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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  刑事コロンボ/5時30分の目撃者<TVM> 《ネタバレ》 
今回の犯人は精神科医。患者の女性と愛人関係にあり、その夫を殺してしまうわけだが、自分が危うくなるとその愛人をも手にかけてしまうあたりにこの犯人の冷徹さ(愛人との関係は結局遊びにすぎなかった。)が出ていて実にいけ好かない男だが、こういう犯人とコロンボの対決はやはり盛り上がる。コロンボが医師のパーティーで談笑している間にそのそばにいる犯人が愛人に催眠術をかけるために電話をかけるシーンはやはり緊迫感があり見ごたえもじゅうぶん。この催眠術でマインドコントロールして自殺させるという展開に「ケイゾク」の朝倉を思い出してしまったが、この時代からこういう殺害方法が刑事ドラマで使われていたんだなあ。ラストはやや強引さもあるものの、ラストカットでコロンボが犯人に投げかけるセリフもキレイに決まっており、「5時30分の目撃者」という邦題の意味もおお、そうだったのかと思わずうなってしまった。新シリーズとかだと突っ込みどころ満載の邦題が多い分、今回の邦題はすごく納得できる。今回犯人を演じているジョージ・ハミルトンは新シリーズにも犯人役で登場しているが、よく見たら吹き替えの声優も同じ人(小林勝彦)だ。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2020-04-18 22:59:46)
22.  刑事コロンボ/もう一つの鍵<TVM> 《ネタバレ》 
久しぶりに見たコロンボ(小池朝雄のコロンボもかなり久しぶり。)だったのだが、とにかく犯人が胆略的で無計画&浅はかなだけのただの嫌なバカ女のため、純粋に推理ものとしての面白さがこれっぽっちも感じられず、当然ながらこの犯人との対決も盛り上がりようがなく、逆にこんな穴だらけの犯行なら別にわざわざコロンボが出て行かなくても解決できてしまうのではと思えるほどだ。(そう思わせてしまうのはちょっとやばくないか?)後期の新シリーズはつまらない作品が多いのだが、第7話という初期の作品でもこんなのあるんだと思ってしまったのが正直なところ。犯人の恋人役でレスリー・ニールセン(フランク・ドレビン警部)が出ていたことくらいしか見終わって印象に残らない。
[CS・衛星(吹替)] 3点(2019-05-26 22:13:06)
23.  ゲゲゲの鬼太郎(2007) 《ネタバレ》 
「ゲゲゲの鬼太郎」の実写映画版。続編は9年前に見ているが、1作目である本作をまだ見ていなかったことに気づき、見る必要もなかったかもしれないが、今更ながらに鑑賞。やはり本作も2作目を見たときも感じたのだが、普通のファミリー向け映画という感じで、そこを逸脱したようなものは感じられないし、輪入道役で顔だけ登場する西田敏行など、出演者たちのコスプレショー感は2作目よりもこちらのほうが増しているが、ストーリー性を求めて見る映画でもないのでそれはそれでいいし、大泉洋のねずみ男や田中麗奈の猫娘など相変わらずハマっているのは見ていて安心できる。(本来はこちらが1作目で以前見たのが2作目なのでこの言い方は少々変かもしれないが。)本作の鬼太郎は両目がある設定で、その説明がされる2作目を先に見てしまっているために自然と受け入れられたが、今になって見るとクレーム対策かと思えてしまうところもある。監督は「釣りバカ日誌」シリーズを手がけていた本木克英監督で、妖怪役で谷啓やさっきも書いた西田敏行が出演してるが、冒頭に登場する建設会社の社長役で鶴田忍(「釣りバカ日誌」では鈴木建設次期社長になる常務役。)が出演しているのがなんか笑える。そういえばこの実写版シリーズは東映じゃなくてなぜか松竹の映画じゃないか。
[DVD(邦画)] 5点(2018-03-10 21:22:24)
24.  劇場版TRICK トリック 霊能力者バトルロイヤル 《ネタバレ》 
劇場版第3作。ここまでくるともうやっていることはいつもと変わらないのだが、本作の舞台となる村は万練村。このシリーズのスタッフのこういう自虐的な遊び心はけっこう好きだったりする。今回も山田(仲間由紀恵)と上田(阿部寛)のコンビは相変わらずで、この二人のやりとりは見ていて安心感があるし、このシリーズらしい連発される小ネタも確実にどこかすべっているんだけどそれなりに楽しい。今回の敵役は松平健が演じているのだが、冒頭が時代劇(山田が見ている夢。ちょっと「男はつらいよ」シリーズみたいな始まり方。)だったり、彼が演じる鈴木が唱える「バンサンケツマ」は誰が見てもそれを意識していることは明白だし、なにより鈴木が白馬に跨っているのは「暴れん坊将軍」のセルフパロディで、この松平健の出演自体がギャグみたいなものになっていていかにもこのシリーズらしい。ただ、このシリーズでは山田が「暴れん坊将軍」の大ファンという設定があるので、山田が鈴木を見て興奮するというシーンがあっても良かったかもしれない。「新作スペシャル2」のレビューでネタ切れ気味の脚本でもこのシリーズなら許容範囲と書いたのだが、今回の肝心のトリックのネタに関しては本当にネタ切れを感じさせるようなものがあり、中でも双子のトリックはテレビシリーズ初期のパントマイム殺人事件の回でもやっていたので、容易に予想がついてしまうし、あの回がすごく面白かっただけにさすがにシリーズ内で同じネタを流用しているのは少々残念。今回の事件とシリーズいちばん最初の「母之泉」に関係性を持たせているが、知らないと話についていけないというほどではない。「母之泉」を見たのは一年半ほど前なのだが、終盤回想で登場するビッグ・マザー(菅井きん)につい懐かしさを感じた。シリーズものをずっと見ているとこういうのがあったときに思わず嬉しくなってしまう。
[DVD(邦画)] 5点(2017-03-13 17:44:01)
25.  獣の戯れ 《ネタバレ》 
三島由紀夫原作の映画で主演が若尾文子。となれば増村保造監督の映画かと思ってしまいそうだが違う。話としては決してつまらないというわけではなく、若尾文子演じるヒロインの悪女ぶりもいつものようにハマっていて、彼女が主演の映画を見るのがかなり久しぶりなこともあり、懐かしさもあるが、増村作品ほどのインパクトはなく、あまり生かされてもいない感じでそこが物足りないし、主要人物三人のドロドロした関係は退屈せずに見られるものの、このストーリーもなにか増村監督に向いている気がして、見ながら増村監督がもし手掛けていたらどんな映画になっていただろうと考えてしまった。(絶対に傑作になっていたに違いない。)話自体は悪くないだけになんかもったいない気がする。そんな中で印象に残るのはヒロインの夫を演じる河津清三郎。やな感じで女遊びの激しい前半の社長の姿から、頭を殴られたことで脳に重度の障害を負った後半の姿を演じているのだが、この変わり身がうまく、前半はいつもの憎まれ役という感じだったのに、後半では全く違うどこか哀れみを感じさせる演技で、さんざん弄んだ妻に介護されながら生きる男の皮肉や哀しみを見事に演じていて、後半ではこの夫に感情移入してしまうシーンも何度かあった。この後半の河津清三郎の哀れさがいちばん心に残る。でも本作に関してはやっぱり三島由紀夫原作で若尾文子主演なら増村監督で見たかったと強く思うのが正直なところである。
[DVD(邦画)] 6点(2017-01-26 00:30:06)(良:1票)
26.  競輪上人行状記 《ネタバレ》 
兄の死によって実家の寺を継ぐことになった中学教師の男(小沢昭一)が競輪にハマり、堕ちていく様を描いた作品だが、坊主になった聖職者がギャンブルにはまり込むというこの設定自体がまず面白く、原作を書いた作家が住職というのにも驚かされる。今村昌平監督が参加した脚本は下世話だが、深みがあり、味わい深く人間ドラマとしても見ごたえのある映画になっていて、ただ下世話なだけというふうにはなっていないのが見事だった。主演の小沢昭一も見事にハマっていて、こういうダメな男を演じていてもどこか愛嬌があり憎めないところがあり、こういう演技はこの人ならではだろう。それよりすごいのはやっぱり南田洋子演じる主人公の兄の妻。夫の棺の前で夫の幻影に鞭打たれて悶えたり、死んだ犬の肉を焼き鳥屋に入れてしまうという行動が強烈なインパクトを残しているし、絶対に秘密にしなければいけないような過去をサラリと主人公に告白したりするのもものすごい。葬儀の最中に主人公に葬儀屋(加藤武)が耳打ちするシーンなど、寺や葬式に対しての皮肉めいた批判がストレートに描かれるのも良いし、これと併せて父親(加藤嘉)の死で真面目に坊主になろうと決意し、本当に真面目になった主人公が兄の妻から前述の衝撃的な告白をされたことから再び競輪にのめり込むという展開もどんな聖職者や上人でも結局は一人の人間なのだということがひしひしと伝わってきて素晴らしく、本作で作り手がいちばん言いたかったのはこういうことだと思わずにはいられない。主人公が競輪の予想屋になる(ここでの小沢昭一の口上も素晴らしい。)ラストはどこか主人公に哀愁が漂い、印象に残るものとなっており、この物語を締めくくるには最高のラストシーンだったと思う。また本作は主演の小沢昭一にとって間違いなく代表作の一本といえるだろう。
[DVD(邦画)] 8点(2015-06-27 17:09:52)(良:1票)
27.  原爆の子 《ネタバレ》 
人類史上初めて原爆が落とされた街 広島。その広島出身の新藤兼人監督がGHQの日本占領終了直後に放った広島原爆をテーマとした反戦映画。原爆で家族を失い、今は瀬戸内海の小島で教師をしている主人公 石川孝子(乙羽信子)が、あの日原爆に遭って生き残った教え子たちを訪ね歩くというストーリーなのだが、まだあれから七年しか経っていない広島で実際にロケをしていることもあり、いくらか復興しているとはいえ、原爆の傷跡がまだまだ残る広島の街はここにあの日原爆が落ちたということをリアルに物語っていて生々しく、この街の風景を見るだけで考えさせられるし、つらい。孝子が訪問したその日に原爆症で死んでしまう教え子の父や、少女が教会でもはやいつ死んでもおかしくない状態で横たわっているシーンは原爆が投下直後だけでなく、その後何年にも渡って身体を蝕んでいくという恐ろしさが伝わってきて切なく、胸が締めつけられる思いがした。新藤監督は広島出身の作家としてどうしても原爆投下間もない広島の現状をこの映画で描きたかったんだと思うし、新藤監督の原爆や、戦争、そして故郷への思いが伝わってくる。真夏の太陽の下で元気に遊ぶ子供たちも印象に残るのだが、この子たちに未来を託すという新藤監督の強い願い、戦争のない平和な世の中への願いが込められている気がしてならない。それはこれからの未来を生きるすべての人たちへの普遍的なメッセージなのだと思う。そしてそれは戦後69年経ち、新藤監督自身が亡くなった現在でも決して変わることはないだろう。被爆して間もない広島が舞台ということでも歴史的価値のある映画だが、そんな監督の普遍的なメッセージを発信し続ける映画として、これから先もずっと残っていくべき映画なのだと思う。
[DVD(邦画)] 9点(2015-05-31 17:45:47)(良:2票)
28.  劇場版 SPEC~結(クローズ)~ 爻(コウ)ノ篇 《ネタバレ》 
「SPEC」シリーズ完結編となる二部作の後編。前編があまりにもアレな作品だったため、どうなることかと思っていたが、やっぱりなという感じは否めないものの、一応はちゃんと完結編として機能していたように思うし、広げた風呂敷はたためているのではと思う。でも2本に分けるよりも1本のほうがスマートになってよかったのではという感想は前編から変わらずだし、当麻(戸田恵梨香)のいないパラレルワールドのシーンで流れる音楽が当麻の父役として出演している佐野元春の楽曲というのはなんか違う気がした。中盤からの最終決戦のシーンも少し冗長に感じる。死んでしまった過去のSPECホルダーたちの再登場シーンはずっと見てるからかちょっと懐かしい感じ。しかし、連続ドラマをオンタイムで見たのは5年ほど前だが、それを今完結作となる本作を見ても「終わってしまった。」という感慨よりも「やっと終わった。」という安堵感のほうが強いのは、最初から最後まで「ケイゾク」の続編という体裁であったというだけで惰性で見ていたからかもと考えてしまう。でも、なんだかんだいいながらシリーズ最後まで見れたのは良かった。最後の最後、田島令子のセリフで「朝倉」と出てきたのは思わず「おおー」と思えた。
[DVD(邦画)] 4点(2015-03-12 22:15:53)
29.  劇場版 SPEC~結(クローズ)~ 漸(ゼン)ノ篇 《ネタバレ》 
前後編2部作構成の「SPEC」完結編第一部。もともと一話完結作の予定で企画されていたが、話が一本で収まりきれなくなったため、2部作になったということだが、冒頭からくどいと思えるほど回想シーンが多く、しかもそれがほとんど効果的でなく、はっきり言って尺を埋めるためとしか思えず、このせいで90分ちょっとしかないのにかなり間延びしてしまっていて、前後編になったのは実は興業上の都合だったのだろうとしか思えない。これだったら一本だけで完結しても良かったのではと思う。このシリーズはドラマの最初から見ているが、もはやストーリーについていく気は失せ、義務感で見たようなものなのだが、それでもあと一本見なければいけないと思うと苦痛に感じる。(一応見るけどね。)みどころらしきところもないに等しいのだが、「ケイゾク」時代からのほとんど唯一のレギュラーキャラである野々村光太郎係長(竜雷太)の殉職シーンは「ケイゾク」からずっと見ている身としてはこのシーンが本作ただ一つの見どころだったかもしれない。(後編で再登場してたらどうしよう。)でも、どうせ後編があるからという理由からかエンドロールが省略されていたのはいただけない。このせいで余韻に浸れないし、まるでインターミッションにでも入るように唐突に終わる(2部作同時上映じゃなかったよね。)のでDVDでノーカット版を見たのに民放テレビで放送された再編集版を見たような気分になってしまった。せめてエンドロールぐらい流してほしい。
[DVD(邦画)] 1点(2015-03-06 00:23:08)
30.  刑事コロンボ/悪の温室<TVM> 《ネタバレ》 
今回はいつものパターンを外し、まだ殺人事件が起きていない狂言誘拐の時点でコロンボが登場し、さらにマンネリを避けるためかコロンボの相棒的存在の若手刑事ウイルソンが登場するというのが新鮮。ウイルソン刑事のキャラはよく、科学に頼らない捜査方法のコロンボに対して、科学捜査で被害者の妻の家を捜索するはりきりぶりが面白く、ユニークで印象的だった。ただ、本筋のほうはイマイチで、犯人(レイ・ミランド)の人物像がかなり適当に描かれている気がするし、温室で蘭を育てていて一見裕福そうなのに甥の財産を狙って手の込んだ狂言誘拐と殺人を犯す動機もよく分からなかった。せめてもう少し犯人の人物像を丁寧に描いていればと思う。それにコロンボと犯人の対決もたいして盛り上がらずに終わってしまった感じ。見終わってみればコロンボとウイルソン刑事のやりとりくらいしか印象に残らないのだが、これに時間を割かれて事件部分が短くなってしまったような感もある。本作は一時間半枠で作られているが、もし、二時間枠で作られていたらもうちょっと説得力のある作品になっていたかもとつい思ってしまった。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2015-01-06 16:37:13)
31.  刑事コロンボ/死の方程式<TVM> 《ネタバレ》 
今回の犯人は化学エンジニアで、冒頭暗室で爆弾を作るシーンはなかなか期待させられるものがあるのだが、ロディ・マクドウォール扮する犯人の性格が子供じみていて犯行後も挙動不審な態度や行動をとるので、倒叙形式でなくても犯人は見ていてすぐに分かるような感じなのがちょっと残念。でも、頭のいい化学エンジニアの犯人の性格が子供じみているという設定は面白かった。「猿の惑星」で彼が演じたコーネリアスの吹き替えといえば山田康雄というイメージがあるのだが、本作では野沢那智が吹き替えを演じている。その吹き替えもテンションが高く、「汚れた超能力」でも犯人の吹き替えを演じていたが、それ以上にハマっていて、それが今回の犯人 ロジャーのキャラクターをより強烈なものにしていて(本人は少々やりすぎたと言ってたみたいだけど。)、話としては正直それほど面白いものではないのだが、このおかげでロジャーはとても個性的で印象に残る犯人になっていて、彼を見ているだけでも楽しい。(原語版だと印象がまた違うのだろうけどどんな感じなんだろう?)このシリーズ多くの作品でコロンボは高所恐怖症というのが強調されているが、ラストで動いているロープウェイの中で犯人を罠にはめていたのがそれだけに印象的だ。すべてを看破されたあとのロジャーの高笑いも余韻を残す終わり方でけっこう好きなエンディングだった。しかし、コロンボとロジャーの対決はだいぶ物足りず、もう少し見どころが欲しかった。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-10-25 22:04:34)
32.  刑事コロンボ/意識の下の映像<TVM> 《ネタバレ》 
ロバート・カルプが「指輪の爪あと」、「アリバイのダイヤル」に続いて三度目の犯人役を演じるエピソード。犯行に気づいた映写技師までも射殺してしまうという非情さもあり、彼が演じた犯人の中ではいちばん残虐性を感じさせる。最初の殺人はサブリミナル効果を用いて被害者を外に出させ、射殺するという手の込んだものだが、ラストにコロンボがそれと同じ方法で犯人を外に出させるという解決シーンは、鮮やかかつ皮肉が利いていて見事なこのシリーズでも印象に残る結末で、辛いキャビアやフィルムに挟んだコインなど細かいところに目をつけるコロンボや、犯人とコロンボの対決も見ごたえじゅうぶんでこのシリーズらしさがよく出た作品になっていて面白かった。今回、コロンボは犯行に使われた口径の銃を探すのだが、口径変換機というのはやや現実離れしている反則技と思うものの、同じく銃の隠し場所がポイントとなる「ホリスター将軍のコレクション」と比べると説得力があり、強引さも感じつつも納得させられる。ただ、ほかの人も書かれているが、細かいことを言えば犯人はあんなところで殺人をやってもし誰かに見られたらどうする気だったのだろうとか、証拠をいつまでも同じ場所に隠しっぱなしというのはちょっと違和感を覚えた。頭がキレるインテリ犯人だっただけにそこはどうしても気になってしまい残念。でも、出来としてはじゅうぶんに満足できる作品だった。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2014-10-14 17:10:44)
33.  刑事コロンボ/ロンドンの傘<TVM> 《ネタバレ》 
今回はコロンボが出張先のロンドンで殺人事件に遭遇する海外ロケ編で、いつもとは雰囲気の違う作品になっているが、もうこの頃にはこのシリーズは世界的に人気が出ていたのかな。犯人夫婦の殺人が故意ではなく過失によるものだが、あれだけで死ぬか?とついつっこんでしまったし、ラストの解決シーンもやっぱり強引。今回は舞台のロンドンをコロンボが観光するシーンが長く、犯人夫婦との対決よりもこちらがメインのようにうつってしまっているのもちょっと残念で、約100分のノーカット版を見たのだが、やや冗長に感じ、もう少し短くてもいいのではと思った。でも、コロンボと地元のダーク刑事部長とのやりとりは面白かったし、異国で捜査をするコロンボというのも新鮮だった。(でも、けっこうそこが本作のつっこみどころだったりするわけだけど。)ボンドガールを演じたことのある女優が犯人役に起用されているのもロンドンが舞台ということでそれを意識してるところがあるのかもしれないなあと思わずにはいられなかった。その吹き替えの岸田今日子の声もインパクトがあり、印象に残る。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2014-10-09 22:23:40)
34.  劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日 《ネタバレ》 
NHKで深夜番組として放送されているSF歴史番組の劇場版。テレビ版はながら見する程度なのだが、それでもわりと好きな番組だったりするので、取りあえずこの映画版も見てみた。紛失した茶器をめぐる話で、メインの戦国時代だけでなく1985年や1945年にもタイムスリップするあたりは劇場版ならではのスケールで、いつも一人で取材をしている主人公・沢嶋雄一(要潤)に相棒・細野ヒカリ(夏帆)がいるのもテレビ版と違っていて新鮮。しかし、テレビ版ではエピソード自体の主人公はそれぞれの回に登場する取材対象者で、カメラを向ける沢嶋はあくまで狂言回し的な存在という印象があるだけに、途中から普通のテレビドラマのように沢嶋やヒカリが画面に登場するのはなんか違う。後半にふたたび戦国時代の取材対象者(時任三郎、上島竜兵)たちと行動を共にし始めても普通に沢嶋とヒカリの姿が画面に登場し、登場人物の一部として溶け込んでしまっているのはシリーズの趣旨とはずれてしまっているし、二人が未来的ないでたちなのも相まって相当な違和感を感じる。せめて戦国時代に戻ったらいつものように沢嶋がカメラを回している設定に戻してほしかった。それと、テレビ版ではタイムスリップ先の人々はできるだけ当時の言葉で会話をしているだけに1945年の戦時中のシーンで現地の人が「スパイ」という言葉を使っていたのにもちょっと違和感があった。話としてはそこまでつまらないというわけでもなく、面白いというわけでもなくという感想なのだが、劇場版ということを意識しすぎたのかあまりこのシリーズらしさは出ていなかったように思う。テレビ版には登場しないタイムスクープ社の調査員も登場しているが、局長役の宇津井健はこれが映画での遺作。映画よりもテレビ俳優として知られていたが、映画での遺作もテレビ番組の劇場版というのが彼らしいかなと思う。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-10-05 22:00:30)
35.  けものみち 《ネタバレ》 
数年前に放送された米倉涼子主演の連続ドラマ(未見)が有名な松本清張サスペンスの映画化作品。いわゆる悪女を描いた映画で、主演は池内淳子。庶民的で地味な印象がある女優なだけにどんなものかと思っていたが、この頃の東宝の喜劇映画や後年のテレビドラマの脇役、そして「男はつらいよ 寅次郎恋歌」のマドンナ役で見せる姿とは全く違う演技でこの民子という悪女を熱演していて、表情もきつくて怖い。増村保造監督作品の若尾文子・・・とまではいかないものの、(ちなみに本作の脚本家は増村作品常連の白坂依志夫だったりする。)見ていて違和感はないし、印象にも残り、この民子という役は池内淳子の数少ない映画で代表作と言ってしまってもいいのではないだろうか。この民子をあくまでクールに傍観的に描く須川栄三監督の演出がよく、独特のカメラワークも印象的だ。「寒流」でもそうだったが、本作でも金と色と欲に執着する人間が描かれているのが松本清張原作作品らしいところで、何か裏の考えを持った登場人物たちが次々と出て来て、人間の本質を見せていくが、それを演じるのが池部良や小林桂樹など普段は実直な役柄の多い俳優という見る人の裏をかいたキャスティングなのも見事。中でも池部良がこういう卑劣な役柄を演じているのが本当に珍しく、ラストの燃え盛る風呂場を見ながらの高笑いは本当に怖かった。そんな中、病気で寝たきりでありながら色欲エロ爺なフィクサーを演じる小沢栄太郎はイメージ通りのキャスティング。見ていてものすごくいやらしい爺で、この人がこういう役を演じると本当に怖いくらいにハマる。それに大塚道子。「上意討ち 拝領妻始末」の三船の妻役も怖かったが、この女中頭の役も存在感がありやっぱり怖い。そうそう、先週まで「黒い画集」シリーズを見ていたのだが、三部作それぞれに主要人物として出演していた小林桂樹、池部良、土屋嘉男の三人が共演しているのも見どころの一つだ。
[DVD(邦画)] 8点(2014-05-09 00:08:42)(良:2票)
36.  刑事コロンボ/黒のエチュード<TVM> 《ネタバレ》 
犯人が犯行時に落としたタキシードにつけていた花(しっかりおおうつしになる。)が決め手になるという結末が弱い。今回の犯人は交響楽団の指揮者という設定なのだが、その指揮ぶりは素人目に見てもあまりにも下手くそとしか言いようがなく、これで高名な指揮者なのかという疑問を感じてしまうのも致命的だった。映画監督としても有名なジョン・カサベテスが犯人役を演じていることで知られるエピソードだが、正直出来はイマイチなように思う。しかし、このエピソードでは疑いを持ちながらも夫を信じようとする妻の描き方や、被害者の友人である少女が目撃証言をするシーンのドキドキ感、ラストで犯人が妻の耳元で愛を囁くシーンなど印象に残る部分もなくはなく、それによってだいぶ救われているような気もする。コロンボの名無しの愛犬が初登場するエピソードでもあり、この時点ではコロンボはあれこれ犬の名前を考えているが、結局後々のエピソードでもちゃんとした名前はつけてもらえていないのがなんかかわいそう。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-04-26 17:11:00)
37.  刑事コロンボ/殺人処方箋<TVM> 《ネタバレ》 
「刑事コロンボ」の第一話で、ほかの作品と違ってサブタイトルと同名の舞台劇をドラマ化したもの。いちばん最初とあってまだコロンボのキャラクターはそこまで確立されておらず、風貌も演じるピーター・フォークが若いせいもあってか、少しイケメンなおじさんという感じで、髪形もきっちりとしていて、なによりいつも着ているコートのほかに普通に背広姿でいるシーンがけっこう多かったのには驚いた。(初登場シーンも背広姿だし。)でも、初作である本作からコロンボのしつこさはよく出ていて、細かいところに気がついて犯人を追及し、翻弄していくキャラクターは本作で既に確立されており、対する今回の犯人である精神分析医や事実上の共犯者であるその愛人のキャラクターもしっかりと描かれている。とくに犯人の愛人で、患者でもある女優は冒頭からいかにも気弱で不安そうに描かれていて、見ている自分にも気弱な部分があるからか、コロンボのような刑事にこれだけ追及されたら自分だったら自殺してしまうだろうと思いながら見ていたものだから、ラストのコロンボの仕掛けには見事にこちらもハマってしまった。シリーズこの後の作品と違ってやや真面目になりすぎていて、このままシリーズ化していたらそこまで長くもたなかったかもしれない(この次の「死者の身代金」ではこのあたりがだいぶ改善されている。)が、こんなコロンボもいいなあと思える作品だった。オープニング映像がカッコいいのも印象に残る。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2014-04-21 21:59:10)
38.  刑事コロンボ/ホリスター将軍のコレクション<TVM> 《ネタバレ》 
今回の犯人は朝鮮戦争で活躍した軍人 ホリスター将軍。殺しを第三者の女性に目撃されてしまうという展開がこのシリーズでは珍しく、当然この女性は今回のキーになるわけだが、今回の犯人は自分の年齢も考えずこの女性を食事に誘ったり、ましてや家にまでのこのこやってきて今夜のニュースを見てくれと言ったりと行動が理解不能な部分が多く、目撃者の女性もそんな年齢の離れた将軍に惹かれていく理由がよく分からないし、将軍の凶器である拳銃の隠し場所が肝なのかと思って見ていると、自分のコレクションの展示会に堂々と展示してあるというギャグのようなお粗末さに呆れる。はっきり言って今回は脚本がおかしいとしか言いようのない出来で面白くないし、犯人にも魅力が感じられず、コロンボと犯人の対決らしい対決もなくラストが非常にあっさりとしているのもつまらない。ただこの作品はやはり犯行を目撃した第三者の人物が話に絡むという点は印象に残る。犯人の目撃者に対する接し方をもっとなんとかしていればひょっとしたら面白くなったかもしれない。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2014-04-19 16:30:48)
39.  刑事コロンボ/死者の身代金<TVM> 《ネタバレ》 
本格的なシリーズ化を前に単発ドラマとして作られた第2話である今回はシリーズ初の女性犯人となるが、上のあらすじにもあるように自分の成功のためだけに結婚した夫を殺害し、その後誘拐を偽装して身代金まで用意するなどかなり周到でいやらしい犯人像が描かれている。でも、こういういやらしい犯人だとコロンボとの対決は盛り上がるので面白い。わずかな証拠から疑いをかけ、犯人を追いつめるコロンボだが、その追及を余裕でかわしていく犯人との対決は見ごたえじゅうぶんで、解決シーンにもさほど強引さはなく、犯人がその性格があだとなって逮捕されるというオチも皮肉めいていて印象的。それに既にこのシリーズらしいユーモアがよく出ていて、中でもコロンボの高所恐怖症。犯人と一緒にヘリに乗っていて操縦桿を握らされてあたふたするコロンボには思わず爆笑させられたし、ラストの空港の喫茶店で札束を前にして支払いのために財布を探すシーンも笑えた。しかし、今回はやや間延びした部分があり、この後の作品に比べて本格的にコロンボと犯人が絡みだすのが遅く、そこが残念といえば残念。とはいえ、このシリーズの魅力はこれ一本でじゅうぶん伝わってくる、本格的なシリーズ化を前提とした単発作品としてはかなり上出来な作品だと思う。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-04-15 10:27:17)
40.  刑事コロンボ/溶ける糸<TVM> 《ネタバレ》 
今回の犯人はレナード・ニモイ扮する野心家で冷静沈着な心臓外科医で、犯行は意見が対立した心臓治療の新技術を共同研究している自らの患者でもある博士の手術中に細工を施し、それだけでなくそれに気づいた看護婦までも殺してしまうという残忍なもの。それで涼しい顔をしているのだから相当にいけ好かない犯人である。もちろん頭も切れ、コロンボになかなか証拠を掴まさせない。この犯人とコロンボの対決も見どころなのだが、今回は犯人と被害者である博士や看護婦のドラマがしっかりと描かれ、物語的にも面白いエピソードになっていたのが良かったし、この犯人が最後の最後までコロンボの追及をうまくかわしていく(コロンボが犯人に対して怒るのも珍しいが、敗北宣言をするのはもっと珍しい。)ので本当にこの事件は解決するのかというドキドキ感がエンド直前まであるのも○。しかし、このシリーズには邦題でネタバレしているものがいくつかあり、この「溶ける糸」もそれに当てはまっているのがちょっと残念。それにしても今回の犯人は劇中で合計三人も手にかけており、このシリーズの犯人の中ではやはり残忍さが際立っている。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2014-03-26 20:04:03)
000.00%
190.60%
230.20%
3463.09%
4493.29%
531921.40%
634423.07%
734723.27%
828018.78%
9563.76%
10382.55%

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