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ザ・チャンバラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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1.  劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者 《ネタバレ》 
第一期テレビシリーズは全話視聴済です。テレビシリーズ最終話から直接続く完結編であるため、その視聴は必須。特に、最終話で登場人物達がどうなったのかをはっきり覚えていないと、本作の内容についてくることは難しいのではないでしょうか。 テレビシリーズ後半では、錬金術が進化した主人公たちの世界と、科学技術が進化した視聴者たちの済む世界が並行世界として同時に存在しているという「ザ・SF」な設定が置かれて興奮したのですが、本作ではいよいよ両世界の関わり合いが始まります。ミュンヘン一揆という実際の事件を背景とし、フリッツ・ラング、ルドルフ・ヘス、カール・ハウスホーファーといった歴史上の人物達が物語の中心を担い、エドやアルに絡んでくるという設定の時点で燃えました。アニメでありながらも「本当にこういうことがあったのかも」と観客に錯覚させるような作りとなっており、なかなか興味を掻き立てられるのです。 ただし、面白かったのは設定のみであり、活劇としてはイマイチでした。錬金術の世界ではなく科学技術の世界を主な舞台としたことの必然的な副作用として、錬金術師達のド派手なバトルを見られないという根本的な問題をこの企画は抱えているのです。テレビシリーズでは豪快だったエドワードも、もっとも得意な錬金術を使えない世界においては、何事にも諦めきった抜け殻でしかありません。それならそれで、腐ってしまったエドが再び立ち上がるまでのドラマを横軸として描けば映画として一本筋が通ったものの、本作は魅力的な設定を描くことのみに終始しており、登場人物の内面がまるでフォーカスされていません。 さらには、ようやく始まったラストの戦闘も、そもそもの目的が良く分からないという状態であり、気持ちがうまく乗っからないまま映画が終了してしまいました。 部分評価できる点はいくつかあるものの、全体としてはテレビシリーズのファンに向けたボーナストラック以上の作品にはなりえていないことは残念でした。
[インターネット(邦画)] 5点(2017-08-05 02:07:41)
2.  ケープタウン(2013) 《ネタバレ》 
差別主義者に父を焼き殺され、自身も犬に局部を食いちぎられて性的不能者になったズールー人・アリと、差別主義者を父に持つ白人・ブライアンがタッグを組むバディムービー。随所に南アフリカの難しい現実を投影したと思われるアイコンが登場するのですが、同国の情勢に詳しくない私にとってはイマイチ伝わらない点が多かったことが苦しかったです。フランス人が監督し、ハリウッドから俳優を呼び寄せて作った国際色豊かな作品なのだから、世界中の人が理解可能な内容にすべきだったと思います。 そんなわけで、作品に込められた裏の意味を理解できなかったので、あくまでバイオレンスアクションという表層部分に絞っての評価としますが、これがなかなかエグイ内容でビビりました。アリの父が殺害される場面から映画は始まるのですが、これがただの焼死ではなく、タイヤネックレス(ガソリンをかけたタイヤを首から被せ、そのタイヤに火をつけて焼き殺す。顔は炎に焼かれ、溶けた高温のゴムが体にまとわりつくという凄惨極まりない処刑方法)だったのでゲンナリ。本編がはじまると撲殺された女性の死体が登場するのですが、これがまた死ぬまで殴られましたということが一目で分かるほどのひどい傷み具合で、本作はハンパなバイオレンス映画ではないなと腹を括りました。 ソフトなイケメンというイメージの強いオーランド・ブルームが、本作でははみ出し刑事を熱演。ハリー・キャラハンとマーティン・リッグスを合わせたような狂犬ぶりを見事モノにしており、意外と良い役者さんだったのねと感心しました。他方、フォレスト・ウィテカーはブレない安定感。ブルームと違って強烈な演技は見せていないものの、難しい部分は彼が引き受け、縁の下の力持ちとして作品の土台部分を担っています。この二人のコンビがなかなか良くて、バディムービーとしては上々の仕上りでした。 残念だったのは、謎解きの答えに面白みがなかったこと。死体やアクションの見せ方等、ディティールにはリアリティへの目配せがあるのに対して、本筋部分には荒唐無稽な部分があって(黒人抹殺兵器ってのはさすがに…)、そこのバランスの悪さが気になりました。「アフリカではこういう酷いことが現実に起こっているのかもしれない」と思わせるような内容であればよかったのですが。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2015-07-02 00:48:33)(良:2票)
3.  消されたヘッドライン 《ネタバレ》 
テレビドラマ(未見)をわざわざ映画化したのだからそもそも優れた企画なのだろうし、その脚色にはジェイソン・ボーンシリーズのトニー・ギルロイが雇われているという布陣も豪華であり、きちんと見られる作品には仕上がっています。ただし、水準以上の作品にはなりきれていないという点が残念でした。全体的な出来は悪くないものの、フックとなるような強烈な場面を作れなかったことが、不完全燃焼の原因だろうと思います。。。 【注意!ここから大きくネタバレします】そうなる可能性のある場面はありました。それは、コリンズ議員が殺人事件に関係していたことを知った後の主人公の反応であり、コリンズが悪に染まっていたことは事実であるが、それを記事にすればコリンズは失脚し、民間セキュリティ会社という巨悪を封じ込めるための急先鋒を失ってしまう。目先の事実を暴くことと、より大きな目的のために事実を隠すことと、どちらが公共の利益にかなうのか?そのジレンマを描き、「あなたならどうしますか?」と観客に問うような内容にしていれば、相当に引き締まった作品になったと思うのですが、残念ながら本作はその美味しいところを完全に素通りします。主人公は「ならぬものはならぬのです!」と言わんばかりにコリンズ議員の裏事情を記事にし、一切の躊躇がありません。さらには、コリンズの記事によって、理由はよく分からないが民間セキュリティ会社までが大打撃を受けるという、安直なハッピーエンドにはゲンナリさせられました。薄っぺらな正義感からコリンズを倒したことで、巨悪がのさばってしまうというバッドエンドにした方が面白かったと思うのですが。。。 上記に関連して、全編を通しての主人公の「これがジャーナリズムだ!」と言わんばかりの態度には、少なからずうんざりさせられました。証拠を握ってもそれを警察に渡さず、新たな犠牲者を出してしまう。いちジャーナリストでありながら、取材対象に脅しをかけてまで事実を聞き出そうとする。さらには、情報源からの承諾もないのに、自己の裁量のみで関連当事者に取材内容を漏らしてしまう。自分を正義の執行者か何かだと勘違いした態度は本当にどうかしてると思ったし、これら一連の行動を「善」として扱っている作品の倫理観についても、ちょっと受け入れがたいものがありました。
[DVD(吹替)] 5点(2014-03-01 02:08:28)(良:2票)
4.  刑事ニコ/法の死角 《ネタバレ》 
本作以前に映画への出演記録はまったくなく、舞台やテレビの経験もない。端役やエキストラとして見切れていたという目撃情報すら一切なく、エンタメ業界とは何の縁もなかった男が(武術指導として撮影現場に出入りはしていたようなのですが)いきなり一枚看板でデビュー。デビュー間もなくから大役を任されるということは、マーロン・ブランドやトム・クルーズらごく限られた実力者のみに与えられる栄誉なのですが、セガールに対する扱いはそのレベルに留まっていませんでした。メジャースタジオが直接製作する企画のコントロールまでを許されており、さらには、彼自身による原案の脚色には『エイリアン』『トータル・リコール』で知られるロナルド・シャゼットが、監督にはチャック・ノリスの最高傑作とも言われる『野獣捜査線』を撮ったアンドリュー・デイビスが雇われるという鉄壁のサポート体制が敷かれており、ハリウッド史上、後にも先にも例のない特別待遇で迎えられていたのです。。。 そんな本作ですが、良くも悪くもセガールの大物ぶりが発揮された内容となっています。映画への出演経験のない人間とは思えない程の落ち着きや存在感はさすがのものだし、圧倒的に強くて負ける気がしないという抜群の安定感もこの頃からです。以後四半世紀以上に渡る俳優としてのパブリックイメージを本作1本で作り上げてみせたという実績は驚異的としか言いようがなく、セガールのセルフプロデュース能力の高さは評価せざるを得ないのですが、同時に、ファン以外には受け入れ難い、個性的すぎる作品となっていることもまた事実。デビュー作なのだから、もっと王道に寄せてもよかったのではないかと思います。。。 本作の脚本はなかなかの出来です。シカゴの下町でCIAの陰謀を暴くという荒唐無稽な内容ながら、謎の振り方やネタ明かしがうまいので、思わず引き込まれてしまう面白さがあるのです。特に、主人公が追われる身となり、孤立無援の中で真相に辿り着こうとする後半の展開には適度なスリルが宿っており、一流脚本家を雇ってきたことの成果は確実に現れています。セガール自身も本作の出来に満足したのか、この脚本は以降のセガール作品のテンプレートとなり、特に『沈黙の戦艦』以前の初期セガール作品は、どれがどれだか区別が付かない程にこの内容を流用したものとなっています(本作以降の3作品をすべて全米1位にした実績はさすがですが)。
[地上波(吹替)] 7点(2014-02-09 03:21:58)
5.  GAMER ゲーマー
『300』や『マシンガン・プリーチャー』に出演し、肉体派のイメージの強いジェラルド・バトラーですが、同時に彼は法学部を首席で卒業した後に名門法律事務所での勤務経験も持つという超インテリであり、どんなB級映画に出てもどこか知性を感じさせるという点が、俳優としての彼の強みとなっています。また、良い意味で生活感を感じさせるという点も彼の個性であり、実際、演じる役柄の大半は妻子持ちという設定となっています。肉体と知性と生活感、これら3点を併せ持つ俳優は非常に稀であり、今後は、かつてのメル・ギブソンがいた位置に収まっていくのではないかと個人的には期待しています。。。 以上の魅力を持つジェラルド・バトラーを得たことで、本作はB級映画ながらも、単純なバカアクションにならずに済んでいます。高い戦闘スキルを身に付けた経緯が不明だったり、妻子に対する愛情の深さを示す場面が欠けていたりと、主人公・ケーブルについては描写不足が目立つのですが、それでもジェラルド・バトラーが本来持つ個性によって、そうした穴がきちんと埋められているのです。同時に、銃撃や格闘等の動きも非常に様になっており、本作には『300』以上にバトラーの魅力が詰まっています。。。 本作の脚本と監督を務めたのは『アドレナリン』のコンビですが、このコンビの画作りは相変わらず卓越しています。私は『コール・オブ・デューティ』等の洋ゲーをたまにプレーするのですが、あのゲームを生身の人間にやらせたら?という仮定を、きっちりと映画として成立させてみせたことには感心しました。戦闘シーンの迫力は非常に素晴らしく、アクション映画として見るべき点は多い映画だと思います。ただし、本作についてはコンビ監督の悪いところもドバっと出ています。まず、この人達は観客が退屈することを必要以上に恐れているのか、撮影や編集が常に動きまくっていて、非常に見づらくなっています。ひとつひとつの場面は面白くできていても、これを100分ぶっ続けでやるとウンザリされるということが分からなかったのでしょうか?また、ド派手な戦闘を前半に固め、後半には地味な謎解きと盛り上がらない殴り合いを配置するという構成にも首を傾げました。この人達に技術はあるのだから、もっと観客の生理に配慮した映画作りを目指すべきだと思います。
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2014-01-02 02:51:46)(良:1票)
6.  劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇 《ネタバレ》 
テレビシリーズ視聴済です。『紅蓮篇』ではかなり荒っぽい要約がなされていてかなり驚かされたのですが、当『螺巌篇』においてもテレビシリーズ未見の人を突き放すような端折り方がなされていて、二度驚きました。テレビシリーズ第2部のクライマックスだったテッペリン攻略戦をまさかのダイジェスト処理、ロージェノムの存在を明確に説明しないままテレビシリーズ第3部に該当する本編をスタートさせるという強引な構成には笑ってしまいました。「テレビシリーズを見ていない人は、この映画の対象ではありませんよ」と、製作側が序盤で宣言しているのです。。。 で、本編ですが、不完全と言う他なかった『紅蓮篇』から一転して、本作はかなりうまくまとめられています。テレビシリーズ第3部は少々グダグダな展開が目立っていたのですが、当映画版ではムダな場面の統廃合により物語全体をスリムにしており、テレビ版以上に通りの良い話として作り替えているのです。独立した一本の映画として成立する程度にまでまとめられており、やや投げやりだった『紅蓮篇』と比較して、本作の脚本は相当頑張っています。また、テレビ版では扱いの悪かったアークグレンラガンの活躍場面が大幅に増えており、ロボの動かし方のバランスも改善されています。。。 ただし、クライマックスのグランゼボーマ戦はやりすぎの域に達していて、少々覚めてしまいました。ラーメン二郎並みに濃く、かつ、完璧のさらに上を行く仕上がりだったテレビ版最終回を超えるクライマックスを作ろうとして、映画版は無茶をしすぎたようです。天元突破の大安売りなどは見たくありませんでした。あそこは、テレビ版の熱いクライマックスを再度見せてもよかったように思います。
[DVD(邦画)] 7点(2013-11-13 01:28:05)
7.  劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇 《ネタバレ》 
テレビシリーズ視聴済です。マジンガーZとガンダムとエヴァンゲリオンと宇宙戦艦ヤマトと勇者シリーズの良いとこ取りをして、その上、オタク臭い小理屈を抜いて子供でも理解可能なアニメを作る。そんなことが可能なのかと思いますが、それをやってのけたのが『天元突破グレンラガン』なのでした。それだけ充実した内容だけあって、テレビシリーズはどのエピソードも濃厚100%。通常のアニメであれば3~4話を費やすであろうエピソードを1話に詰め込むという展開もザラであり、すべての回が1秒たりとも捨てる場所がないほどに作り込まれていました。。。 そこに来て、この劇場版です。テレビシリーズの前半13話を2時間に編成し直した内容なのですが、当然の如く、これ単品で『グレンラガン』を理解することは不可能です。製作側も一見さんお断りの姿勢を明確にしており、黒の兄妹やロシウといった重要人物との出会いをダイジェスト処理で済ませるなど、なかなか思い切った端折り方をしています。では、この映画の存在意義は何なのかと言うと、それは、サブキャラのエピソードを大幅に切り捨ててシモンの成長物語に特化したことで、テレビシリーズ以上に男気溢れる作品となったこと。さらには、ドルビーデジタルによりブラッシュアップされた音響や、クライマックスにおける四天王の合体ダイガン「ドテンカイザン」の登場など、映画版ならではの楽しみも追加されており、ファンサービスも程々になされています。テレビの視聴ありきの不完全な総集編なので全面的な支持は与えられませんが、これはこれで楽しめる映画ではあると思います。
[DVD(邦画)] 6点(2013-11-13 01:26:33)
8.  ゲーム(1997) 《ネタバレ》 
本格サスペンスではなくダークな寓話なので細部にツッコミを入れても仕方のない映画ではあるのですが、それにしてもご都合主義の多い展開には参ってしまいました。事前に肉体と精神の綿密なチェックを行ったとはいえ、主人公を車ごと海に転落させて死なない保証など何処にもないし、仕掛人が手を回しきれなかった第三者が介入してくるリスクもあります。観客を騙したいのであれば、ウソに説得力を持たせる努力ぐらいはして欲しいところでした。論理的整合性を無視して突っ走った時点で、オチの衝撃度も薄れてしまうのです。フィンチャーの演出力や豪華な俳優陣によって映画全体は救われてはいるものの、脚本はイマイチですね。。。 ここからはオチを踏まえての感想となりますが、これは本当にハッピーエンドだったのかという点が引っかかりました。評論家の宮崎哲弥氏は本作を「自己啓発セミナーの映像化」と考えているようですが、私も宮崎氏の意見に賛成します。日本ではX JAPANのTOSHIやオセロの中島知子がその被害に遭っていますが、徹底的に個人の人格を破壊し、完全に真っ白になったところで「おめでとう、君は生まれ変わったね」と祝福して、コントロール可能な新たな人格を上書きするのが自己啓発セミナーの手口です。他人から本音をぶつけられる機会が少なく、財産を巡って身内に対してすら猜疑心を持っている富豪や有名人は、この手の心理的揺さぶりに弱いと言われます。相談できる相手がなく常に孤独であるため、揺るぎないと思っていた自分の価値観に自信を持てなくなると、人格が一気に崩壊してしまうのです。そう思って本作のラストを見ると、あまりのバッドエンドぶりに背筋が凍ります。高額なサービス料を自分も負担すると言い出す兄。これが弟とCRS社が仕組んだマインドコントロールの成果であって、今後も何かにつけて金銭的な負担を要求され、そのうちに身ぐるみ剥がされる運命だとしたら?一方的にクビを言い渡され、主人公を死ぬほど憎んでいるはずの出版社社長が笑顔で主人公を迎えていた点など、バッドエンドを匂わせる描写がいくつか仕込まれている点に注目なのです。ちなみに、世界最大の自己啓発セミナー組織であるランドマークエデュケーションは、本作の舞台であるサンフランシスコに所在しています。
[DVD(吹替)] 5点(2013-06-03 22:17:34)
9.  ゲットバック 《ネタバレ》 
デビュー後は3作連続で興行成績が1億ドルを突破し、90年代末には確かにハリウッドの頂点にいたものの、『ブラックホーク・ダウン』の企画をリドリー・スコットに譲って以降は急速にキャリアが低迷し、ここ10年ほどは「あの人は今」状態だったサイモン・ウェスト。プライベートで抱えた借金によって首が回らなくなり、来る仕事は拒まず見境なくB級映画に出るようになったニコラス・ケイジ。この二人が『コン・エアー』以来のタッグを組んだ本作には、メジャーの世界を知る者による豪勢なB級映画を期待したのですが、残念ながらその出来は芳しいものではありませんでした。両者にとってこれは雇われ仕事のひとつに過ぎなかったようです。。。 ニコラス・ケイジはいつものあの表情。『ブレイクアウト』や『ハングリー・ラビット』など、ここんとこは同じような演技が続くので、そろそろ区別がつかなくなりそうです。ウェストによる演出には何のこだわりもなく、ただ撮ってるだけ。彼の手腕があれば、金塊強奪場面などはもっと面白くなったと思うのですが、そういった努力は微塵も感じませんでした。。。 脚本の出来も良くありません。気の良い犯罪者が、身内を人質に取られて不本意な仕事に手を染めざるをえなくなる。この手の映画としては定番中の定番のお話なのですが、類似作との差別化のための工夫を一切こらすことなく、定番を定番のまま出してきた本作の脚本家の根性には恐れ入りました。最初から最後まで予定調和の嵐、クライムサスペンスとしては失格です。おまけに、犯人の依頼通りに銀行を襲撃したにも関わらず、結局は殴り合いで決着をつけるというオチには唖然とさせられました(力づくで解決するのなら、最初から命令に従う必要などなかったのでは?)。さらには、キャラクター達の背景や行動原理の描写が不足しているために、ドラマの通りもよくありません。マリン・アッカーマン演じるライリーが主人公からの協力要請を二つ返事で了承したことや、FBI捜査官ダニーが主人公の罪を見逃してやった動機などがまったく分からないので、ドラマに感情移入しようがないのです。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2013-04-28 23:10:59)(良:1票)
10.  幻影師アイゼンハイム 《ネタバレ》 
『真実の行方』から『ファイトクラブ』までの間には「デ・ニーロに匹敵する天才アクター」と絶賛されたものの、21世紀に入ると共に手抜きの仕事が目立つようになり、今では演技派と呼ばれることも少なくなってしまった俳優・エドワード・ノートン。しかし、本作においては久しぶりにその実力を発揮しており、「この人はうまい人なのだ」ということを再認識させられました。空白の15年間、アイゼンハイムはどこで何をしていたのかは明確に説明されないのですが、ノートンのミステリアスな雰囲気や立ち居振る舞いによって、その空白は見事に埋まっています。実に説得力のある演技なのです。映画の内容は良くも悪くもノートンの演技に頼りっきりなのですが、余計な要素を加えなかったおかげでなかなか楽しめる仕上がりとなっています。。。 ただし、ラストですべてがぶち壊しになりました。確かにサプライズとしては機能しているのですが、論理的な整合性は完全に無視された、一発芸とも言えるオチには愕然としました。彼らは駆け落ちするために一連の騒動を巻き起こし、その騒ぎの中で無実の皇太子を自殺にまで追い込んだというわけです。刑事も刑事で、この騒動のために出世街道を手放したにも関わらずヘラヘラと笑ってる場合ですか。もし私がこの刑事の立場なら、怒り狂ってるところですよ。
[DVD(吹替)] 4点(2013-03-27 22:53:53)(良:1票)
11.  ケース39 《ネタバレ》 
2006年に製作されながらも、エクストリームな児童虐待描写に難色を示したパラマウントによって長らく公開が延期されていたという問題作。その間に、本作よりも後に製作されたはずの『エスター』が公開されてしまい、事実に反して二番煎じ扱いとなってしまった不運な作品でもあります。実際、内容は『エスター』によく似ているため、先に『エスター』を鑑賞していると驚きはかなり薄れます。脚本・演出・演技はどれもしっかりしているだけに、後出しとなってしまったことが大変悔やまれます。。。 『オーメン』も『エスター』もそうでしたが、邪悪な子供を扱った作品には特有の怖さがあります。「この子は邪悪だから、なんとか手を打たねば」と叫んだ途端に主人公はキ◯ガイ扱いされ、社会的に孤立してしまうのです。本作でもその恐怖は存分に描かれていて、主人公が頼れるのは医療刑務所に収監されている実父のみという絶望的な状況にまで追い込まれます。前半では敵対関係にあった両者が共闘するという捻じれた構図が独特であり、この構図が子供の邪悪さを引き立てることにも貢献しています。なかなか計算された脚本ではないでしょうか。
[DVD(吹替)] 6点(2012-09-05 23:25:24)(良:1票)
12.  K-19 《ネタバレ》 
見る前には、どうせハリウッド風に料理されてるんだろうと高を括っていたのですが、これが1億ドルバジェットの大作とは思えないほどマジメに作られていて驚きました。見せ場らしい見せ場はないし、男だらけで息苦しいことこの上なし。暗くて救いのない話がひたすら繰り広げられるのですが、「面白い場面を入れたい」という誘惑も多い大作において、よくぞここまで娯楽性を排除できたものだと感心しました。被曝したクルーの描写などは大作がやってもいいレベルを超える凄惨さで、作る側がまったく妥協せず、真摯な姿勢でこの企画を扱っていることがよくわかります。これだけの大作ともなれば、製作費回収のために様々なプレッシャーがかかってきて骨を抜かれることも多いのですが、本作はハリソン・フォードがプロデュースに加わることで企画を守りきったのでしょう。また、いつも同じ表情で「省エネ演技」と言われるフォードが珍しく演技に力を入れていて、彼が中心となって話を引っ張っています。一方で難しい部分は芸達者なリーアム・ニーソンに任せており、この辺りのサジ加減、役柄の配分は絶妙でした。俳優がプロデューサーに回るとおいしい部分を全部自分でやりたがる傾向がありますが(例:ケビン・コスナー)、この人は自分の力量を適切に理解しており、できないことは人に任せるという客観的な判断が下せているのです。ニーソンは温かみのあるイメージに合致したかなりおいしい役でしたが、彼が演じたことでポレーニン副長は観客全員から愛されるキャラクターとなり、映画にひとつの視点を与えています。ポレーニンが賛成しないことは間違ったことだろうし、ポレーニンが納得することは正しいことなのだろうという価値判断の基準を観客に与えていて、彼の存在で映画は相当わかりやすく、また面白くなっています。残念だったのは後半の展開で、艦長から指揮権を奪った政治将校をポレーニンが叱責する場面から、映画は急激に失速します。政治将校の下した判断の内容(適正な判断力のない艦長の解任)及び手段(職権に基づいた行為であってクーデターを起こしたわけではない)は多くの観客にとって妥当なものであり、ポレーニンがこれを否定したことで、作品の支柱が一気に不安定なものとなってしまったのです。艦長の良い面を強調しようとする以後の展開も不自然であり、この部分の処理はもっと丁寧にやるべきだったと思います。
[映画館(字幕)] 7点(2010-01-09 21:51:41)
13.  ケインとアベル/権力と復讐にかけた男の情熱<TVM>
先日「午後のロードショー」でやってたのを見たのですが、「なぜこんなすごい作品を今まで知らなかったんだ」と思うほど面白かったです。本作はアメリカのテレビ映画ですが、劇場用の大作にまったく引けをとらない完成度。上映時間の使い方が抜群にうまく、長い長い上映時間にも関わらずまったく飽きさせない作りとなっています。3時間を超える伝記映画がどれもこれも冗長で退屈な映画になっていることを思うと、2時間枠で3日連続放送という超長尺でありながら話のテンションを徹頭徹尾維持できていた本作は驚異的とも言えます。また「24」や「LOST」のように飽きそうになったらとりあえずイベントを放り込むという適当な盛り上げ方ではなく、ふたりの男の確執というテーマから片時も離れず、すべてのイベントが主題に沿って展開され、ムダなエピソードが何ひとつないという見事な構成。ロミオとジュリエット風になってきた後半では「いよいよ息切れしてきたか」と思ったのですが、これもまたケインとアベルの物語を構成する重要なピースのひとつであったと後でわかり、この話はとんでもなくよく出来てるなとあらためて感心しました。「テレビ界のゴッドファーザー」とは言いすぎかもしれませんが、テレビにありがちな軽さがなく、重厚で見ごたえのある作品となっています。俳優の演技も見事。当時ともに30代後半だったサム・ニールとピーター・ストラウスが10代後半から60代までの主人公を演じるのですが、さすがにムリを隠しきれない10代後半はともかくとして(ここは若い役者を別に立てた方がよかったと思います)、野心に燃える20代、各自が帝国を築きあげる40代50代を経て、哀愁溢れる60代までを違和感なく演じてみせた芸の広さはなかなかのものです。NHKの大河ドラマのようなウソ臭さがないのは、メイク技術の違いだけではなく役者の力量の差も大きいでしょう。激動の60年を生き抜いてきた男の顔にちゃんとなっているのです。こういう知られざる傑作を突如放送するので、テレ東はあなどれません。レンタル屋に行けば簡単に見られる最近の大作ばかりを放送する他局のロードショーはもう10年近くも見ていませんが、テレ東だけはチェックしてしまうのはこういう出会いがあるからです。
[地上波(吹替)] 8点(2008-07-13 04:17:50)
070.55%
1171.33%
2272.12%
3564.40%
417513.74%
517713.89%
619715.46%
730924.25%
822217.43%
9685.34%
10191.49%

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