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ちゃじじさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 304
性別 男性
自己紹介 つたない文章力で自分なりのレビューを心がけます。映画館で観た作品は自然と評価が高くなりがちです。

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1.  君の名は。(2016) 《ネタバレ》 
伏線は全て回収され、観客が観たい映像は全て見る事ができ、物語は全て語られ、「物語=瀧と三葉のセカイ」は円満に収束していく。 物語の謎を徐々に明らかにしていく事により興味は持続し、その中で悲劇の影をチラつかせる事で、ハラハラドキドキする。しかし最後には大団円を迎える。安心感も相まって、そこには大きな感動が待っている。映画を観て観客が味わうべき感情は、最初から最後まで用意されていて、映画を受動的に観るとするなら、これ程素晴らしい映画はないのかもしれない。 作り手は受け手のニーズを把握し、その充足が目的となっている。物語内の登場人物は、瀧と三葉のセカイを理解し、そこに従属しきっている。 BGMは前面に押し出され、物語的山場の連続と、BGMの山場の連続が合致する事で、終盤になるにつれ物語は過剰さを増していく。 その音楽>映像、若しくは互いに競う事なく音楽により映像が飼いならされた関係性は、PV的という事なのか。 抑制や省略より、全てを語り観せる事や、過剰さが、カタルシスをより刺激し感動を産み、感動の為に映像と音が動員され、感動の度合いが評価の絶対基準となり、そのような映画が「名作」となり社会現象を生むのなら、映画は多様性を失っていってしまうのだろうか。 その波に乗れない者は、奥ゆかしさを留めながら、物語のセカイに還元しきられない瑞々しい細部(組紐の艶、行き交う電車、坂という構造が生む人間関係、三葉の祖母と父親の関係)に目を凝らし溜飲を下げるしかないのだろうか。 ただ言える事は、瀧と三葉を同一ショットに収めてしまったことは決定的な失敗であり、喪失と不在を描いた大林監督の「時をかける少女」は尊いということではないか。
[DVD(邦画)] 5点(2017-12-16 19:24:52)(良:1票)
2.  CURE キュア 《ネタバレ》 
あらゆる物の意味の変容。 水は透明ではなく混濁を。病院は治療ではなく問題の先延ばしと混乱、そして不幸な結末を。同一空間の光と闇(照明や仕切りを隔てそれは表現される)は、人の移動によって光の闇への渇望を。 洗濯機はただ無意味な回転運動を続ける機械となり、火は温もりでなく、他者への冷徹な姿勢を呼び起こし、車は移動ではなく停滞を与える。 風になびく白いカーテンは純白ではなく、不吉さを予感させ、食卓は調和ではなく不和を表出する。 そして死は悲嘆ではなく癒しを与える。 意味が固定された観念に従属することがない恐怖。 そこでは人間も物質も不安定な存在であり、自分の存在意義の安定に安心し、満足する事は出来ない。
[DVD(邦画)] 9点(2017-02-18 14:17:10)(良:2票)
3.  菊次郎の夏 《ネタバレ》 
物語を語らない、見せない映画。 菊次郎も正男も自分の思いを語らない。菊次郎が痴漢、トラック運転手を殴る場面も、ヤクザに襲われる場面も、直接的には描かない。菊次郎も正男も、自分の母親に出会うことはない。 観ている側はいつもはぐらかされ、物語に立ち会う瞬間には出来事はすでに終わっている。 共感はできても、共有はさせてくれない。だから寂しく、切ない。夏の乾いた空気も、出会いと別れも全てが刹那的であり、儚い。 それ故に尊く、懐かしく、胸に深く残る。 北野映画を観ると、いつもそんな感覚に襲われる。
[DVD(邦画)] 6点(2016-05-06 19:10:53)
4.  きみはいい子 《ネタバレ》 
子供の障害に気づかず、ただ一人の人間として障害というフィルターを通すことなく、少年と接し続けた老婆。 それぞれの体験がシンクロし、母親同士が心の底から痛みを分かち合い、繋がりあえた瞬間。 いつも見ていた景色(鉄棒から見た時計)、そこで感じていた思いを同じ目線に立つことにより気付き、感じ、壁を乗り越えようとしてくれた先生。 それぞれの瞬間は突然訪れる。視点の移行、突然のフレームインからの予測の裏切りといった確かな映画的技術で、観ている側も登場人物と同様に文字通り虚をつかれる表現で、それぞれは提示される。 自分の内面に土足で踏み込まれ、心を鷲づかみされた感覚。でもそれは同時に、とても温かく優しく懐かしい感覚でもあった。
[DVD(邦画)] 7点(2016-04-07 23:08:01)(良:1票)
5.  岸辺の旅
今まで霊をこちら側から撮っていた監督が、ついにあちら側からこちらを撮っているという感覚になった。 霊を恐怖の象徴でなく、救い、癒しの象徴として描いていること。生きている人間(瑞希や朋子)の中に恐怖を感じさせていること。作品全体を包む幻想的な雰囲気、町並みからそれを感じた。 死者と生者が境目なく存在する世界の舞台の中で、監督自身が、どこか人間と距離を置き世界を俯瞰して見つめる生者でも死者でもない存在になってしまったとさえ感じた。その変化にはさびしさも感じたが、今までのどの作品よりも優しく、温かく、懐が深い作品だった。
[映画館(邦画)] 8点(2015-10-04 08:19:08)
6.  寄生獣 《ネタバレ》 
新一が始めて自分自身の手で他者を殺めるシーンも、母を自ら殺めるシーンも肝心なその瞬間を写さず、カットを割っているので、その行為の重さがしっかりと伝わってこない。また、一つ一つのシーンを余韻なく切り、直ぐに次のシーンへと切り替えるので、ただの短い映像の連続を見せられているようで、映画を見ている感覚にならないし、物語の余白も感じられない。 ミギーもポップに描かれていて、始めから新一の親友にしか見えないので、他種族との共存というテーマもぼやけてしまっていると思う。 マンガだから成り立つ表現方法をそのまま踏襲し、説明台詞を多用したり、心情を口に出させてしまうので原作に漂う寂寥感も全く感じられなかった。 全体を通して、原作にある場面を主張し続けるBGMとスタイリッシュな映像に合わせて過不足なく見せようとしているだけにしか思えなかった。
[映画館(邦画)] 4点(2014-12-16 01:41:59)
7.  疑惑(1982) 《ネタバレ》 
法の善悪と倫理の善悪のねじれ、矛盾。事実や法のみを信じる律子と自分の欲求を満たす事のみを求めて生きる球磨子。社会道徳的には決して良しとされない二人の勝利(無罪)という形で終わる。しかし、二人は勝利の宴をあげるわけでもない。お互いを罵り合い、血(ワイン)を浴びせながら、自分を宣言して別れる。その馴れ合わずそれぞれの人生に歩み行く姿には、社会道徳という大義のもとでぬくぬくと生きている自分にはない強さ、たくましさ、潔さを感じた。
[DVD(邦画)] 8点(2014-02-22 16:30:05)
8.  鬼畜 《ネタバレ》 
利一の全てを達観したような冷めきった目、崖に立ち自殺するのではないかとすら感じさせる悲しい後ろ姿を見ると、自分が子供のとき子供らしくいられたことへの感謝の気持ちとそれがいかに幸せなことであったのかということを感じた。 利一の「父ちゃんじゃないよ、知らない人」という言葉は、宗吉が父であることへの否定、拒絶と最後まで父をかばったというどちらとも取れる展開。どちらにしてもこれほど哀しい結末はない。
[DVD(字幕)] 7点(2014-02-18 16:15:46)
9.  キャビン 《ネタバレ》 
アメフト部とイケてる女子たちが別荘に遊びに行くというホラー映画のおきまりの展開。こんなありがちな設定で素直に話が進むわけないと思うとそういう事かと納得。 話しの仕掛け人である、管制室の人達は、自分なのではないかというぐらい考えや気持ちがリンクしていた。それはいつも自分がイケている人達をこのように見ているのだという、メタ認知に繋がった。徐々にそんな管制室=自分に対して嫌悪感が沸き、愚者と処女を応援している自分に気付いたとき少しスカッとした。
[DVD(字幕)] 6点(2014-02-10 04:00:26)
10.  キッズ・オールライト 《ネタバレ》 
序盤でやたらとクール、クールと連呼するポールの軽さ、自分がアメリカに縁もゆかりもない日本人だからそう感じてしまうのだろうけど、作品全体から「何よりも家族を大事にする私たちクールでしょ?」という鼻に付く雰囲気を感じてしまい、全く心に迫ってきませんでした。 新しい家族の形を魅せるというのは面白いと思いましたが、結論ありきを感じさせる内容や他者を排除する事で得る幸せというものに違和感と気持ち悪さを強く感じました。
[DVD(字幕)] 4点(2012-02-24 11:17:08)(良:1票)
11.  キャプテン・スーパーマーケット
死霊が武闘派になってて面白かった。 
[DVD(字幕)] 6点(2009-12-10 18:05:28)
12.  恐怖の報酬(1953)
世界で一番スリリングなロードムービーでした。家に着くまでが遠足という意味が、小さいときにはさっぱり理解できませんでしたが、この映画を観てやっと理解出来ました。
[DVD(字幕)] 8点(2009-12-05 00:59:27)
13.  君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956 《ネタバレ》 
ハンガリー国民のために頑張る水球選手たちと、その間に弾圧されていくハンガリー国民、表彰式で流れる国歌と捕らえられた人たちが歌う国歌の対比がよく出来ていました。
[DVD(字幕)] 5点(2009-11-21 22:22:15)
14.  禁断の惑星
50年以上も前に作られたという事を考えれば、すごい作品なのかもしれませんが今観てしまうと造形などは何とも言えない感じでした。SF物というのは他のジャンルより時代の差を感じやすいので難しい所も多々あり、それを言ってしまったらおしまいなのでその事は評価には入れずとも、説明台詞の多さや出てくる人間にあまり魅力を感じることが出来ず、それが何とも残念でした。ただ思索的な作風やロビーのキャラクターは好きで、チョコチョコ歩く姿を見る度に微笑んでました。ロビーが主役のコメディ冒険映画をぜひともみてみたくなりました。
[DVD(字幕)] 5点(2008-03-06 01:46:27)
15.  ギャラクシー・クエスト 《ネタバレ》 
めちゃくちゃ笑って、そしてなぜか泣けました。設定は言うまでもなく、脚本や演出、伏線の張り方も素晴らしかったです。キャラクターの個性的な面々もいい味を出していましたし。自分は、何だかんだ言って結局最後にトカゲヘッドに懸けてくれたツンデレなアラン・リックマンがお気に入りです。
[DVD(字幕)] 8点(2008-01-28 20:46:40)
16.  帰郷(1978)
戦闘シーンは一秒もないものの、変な反戦映画よりよっぽど説得力や重みがありました。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-26 00:59:49)(良:1票)
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