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ザ・チャンバラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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21.  キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
実話映画の強みとは、物語に論理的な説明を求められない点にあります。どんなに無茶な展開があっても、”based on true story”という一行のテロップで逃げ切れてしまうのです。本作はその利点を目一杯活用していて、どこまでが事実でどこからが脚色なのかは分かりませんが、ともかく「事実がこうだったんだから仕方ないだろ」と言わんばかりに話をビュンビュン飛ばしていきます。医者を騙って病院に潜り込んだり、偽の経歴のまま婚約者の家族に会ったり、口から出まかせではどうにもならないシチュエーションも多いのですが、本作は「実話」を盾にしてかなり強引に話を進めていくのです。ここでの強引さとは良い意味での強引さで、細かい説明や論理的な整合性にとらわれずストーリーテリングにのみ集中することで、特に前半は怒涛のテンポを作り上げています。フランクの嘘がポンポンと決まっていく様は小気味良く、見ていて本当に楽しかったです。そんな痛快さの一方で、痛みの部分もきっちりと、しかも重くなり過ぎない程度に描けているというバランス感覚も絶妙でした。周囲の人々にウソをつき続けねばならない詐欺師にとって友達や恋人がいてもそれは本当の知り合いではなく、真の自分を知っているのは皮肉なことに自分を追いかける捜査官のみ、本当の自分をぶつけられる相手もまた捜査官しかいない。追う者と追われる者の間に絆が生まれる展開はありがちと言えばありがちなのですが、そこにスピルバーグの小慣れた演出があり、トム・ハンクスという安定した俳優を配置したことで、ドラマパートも見ごたえがあります。良い親父でありダメ親父でもあるクリストファー・ウォーケンも素晴らしい。いかにしてフランクJrの人格が形成されたかが、彼の姿を見るだけで分かってしまいます。。。と、前半はかなり充実していたのですが、対して後半になるとテンポが落ち着いてしまい、前半との対比でかなり長く感じられてしまったのが残念。また脚色上の取捨選択も私の関心とは必ずしも一致していませんでした。フランクはすでに一生遊べるほどの大金を持っていたにも関わらず、金への執着に歯止めが利かなくなって小切手の偽造がさらに過激になっていくのですが、全体が冗長になりすぎないよう、映画では国際的な詐欺行為をはじめるまでの経緯が丸々削られています。しかしこの辺りは詳細に描かないまでも、ある程度の説明は必要だったように思います。
[DVD(吹替)] 7点(2009-12-29 12:11:29)
22.  キングダム・オブ・ヘブン
リドリー・スコットってのは、良くも悪くも映像派ですね。まず良い点は、とにかくすべてのシーンが美しく、どのカットをとっても絵画のように綺麗。そしてあのとんでもない戦闘シーンのド迫力。確かに「ロード・オブ・ザ・リング」のヘルム峡谷戦やミナスティリス戦とかぶるわけですが、こちらの方がレベルが上ですね。CGで作ったのが丸出しの「ロード~」に対して、こちらは生身の迫力に満ちてました。2時間丸々戦闘シーンという「ブラックホーク・ダウン」を作り上げた手腕はダテじゃないのです。一方悪い点は、ストーリーテリングに明確な弱点がいくつかあることです。人間関係が複雑な割に拾い切れていない要素が多く、バリアンが亡くした妻子のことは後のストーリーにまったく影響を与えず、彼の複雑な親子関係も実にアッサリとしたものです。(「グラディエーター」もそうでしたが)主人公のロマンスに深みはなく、むしろ蛇足になってるような気もしました。「人を救うはずの宗教を巡って異教徒と殺し合う」という矛盾をテーマにしている割に登場人物たちに葛藤はなく、悪者は最後まで悪者、善人は最後まで善人でした。このテーマであれば、誰もが自分なりの大儀や正義を目指しているがゆえに戦いが起こるという話にした方がよかったと思います。と言うか、いまだに続いている宗教戦争の本質ってそれですよね。それぞれが正義だと信じているからこそ相手に対して不寛容となり、争いが起こってしまうと。しかしギーという明確な悪役を作ってしまったがために、話からその深みが奪われたように思います。これでギーも善人で、自分なりの信念を貫く人間であれば、戦争というものの本質をえぐった傑作になっていたかもしれません。それにしてもリーアム・ニーアムとジェレミー・アイアンズはかっこよすぎですね。「これぞナイト」という風格に満ちており、彼らが映ってる時には完全に画面を独占してましたよ。演技ができる俳優さんはいろいろいますけど、彼らのように風格を出せる俳優さんってのはあまりいませんね。あとどうでもいいことですけど、劇中「13ウォーリアーズ」で聞いたことのある曲が流れたので「まさかパクったんか」って気になってたんですけど、エンドロールにはちゃんと「バルハラ ジェリー・ゴールドスミス作曲」ってクレジットされてました。他の映画の音楽をまんま使うってこともあるんですね。ちょっと驚きました。
[映画館(字幕)] 7点(2005-06-05 00:27:47)
23.  機動戦士ガンダムF91 《ネタバレ》 
当初はテレビシリーズ用として考えられていた作品だけに、各要素はしっかりと作りこまれています。まず、クロスボーン・バンガードのMSデザインが秀逸。連邦系ともジオン系とも違う個性があり、新たな脅威が現れたという設定をデザインでうまく表現できています。また、クロスボーン・バンガードの創始者マイッツァー・ロナは人格者であり、その主張には一定の哲学と合理性が認められるものの、腹に一物持った部下たちが勝手に動き出したことから結果的にならず者集団になってしまったという展開には、現実の組織論が反映されているようで面白いと感じました。 戦場の描写は壮絶を極め、乳飲み子を抱えた母親がMSの薬莢に頭を割られて死ぬ、主人公グループのムードメーカーらしき人物が初戦で衝突死、大量殺戮兵器バグは子供を切り裂くなど、普通のアニメでは被害者にはならないタイプの人たちの死が克明に描かれており、戦争とは地獄であることを強烈に印象付けています。 作品の落としどころもよく考えられています。主人公は鉄仮面を倒すがそれはあくまで私闘のようなものであり、主戦場では連邦軍がボロ負けしてフロンティアⅠを放棄したという、勝利と敗北の両方が含まれた結末としたことで、一本の映画としてオチを付けると同時に、これから続く(と想定されていた)テレビシリーズにも繋げており、これは本当にうまいやり方だと感心しました。 問題点は、テレビの1クールに相当する分量を2時間に押し込めてしまったために、急な展開が多いこと。舞台が突然変わったり、何人かのキャラクターが唐突な心変わりをしたりと、ついて行けない点が多々ありました。また、テレビシリーズ用の作品だけあってセリフのあるキャラクターが非常に多く、キャラクターの把握にも時間がかかりました。そのキャラクター達は基本的に常識人なのでストレスなく見ることができたのですが、反面、強烈な個性を持った者がいないためにドラマ部分への関心が持続しなかったこともマイナス。登場人物の大半が狂っていた『Ζ』って、なんだかんだで面白かったなぁと遠い目をしてしまいました。 破綻気味のスケジュールで製作されたためか、MS戦の作画クォリティは『逆襲のシャア』どころか、数ヵ月後にリリースされたOVA『0083』にも完敗というレベルで、本家スタッフが再結集した作品としては期待はずれです。
[DVD(邦画)] 6点(2015-07-28 16:03:55)(良:1票)
24.  機動戦士ZガンダムII 恋人たち
3部作全体の評価については『星を継ぐ者』にてレビューした通りで、私としては新訳Ζに対して肯定的な立場をとっています。語り口が荒っぽい点については目を瞑り(そもそも、50話を費やしてもわかりづらい話だったのですから)、リファインされた映像面に注視しましょうというのが、本3部作に対する私の姿勢です。 その点で、もっとも評価が苦しいのがこの『恋人たち』です。戦闘シーンに際立ったものがなく、テレビ版のダイジェストを見ているだけという印象なのです。映像面での恩恵が少ないため、評価はやや低めにせざるをえません。 ただし、良かった点もあります。もっとも評価できるのは、フォウ・ムラサメをスードリで殺したこと。テレビ版ではスードリの爆発を生き延び、後にキリマンジャロで再登場するのですが、カミーユの成長物語として考えれば、フォウはスードリで死ぬべきでした。新訳版ではそうした自然な形に修正されたことで、私としては腹落ちの良い展開となりました。また、作品の緊張感がピークに達したところでアクシズが仰々しく現れ、「この先、どうなるんだ」という期待と不安を抱かせたところでブツっと終わるという幕引きには興奮させられました。3部作の中編という立ち位置をうまく使い、映画らしい展開を作れているのです。完結編への期待を煽る、見事なクライマックスだったと思います。
[DVD(邦画)] 6点(2015-07-10 17:19:12)
25.  96時間 リベンジ 《ネタバレ》 
映画館に行き損なったので、英国版ブルーレイにて鑑賞。。。 前作『96時間』は稀に見るアクションの傑作でした。アクションなどやらなさそうな演技派俳優をヒーローに仕立て上げることで、使い古されたプロットに新たな魅力を与える。その試みでは奇跡的な化学反応が起こり、製作費の10倍以上も稼ぐ大ヒットとなりました(DVD売上を含めると、収益はその倍以上に!)。。。 一方続編の本作には、前作の偶然を必然に変えなければならないという難題がありました。果たしてベッソンはこの難題をどう乗り越えるのかが最大の注目点だったわけですが、その結果は“可もなく不可もなく”といったところでした。『エイリアン2』以降、アクション映画の続編は「とにかく派手に、豪勢に」が定石となっており、『ダイ・ハード』も『リーサル・ウェポン』もその方向でどんどん個性を失っていきましたが、嬉しいことに本作では見せ場のインフレが避けられており、前作の長所はきちんと引き継がれています。前作を楽しんだ観客は、ある程度は本作も楽しめるような仕上がりとなっているのです。ニーソンが敵をバッタバッタとなぎ倒す様には相変わらず見応えがあるし、車での移動距離と環境音から敵の拠点を割り出すという頭脳プレーには感心させられました。街中で手榴弾を爆発させることでおおよその距離を計測するという荒技には笑うしかありませんでしたが(破壊されるのは犯罪者と無関係な一般の建物や車両)、こういう真っ直ぐな部分こそがまさにブライアン・ミルズ。前作とお変わりなくて何よりです。。。 ただし、エモーショナルな面では前作に及んでいません。若い女性をさらう人身売買組織という問答無用の悪党たちと比較すると、本作の悪役には直感的な嫌悪感が薄いのです。さらには、前作では観客が悪人に対する嫌悪感を忘れないよう、随所に残虐な描写が盛り込まれていましたが、本作ではその手の演出も手薄となっています。また、悪党による復讐劇である手前、“「マズイ相手を怒らせた」と吠え面かく悪人たち”という構図も失われており、全体として痛快さに欠けます。ラスト、ニーソンが敵の親玉に説教するくだりなんて必要ないでしょ。自分の家族に手をかけようとした者には容赦なく鉄槌を下す、言い訳は一切聞かない。我々が見たいのはそういう男の姿なのです。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-02-25 00:28:54)(良:1票)
26.  キラー・スナイパー
テキサスのDQN一家が保険金目当てに母親殺しを計画するというロクでもないお話。奇抜な登場人物に、適度に捻られた展開にと、脚本はよく作り込まれているのですが、二転三転した末に結局何が言いたかったのかはよくわからないという不思議な感触の映画となっています。。。 本作で注目すべきは、一応はオスカー監督であるウィリアム・フリードキンの大暴走で、御年72歳の巨匠が20代の若手監督をも凌駕するどえらいパワーを見せつけています。何が凄いって、高尚なことは一切なしで、エロとグロに特化した内容としているのです。フリードキンは95年に『ジェイド』という『氷の微笑』の出涸らしのようなエロサスペンスを撮って笑いものになったことをまだ覚えているようで、本作においてはやりすぎなくらいにエロを追求しています。何も履いていないジーナ・ガーションがいきなり姿を現す冒頭にはじまり、ジュノ・テンプルを現実と妄想の両方の世界で脱がせまくったり、マシュー・マコノヒーを脈絡なく全裸にしたり、フライドチキンを思いもよらぬ用途に使ったりと、エロに関しては凄まじい創意工夫を発揮しています。さらには、通常の着衣の場面だって胸の谷間や揺れ、乳首のポッチが気になるようなねっとりとした撮り方をしており、72歳の老人がやることとは思えない演出を続々と披露。念を押しますが、オスカー経験者です。。。 そんな感じで大張り切りだった巨匠からの要望を断り切れなかったのか、俳優達もかつてない怪演を披露。ジーナ・ガーションは49歳にして脱ぐわ殴られるわ、最終的にはあんなことまでさせられるわという大変な役柄を全力でやりきっているし、マシュー・マコノヒーに至っては、一体何の得があってこれを引き受けたのだろうかと思うほどの汚れ役を熱演しています。前半こそ、タイラー・ダーデンのようなダークヒーローの風情を漂わせていたものの、結局はただのヘンタイだったことがわかるというとっても損な役回り。監督のキャスティングセンスの賜物かマコノヒーのハマり具合が絶妙だったため、この役は彼のパブリックイメージに影響を与えかねないほどのインパクトを持っています。。。 観終わった後、特に残るものはないのですが、監督や俳優達のパフォーマンスを観る映画としては、十分なレベルに達していると思います。
[DVD(吹替)] 6点(2013-01-20 03:21:04)(良:2票)
27.  奇跡の海 《ネタバレ》 
主人公は真っ白な心を持つ女性ですが、真っ白すぎてもはや白痴のレベル。「何もそこまで」と思うほど愚直に自分を汚してどんどん窮地に追い込まれていきます。一方、彼女を取り囲む人々は憎悪と偏見の塊。容赦なく主人公に石をぶつけ、救いを求める彼女を教会から追い出します。この映画は全てが過剰で極端なのですが、それでいて世の真理を的確に突いている点には驚かされました。特に、形骸化した教会と純粋な信仰との対比はドラマとしても問題提起としても面白く、これぞトリアー作品の醍醐味だと感じました。。。 ただし、如何せん映画が長い。純粋過ぎて社会性ゼロの主人公をひたすら眺めるという内容で150分オーバーの上映時間はかなり厳しく感じました。実際に重度の鬱病を患っているトリアーは主人公に愛情注ぎまくりなのですが、一方でわれわれ一般人にとって彼女のイタさは見てられないものがあります。
[DVD(字幕)] 6点(2012-11-07 00:11:59)
28.  CASSHERN
私が生まれる遥か以前のアニメなのでオリジナルは未見なのですが、どんな作品であったのかの予習はばっちりしました。オリジナルには「平和=戦争をしないこと」という誤った定義付けをした戦後民主主義の矛盾を突く姿勢が根底にあって、「平和を守るためには戦わねばならないことだってあるのではないのか?」という問いを子供たちに突きつける野心的な内容となっていました。例えば、絶対的平和主義を掲げる市民達が、何の抵抗もなしに自分達の街をブライキングボスに引き渡すというエピソードがありました。戦争をしないことこそが最善であり、自分達の善意は敵にも伝わるはずだという勝手な思い込みが彼らの中にはあって、さらには戦いで命を失うリスクを冒すくらいなら隷属の身に陥った方がマシという浅ましい根性があったのですが、そんな卑屈な人間を見たブライキングボスは「このようにして守るほど平和とはありがたいものなのか」と、その姿を鼻で笑うのでした。最終的に、全市民が虐殺されてそのエピソードは幕を閉じます。。。一方、実写版の本作。140分に渡って「戦争はいけないんだ!」と主張する内容はオリジナルの正反対です。軍国日本を悪役にするという世界観からも戦後民主主義的な価値観がベースにあることは明らかなのですが、これでは戦後民主主義への疑念を出発点とするオリジナルとは水と油。キャシャーンの設定にしても、オリジナルの主人公は父の反対を押し切って自らの意思で改造されるのですが、本作では父親のエゴの被害者として扱われています。父殺し・兄弟殺しの物語は石ノ森章太郎の世界だし、本作が「新造人間キャシャーン」のリメイクである必然性は限りなく薄いと思います。映画としても雑な部分が多くて、理念的な主張をしつこいくらいに繰り返す一方で、背景の説明ができていないのでセリフが完全に浮いています。「なぜこの人がここにいるのだろうか?」と、キャラクター達の基本的な動きすら見失うほど状況説明がヘタクソで、さほど難しくないはずの物語が非常に難解に感じられます。ただし、ビジュアルの素晴らしさは本物です。たったの6億円で作られた作品とは思えないほど見応えがあります。「腐ってもオリジナリティで勝負する」という監督のガッツも感じられるため、決して嫌いな映画ではありません(最近見たヤマトの盗作ぶりがあまりに酷かったので、本作がより際立って感じられます)。
[DVD(邦画)] 6点(2012-02-01 00:53:49)(良:1票)
29.  恐怖のメロディ 《ネタバレ》 
「ストーカー」という言葉もなかった時代に、ヒステリックで危ない女性像をここまで作り込んでいることには驚きです。登場場面では「ちょっと良い女かな」と思わせておいて、除々に異常なところが出てくるという細かい演出は見事なものでした。バーテン役として出演もしているドン・シーゲル師匠の手助けもあったのでしょうが、監督デビュー作としてはかなり上出来だったと思います。ムダに長いラブシーンや音楽フェスなど、物語においてはまったく不要な場面もいくつかありますが、好きなものを入れたかったんだなぁという監督の個性が感じられて、こちらも好意的に見ることができました。ただし残念だったのがラストで、暴力で決着がついてしまうのではハラハラドキドキしません。男と女ではどちらが勝つかが明確なので、これではサスペンスは盛り上がらないのです。しかも相手がイーストウッドですからね。ストーカー女に勝ち目などありません。また、人質にされていた主人公の恋人は、もっと酷い目に遭わないといけないでしょう。髪型を変えられただけですからね(笑)。最後の最後で、ストーカー女の怖さが半減してしまいました。主人公の恋人は殺されるか、顔をズタズタにされるか、それぐらい絶望的で後味の悪い結末でもよかったと思います。
[地上波(吹替)] 6点(2010-06-30 20:22:32)
30.  キング・オブ・エジプト
『クロウ/飛翔伝説』や『ダークシティ』など闇の描写を得意としてきたアレックス・プロヤスが、太陽さんさんの古代エジプトを舞台にした単純娯楽作を撮れるのだろうかと鑑賞前は不安だったのですが、案の定、ダメな映画でした。 デビューからほぼ一貫してSFアクションを撮ってきた(一本だけ青春コメディがありましたが)プロヤスとは思えないほどVFXを用いた見せ場が雑で、神様や巨大建造物がいかにもCGですという感じで実在感ゼロ。映画のCGというのはポリゴンのような粗い状態から始まり、監督がこだわってディティールをどんどん追加させるという作り方をするのですが、どうもプロヤスはほとんどこだわらずにOKを出してしまったのではないでしょうか。15年も前の『ロード・オブ・ザ・リング』よりも落ちるクォリティのVFXは、さすがに問題だと思います。 物語の方は、非力な人間の青年が恋人を救い出すために大冒険に挑むという王道の冒険談と、傲慢な王様が試練の中で人間味を身に着けていくというこちらも王道の成長談が組み合わされており、アドベンチャー作品としてはおそらく意図的に紋切り型に徹しているのですが、紋切り型過ぎて特に何も感じるところがありません。また、この世界では生死の取り扱いが軽いし、死を司る神・アヌビスも良い奴なので、死んでもどうせ生き返るんでしょという無用の安心感があるため、戦いに緊張感がありません。
[インターネット(吹替)] 5点(2018-04-08 11:58:10)
31.  キング・アーサー(2017)
アーサー王をテーマにした作品はいくつか見ているのですが、いきなり巨大な象が登場するロード・オブ・ザ・リングのような本作の冒頭ではかなり意表を突かれました。その後も仰々しいモブシーンやエクスカリバーを振るうシーンなどオリジナリティに溢れた見せ場が多く、丁寧に作られた娯楽作品であることはよく伝わってきたのですが、他方でガイ・リッチーの余計な演出がダイレクトな興奮を阻害しているという問題もありました。 例えば、見せ場に入る前にはアーサーの立てた作戦や、舞台の位置関係などが説明されることが多いのですが、ここで一度話の流れが止まってしまいます。出来のいいアクション映画は流れの中で説明的な描写を自然に入れてくるのですが、ガイ・リッチーにはそれができないのか、説明のための描写をわざわざ入れてくるのです。しかも結果を見せてから原因部分に遡ったり、早送りとかスローモーションを組み合わせたりといかにもガイ・リッチーらしい見せ方をするのですが、これが大仰な史劇に全然馴染んでいません。アクション以外の部分がとにかく余計なのです。 最後まで見ると、どうやら本作は序章に過ぎず、ここから有名なアーサー王伝説が始まるということがわかるのですが、この出来では続編の制作は厳しいのではないでしょうか。
[インターネット(吹替)] 5点(2018-04-08 11:56:55)
32.  キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け 《ネタバレ》 
還暦過ぎているにも関わらずリチャード・ギアがとにかくかっこよく、年齢が半分の愛人を夢中にさせていることにもまるで違和感がありません。さらには、百戦錬磨の経営者らしい落ち着きや、いざとなればダーティな手段も厭わないという老練ぶり、家に帰れば良い家庭人であり、孫からも慕われている優しいおじいちゃんぶりなど、「これが同一人物なのか」と思うほど幅の広い役柄を違和感なくこなしており、ギアの良いところがたっぷり詰まった作品となっています。 ただし、リチャード・ギア以外の部分の出来があまり良くないのが困ったところで、映画としてはそれほど面白くありませんでした。何不自由ない金持ちに見えるギア社長も実は投資で会社の財政に大穴を空けており、粉飾がバレれば全財産を失う上に刑務所にも入らねばならないというギリギリの状態にいます。そこで彼のとった行動が、問題が明るみに出る前に会社を銀行にM&Aさせようというものでしたが、ここがよく理解できませんでした。M&Aさせるのであれば買い手企業からのデューデリジェンスを受けるはずであり、その過程で隠したい粉飾決算が明るみに出るおそれがあります。粉飾をしているのであれば自力で穴を埋めにいくべきであり、そんな状態でM&Aなどちょっと考えられません。 また、愛人を交通事故死させた件が本編とうまく絡んでおらず、ここだけが別の映画のように見えていることもマイナスでした。さらには、主人公を追いかける刑事がコロンボや古畑任三郎のような腕利きかと思いきや、パラノイア的に金持ちを恨んでいるだけの小物であり、証拠偽造というアホな手段をとって自爆してくれるために、こちらのパートも盛り上がりに欠けました。 唯一面白かったのは、自分の娘が担当する部門に粉飾を押し付けていることであり、親の名前で会社に入っている娘や息子では能力的にも技術的にも未熟で粉飾に気付かないだろうという主人公の魂胆を興味深く感じました。彼は確かに良き家庭人であり、子供達を愛しているものの、ビジネス面では二世の能力を低く評価しているというシビアな面がここから窺えます。
[インターネット(字幕)] 5点(2016-11-07 00:10:35)
33.  きみに読む物語 《ネタバレ》 
公開当時には否定的意見の方が目立っていたものの、10年かけて評価を逆転させ、現在では21世紀を代表するラブストーリーの一本になった本作。クラシックになりかけている現在になって見返してみましたが、残念ながら、それほど質の高い作品であるとは思えませんでした。 本作は意図的に紋切り型に徹している作品なので、新たな発見や感動はありません。良い人が出てくる良い映画であり、最後の最後まで観客の思い通りに物語は進んでいきます。そもそもラブストーリーというジャンルが好きな方であれば、この予定調和を心地よく感じるのかもしれませんが、私はこれを退屈に感じてしまいました。 唯一、面白いと感じたのは、ジョアン・アレン演じる主人公の母親。物語上は二人の関係を阻むヒールの立ち位置なのですが、主人公達と同じ選択を迫られた過去が明らかになってから、この人物には一気に感情移入できました。彼女は、かつて本気で恋した貧乏青年ではなく、生活の安定を保障してくれる今の旦那との人生を選択しました。頭では「この選択で正しかったのよ」と考えているものの、感情的にはその選択をいまだに飲み込めていないようです。彼女は、かつての恋人の成れの果ての姿を今でも見に行くと言います。いまだに肉体労働やって生きている惨めな様を見て、「私は正しい選択をしたのね」と自分を納得させていると言いますが、その眼差しには今でも恋心が残っており、あの時、この人と結婚していれば人生は意義深くなったのではないかという未練が見て取れます(この複雑な感情をセリフなしで表現してみせたジョアン・アレンの名演!)。皮肉なことに、成就しなかったことで彼女の恋は永遠になってしまったのです。女としてのホンネを押し殺して、現状を是とするしかない彼女の苦境が印象的です。人生ですべてを得ることはできない。ある選択をすることは、他の可能性を捨てることであるという厳しい真理が突きつけられた名場面であり、白黒がはっきりした本作において、唯一、善悪では割り切れない人生の機微が描かれた一幕でした。
[DVD(吹替)] 5点(2015-08-29 00:07:51)
34.  キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー
つまらなくはないが突出して面白くもない、アメコミ実写化作品としてはものすご~く標準的な仕上がりで、「ジ・アヴェンジャーズ」のために突貫作業で製作された作品であることが丸出しとなっています。70年代からヒーローの実写化企画に挑んできたマーヴェル・コミック社が、その失敗と成功の歴史から学んできたノウハウをまんまブチ込んで作っただけの作品という印象で、本作独自のアイデンティティには乏しいと感じました。。。愛国心の強いアメリカ版のび太くんがスーパーヒーローに変身する物語なのですが、もやしっ子が突如アスリートを超える身体能力を手にしたことの爽快感がうまく表現できておらず(「スパイダーマン」第一作では表現できていたんですけどね)、変身ものの醍醐味を活かしきれていません。ロジャース少年はその善良さと正義を愛する心を評価されてスーパーソルジャー計画の被検体に選ばれたのですが、彼の人柄もうまく表現しきれていませんでした。同様に、レッドスカルの残忍さの描写も不足しているため、悪役の存在感もイマイチ。レッドスカルはヒトラーをも超える誇大妄想にとり憑かれてナチスを離脱し、独自の軍隊「ヒドラ」を率いて世界制覇に乗り出したという素晴らしい悪党なのですが、映画ではそのスケール感がうまく表現できていません。また、その戦闘能力を発揮する見せ場が少なかったことも、悪役の存在感を低下させた原因となっています。ヒューゴ・ウィービングは相変わらずよくハマっているだけに、脚本と演出の手落ちが惜しい限りです。その他のキャラクターの描写も薄く、ヒロインであるペギー・カーターはキャップの心の恋人としての魅力に欠けるし、トミー・リーは缶コーヒーのCM並のやっつけ仕事ぶりを隠しきれていないし、キャップが選抜した特殊部隊のメンバーにもこれと言った見せ場がありません。唯一素晴らしかったのはクライマックスに登場したニック・フューリーで、サミュエル自身が持つスターオーラの賜物か、「ジ・アベンジャーズ」への期待感がそうさせるのか、尋常ではない大物感が漂っていました。最後に、本作は3D上映もなされていますが、悪名高き後付け3Dであるため3D効果は薄く、それどころか3Dメガネを通して見ると画面が暗く感じるため、2Dでの観賞をお勧めします。
[映画館(字幕)] 5点(2011-10-14 17:41:30)(良:1票)
35.  キング・アーサー(2004)
ブリテン島には紀元前5世紀頃からブリトン人が生活していましたが、西暦43年にローマ帝国は島の大半を占領し、支配地域をブリタニアと呼びました。しかし支配地域外に住むブリトン人による攻撃が続いたため、ローマ帝国は本作に登場する長城を建設。5世紀になるとゲルマン系のアングロサクソン人による侵入がはじまり、ローマ帝国はブリタニアを放棄。アングロサクソンは先住民族たるブリトン人を征服・同化し、現在のイギリスに至ります。。。という歴史を知らずに本作を見ると、誰が何のために戦っているのかよく分かりません。ブラッカイマー作品にしては珍しく歴史学上の大胆な仮説をベースにした知的好奇心に訴える物語なのですが、こうした作品を扱い慣れていないためか企画の魅力が発揮されていません。アーサー王はローマ帝国の役人(実在の人物アルトリゥスがモデル)、円卓の騎士は騎馬民族サルマートの傭兵、イングランド王家の始祖にあたるサクソン王セルディック(日本で言えば神武天皇)を極悪非道な悪役とするというトンデモない企画なのですが、もったいないことにその面白さが伝わってきません。観客に対する情報提供が不足しているのです。また、伝説とリアリティのバランスの取り方が中途半端で、史実に近い人間ドラマとしようとする一方で、たった7人の騎士でサクソン人の大群の前に立ち塞がる荒唐無稽な場面があったりするため、映画の空気感がイマイチ掴みづらく、素直に興奮することが出来ませんでした。これらは、作品の方向性を決めかねたプロデューサーの失敗でしょう。また、監督も本作には向いていなかったと思います。肝心の合戦シーンの演出がヘタで、大人数が入り乱れるスケール感を表現できていません(史劇においてはスケール感が重要だというのに)。また、かねてより女性の描写を不得意とする監督でしたが、グィネヴィアがキーパーソンとなる本作ではその弱点がモロに出てしまっています。せっかくナイトレイが演じているにも関わらずグィネヴィアは魅力的ではないし、アーサー、ランスロットとの三角関係もまったく印象に残らないほど淡白。。。その他細かい点では、クライマックスに騎士達が着る鎧がカッコ悪いのも難点で、いよいよフルアーマーを披露するからにはかっこよくないとダメでしょ。また音楽もイマイチで、何十回と聞いてきたジマー節が本作でも炸裂。彼はちゃんと仕事してるんでしょうか?
[映画館(字幕)] 5点(2004-08-14 02:38:37)
36.  疑惑のチャンピオン 《ネタバレ》 
ダイアナ元皇太子妃死亡事故の裏側を描いた『クィーン』ではかなり突っ込んだ描写をして稀に見る傑作に仕上げたスティーブン・フリアーズ監督ですが、他方、不正発覚からほとんど期間を空けずに映画が製作されたことや、少々行き過ぎた描写があっても文句を言って来ない英国王室とは違い、事件関係者から名誉棄損等の訴訟を起こされるリスクがあったことから、本作は公になっている事実の積み重ねのみに終始し、面白みに欠ける内容となっています。当事者達が何を思っていたのかを描写することが実録もの映画の意義であるはずなのですが、本作は第三者の推測を極力排除する仕組みとしているために、ドラマ性がかなり薄まっているのです。その再現度の高さから自転車競技のファンからは好評を得ているようなのですが、本作で初めてランス・アームストロングという選手を知った私のような門外漢からすると、起伏に欠ける退屈な映画でしかありませんでした。 また、本作はドーピングをしたアームストロングに対して批判的な視点で製作されていますが、果たしてこれはアスリート個人に責任を押し付けるべき問題なのかということが気になりました。アームストロングは7年も競技のトップに君臨していましたが、その間、ドーピングは発覚していません。すなわち運営のチェック機能が正常に働いていなかったということであり、問題が顕在化していないだけで、他の選手もドーピングをしていた可能性が非常に高い状態にあったと言えます。そのような荒れた場においてトップを獲りたければ、他の選手を圧倒するほどの実力を持っているか、他の選手がやっているのと同じレベルの不正をやるかのどちらかしかありません。勝利への執念が強い選手ほど、自身が好むと好まざるとに関わらず、ドーピングをせざるを得ない状況に追いやられていたのです。これについては問題に気付かなかった、もしくは気付いていたが放置してきた運営者こそがA級戦犯であり、アームストロングは一番メジャーな選手だったためにスケープゴートにされているように感じました。
[DVD(吹替)] 4点(2017-01-11 16:56:19)
37.  機動戦士ガンダム 第08MS小隊 ミラーズ・リポート 《ネタバレ》 
全10話(+番外編1話)から成るOVAの要約版で、しかもそのシリーズが完結していない段階で製作・公開されたという奇妙な立ち位置にある劇場版。50話に及ぶテレビシリーズなら要約の価値もあるというものですが、全部見ても4時間強で終わってしまうコンパクトなシリーズを要約する必要性がそもそも低い上に、元のシリーズ自体が完結していないために明確なオチをつけられない、シリーズ中もっとも盛り上がったグフ・カスタムとの戦闘は未収録と、残念な要素しか見つかりません。さらに問題なのは、本劇場版オリジナルキャラであり、タイトルロールでもあるアリス・ミラー少佐に魅力がないことで、仮に彼女がしっかりとしていれば劇場版にも幾ばくかの価値が出ただけに、この部分の手落ちは致命的でした。 元のOVAシリーズは良作です。兵器としてのMSという面を極限まで追求し、第二次世界大戦やベトナム戦争を連想させる戦場に、その兵器のひとつとしてMSを介在させるというコンセプトが優れていたし、作戦行動は細かく考えられていて隙がありません。泥で汚れ、過去の戦闘で受けたダメージが残された状態で登場する量産型MSには、シャアやアムロが乗るピカピカの最新鋭機とは違うかっこよさがあったし、ジオン軍のMSの損傷が特に酷いことから全体の戦況を伝えるという演出も気が利いていました。 他方、主人公・シロー・アマダの個性については、概ね低評価となっています。ジオン軍のコロニー落としで家族と故郷を失ったという背景を持ちながら、本編中ではジオンに対する憎悪を見せることがなく、さらにはジオンの名門・サハリン家出身であるアイナとの恋愛にも迷いがありません。その設定と劇中での行動が整合していないため、感情移入が難しい人物となっているのです。 また、表面上は部下思いの隊長のようでいて、その実、軍法会議ものの独断作戦に部下を巻き込んだり、小隊を捨ててアイナの元に走ったりと直情的な面があり、隊長として大局を見る目が備わっていません。さらには、本人の戦闘スキルが高いことから無茶な行動が多く、付き合わされる部下にとっては厄介なタイプの上司だと言えます。部下に対して「とにかく生きろ」と繰り返すものの、敵を倒すことこそが隊長としての責任であり、部下を生きて帰すためにも有効な手段であるという認識が欠けており、そもそも軍人としての適性に問題があったように思います。
[DVD(邦画)] 4点(2015-08-07 18:20:26)
38.  救命士
マーティン・スコセッシとポール・シュレイダーがタッグを組み、さらには飛ぶ鳥を落とす勢いだったニコラス・ケイジが主演。公開前にはかなり注目度の高い作品だったのですが、出来上がったものはどうにもハンパな代物でした。。。 深夜の仕事、管轄は最悪の地域、そして、そんな中で美しい女性と知り合う主人公。本作の構成要素は『タクシードライバー』と酷似しているのですが、完全にイってしまったトラビスとは違い、本作の主人公・フランクはどんなに辛い思いをしても真面目に仕事に取り組み、仕事の枠内で救済を得ようとします。本作は『タクシードライバー』とネガとポジの関係にあり、20年間でスコセッシとシュレイダーが大人の作家に成長したことを示す作品だったと言えます。何度助けてやってもバカなことをしでかして病院に戻ってくるヤク中や異常者を相手にし、「俺は一体何をやっているんだ?」と日々悩みながら、それでも「自分の仕事は、何か良いことに繋がっているはずだ」と信じて仕事を続ける主人公の姿には、多くの人々が自身の職業について抱える徒労感を代弁するだけの普遍性があったと言えます。そういった点で、本作は決して悪い映画ではないのですが、如何せん、映画として面白くなかったことが致命的でした。下町のちょっと良い話を撮ろうとしているのに、ジョン・グッドマンやトム・サイズモアが異常にパンチの効いたキ○ガイ演技を見せるもんだから、ドラマとしてのバランスがメチャクチャ。話がうまくまとまらないまま2時間が経過してしまうので、見終わった後の満足感はとてつもなく低いです。結局、スコセッシとシュレイダーが撮るべきはどうしようもないキ○ガイが社会に迷惑をかけまくった挙句に野垂れ死ぬような映画であって、本作は彼らが扱うべき映画ではなかったようです。
[DVD(吹替)] 4点(2013-12-23 01:42:03)
39.  キルショット
これだけの豪華スタッフ・キャストが名を連ねた作品ながら、なぜ日本では劇場公開されなかったのだろうかと不思議に思っていたのですが、内容を観て納得しました。。。 運悪く組織から追われる羽目になり、おまけに逃走資金もないので無鉄砲なチンピラと組まざるをえなくなった老練のヒットマンという基本設定は面白く、いぶし銀の存在感を放つミッキー・ロークはこの役にピタリとハマっているのですが、なんせ脚本がメチャクチャ。この主人公のやることなすことすべてが行き当たりばったりであり、深く考えているようで実は何も考えていないという何ともカッコ悪い主人公になり下がっています。序盤のかっこいいナレーションでは大いに期待しただけに、この落差にはガッカリさせられました。また、物語の横糸である夫婦の再生というテーマもメインパートとうまく絡んでおらず、ドラマとしても赤点。演技の質は総じて高く、特にチンピラ役を演じたジョゼフ・ゴードン=レビットはベテラン俳優に囲まれながらも突出した存在感を披露しているのですが、脚本がこれではせっかくの努力が報われなかったようです。
[DVD(吹替)] 4点(2012-08-25 02:44:34)
40.  キャタピラー
みなさんおっしゃられている通り、役者の演技には圧倒されるがそれ以上のものが何もない映画。東京大空襲や原爆などと絡めようとするものの監督が意図するメッセージとドラマがまるで噛み合っておらず、映画としては成功していないと思います。
[DVD(邦画)] 4点(2011-05-22 02:51:05)
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