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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  木更津キャッツアイ ワールドシリーズ 《ネタバレ》 
劇場版第2作にして完結編となる本作。前作「日本シリーズ」が、テレビドラマの劇場版にありがちなお祭り的な内容だったのに対して、今回はそういった部分はあまりなく、ストーリー的にはこのころの邦画でよく作られていた「黄泉がえり」系で、ついに死んでしまったぶっさん(岡田准一)が現世に帰ってきて、という筋立てだが、やはりぶっさんがただ死んで物語が完結するよりはこういうほうがこのシリーズらしいし、バンビ(櫻井翔)がぶっさんの「それを作れば彼が来る」という声を聞いたところから始まる「フィールド・オブ・ドリームス」そのまんまのような展開もこのシリーズらしく、(元ネタもちゃんと明かしている。)見ていて思わず笑ってしまう。本作は連ドラシリーズや「日本シリーズ」に比べればゆっくりとした普通のペースで進行し、むしろぶっさんが本格的に登場するまでが長いとさえ感じるのだが、見終わって考えてみれば、クライマックスのキャッツとぶっさんの別れをより印象的に見せるためだったのかもと思えてくる。回想で描かれるいまわの際のぶっさんと周囲の人々の中でただ一人彼を看取った父親(小日向文世)のやりとり、連ドラシリーズからずっとこの二人の微妙な関係を見てきたからこそここのシーンは来るものがあり、感動的だ。そしてそれはよみがえったぶっさんが父親にだけ見えない理由にもなっているというのが切ない。ぶっさん死んで三年がたち、バンビらほかのキャッツのメンバーも少し大人になっている。でも、死んでしまったぶっさんはあの時の仲間とワイワイやっていたころのままというズレが結果的に別れにつながるというのがリアルで、大切な人が死んでしまっても生きてる者はそれを乗り越えて今を一生懸命に生きなければならない、前に進んでいかなければならない、若い頃の仲間とのどんな楽しい日々でもいつかは必ず終わるという、ありきたりだが重要で道徳的なメッセージが心に残る。そして、これこそがクドカンがシリーズの最後に言いたかったことではないだろうかと感じるし、これを以って本当に「木更津キャッツアイ」の物語はキレイに完結したと思う。最初に連ドラ第1話を見た時にはとっつきにくい印象が強かったのだが、最後まで見て本当に良い作品に出会えたと思えたことが素直に嬉しい。それともう一つ、今まではメインの登場人物たちが草野球チームに所属している設定ながら、野球自体にはそれほどスポットが当たってなかった気がするのだが、本作では野球にもしっかりスポットがあてられていて、そのあたりにも最後であることを感じさせている。
[DVD(邦画)] 7点(2019-03-02 18:33:14)
22.  喜劇 団体列車
列車シリーズ第2作。前半に列車内の人々の人間模様やドタバタを中心に描いていた前作に対して、今回は渥美清演じる主人公と佐久間良子演じるヒロインの関係に最初からスポットがあたっている。前作に比べると列車内の描写は少なく、そこに物足りなさはあるものの、前作の車掌役から一転して助役試験を控えた独身の国鉄職員を演じる渥美清は前作よりも本作のほうがイキイキとしてるように見えるし、前作にもあった夢のシーンや、主人公の母親役がミヤコ蝶々だったり、主人公の見合い相手の父親役が笠智衆であるなど前作以上に(この2年後に始まる)「男はつらいよ」シリーズを思わずにはいられないような映画になっていて、東映映画なのにまるで寅さんの番外編のような雰囲気で楽しい。(前作もそうだったが、今回も途中から東映映画であることをすっかり忘れて見ていた。)前作ではヒロイン役の佐久間良子の出番は思ったほど多くはなかったが、今回は前作よりもヒロインという位置づけの役割も大きくなっていて、見ながら彼女がマドンナの「男はつらいよ」が見たかったとつい思ってしまった。さすがに列車映画としては前作のほうに軍配が上がるのだが、しかし、寅さんほどの勢いはないものの、主演の渥美清の魅力は今回のほうが出ていて好きかもしれない。
[DVD(邦画)] 7点(2014-12-09 17:33:12)
23.  喜劇 急行列車 《ネタバレ》 
渥美清が「男はつらいよ」シリーズ開始以前に東映で主演していた列車シリーズの第一作。東映の本格的な喜劇映画ってはじめて見た気がするけど、渥美清が主演だからか、はたまた監督がのちに松竹で喜劇映画を手がける瀬川昌治監督だからか、東映臭さはほとんどなく松竹的な人情喜劇になっていて楽しめた。渥美清は特急列車の専務車掌を演じているが、この車掌の人情味あふれるキャラクターが渥美清によく似合っているし、寅さんのイメージが強いからか妻子持ちの役柄というのも珍しく新鮮に思える。この車掌ががかつての憧れの存在である佐久間良子演じる毬子と列車の中で偶然再会し、という序盤は「男はつらいよ」シリーズでの寅さんとマドンナの出会いを彷彿とさせるものがあるし、車掌室で車内放送のマイクのスイッチが入っているのを気づかずに毬子への思いを独白してしまうのも寅さんにありそうなギャグで微笑ましく、楽しい。乗客たちの人間模様やドタバタも描かれ、なによりちゃんと鉄道映画としての面白さがあるのも良かった。大原麗子や小沢昭一など、のちに「男はつらいよ」シリーズにゲストなどで出演することになる役者が何人か出演してるのも見ていて安心感がある。でも、気になるというほどではないのだが、確かに「男はつらいよ」シリーズと比べてしまうと主人公のキャラや、毬子との絡みに若干の物足りなさがあるのも事実で、そこが残念と言えば残念。とはいえ、作品としてはじゅうぶんに面白かったのでシリーズ残る2本も見てみよう。
[DVD(邦画)] 7点(2014-12-04 15:34:14)
24.  侠客列伝 《ネタバレ》 
マキノ雅弘監督による高倉健主演の任侠映画。夏に何本か見た石井輝男監督の「網走番外地」シリーズと比べるとやはりマキノ監督の演出はオーソドックスで手堅く、見ていて安心感があるし、高倉健、鶴田浩二、若山富三郎、藤純子といったオールスターが出演しているのだが、それぞれの見せ場の描き方もうまい。とくにかつて恋仲であった鶴田浩二と藤純子の再会エピソードでは藤純子の鶴田浩二に対する思いがよくこちらに伝わってきて印象に残る。その鶴田浩二や、組を破門されて姿をくらましていた若山富三郎のドラマもよく出来ていて面白かった。それに藤純子に惚れている長門裕之の描き方もマキノ監督らしい。東映の任侠映画をここ数年見てきてそろそろ飽きが来たかと思ったりもするのだが、やはりクライマックスの殴り込みシーンでは盛り上がってしまうし、それがマキノ監督ならばなおさらのこと。この映画でも殴り込みのシーンは大盛り上がりで見ることができた。高倉健と鶴田浩二の共演シーンは多くはないが、この二人の斬り合うシーンもとても熱くて見ごたえがあり、同時にマキノ監督らしい義理人情を思わせる。しかし、その最中に鶴田浩二が発砲されて死ぬのはちょっとと思う。ほかにも少し不満はあるし、シリーズものでないにも関わらずややマンネリ感もあるが、それでも全体としてはいかにもマキノ監督らしい作風の映画で、最後まで楽しめる映画だった。
[DVD(邦画)] 7点(2013-10-29 14:18:25)
25.  巨神兵東京に現わる 劇場版 《ネタバレ》 
元は特撮博物館で上映されたものを劇場公開用に再編集した短編特撮映画。タイトル通り「風の谷のナウシカ」に登場する巨神兵が東京に出現するという内容で、CG技術をできるだけ用いずにミニチュアでほぼすべて撮影しているのだが、やはりミニチュアというのはCGとは違う味わいがあり、昔からのゴジラシリーズやウルトラシリーズが好きとしてはCGを全否定するわけではないが、やはりミニチュア特撮には愛着も思い入れもあり、元はイベント上映用とはいえ、こういう作品がCG特撮全盛の今の時代に作られたことが嬉しいのだ。完成度も非常に高く、樋口真嗣監督の特撮監督としての力量はじゅうぶんに発揮されているし、映像も見ごたえのあるものになっている。(こういうのを見ると改めて樋口監督はずっと特撮監督だけに専念したほうがよかったのにと思えてしまう。)見る前はかなり不安な面もあったが、個人的にはとても満足できる作品だった。しかし、ただ一点、林原めぐみのモノローグは無くてもよかった気がする。
[DVD(邦画)] 7点(2013-09-21 00:47:58)
26.  喜劇 一発勝負 《ネタバレ》 
親と大喧嘩をして家を飛び出した男が久しぶりに帰ってきて騒動を巻き起こすというストーリーは「男はつらいよ」の一作目を彷彿としていて、主人公の妹を演じているのが倍賞千恵子であるという共通点もあり、「男はつらいよ」の原型のようなものが感じられる。しかし、演じるハナ肇と渥美清のキャラクターの違いか、そう思って見ているとなんか違うと感じてしまうし、主人公の下の妹が実は主人公の娘であるという設定も少し重く感じる。出来もこれまで見た山田洋次監督とハナ肇のコンビ作の中ではやや落ちる方だと思うものの、それでも、主人公が自分の葬儀の最中に棺から出てくるギャグ(本当にどうなってるんだろう。)や、毒のあるラストなどはやはり後年の山田監督の映画では考えられないものであるが、こういう初期の頃の作風もけっこう好き。いちばん最後の主人公の父親(加東大介)の不気味な笑い(それこそ後年の山田監督の映画では絶対見られない。)がものすごく印象的だ。本当は6点というところの映画なのだが、このシーンに一点プラス。もうひとつ、この時期の山田監督の映画では登場人物の誰かがナレーションをしているパターンが多い(「たそがれ清兵衛」や「母べえ」など最近の作品でもそう。)のだが、今回は珍しく一切画面に登場しない専属のナレーターを三島雅夫が担当していて、映画を見ている者に話しかけるようなその柔らかな口調が印象に残る。 ただ、やはりこの映画の主人公はあまり好きにはなれず、同じようなストーリーなら寅さんのほうが魅力を感じられる。
[DVD(邦画)] 7点(2013-07-11 11:16:24)
27.  君が若者なら 《ネタバレ》 
集団就職で上京してきた5人の若者を描いた青春映画。「若者たち」と出演者が似通っていて、つくりとしても「若者たち」の路線を目指しているようだ。だから深作欣二監督にはちょっと不釣り合いの題材かもと思っていたが、集団就職で田舎から都会に出てきた若者たちのその後の人生の厳しさがよく描けた佳作となっていて、なかなかいい映画だった。集団就職で入社した工場が倒産するという話は当時でも普通にあったことだろうと思えるし、同じ夢に向かっていた5人の運命がバラバラになってしまうのもリアリティーが感じられる。とくに最後まで一緒にがんばっていた石立鉄男と前田吟の考えが少しずつずれていき、刑務所を脱獄した仲間(河原崎長一郎)をめぐる二人の対立で考えのズレがはっきりと出るのだが、この展開も青春映画として非常に見ごたえがあり、「若者たち」でもそうだったが、この当時の若者の熱さが感じられる。ラストで爆発炎上し、灰となってしまった5人の夢であったトラックを見ながら石立鉄男が言う「トラックが焼けてよかった。」というセリフは「また一からがんばればいい。」という若者らしさが感じられていい。若いうちは何度でもやり直しが利くのだ。若いうちは。どうしてもアクション映画の印象が強く、後年の文芸作品でも激しい演出の多い深作監督だが、この映画ではそういう演出は控え目(深作監督らしさは回想シーンでのストップモーションとラストのトラックの爆発炎上シーン、室田日出男のチョイ役での登場など探せばあるのだが。)で、こういう映画もやれるのかと深作監督の作風の幅の広さもあらためて感じることができる映画となっている。
[DVD(邦画)] 7点(2013-03-07 17:43:06)
28.  喜劇 にっぽんのお婆あちゃん 《ネタバレ》 
渡辺宙明の軽快なテーマ曲にのってミヤコ蝶々と北林谷栄が街を歩く。この二人の老け役女優が良く、ほかにも最年長の東山千栄子をはじめとする老人役のほか、日本を代表するような名優たちが出演していて、それだけでも見る価値のある映画なのだが、内容は「喜劇」というには重い老人問題を扱っていてあまり笑えない社会派映画となっている。今でこそ少子高齢化社会であるが、この映画の製作当時はまだそんなことは言われていなかっただろう時代にこのテーマの映画というのは社会派・今井正監督の先見の明を感じずにはいられないし、ラスト近く、帰宅したミヤコ蝶々に対する家族の冷たい態度は現代から見ればものすごくリアルに感じられる。ただ、ラストはミヤコ蝶々演じる主人公が北林谷栄のいる老人ホームに行くところで終わったほうが少しは希望があったのでは。あのまま主人公が息子夫婦と暮らしていくよりはいいと思うのだ。とはいえ、北林谷栄はある疑いをかけられ、その老人ホームを抜け出したことからも考えられるが、老人ホームが本当に老人にとって安住の地なのかと言われれば微妙なところで、結局どちらがいいとも言えないのが実情だろう。この問題は今現代においても全く変わっておらず、むしろ今のほうが深刻になっているのだ。非常に考えさせられるいい映画だったと思う。老人ホームの職員役で小沢昭一が出ている。去年暮れに亡くなってしまったのは本当に残念だった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-13 14:24:42)
29.  金田一耕助の冒険 《ネタバレ》 
大林宣彦監督が初めて手がけた角川映画で、当時空前のブームを巻き起こしていた金田一耕助シリーズをはじめ、公開当時の時事ネタをこれでもかと言わんばかりに盛り込んだパロディー映画。当時をリアルタイムで知らなきゃつらい映画かと思ったが、ついていけない部分は確かにあるものの、古谷一行演じる金田一と田中邦衛演じる等々力警部のコミカルなやりとりや大林監督らしい遊び心あふれる映像は見ていて楽しいし、絶対見ていて呆れるだろうと思っていたパロディー部分も石膏の首を持った東千代之介が「柳生一族の陰謀」の錦之介のマネをしていたり、(やや芝居が真面目すぎる気もするが、同じ東映のスター俳優であった東千代之介がやっているというところが妙に笑える。)紙吹雪が舞う中で行われる「八甲田山」のしょーもないパロディー(元ネタと同じ木村大作が本作も撮影してる。)、麦藁帽子が飛んでいくシーンでかかる「人間の証明」の主題歌など自分がこの当時の映画をけっこう見てるからか面白く見ることが出来た。出演者もかなり豪華で、劇中劇のサイレント映画で金田一を演じる三船や、同じ劇中劇で等々力警部を演じる三橋達也(市川崑監督の金田一もので加藤武が演じる警部の真似をする姿が笑える。)、それに岡田茉莉子などよくこんな映画に出たなと思うような名優から、原作者である横溝正史やほかの作家、大林監督自ら演じる老人ホームの入所者や角川春樹はもちろんのこと、普段はスタッフとして映画に携わっている人まで出ているのはすごい。どう収集をつけるのかと思っていたらラストはちゃんと余韻を残す終わり方だったのは良かった。脚本を斎藤耕一監督が書いているのにはビックリするし、僕自身が古谷一行の金田一を見たのが本作が初めてなのもいいのかなと思ってしまうのだが、こういう映画は嫌いではない。
[DVD(邦画)] 7点(2010-03-09 14:03:05)(良:1票)
30.  恐喝こそわが人生 《ネタバレ》 
深作欣二監督によるバイオレンスアクション映画。スタイリッシュな演出や、音楽のテンポなど時代を先取りしたかのような印象で、あまり古さを感じさせていない深作監督の手腕は見事だと思う。松竹映画といえばホームドラマや人情喜劇といった映画がウリなんだけど、ストップモーションが多用されていたり、派手な爆発・炎上シーンがあったりと本当にこれは松竹映画なのかと思うほど松竹のカラーとかけ離れすぎていて異色な感じで、松竹映画という気がほとんどしないのもすごいが、深作監督らしいパワフルでエネルギッシュな映画でなかなか面白かった。主演の松方弘樹は若くてまだ貫禄不足という気がしないでもないが、それでもなかなかいい演技をしているし、あまり出演作を見たことがないのだが、ヒロイン お時を演じる佐藤友美も素敵だった。80年代まで深作作品の常連となる室田日出男が無名の頃から主役メンバーの一人として出演しているのはやっぱり深作監督の人脈なのかな。丹波哲郎は短い出番ながらもさすがに存在感がある。(主役メンバーの一人として配役する構想もあったとか。)ラスト、主人公を殺す暗殺者役を川津祐介が演じているが、このラストシーンはほとんどゲリラ撮影だったらしく、その効果もあってか、この映画の中でいちばん印象的だった。
[DVD(邦画)] 7点(2010-02-09 13:20:32)
31.  銀嶺の果て
黒澤明監督や本多猪四郎監督とともに山本嘉次郎監督の助監督をやっていた谷口千吉監督のデビュー作となる山岳サスペンスアクションで、主役の強盗犯の一人を演じる三船敏郎もこれがデビュー作。戦後2年しか経っていない時代の作品なので娯楽アクションとしては面白いのかどうか不安な面もあったけど、脚本を書いているのが黒澤監督だからか、娯楽性はもちろんだが、人間ドラマとしても見ごたえのある骨太な作品に仕上がっていてなかなか面白かった。三船はこの頃からギラギラした演技で横暴な強盗犯を演じていて、もう既に後のキャラクターが出来つつあるのには驚くし、本作の脚本がのちに黄金コンビとして数々の名作を世に放つ黒澤監督というのも興味深いものがある。志村喬が共演してるので途中から何だか黒澤映画を見てる気分になった。ラストの志村喬と若山セツ子のやりとりと「オールド・ケンタッキー・ホーム」が泣ける。それから音楽といえば忘れてはいけない、伊福部昭にとっても映画音楽デビュー作であるのだが、谷口監督と揉めたというスキーのシーンの音楽をはじめ叙情的な音楽がどれも画面と調和していて素晴らしい。三船もそうだが、伊福部昭もこの後、日本映画の歴史に名を刻んでいくことになるんだなあ。
[DVD(邦画)] 7点(2009-02-19 11:57:04)(良:1票)
32.  銀座の若大将
シリーズとしてはまだ2作目なんだが、既に数作このシリーズ見てるせいか次はこうくるだろうなあというお約束が既に分かっているのでなんだか安心して楽しめる。社長(上原謙)と久太郎(有島一郎)が雄一(加山雄三)についてほめあうシーンや雄一の「椿三十郎」という自己紹介などの楽屋ネタ(昔からあるんだなあ。こういうの。)、それに1作目と同じようなギャグである残飯鍋のシーンが笑える。それにしても澄ちゃん(星由里子)にいいように使われる石山(田中邦衛)はちょっと気の毒。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-12-06 03:06:31)
33.  斬る(1968)
岡本喜八監督が「日本のいちばん長い日」と「肉弾」の間に撮った時代劇。話の大筋はすでにみなさん書かれてるとおり「椿三十郎」を思わせていて、そこに喜八監督らしいユーモアが加わって更に軽快な映画になっていて、完成度では及ばないもののこの映画も楽しかった。「椿三十郎」では存在感のある悪役をニヒルに演じていた仲代達矢がこの映画では飄々とした主人公をコミカルに演じており、もう一人の主人公である高橋悦史(こちらも「日本のいちばん長い日」とは180度違うコミカルな芝居をしている。)とのかけあいが面白い。討手のリーダーを演じる岸田森や、次席家老を演じる神山繁、それに東野英治郎といった脇を固める俳優たちもいい。大作映画の後に息抜きで作ったという印象もなくはないが、「日本のいちばん長い日」のようなシリアスな映画の後にこういった軽いタッチの娯楽作をサラリと作ってしまう当時の喜八監督の余裕の力量のようなものを感じる。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-10-18 00:01:42)(良:1票)
34.  キートンのゴルフ狂の夢(囚人13号) 《ネタバレ》 
邦題からしてネタバレしてるけど、それでもやっぱり面白い。看守を次々となぎ倒すごつい囚人が笑えた。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-05-19 13:22:47)
35.  キングコングの逆襲 《ネタバレ》 
小学生の頃見た東宝特撮怪獣映画の一本。天本英世のドクター・フーが強烈だった。東京タワーでのコングとメカニコングの対決シーンも迫力があって良かった。島でのゴロザウルスとの戦いもイイ。エレメントX(どんな物体だったっけ。コレ。)を掘り出している最中に故障してしまう最初のメカニコングが間抜けだった。
[ビデオ(邦画)] 7点(2005-04-09 23:26:51)(良:1票)
36.  斬る(1962) 《ネタバレ》 
三隅研次監督による雷蔵主演の「剣三部作」の第1作。昔見たときは期待しすぎたのか、映像は良かったものの、ストーリーが分かりづらく、それで退屈し、全体的にもつまらない映画という印象があったのだが、久しぶりに見てみると、そこまでつまらなくはなく、むしろ傑作だと思った。確かに新藤兼人監督が担当した脚本は支離滅裂な感じで、ドラマにはあまり魅力を感じることはできないし、時代があっという間に経つのもダイジェストを見ている感じがして、雷蔵演じる主人公がいかにして剣の達人になったのかというわりと重要な部分がすっぱ抜けているのは中でもとくに残念。しかしやはり三隅監督の映像美は今見ても冴えわたっていて、冒頭の藤村志保の登場シーンから引き込まれ、話の分かりにくさがそんなに気にならないくらい見入ってしまった。とにかく昔見たときよりも三隅監督の凝った映像の数々に魅力を感じることができ、映画の評価は決して脚本だけで決まるものではないとあらためて感じることができた。冒頭のシーンから藤村志保が処刑される一連のシーンの流れも印象に残るのだが、雷蔵の殺陣の美しさはやはり時代劇らしい様式美が感じられて良い。クライマックスのウグイスの鳴き声の使い方もそうだが、やはり美しい梅の枝を使った殺陣は梅の美しさとその枝で行う壮絶な殺陣というのが非常に相反するものを感じることができ、とても印象的だった。そして、主人公が主人の大目付(柳永二郎)を懸命に探すラスト近くも異様な静けさが独特の緊張感と非情さを漂わせていて、見ていてゾクゾクとさせられる。万里昌代演じる姉が弟を救うためにとる行動はなかなかインパクトがあるが、そのシーンも美しく演出されていて印象に残った。それに、柴田錬三郎原作ということもあってか、このシーンはなんか「眠狂四郎」っぽさもある。(2021年7月17日更新)
[DVD(邦画)] 7点(2005-03-05 02:06:27)
37.  CUTIE HONEY キューティーハニー 《ネタバレ》 
庵野秀明監督による実写版の「キューティーハニー」。アニメはオリジナルはちゃんと見た事がなく、セーラームーンの後番組でやっていたリメイク版も少し見た程度で今ではほとんど覚えておらず、そもそも永井豪作品にも馴染みがあまりない状態で本作を見たのだが、逆にそれが先入観がなくてよかったのか、思っていたよりは面白かったし、最後まで飽きることなく楽しく見れた。「シン・ゴジラ」のような大作然とした感じではなく、作っている側もB級と割り切っているような感じがよく出てて、それが潔い。オープニングタイトルバックがテレビアニメ版のオープニング仕様だったり、映像表現にアニメを取り入れているのはアニメ畑の監督らしいところで、それを駆使した冒頭のゴールド・クロー(片桐はいり)率いる戦闘員とのバトルはアニメ的なコミカルさも加わっていておかしみがあり、とても楽しかったし、エレベーター内でのコバルト・クロー(小日向しえ)との戦いも見ごたえがあるものになっている。ハニー役のサトエリは本作を見る数日前にネットニュースのインタビューを見ていたので、とくに始まってすぐの街中を走るシーンは絶対恥ずかしかっただろうなと思ってしまったのだが、それでもよく頑張っていて素直にハマり役だと思うし、魅力もじゅうぶんに出ていたと思う。しかしそれ以上に印象に残ったのが秋夏子で、演じる市川実日子は「シン・ゴジラ」でも強烈なインパクトを残す役を演じていたが、本作でのこの役はその原型といった感じがする。その他、悪役であるパンサークローの面々を演じる役者陣も実に楽しそうに演じていて、中でもブラック・クロー(及川光博)が歌い始めるシーンのノリノリさはそれがいちばん伝わってきて、見ている側としてはつい笑いが込み上げてくる。一方、ゴールド・クローを演じている片桐はいりはもともと個性的な女優のためか、こういう特殊メイクで扮装した役だとなんかもったいなく感じる。映画全体の構成としてはハニーと夏子の出会いからパンサークローの壊滅までを一時間半で描いているためか、テンポが良すぎて展開が目まぐるしく、そこがちょっと残念だったかな。やはりこの構成だと映画一本よりもテレビの連続ものの方が向いてる気がする。
[DVD(邦画)] 6点(2023-04-16 16:04:40)
38.  機動戦士ガンダムF91 《ネタバレ》 
ガンダムシリーズをファーストからZZまで全話見て、次は本来なら「逆襲のシャア」なのだが、とりあえず後回しにして本作を鑑賞。シリーズとして仕切り直しとなった作品で、これまで登場した人物が一切出てこず、新しい登場人物のみで物語が進むというのは、このシリーズを本作で初めて見る人には入っていきやすいかもしれない。でも、その登場人物の関係性や物語の背景を把握する前にサクサク話が進みすぎていて、元々テレビシリーズとして企画されて先に劇場版として作られた作品のようだが、本当に既に放送済みのテレビアニメの総集編ダイジェストを見ているような感じ。それでも、冒頭に起こる惨劇の描写はリアルで壮絶だし、味方のはずの連邦軍がZの頃から相変わらずなのも一筋縄ではいかない戦争というものを描き出していてこういうところが富野由悠季監督らしいところなのだと思う。小型化したモビルスーツやそれによる戦闘も思ったほどは悪くないし、なんといっても終盤に登場するバグの怖さもインパクトがあって良い。しかし、やはり惜しむらくは最初にも書いたようにテレビシリーズとして考えられていたものを劇場版に再構成したことにより、ダイジェストのようになってしまっており、そのせいで展開に唐突に感じる部分が非常に多く、また、似通った顔立ちの人物もいるなど見ていて混乱して訳が分からなくなってくるのがはっきり難点と言え、話としても詰め込みすぎた感は否めない。一応、鉄仮面と決着をつけて終わるものの、戦争自体はまだ続いていて、ラストのテロップなどはまだ続きがあることを示しているようなのだが、もし、この後テレビシリーズが頓挫せずに作られていたらとか、(その場合、映画でやった部分も改めてやり直したのだろうか?)そもそも映画でなく最初からテレビシリーズだったらとか、(個人的には最初からテレビシリーズでやっていたほうが良かったと思う。)見終わった後にいろいろ考えてもやもやしてしまった。エンディングに流れる森口博子の歌う主題歌はしっとりしていて良い。
[DVD(邦画)] 6点(2022-03-19 20:16:22)
39.  記憶にございません! 《ネタバレ》 
三谷幸喜監督の前作「ギャラクシー街道」がアレだったので、どうかなと思いながら期待せずに見たのだが、確かに「ギャラクシー街道」に比べればじゅうぶんに面白かったものの、三谷監督の作品としてはキレや捻りがなく、普通に楽しめるといったところで、安心して見られる分、そこが逆に物足りなかったところでもある。また、ところどころ唐突に感じる展開もあり、もっと前振りや伏線をしっかりしてほしかった部分もあったのは事実で、もう少しなんとかすれば面白くなったのではと思うし、官房長官(草刈正雄)を失脚させるエピソードが終わってこちらの気持ちが切れてしまったのか、その後の不倫の後始末的なエピソードが長く感じてしまい、はっきり言ってどうでもよくなってしまい、この部分は無くてもよかったような気がした。出演している俳優陣は脇役陣ではやっぱり「真田丸」に出ていた面々が多い気がするが、「真田丸」でナレーションを担当していた有働由美子が演じるニュースキャスターの毒舌ぶりが印象に残る。木村佳乃の大統領は少しわざとらしすぎるが、その通訳を演じるのが宮澤エマというところは、実際の総理大臣の孫である彼女を総理の家族などではない役で使っているのがあざとさが感じられなくて〇。でも、やっぱり、出演者の中でいちばんハマっていたのは既に書かれている方もおられるように事務秘書官を演じている小池栄子だろう。ところで、「総理と呼ばないで」はまだ見ていないのだが、ちょっと見てみようかな。
[DVD(邦画)] 6点(2022-01-24 19:15:04)
40.  機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星 《ネタバレ》 
最終回となるシリーズ第6作。ファーストで語られていたレビルが黒い三連星に捕虜にされていたという気になっていた部分が少しでも出てきたのは良かったかなと。でもこの部分はやっぱりもうちょっと詳しく見たかった気もして前作同様ちょっと残念な気もする。このシリーズのキシリアはずっと素顔で登場していたが、今回はファースト同様素顔をマスクで覆った姿で登場していて、やはりこのほうが見慣れているし、ファースト最終盤の展開につながるような言動などもあり、興味深かった。マ・クベはファーストでもインパクトの強いキャラであったが、やはりここで登場してもインパクトは強く、演じる山崎たくみの声が塩沢兼人そっくりに聞こえることもあって違和感もまったくなかったのがすごい。ラストはレビルの演説で締めくくられるが、それと並行してのちのホワイトベースの乗組員たちの姿も描かれていて、いよいよファーストに近づいているというワクワク感があり、本当に第一話の直前で終わる感じなので思わずまた続き(ファースト)が見たくなってしまう。(原作の漫画ではこのあとの話もやってるみたいだけど。)でも、逆に言えばファーストにつなげるための最終回という気がしないでもなく、このシリーズ単体で見た場合に最後という感じがあまりしないのも事実で、原作はまだ先の話があるとはいえ、もっと最終回らしい雰囲気は欲しかったような。また、最後の最後に流れるナレーションも永井一郎のものを流用するこだわりがあっても良かったような気はするが、ファーストを見終わってすぐにこのシリーズを見たガンダム初心者としてのシリーズ全体の感想としては、作風的に深みはあまりないが、見る前に思っていたよりはまあまあ面白く見れたということ。なんか6本見ての全体の感想としてはすごくありきたりだけど。
[DVD(邦画)] 6点(2020-03-28 14:56:36)
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