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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  魚影の群れ 《ネタバレ》 
相米慎二監督といえば「セーラー服と機関銃」のようなアイドル映画や「お引越し」のような子供の成長を描いた映画の印象が強いけれどもこれはもう完全に大人の映画で、緒形拳演じる主人公の漁師としての生き様とそんな彼に漁師の弟子入りを志願する佐藤浩市扮する青年とのドラマが非常に見ごたえがあり、二人がマグロ釣りに出かけて行き、誤って釣り糸が佐藤浩市の顔に巻きつくシーンの壮絶さ。それでいながらマグロを諦めようとしない緒形拳の執念も物凄い。昔「私の青空」という田畑智子(「お引越し」のレンコ)主演のNHK朝のドラマでも取り上げられていたが、ここまで壮絶なものとは。それが相米監督お得意の長まわしによってこれでもかこれでもかとリアルに描かれていて漁師という仕事の壮絶さを思い知らされたような気がする。そんな緒形拳を「人間よりもマグロの方が大事なのか。」と責める夏目雅子扮する娘。この映画は緒形拳と佐藤浩市の男と男のドラマでありながら、この夏目雅子の存在も大きく、海に出て行った緒形拳や佐藤浩市の帰りを待ち続ける姿や、さきほど書いた佐藤浩市が死に掛けてるのにほっといてマグロを釣っていた緒形拳に対して非難を浴びせかけるシーンなどこのトキ子という女性の内面的な部分もよく描かれており、この部分のドラマも非常に見ごたえがあるものになっている。もちろん演じる夏目雅子も見事で、既に青観さんが書かれているようにこの女優でなければ出せない味というのか、そういうものがあるからこそ、ドラマに深みが加わっているのだと思う。ラストの彼女の海に向かってのやり場のない絶叫は思わず見ているこちらも悲しくなってしまった。そして、改めて、夏目雅子という名女優の若すぎる死を惜しく思うし、生きていたら今頃どんな女優になっていただろうと思う。27年間の生涯、そしてわずか10年間にも満たない女優人生。その中でもこの映画は「時代屋の女房」と並んで彼女の映画での代表作と言えるのではないかと思う。坂道を自転車に乗って明るく颯爽と走っている姿も印象的だった。そして緒形拳や相米監督にとっても間違いなく代表作の一つだと思うし、相米監督も53歳という若すぎる死が惜しまれる。それに緒形拳だってもう亡くなってしまっているのは非常に残念。この三人にはもっと長く生きていてもらいたかった。
[DVD(邦画)] 8点(2022-02-11 13:03:35)(良:1票)
22.  記憶にございません! 《ネタバレ》 
三谷幸喜監督の前作「ギャラクシー街道」がアレだったので、どうかなと思いながら期待せずに見たのだが、確かに「ギャラクシー街道」に比べればじゅうぶんに面白かったものの、三谷監督の作品としてはキレや捻りがなく、普通に楽しめるといったところで、安心して見られる分、そこが逆に物足りなかったところでもある。また、ところどころ唐突に感じる展開もあり、もっと前振りや伏線をしっかりしてほしかった部分もあったのは事実で、もう少しなんとかすれば面白くなったのではと思うし、官房長官(草刈正雄)を失脚させるエピソードが終わってこちらの気持ちが切れてしまったのか、その後の不倫の後始末的なエピソードが長く感じてしまい、はっきり言ってどうでもよくなってしまい、この部分は無くてもよかったような気がした。出演している俳優陣は脇役陣ではやっぱり「真田丸」に出ていた面々が多い気がするが、「真田丸」でナレーションを担当していた有働由美子が演じるニュースキャスターの毒舌ぶりが印象に残る。木村佳乃の大統領は少しわざとらしすぎるが、その通訳を演じるのが宮澤エマというところは、実際の総理大臣の孫である彼女を総理の家族などではない役で使っているのがあざとさが感じられなくて〇。でも、やっぱり、出演者の中でいちばんハマっていたのは既に書かれている方もおられるように事務秘書官を演じている小池栄子だろう。ところで、「総理と呼ばないで」はまだ見ていないのだが、ちょっと見てみようかな。
[DVD(邦画)] 6点(2022-02-03 18:17:11)
23.  北の国から '87初恋<TVM> 《ネタバレ》 
好きなシーンはいっぱいあるが、ラストの古尾谷雅人演じるトラックの運ちゃんと純のやりとりが感動的だった。その後のシリーズも見ているが、僕にとっての「北の国から」シリーズはこれで完結したと思っている。
[ビデオ(邦画)] 10点(2021-04-03 19:25:37)(良:2票)
24.  北の国から '83冬<TVM>
「北の国から」スペシャル版第一作。ラストの笠智衆がすごく印象に残っている。だけど、作品全体の印象はけっこう薄い。
[ビデオ(邦画)] 6点(2021-04-03 17:57:08)
25.  桐島、部活やめるってよ 《ネタバレ》 
見る前は正直もっと退屈するかもと思っていたが、意外に最初からすんなりと入ることができ、最後まで退屈することなく見ることができた。学校を舞台にした生徒たちの群像劇ということもあってか、見ていて「櫻の園」(1990年)を思い出したが、本作で描かれる高校生の日常はよりリアルで切実に感じる部分がありながらも、一方でどこかまったりとした青春映画という感じがあり、そのバランスも良い。このタイトルだとバレー部を辞める桐島を中心に話が進むのが普通だと思うのだが、当の桐島が一度も登場せず、退部の理由も結局明らかにされないまま終わるのはかなり斬新なプロットで、もうこれだけで本作は後世に残りそうな感じがする映画になっていると思う。もちろんそれだけではなく、登場する生徒たちが本当にどこにでもいそうな感じがするので、生徒たちそれぞれにさっきも書いたようにリアルさや切実さが感じられるのが本作の魅力になっているのではないだろうか。(生徒たちのなにかダラダラした感じも逆にリアリティを感じさせる。)同じ出来事を視点を変えて何度も描くという手法も映画ではよくある手法だが、やはり効果的に使われているし、やはりこういうのを映画というのだとあらためて思う。クライマックス、屋上でゾンビ映画の撮影をしている映画部の前に桐島を探しにきたバレー部が現れ、ひと悶着起こるところでバックに吹奏楽部が演奏するワーグナー「ローエングリン」が被さるのがとても印象的で、その後のラスト近くの菊池(東出昌大)と前田(神木隆之介)のやりとりがすごく良く、思わず、自分がこのくらいの年齢の頃は前田のような現実を見た考え方はできてなかったよなと妙に懐かしくなってウルっときてしまった。確かに見る人を選ぶ万人受けは難しい評価も分かれる映画だと思うが、見る前の不安が嘘のように面白かったし、見てよかったと思える映画だった。それに見終わって「鉄男」やロメロの「ゾンビ」に少し興味がわいた。
[DVD(邦画)] 7点(2021-01-25 00:21:52)
26.  危険な女たち 《ネタバレ》 
野村芳太郎監督の遺作となったアガサ・クリスティー原作のミステリー。遺作ということで何の期待もしてなかったにも関わらず全体的に二時間ドラマのような印象でドラマに深みがなく、また、ミステリーとしてもひねりが乏しく思った以上につまらなかった。ところでこのジャンルの映画で石坂浩二と小沢栄太郎が共演していると金田一耕助シリーズを思い出してしまう。実際石坂浩二演じる推理作家が事件の謎に迫ったり、犯人が解明された後の展開は金田一シリーズのパロディーのようにしか見えなかった。
[DVD(邦画)] 3点(2020-10-26 22:24:30)
27.  嫌われ松子の一生 《ネタバレ》 
「下妻物語」があまりにも予想外に面白い映画だっただけにどうかなあとあまり期待を持たずに見た。運命に翻弄される女性の波乱に満ちた53年間の生涯を描いた作品で「下妻物語」のようなバカバカしさや軽さといったものは若干抑えられてる感じがするものの、不幸のどん底にたたき込まれた主人公 川尻松子(中谷美紀)の物語をことさらに悲劇性を強調するでなく、逆に明るいエンタテイメントとして描ききるというのが斬新。普通に考えれば失敗してもおかしくないのだが、この映画はそれでいて一代記ものドラマとしての見ごたえもじゅうぶんあるという只者ではない映画になっていて、まだ見るのは2本目ながら中島哲也監督のうまさを改めて感じられる。ストーリーのほうはもう松子が父親(柄本明)から愛されたい一心で変な顔をするという序盤からもう切なくなり、松子にこの時点でかなり感情移入してしまった。その後もとにかく必死で愛を求める松子の姿が切なくてたまらないのだ。そんな彼女の最期はとてもあっけないものだった(でも、元教師らしい最期だ。)が、ラストの階段を昇り切った彼女が、出迎えた妹(市川実日子)の「おかえり」という言葉に対して「ただいま」と返す。この瞬間、不覚にも泣いてしまった。下の方も書かれているが、これが松子にとって本当の幸福を手に入れた瞬間だろう。これをハッピーエンドというのかは人によると思うが、個人的にはハッピーエンドだと思いたい。ミュージカルのようにたくさんの楽曲が使われているが、中でも「まげてのばして」が冒頭から効果的に使われており、特に印象的。このラストシーンで松子がこの歌を歌いながら階段を昇っていくシーンも泣けて仕方がなかった。松子を演じる中谷美紀も素晴らしく、撮影中は中島監督との対立が激しかったようだが、その要求によく応えて名演技をしていて、まさにこの女優だからこそこの松子といういかにも不幸で魅力にもちょっと乏しいようなキャラクターをここまで魅力的に表現できるのではないかと思う。本当に見てよかったと思える映画だった。本作は人によっては好き嫌いははっきりと分かれるかもしれないが、邦画新時代の新しい女性映画の傑作として高く評価したい映画である。
[DVD(邦画)] 8点(2020-07-09 17:32:18)(良:3票)
28.  祇園の姉妹(1936)
溝口健二監督の映画は三本目。前に見たのが「雨月物語」と「近松物語」という日本が世界に誇る名作二本で実際にとても素晴らしい作品だったのでこの作品には少々不安もあった。確かに「雨月」や「近松」には及ばないと思うところもあるもののこれもやっぱり名作だと思う。宮川一夫が撮影担当でない作品は初めてだったのだが、やっぱり撮影監督が違ってもこの監督の作り出す映像はとても美しく、つい見入ってしまった。主演の山田五十鈴が当時19歳と若く、後年の黒澤作品などで見せる凄みのある演技とはまた違った初々しい演技を見せているのがとても印象的だった。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-05-07 10:47:32)
29.  キートンのハイ・サイン(ザ・ハイ・サイン)
前半の新聞や射撃のギャグよりも後半の屋敷のシーンのギャグのほうが印象に残ってる。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-04-15 18:21:56)
30.  機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星 《ネタバレ》 
最終回となるシリーズ第6作。ファーストで語られていたレビルが黒い三連星に捕虜にされていたという気になっていた部分が少しでも出てきたのは良かったかなと。でもこの部分はやっぱりもうちょっと詳しく見たかった気もして前作同様ちょっと残念な気もする。このシリーズのキシリアはずっと素顔で登場していたが、今回はファースト同様素顔をマスクで覆った姿で登場していて、やはりこのほうが見慣れているし、ファースト最終盤の展開につながるような言動などもあり、興味深かった。マ・クベはファーストでもインパクトの強いキャラであったが、やはりここで登場してもインパクトは強く、演じる山崎たくみの声が塩沢兼人そっくりに聞こえることもあって違和感もまったくなかったのがすごい。ラストはレビルの演説で締めくくられるが、それと並行してのちのホワイトベースの乗組員たちの姿も描かれていて、いよいよファーストに近づいているというワクワク感があり、本当に第一話の直前で終わる感じなので思わずまた続き(ファースト)が見たくなってしまう。(原作の漫画ではこのあとの話もやってるみたいだけど。)でも、逆に言えばファーストにつなげるための最終回という気がしないでもなく、このシリーズ単体で見た場合に最後という感じがあまりしないのも事実で、原作はまだ先の話があるとはいえ、もっと最終回らしい雰囲気は欲しかったような。また、最後の最後に流れるナレーションも永井一郎のものを流用するこだわりがあっても良かったような気はするが、ファーストを見終わってすぐにこのシリーズを見たガンダム初心者としてのシリーズ全体の感想としては、作風的に深みはあまりないが、見る前に思っていたよりはまあまあ面白く見れたということ。なんか6本見ての全体の感想としてはすごくありきたりだけど。
[DVD(邦画)] 6点(2020-03-29 23:27:18)
31.  機動戦士ガンダム THE ORIGIN V 激突 ルウム会戦 《ネタバレ》 
シリーズ第5作。今回から第二部であるルウム編前後編になるわけだが、一年戦争が開戦したその日である宇宙世紀0079年1月3日から話が始まっていてこの冒頭こそワクワクするものの、話としてはいろんなエピソードがとっ散らかっている散漫な印象で、しかもその一つ一つがじっくり描けば深みが出るような内容だっただけに残念だった。とくにコロニー落としの部分はファースト初期に毎回ナレーション(永井一郎)が語っていた部分なのでもっと詳しく見たかったし、それに今回のセイラに関する部分も興味深かったのでもっとじっくり描いてほしかったところ。逆に今回登場するユウキとファン・リーのエピソードや、ハモンが歌うシーンなど本筋にあまり関係のない部分は思い切ってカットしたほうがすっきりしただろうし、ドズルのミネバへの親バカぶりを見せるシーンもはっきり言っていらなかった気がする。それからファーストのカイって皮肉屋だけどもっと冷静なイメージなのだが、本作ではアムロとハヤトを連れて立ち入り禁止区域に入ろうとするのはなにか違う。このシリーズはとくになにか期待しているわけではないが、さすがに前作までのほうが面白かったと思えた。上映時間がこれまでよりも30分ほど長くなっているが、毎回ある前作までのダイジェスト部分とエンドロールを省くとこれまでとあまり変わらない尺なのではと思ってしまったのもちょっとマイナス。一部を除いてのファーストからの声優の変更は仕方がない部分もあり、気にしていないのだが、本作の成長したセイラを見て、やはりこのあたりからのセイラは井上瑤のほうがいいなと思ってしまった。かなわぬことだけど。なんだかマイナス面ばかり書いてしまったが、5点以下をつけるほどでもないのでまあ5点。
[DVD(邦画)] 5点(2020-03-27 21:43:18)
32.  キートンの化物屋敷
後半の化物屋敷でのドタバタはドリフのコントのようなチープさがただよってていいんだけど、印象に残るようなキートンのアクションもそれほどなく、全体としては可もなく不可もなくって感じ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-03-21 16:05:08)
33.  機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜 《ネタバレ》 
シリーズ第4作。今回がシリーズの第一部完結編にあたるらしいが、ついに一年戦争開戦が間近という不穏な空気の雰囲気は出ている。その一方でランバ・ラルと黒い三連星が乗った四機のザクがガンキャノンを撃破するシーン、それにテムがガンダム開発を進言するシーンはいよいよモビルスーツが本格的に登場するというワクワク感もあり、そしてアムロの同級生としてフラウやカイが登場しているのは見ている側としてはなにか安心感も出てくる。家に帰って来たテムがアムロをあることで注意するシーンはどこにでもある家庭の風景という感じで微笑ましくもあるのだが、この二人にとってこういうやり取りは非常にまれなことかもしれない。
[DVD(邦画)] 6点(2020-03-16 22:39:20)
34.  機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起 《ネタバレ》 
シリーズ第3作。今回はジオンの士官学校に入学したシャア(キャスバル)とガルマの話で、ファースト序盤でもこの二人の過去は気になっていたので興味深く見ることができたし、一年戦争のきっかけとなる出来事も描かれていて前作よりも面白かった。ガルマはファーストで見たときから坊ちゃん育ちのちょろい若者というイメージなのだが、シャアに乗せられたとはいえ200人以上の学生の蜂起を先導する姿はやはりそんな彼もザビ家の人間であることを感じることができ、ガルマのイメージが今回で少し変わったように思う。シャアとガルマの関係もこれで知ることができてスッキリ。また、デギンがガルマを気にかけている様子も描かれているあたりもこれがファーストにもつながっていくのねという感じがあって良い。シャアも前作では若い感じが出ていて演じる池田秀一の演技も無理してる感があったのだが、今回の後半あたりではようやくシャアらしくなってきて、演技への違和感も消えていた。(前半まではまだもう一人のシャアを演じている関俊彦の二役のほうが・・・とか思っていたが。)シャアやガルマの同期生の生徒の一人としてゼナが登場し、蜂起に際し校長であるドズルを軟禁しているが、まさかこれが馴れ初めなのかな。エンドロール後のエピローグではアムロとテムがサイド7に到着するなど、この回から話が一気に一年戦争に向かいはじめたというワクワク感のある終わり方で、思わず次も見なければという気になってしまう。
[DVD(邦画)] 6点(2020-03-08 22:15:57)
35.  機動戦士ガンダム THE ORIGIN II 哀しみのアルテイシア 《ネタバレ》 
シリーズ第2作。今回は前作のラストで地球へ向かったキャスバル(エドワウ・マス)とアルテイシア(セイラ・マス)の三年後の様子が描かれていて、もう一人のシャア・アズナブルの登場や、今後につながるであろうジオンによるモビルワーカーの戦闘実験、それにチョイ役で一年戦争以前のアムロやミライが登場するなど見どころもあるのだが、全体的に見ると平凡な感じで、2作目にして既に少し中だるみ感もあって、出来としては別に悪くはないんだけど、物足りないといえば物足りないかなといったところ。青年になったキャスバルもといエドワウの声を池田秀一が演じているが、いくらのちにシャアになるからといってティーンの頃から任せていることにちょっとおいおいと思ってしまうし、実際その演技にも無理を感じる。これは本人からの申し出によるものらしいのだが、スタッフは潔くその申し出を断る勇気が必要だったのではないか。いっそもう一人のシャアを演じている関俊彦の二役でも良かったような気がする。一部ファーストとの矛盾もあるがまあ許容範囲。エドワウがセイラのもとを去るラストシーンはこれからのこの二人の運命の歯車がいよいよ動き出したという感じがして、次回に期待を持たせるにじゅうぶん。
[DVD(邦画)] 5点(2020-03-05 22:23:19)
36.  機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル 《ネタバレ》 
ガンダムシリーズは今までほとんど見たことがなかったのだが、このたびファーストガンダムを初めて全話見て純粋に面白かったので、最終回を見て間の空かないうちに前日譚となるこちらのシリーズも見てみようと鑑賞。ファーストでアニメーションディレクターをつとめていた安彦良和が自ら描いた漫画を原作に総監督を担当しているが、コミカルな要素があったりして作風はかなりソフトに感じるものの、思ったよりドラマとしての見ごたえはあり、想像してたより面白かった。ファーストではアムロに影響を与えることになるランバ・ラルにすごく魅力を感じたが、今回はそのランバ・ラルとハモンがキャスバルとアルテイシアを地球に逃がすために奮闘する姿が描かれていてその辺も見どころだったと思う。でも、この後、一年戦争でランバ・ラルとハモンはアルテイシア(セイラ)と敵同士として再会してしまうのだなあと思うと複雑な気持ちになるし、それはキャスバルとアルテイシアにも言えることだ。そのキャスバルとアルテイシアの境遇はこうやってじっくり描写されるとなんか同情してしまうし、幽閉されてしまった母・アストライアとの別れのシーンでは思わずジーンとさせられた。無事に地球に向かったキャスバルとアルテイシアが月を見るラストシーンも印象的だったが、そこにかかる主題歌もこのラストの映像によく合っていて、曲自体も非常に美しい。
[DVD(邦画)] 6点(2020-02-25 23:46:32)
37.  清須会議 《ネタバレ》 
歴史マニアでもある三谷幸喜監督が織田信長が死んだあとにその跡目をめぐって行われた評定である清須会議を題材に執筆した小説を自ら映画化した時代劇。いつものコメディー調は控えめで、実在の人物(かなりデフォルメされてはいるが。)を登場させ、真面目に歴史の一幕を描いているのがこれまでの三谷監督の映画と比べれば異色な感じがするが、会議をめぐる駆け引きなどがうまく描かれていて、そのあたりは面白い。しかし、それゆえに三谷監督が本来得意とするコメディー部分が足を引っ張っていて、そのおかげでかなり間延びした印象がある。とくに旗取り大会のシーンは笑わせようという意図があるのは分かるのだが、なかったほうが良かった気がするし、会議終了後にもダラダラと映画が続くのは前作「ステキな金縛り」以上のくどさを感じる。もっと清須会議だけに的を絞ったほうがドラマとして面白くなったのではないかと思うのだが。でも、三谷監督の映画では恒例となっている前作の登場人物の登場は今回は更科六兵衛(西田敏行)で、若干の違和感を感じてしまうこともあったが、これは時代劇であるせいかこれまででいちばん違和感がなかった。(登場の必然性もなかったが。)いつも豪華な面々が登場するわりに印象に残るキャストが少ない三谷監督の映画だが、昔からの常連のひとりである鈴木京香演じるお市の方はなかなかはまっていたし、松姫(剛力彩芽)と寧(中谷美紀)が言葉を交わし、松姫が金平糖を食べるシーンも印象的で、代表作になるというほどではないが、女優陣はけっこう印象に残る。それにしても秀吉(大泉洋)の軍師である黒田官兵衛を寺島進が演じているが、去年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」をちょっとでも見ているとやはりこの役は岡田准一のほうが良かったかもとか、印象はまるで違うんだけど中谷美紀は秀吉の妻じゃなくて官兵衛の妻だよなと思えてくるのは仕方ないか。
[DVD(邦画)] 6点(2020-02-15 17:53:22)
38.  飢餓海峡 《ネタバレ》 
内田吐夢監督の晩年の代表作となるサスペンス映画。昔から見たいと思っていた映画だったがやっと見ることができた。三時間長という大作ではあるが、内田監督らしい重厚な演出も相まって、その長さを感じることなく、すぐに引き込まれたし、見終わった後には映画二本分を一気に見たような満足感となんとも言えない余韻が残る見ごたえのある映画だった。台風の中で起こった強盗放火殺人事件の犯人の一人であった男・犬飼多吉(三國連太郎)と娼婦である杉戸八重(左幸子)が出会うところからドラマが始まっているが、この二人が最初に出会うシーンでのおにぎりを食べている八重を見つめる多吉の表情、そしてその八重から手渡されたおにぎりをむさぼるように食べる多吉の姿が本当にリアルで、これだけで人間の本能というものを感じることができるし、これだけで終戦間もない頃という描かれている時代性も見て取れる。そんな多吉が八重と一夜を共にし、強盗で得た大金の一部を苦しい生活を送っているという八重に渡して去るが、これがのちのち本作のテーマである人間の善意とはなにかということにつながっていく構成がうまい。ここから先は八重の人生を追うというのが見ていて意外に感じたのは事実だが、多吉にいつか再会してお礼が言いたいという思いを抱えて生きていく八重の強さや、彼女の多吉への思いがじゅうぶんに伝わってきて、この部分も見ごたえがあった。そしてそんな思いを10年間抱き続けて生きてきた八重の運命はあまりにも悲しい。そして、そんな八重を演じる左幸子の演技のすごさ。とくに、多吉の爪を体にあてているシーンなどは、本当に気持ちが入っているのが見ていて分かるほどで、役を演じるとはどういうことなのかを考えさせられるし、八重が成功した多吉(樽見京一郎)と再会するシーンの緊迫感は内田監督の演出もそうだが、やはり演じる三國連太郎と左幸子の演技力あってのものだと思うし、なかでもこのシーンでは「やっぱり、犬飼さんだ!」と叫ぶ八重が忘れられない。そしてもう一人、本作でシリアスな役柄に初めて挑んだという強盗放火殺人事件を追う刑事を演じた伴淳は撮影中内田監督からいろいろ厳しく言われたようなのだが、見事にそれに応えて枯れた演技を見せていてこちらも素晴らしかった。八重が殺されて以降も面白く、とくに高倉健演じる刑事に樽見が取り調べを受けるシーンは演じる同じ二人が対決する役柄で共演していた同じ内田監督の「森と湖のまつり」を2か月ほど前に見ていたこともあって、なかなか興味深かった。そして、多吉が船の上から身を投げるラストの衝撃・・・。多吉は何を思いながら海に飛び込んだのかと考えると非常に切なく、そこにかかる冨田勲の独特な音楽が最初に書いたようになんとも言えない余韻を残す。まさに傑作・名作とはこういう映画を言うのだと思う。最後にもう一度、本作の杉戸八重を演じる左幸子は本当に素晴らしかった。本作はやっぱり左幸子の映画でもある。
[DVD(邦画)] 9点(2019-08-18 18:06:39)(良:2票)
39.  木更津キャッツアイ ワールドシリーズ 《ネタバレ》 
劇場版第2作にして完結編となる本作。前作「日本シリーズ」が、テレビドラマの劇場版にありがちなお祭り的な内容だったのに対して、今回はそういった部分はあまりなく、ストーリー的にはこのころの邦画でよく作られていた「黄泉がえり」系で、ついに死んでしまったぶっさん(岡田准一)が現世に帰ってきて、という筋立てだが、やはりぶっさんがただ死んで物語が完結するよりはこういうほうがこのシリーズらしいし、バンビ(櫻井翔)がぶっさんの「それを作れば彼が来る」という声を聞いたところから始まる「フィールド・オブ・ドリームス」そのまんまのような展開もこのシリーズらしく、(元ネタもちゃんと明かしている。)見ていて思わず笑ってしまう。本作は連ドラシリーズや「日本シリーズ」に比べればゆっくりとした普通のペースで進行し、むしろぶっさんが本格的に登場するまでが長いとさえ感じるのだが、見終わって考えてみれば、クライマックスのキャッツとぶっさんの別れをより印象的に見せるためだったのかもと思えてくる。回想で描かれるいまわの際のぶっさんと周囲の人々の中でただ一人彼を看取った父親(小日向文世)のやりとり、連ドラシリーズからずっとこの二人の微妙な関係を見てきたからこそここのシーンは来るものがあり、感動的だ。そしてそれはよみがえったぶっさんが父親にだけ見えない理由にもなっているというのが切ない。ぶっさん死んで三年がたち、バンビらほかのキャッツのメンバーも少し大人になっている。でも、死んでしまったぶっさんはあの時の仲間とワイワイやっていたころのままというズレが結果的に別れにつながるというのがリアルで、大切な人が死んでしまっても生きてる者はそれを乗り越えて今を一生懸命に生きなければならない、前に進んでいかなければならない、若い頃の仲間とのどんな楽しい日々でもいつかは必ず終わるという、ありきたりだが重要で道徳的なメッセージが心に残る。そして、これこそがクドカンがシリーズの最後に言いたかったことではないだろうかと感じるし、これを以って本当に「木更津キャッツアイ」の物語はキレイに完結したと思う。最初に連ドラ第1話を見た時にはとっつきにくい印象が強かったのだが、最後まで見て本当に良い作品に出会えたと思えたことが素直に嬉しい。それともう一つ、今まではメインの登場人物たちが草野球チームに所属している設定ながら、野球自体にはそれほどスポットが当たってなかった気がするのだが、本作では野球にもしっかりスポットがあてられていて、そのあたりにも最後であることを感じさせている。
[DVD(邦画)] 7点(2019-03-28 17:34:57)
40.  木更津キャッツアイ 日本シリーズ 《ネタバレ》 
クドカン脚本の大河ドラマ「いだてん」に合わせるようにしてこの連ドラシリーズを初めて見たのだが、最終回まで見終わった流れで劇場版である本作を鑑賞。連ドラシリーズは最初はちょっとどうなんと思っていたが、慣れるとハマるまではいかないものの、登場人物たちに愛着がわいてきてそこからは楽しく見た。(クドカン脚本の連ドラ、ほかには「あまちゃん」しか見てないけど、ひょっとしていつも最初のほうはこんな感じなのかな?)この劇場版もドラマとまったく同じノリで映画的な何かがあるわけではないが、連ドラを見慣れていると安心して見ていられる。でも、仕方がないとはいえ、一見さんお断りな感じはあって、完全にファンムービーの域を出ていないのは少々気にならないでもないし、連ドラでやっていた全体を野球の試合になぞらえ、全9話分を表と裏に分けるというのは連ドラだからこそなしえることで、それを本作でもやっているのは単発の映画作品では苦しい気がする。ぐっさん演じる山口先輩が韓国パブの経営を始めるというのは15年以上経った今見ると少し時代を感じてしまうものの、ぶっさん(岡田准一)がその韓国パブの従業員であるユッケ(ユン・ソナ)と恋に落ちるという展開は良かった。今回のゲストであるジョージ役の内村もはまり役。彼が整形しているという設定でオジー(古田新太)が再登場するのは多少の無理やり感もあるものの、このシリーズならまあいいかと思えてしまう。(自分がオジーけっこう好きというのもあるが。)しかし、やはりストーリー的には中盤あたりでクライマックスを迎えてしまったように感じてしまい、その後の「キャスト・アウェイ」を意識したような5人の漂着した島での生活シーンはやや間延びしているように感じるし、冒頭からうっちーの父(渡辺いっけい)が語っていた怪獣の登場するクライマックスもなにか浮いてしまっているように感じたのはちょっと残念だった。本作のラストシーンはドラマで描かれなかったぶっさんの死ではなく、ぶっさんとユッケの結婚写真撮影というのが微笑ましい。それに、なんだかんだ言ってこのシリーズのノリとバカさは嫌いにはなれない。次回の劇場版で最後らしいのだが、最後まできちんと見届けたいと思う。
[DVD(邦画)] 5点(2019-03-02 15:29:45)
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