61. 黒の奔流
展開は清張作品らしいもので常に次が解かり、リンゴをむいている姿にラストも予想通り。意表を突かれる事がなく物足りなさがありました。敏腕且つ酷薄な色事師の弁護士をして制御しきれなかった女被告人、一枚上手の女事務員。三人の心模様はまさにタイトル通りで役者の好演が光ります。松坂慶子の初々しさも印象的でした。 [DVD(邦画)] 5点(2010-08-18 01:03:28) |
62. 黒い罠
冒頭の滑らかなカメラワーク、全体を通したモノクロ画面の構図と黒白のコントラストの美しさは、そちら方面の薀蓄が無い私も素晴らしいと感じました。滑らかさの無いストーリー展開と曖昧な人間ドラマで、豪華俳優(レンタル時は題名しか見ないのでびっくり仰天)が活かされていないのが何とも残念です。 [DVD(字幕)] 6点(2009-11-14 02:57:12) |
63. グロリア(1980)
溢れる男気(?)の中にザラついた胸中が透けて見えるグロリアが同じようにザラついた街並に映えており、期待通りのジーナ・ローランズでした。しかし、他のキャラクター、展開、結末、音楽に観るべき点がなく、NY下町ルポルタージュ番組ならともかく映画作品としては期待外れの粗悪品でした。敬愛する彼女にプラス3点としました。 [DVD(字幕)] 4点(2009-09-12 23:45:59) |
64. 暗くなるまで待って
《ネタバレ》 恋愛物だと思っていたのにサスペンス物であった事に驚き、鑑賞後「面白かった、観てよかった」と満足の出来た作品でした。限られた舞台設定での巧妙に伏線が張られた脚本と、スージーの抱いた疑念が確信に変わって圧倒的不利の状況から活路を開いてゆく、めりはりの効いた展開に知らぬ間に物語にぐいぐい引き込まれていきます。また、淡い感情を抱きながらスージーと対決する甘ちゃんな悪党マイクと、あとに続く、スージーと観る者に「お楽しみはこれからなんだよ」とばかりにサディスティックに迫る正真正銘の悪党ロートの二人は刺身と刺身のツマの様でうまいキャラクター設定です。このクライマックスは見応え十二分の一進一退の攻防でしたが、惜しむらくはロートが致命傷を負うシーンです。もう一捻り効かせて欲しかったです。 [DVD(字幕)] 7点(2006-06-17 23:01:54)(良:2票) |
65. クルージング
ゲイの皆さんが集う酒場のシーンは、「人生いろいろ」と感じました。何度観てもラストが理解できません。 3点(2004-09-01 00:56:22) |
66. クライング・ゲーム
アカデミー脚本賞受賞も納得の作品。12年ぶりに観て秘密の部分は分かっていても、ファーガス、ディル、ジョディの三人には惹きこまれてしまう。愛する人のためには理屈や損得がすっ飛んでしまう人間の性を見事に言い表している蠍と蛙の話は当時から忘れられない。 7点(2004-05-17 22:51:27) |
67. グランド・ホテル
《ネタバレ》 ホテルを舞台にそれぞれの人生が描かれていた。元祖「グランドホテル形式」だけあって素晴らしい作品だった。魅力一杯の登場人物の中でとりわけクリンゲラインが頭から離れない。ぎこちなく踊る姿、社長に「横領したんだろう」と言われ激怒する姿、ギャンブルで一人勝して(ビギナーズラック?)皆に「もう少しここに居てください」と頼む姿、財布が無くなったと泣く姿・・・慎ましく過ごしてきた人生が痛いほど伝わってきた。何度も見たい一本。 10点(2003-12-19 16:19:29) |