくることになる。何でも値札を見てから判断する自分のような貧乏性にはよくわからない感覚ではある。自分も何かに、誰かに溺れてしまったらああなるんだろうか。今も溺れてはいるが、あんなふうに身を持ち崩すような溺れ方は想像出来ないな。  突然恋に溺れ不倫と横領に走る主婦と、個人的には銀行員として高いプライドと規律を持って仕事をする隅さんに強い印象を残した作品でした。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-07-28 19:57:08)
8.  葛城事件 《ネタバレ》 
はじめは状況がよく飲み込めなかった。死刑判決を受けた獄中の通り魔殺人犯と結婚する女。「何が狙いだ」ほぼほぼ感情移入できなかった父親の、このセリフだけは同感だった。この順子という女、何?  ある一家の引きこもりニートの次男が突如通り魔殺人を犯した、事後と事前の家族の模様を描いた作品。時に漢のあるべき姿を論じ、時に日本の行く末を案じ、しかし実体は父親として中身の伴わない威圧と暴力のみの男。人として彼の威厳を裏打ちするものが見事なくらい何もなく、ここまで空虚というものを描いていることは見事としか言えない。本当に空虚だった。 ただ、そんな話を俯瞰して他人として見ていながらも、ふと、自分にもそんな面は少なからずあるんじゃないかとも思いました。虚勢をはったり変な理論振りかざして悦に浸ったり。 人は誰しも他人から尊敬されたり持て囃されれば嬉しいものです。結局この家族、とりたて父親と次男の稔は人恋しかったんだなと思いました。俺を尊敬しろ、俺に期待しろ、俺のそばにいろ、そういう内面がひしひしと伝わってきました。人からどう見えてるかわかっていないのにやたらと体面を気にする姿はとても滑稽で見ていて痛々しい。だが厄介なことは、当の本人たちはそれに気づいていないということで、それはそのまま私にも当てはまるんじゃないかと怖くなった。自分決してあの中華料理店のようなことはしませんが、何かの時にふとそういう態度を取ったりしていないか、少し自戒の意を持ちました。  結局順子とは何だったのか。何が目的で近づいてきたのかわからない。本人は死刑制度への反抗のためと言っていますがそれと稔との結婚は何も結びつかない。父親とカラオケバーに行くことも結びつかない。そんなことに自分の時間と身を捧げる人が果たしているのか?全く現実味のない人物だった。  兄の保だけは何とかなったのではないかと悔やまれる。しっかりした奥さんを持ち、可愛い子供が二人もいて、どこかでそっちに立ち返られなかったのか。選んだ仕事が良くなかったり合わなかったということもあったかもしれないが、なぜ毒親と毒弟に引きずられたのか、悔やまれます。  たまたま今日読んだ本に、「リベラル化が進むと個人の自己責任化が進む」と書いてあったのを思い出しました。現代は、やりたいことを見つけてそのために邁進せよ、でなければ社会に置いていかれる、というような風潮です。この父親の時代であればまるで家督を継ぐように親の代からのものをそのまま引き継げばよかった。仮にそれで失敗しても「時代が悪かった」と言える。しかし今の時代においてはどんな仕事を選んでも自由であるが故に、うまくいかなかった場合に個人の責任とされる領域が多分に占めている。そうなってしまった場合の無力感はいかばかりか。稔もそうだったのかなと、ふと思いました。実際生きにくい世の中になったな、と感じるのは私だけでしょうか。。。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-07-02 00:32:49)(良:1票)
9.  鍵泥棒のメソッド 《ネタバレ》 
あのまま桜井さんが殺し屋に、コンドウさんが貧乏役者のままで人生過ごしたらどうなるか最後まで見てみたかったですね。一時的に立場が変わっても、成功するかどうかは人間性次第だってことがよく分かりますね。グチャグチャだったアパートがコンドウが住むようになって以降間違えるように綺麗になっていたり、逆に桜井がコンドウのマンションに住み始めると瞬く間に汚くなってしまっているところが二人の対照性がうまく描かれていました。  広末さんのキャラも、あそこまで極端に几帳面な人はいないけど、でもいたら面白いなってくらいの感じでちょうどいい。あと香川さんはなんだか何をやらせても既視感があるにも関わらずどの役をやらせてもしっくりきますね。それこそ殺し屋の役をやっても記憶喪失になって誠実な男を演じても役者としてチンピラを演じても。味がある、濃い役者さんです。  物語はシンプルですが、テンポ良く進むので飽きることなく楽しめました。きちんと整理されたコメディだと思いました。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-11-14 10:42:10)(良:1票)
10.  鴨川ホルモー 《ネタバレ》 
ただただ京都の景色が見たくて鑑賞した映画です。いや、原作も読んでたからハードルも低かったからというのもありますが。やはり京都の風景はいいなあ。清水寺、吉田神社、金戒光明寺、南禅寺と水路閣。大学の風景も何だか懐かしい。さすがに京大なんていいとこは出ていませんし、あそこまで極端な寮生活とかはしていませんが、それでもなんだか大学の空気や大学生の部屋など、ノスタルジーを覚える景色を堪能できました。それだけでも価値のある映画でした。ってちゃんと内容についても書きますが(笑)  ストーリーのほうは正直原作と比べてだいぶ色が薄くなったという印象です。物語の大半が安倍×芦屋×早良の人間関係に費やされてしまって、肝心のホルモー部分がかなり端折られたと感じました。ただダサい男が高嶺の花に憧れるだけの話ならこの映画をわざわざ観ないってのに。いや、京都見たさにわざわざ観るやつも確かにいるんですけどね。にしてもウェイトの置き方を間違えてるなーとは思いました。オニが現れるまでもけっこう尺取られたし、もっと見たいものを見せてほしかったというのが正直なところ。  でもああいう世界観自体にはとても憧れます。青龍、朱雀などの四神の名に分かれて四大学対抗でそれぞれが操るオニによるリーグ戦を行うなんて、すごいアイデア。そしてギブアップの合言葉が「ホルモー」っていったい何なんだ。作者の万城目さんの発想力に驚かされる。映画や小説で知ってる場所が出てくるとそこの風景が思い出されて個人的にとても嬉しくなるのですが、万城目さんは今作で京都。『鹿男〜』で奈良。『しゅららぼん』で滋賀県など、関西エリアを中心にその場所に昔から伝わるものや有名なものをファンタジックに描くのがとても上手いなあと思います。どの話も楽しめるものです。時々発想が走りすぎてるきらいがありますが(笑)  ああ、旅したいな。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-08-31 20:35:32)
11.  岳-ガク- 《ネタバレ》 
9月にTVでやっていたのを録画。先日鑑賞しました。私は基本的に洋画ばっかり観ていて邦画はほんとにたまにしか観ませんが、いやあ面白かったですね!私個人は登山はやってませんしこれからもたぶんやらないと思いますが、それでも「山登り」というものにとても魅力を感じる映画でした。内容もどっちかというと救助隊の話ばっかりなのに何ででしょうね?三歩(=小栗旬さん)の明るい人柄のおかげなのか、峰々の鮮烈なまでに透き通るような情景のせいなのか、山登りにかける人々それぞれのドラマのせいなのか、深く心に残る映画でした。ちなみにコミックは未見です。  私事ですが、最近TVでやっているロードショーなどの映画を録画し観ることが多いのですが、この映画に限らずやはりTV版ですと相当なシーンをカットされてるように感じました。特にこの映画などはTV版だとシーンとシーンの間がもうメチャメチャ。「え、いつのまにそんな展開になったの!?」ということがCMまたぐたびに起こります。ちゃんと映画館やDVDで観たらその辺どうなってるのかはわかりませんが、ロードショーで(特に元々上映時間の長い映画)映画を観る際の一つの弊害を思い知った気がします。  かなり大々的に宣伝してる映画でしたし、もっと大衆受けする商業的な内容になっていると思いましたが、思ったよりもシビアな内容になっていたので良かったです。その人がどんな悪人だろうがどんな善人だろうが、山は無慈悲なまでに平等に人を魅せ、楽しませ、命を奪う。コミックスからのストーリーですし、多少美談めいているかもしれませんが、それでも充分「山」と向き合える内容だったと思います。良作です。  ※追記(鑑賞済みだったことも忘れてまた見てしまったため、以下2回目の鑑賞のレビューです) わかりやすいドラマ仕立ての映画です。王道の日本のドラマという感じですが、小栗旬さん演じる主役の三歩さんがとにかく明るくて良いキャラをしている。底抜けに明るく芯のある山男を小栗旬さんが見事に演じている。小栗旬さんのキャラとも合っていると感じた。 逆に、長澤まさみさんの椎名久美は、見事に道化キャラだったなという印象。女扱いしてほしくないと話していながら、違う場面では女だからデリカシーを、、、みたいなことを言うし、明らかに力量的に力不足な現場に無理やり出ようとする。作中で椎名が指示や命令に従ったシーンなんてほとんどなかったのでは。実際問題あんな隊員がいたら他は迷惑するだろうなぁ。当て馬キャラとはいえ、何だか複雑な心境になりました。  自分は登山をしません。あんな険しい山どころかもっと標高の低いハイキング程度の山ですらほとんど登ったことがない山知らずです。そんな自分からしてみたらこの映画は山の過酷さを知れる良い機会でした。フォールの場面などはやはり映画とはいえショッキングでした。 一方でやはりこれも映画であるが故なのでしょうが、氷点下数十度に至るようなブリザードの中、フードなどで顔もろくに覆わずに雪山を進む三歩や椎名には違和感でした。あれこそ、本当の雪山ではNGなのでは。。。?自分山登らないのであれですが、山にお詳しい方いかがですか?俳優の顔を見せたいがためでしょうが、そこは詰めて欲しかったところです。
[地上波(邦画)] 7点(2012-11-16 22:31:14)
12.  ガリバー旅行記(2010) 《ネタバレ》 
大風呂敷広げた割りに面白くなかった映画もたくさん観てきましたので、こういう路線の映画でさくっと観れる上映時間にしてあるというのは◎だと思います。  『ナイトミュージアム』で小人達とベン・スティラーさんの掛け合いなどがありましたが、今作もそんな感じなんだろうと思ってたらそれ以外の小ネタがいっぱいありましたね。ジャック・ブラック映画は実はこれが初見だったのですが、肩の力抜いておふざけで観るような感じでちょうどいいかなって感じですね。あんまり真面目に観ようとするとストーリーやら他の映画の引用についてのクレームやら何やら言いたくなってくるかも。作品中のガリバーの人間性もそういう意味ではあんまり好きになれませんでした。口が動くのも才能っちゃあ才能だが、あんまりにも口ばっかなので途中から正直おとなしくして欲しくなってくる。『ソーシャル・ネットワーク』もそうでしたが、オタクってどんな種類のオタクでもとりあえずみんな喋るんですね。マシンガントーク率100%。それが映画一本分丸々くるとちょっとうざかった。  でも世界観は好きです。バミューダ・トライアングルはどうなっているのか、そこを抜けるとどんな世界があるのか、巨人や小人の世界もあるんだっていうとても夢の広がる映画だったと思います。冒険を通じて成長を描くって言うのも夢のあるお話ですよね。ちょっとお下品なラピュタみたいな感じで、お下品要素を何とかすれば子供にも観て欲しい映画だと思いました。  今回自分の鑑賞環境が良かったので、評価もちょっと甘めかもww
[映画館(吹替)] 7点(2011-05-01 22:22:50)(良:1票)
13.  華氏911 《ネタバレ》 
噂には聞いていたけど、確かにあんまドキュメンタリーとは言えないかも。<ドキュメンタリー>という言葉を広辞苑で調べましたところ、『虚構を用いず記録に基づいて作られた記録文学、映画の類のもの』ということでした。別にこの映画が虚構で作られてるものだというわけではありませんが、内容の所々に製作者の意図(ブッシュを落とす!という)が込められているのは明らかで、それを『記録に基づいて作られた映画』とは呼べないような気がしてなりませんでした。でもまぁこれがドキュメンタリーということをあまり気にさえしなければ良質の一品ですよね。これを機にドキュメンタリーではなく、批判映画なんてジャンルを作ってもいいんじゃないかって思ったぐらいです。一部の企業をめちゃくちゃに批判するような本もあるんだし、その映画版があったって別にいいですよね。 オレはこの映画をブッシュが再選されてしばらくしてからようやく観たわけですが、一番印象が強かったのはテロの知らせを聞いて平然と小学校の視察を続けるブッシュでもなく、裏でブッシュ家とつながりがある(らしい)オサマ家の人々でもなく、そんな人間達の下で何も知らずに命を奪われていった多くの人たちとその家族のシーンでした。あんな風に死んでいった人達は本当に救われないでしょう。『華氏911』の内容のどこまでが真実かはわかりかねますが、そこで取り上げられた戦争の犠牲者達は間違いなく真実です。つくづく平和主義を貫く日本って偉いと思う。最近日本も武力を持とうとか言ってるアホ政治家もいるようですが。そういうやつに限って危なくなったら真っ先に政治家専用シェルターを作るとか言い出すんでしょうね。 マイケル・ムーアはこの映画でブッシュ再選を阻む事を公言していましたが、同時にこの映画が戦争の抑止力となってくれたらどれだけいいかと思います。最近は収まってきましたが、興味本位でイラクなどに行く日本人は実際平和ボケもいい加減にしろと言いたくなります。一度戦争で家族を失ってみれば二度とそんな気も起こらないはずである。 平和主義、どこまでも貫いていきたいものです。 
7点(2005-03-24 01:43:57)
14.  ガーゴイル(2001) 《ネタバレ》 
始まってしばらくの間は、「ホラーって書いてあったのに全然怖くないなー」と思って鑑賞してたんですが、ちょうど1時間を過ぎたときにほんと画面から顔を背けたくなるぐらい怖くなりました。「怖い」どころじゃなく「恐ろしかった」です。貪っているじゃないですか人間を!その奇病で死んでそれで終わりの映画かと思ってたらなんかまだ死体をいじってるし!!ゾンビが人を喰らう怖さとはまた違い、既に息絶えた相手に対し「もっとやろう・・・」と言わんばかりに狂気じみた愛撫のような行動を見ているのは正直凍りつきましたね。。 と同時に、いやちょっと落ち着いてからですが、少し安心も感じました。「何だ!!日本のホラー映画の真似やリメイクじゃなくても洋画独自のホラーはちゃんとあるんじゃん!」みたいな安心です。まあこれはフランス映画で元々フランス映画って独特なものが多いし、一概に日本のホラーの真似ばかりするハリウッドや最近の韓国映画と一緒にする事自体ちょっと違う気もしますが、ちゃんと自分なりの怖がらせ方を創造することの出来るこの監督兼脚本担当のクレール・ドニって人はすごいと思います。もっと見習えハリウッドと韓流は!! あと、この手の洋画には珍しく邦題はなかなかグッドだったと思います。少なくともこの映画に関心は持たせてくれました。やっと観たって感じですが(苦笑)。クレール・ドニ、覚えとこうと思います。 
7点(2005-03-01 14:35:59)
15.  海底47m 《ネタバレ》 
これを見て思い浮かべるのは、『オープンウォーター』、『ディープブルー』『ジョーズ』ですよね。やはり先人たちのインパクトのある作品たちは強い。  あらすじは、リゾートに遊びに来た姉妹がアトラクション好きな妹に引っ張られ、サメ鑑賞体験なるものに参加してそこでトラブルに巻き込まれるという話。うさんくさい体験であることは容易に想像でき、また旅行先ではそういうのに引き込まれやすいことも想像に難くない。華やかなリゾート地から一転、少し人目を離れてみれば怪しい施設に連れて行かれて…なんて珍しいことではない。我々も気をつけよう。 船から吊るされた鉄のケージに入って潜水し、直接フィッシュウォッチングするというアトラクション。いやあ、自分なら絶対拒否だね。普段から海ほど怖いところないと思ってるし、泳げんし。ケージを吊るすウィンチが根本から折れ、ケージごと海の底へ落ちるというアクシデント。ケージに閉じ込められた恐怖。エアが無くなって息ができなくなる恐怖。サメに襲われる恐怖が味わえます。個人的にはやはりサメ、というか海の生き物全般が怖いですね。海というあれだけ広大な空間にいろんな生物がウヨウヨしていて、人なんて異物がそこに入り込んでどうなるかなんて恐ろしくて想像もしたくない。しかも人なんて水中ではほぼ無力。息も続かないし動きも遅い。何か敵意のあるものに襲われたらイチコロですよね。 あと大陸棚のような海の崖も恐ろしい。あの底も見えないところから何か巨大なものが飛び出てこないかとか、映画だから少しワクワクして見てましたが現実なら怖すぎる。大陸棚の崖から飛び出すシーンはもっと広い視点から見せて欲しかった。そのほうがあの場所の広大さが際立つのに。  まあ予想の範疇というか、思っていた形のものを思っていたように楽しめたという印象です。これではない次作の宣伝を見て興味を持って鑑賞したのですが、次作も見ておこうと思います。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-07-10 21:12:00)
16.  累 -かさね- 《ネタバレ》 
まず傷モノの顔は醜い、という観念で終始物語は進みますが、なんだろう、私は彼女が醜いとは一ミリも思わなかったしむしろ魅力を感じた。別に傷が好きというわけではないし、そういうものを持つ人に哀れみを持ってそんなことを言うわけでもなく、純粋に魅力を感じる。なぜだろう。たぶん、私自身は傷とかどうでもよくてむしろそれが故に厭世観を持つような人が好きで、かつ単純に累は可愛いと思ったからかな。まあやはり傷入りの顔で舞台女優として成功するのは難しいんだろうか。伝説の女優として名を馳せたいならむしろその傷をもってして成功すれば、より実力が認められることだろうに。  個人的にはもう少しシリアスな展開を期待していました。本物の丹沢ニナが自分の顔を持つ累が成功していくのを見て嫉妬するシーンが来るたびにグダグダ感を感じます。積もり積もってラストで、というのならわかりますが、たびたびそんなシーン入るので。入れ替わりの覚悟が見えない丹沢ニナにもどかしさを覚えます。 あと、累の中身に魅力を見出せる演出家の烏合さんはそこそこ重要人物だと思うのですが、使い捨てなんですね。それに急に丹沢ニナの持病が(しかもそこそこ重いやつ)明らかになったり、設定が重いのに全体的に作りが軽い気がしました。  現代版、本当は怖いグリム童話ってところでしょうか。シンデレラ的な話にしたくて口紅の有効時間という期限を設けたのかな。てかあの口紅って使っても使っても無くならないのかな。デスノートみたいだ。  実際累が自分の周りにいたとしてどう思うかという想像に駆られました。冒頭に書いたように、興味があって近づこうとしたり話しかけたりはするかもしれませんが、からかったり避けたりする気はさらさら起こりません。私だけの感覚でしょうか。他の人の意見も聞いてみたい。とりあえず今から他の方のレビューを拝見させていただきます。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-06-23 01:05:11)
17.  海獣の子供 《ネタバレ》 
冒頭、「私は飛べる」とハンドボールで空高くジャンプするシーンから始まったので、体格が小さい女の子が抜群の身体能力で活躍するようなストーリーなのかと思っていたら、全然違いましたね(笑)タイトルが『海獣』ですからどう絡むのかと思っていましたが、なんだかエヴァンゲリオン的なとても規模の大きい話でした。  宇宙=人間、という表現が何度かありました。自分も昔、宇宙の中には生命があり、その生命の中にまた宇宙があり、またその中に…みたいなふうに考えていた時期がありました。今でも内に外に無限に広がる宇宙の可能性を時々考えます。  あんな不思議な夏休み、一度過ごしてみたいですね。私はカナヅチで泳げないんですが、いろんな意味で琉花ちゃんや海くん空くん、アングラードなどあの世界観に浸っている人たちに混ざりたい気持ちになりました。自分もあんな風にスイスイーっと泳いでみたいな。。。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-01-29 18:50:37)
18.  仮面病棟 《ネタバレ》 
原作既読でした。そのおかげで鑑賞前から作中の情景はおぼろげに想像できていたので、すっと話に入ることができました。  実際この田所病院のように、身元不明者を入院させてる病院ってあるんですかね。少なくとも自分はそういうのを見たことがなくて、あったらなんだか地元で変な噂でも立ってそうですね。そういう変な噂をフィクションの話にしたのがこの映画や原作なのかな。設定自体も好きですが、やはり原作者がミステリ作家の方なせいか、病院に隠し扉や隠しエレベーター。隠し部屋が満載なのがなんだかミステリー感があってワクワクしました。私も童心に帰ってこういう得体の知れない場所を徘徊して隠し扉を見つけたりしたいものです(笑)  あと、やはり仮面というものは人に与える印象を大きく変えるものですね。『ジョーカー』よろしく、ピエロマスクはそれを見るものに恐怖や不安を与えます。が一転、仮面の下が自分の知ってる誰かだとわかると(実際はその人ではなかったわけですが)、途端に仮面への恐怖は収まり、しかも中身の人物が自分より下の人間だとわかるとむしろそれまでより強気になるという、複雑な仮面効果を見て取れました。  たぶん原作にはなかったような気がしますが、ラストの元首相の街頭演説以降のシーンは、正直要らなかったかな。元首相を暗殺したのかしなかったのか、したとして彼女は捕まったのか逃げ延びたのか、はたまた自害したのか。ラストが投げっぱなし過ぎて最後の最後で適当に放り投げられるのはなんだかスッキリしませんでした。あの記者会見もドラマチック過ぎて全然現実感が無かったですし。あんな会見で「もう憎むのはよせ!!」とかあんな劇場型のセリフ吐いたらそもそも会見打ち切られる。そしてその後あんな平和に病院で医者できないだろう。蛇足だったなあ。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-12-14 23:21:57)
19.  彼女がその名を知らない鳥たち 《ネタバレ》 
十和子と陣治、見るからに陣治の一方的な片思いでおそらく十和子の経済的な理由か何かで同居してる、歪な関係の二人だなというのが最初の印象。十和子は経済的に陣治にパラサイト状態。DVDが観られない、時計が壊れたとクレームを付け、お店が代替品を用意しても「失われたあたしの時間はどうしてくれる?」「誠意を見せろ」というクレーマーの手本のような行動を普通に取れる女性。お店に難癖をつける様子はある意味堂に入ったものでしたが、あの年代の女性が見せる態度としては不自然。同じことを四十後半くらいからのおばちゃんがするなら自然な気がするんですが、どうみても二十代前半くらいの蒼井優さんの容姿であれをやるのは違和感しかなかった。そしてそんな態度を見せた後に感極まって泣き出す十和子にいきなりキスをする水島(=松坂桃李さん)の気持ちはさらにわからない。自分ならあんな場面、適当な理由つけてすぐに帰ってるが。というかあんなクレーム入れる客とその客の部屋で1対1になる神経がもうどうかしてる。  陣治も十和子に対する愛情が過剰で、自転車で十和子を探し回ったり付きあってる相手の家に嫌がらせをしたり理解しがたい行動が多々ありましたが、それはラストの謎解きで納得。十和子への愛ももちろんだが、十和子につきまとうのは裏十和子に対するリスク管理の意味もあったんですね。十和子のことがただ好きで好きで、ただの「好き」ばかりだったのが黒崎との一件以来、人を殺して記憶を失った十和子を「守ってあげたい」の気持ちも加わり、より複雑で深い「好き」になっていったんですね。  「映画だから」と言ってしまえばそれまでなのですが、純粋に気持ちを寄せる十和子をお金のために他の男に抱かせる黒崎や、自分から関係を始めたくせになんだかんだ理由をつけてすぐに他の女と遊びながらも十和子を性欲処理に使う水島が不快すぎて。鬱々とした黒い感情を溜めに溜めて最後それが爆発して相手を刺してしまう十和子のことを責める気にはなれませんでした。 色々な感情が出てきて、それを持っていくところを見いだせない映画でした。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-05-25 09:37:59)
20.  海底47m 古代マヤの死の迷宮 《ネタバレ》 
「サメが人を殺すのは年間でも10人程度だが、調査によれば人がサメを殺すのは年間一億匹に及ぶ」  個人的には映画そのものはよくあるモンスターパニック映画の域を出ないものだと感じたし、内容にそれほど驚きがあったわけでもない。それでもこの最後の一言はなんだか、効いたなぁ。 私たちは『ジョーズ』以来、サメ独特のあの攻撃的な顔立ちも手伝ってサメといえばやれ怖い、危ないものと捉えてサメたちをそういうものと描いた映画で楽しむことがもはや当たり前になってきていますが、最後のあの一言で途端にハッとさせられました。まぁ、よく考えれば当たり前だ。ホオジロザメとかではないかもしれないが、どれだけの中華料理屋にフカヒレが出回っているか考えれば。あるいはどれだけのフランス料理屋でキャビアが提供されるか。考えれば当たり前だった。この際チョウザメとかそんなのは関係ない。サメはサメ。  で、結局この映画って『47m』あったんですかね?そういう描写が作中に見当たらず、いや、私が見落としていたのかもしれませんが、無いなぁ、と。そうなると余計にこれはただのモンスターパニック映画ということに。海中に閉じ込められて、というシチュエーションをより上手く利用して見せていたのは今作より前作の方が優れてると感じた。やはりuncagedではそのあたりがぼやけてしまう。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-07-14 20:00:37)
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