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1.  インセプション 《ネタバレ》 
「人の夢に介入して思考の条件付けをおこなう」なんてメインの話はまったく面白いわけでもなんでもなく(つくっている方でもメインのストーリーなんかどうでもよかったんじゃないかという気がする)、サブのストーリーというか、主人公のパーソナルな部分で展開されるストーリーこそが、この作品でもっとも面白い部分に思える。そこにはいくつかのギリシア神話からの引用が垣間見られるわけで、まず主人公の「家族の待つ家に帰りたい」という願望はオデュッセウスの航海をほうふつとさせられ、この作品全体を支配するのはこの「オデュッセウス神話」ということになる。そして、この作品であらわれる「夢」はつまりは「迷路」ということであって、ミノタウロス神話こそがこの「夢の世界への介入」というコンセプトを支える。そしてもうひとつ、おそらくはもっと重要なのが、主人公が過去に「夢」のなかで失なった妻へのオブセッションであって、主人公の夢の世界にひんぱんに混入してくる妻の幻影が主人公の行動を狂わせる。これまたオルフェウス神話からの引用で、オルフェウスは冥界で妻を振り返ってしまうことで妻を永遠に失ってしまうけれど、この作品の主人公においてはこの点はちょっと変更され、夢にあらわれる現実には再会の困難なふたりの子どもの姿の(この子どもたちに再会したいという願望が「家に帰りたい」ということになるのだけれども)、その振り返った顔を見てはならない、という意識になってあらわれている。 このような、メインのストーリーからはみ出した、三つの神話の組み合わせのなかを迷う主人公のストーリーを追うことこそが、この映画を観る楽しさではないかと思ってしまう。しかし、だからすばらしい作品なのかどうかというと、やはりそのあたりは映像と観念とが合致してイマジネーションを豊かにしてくれている印象でもないわけで(映像によるイマジネーションがまるで喚起されないのがこの監督の特徴だと思う)、じつは非常に似通ったプロットなのだといってしまえるタルコフスキーの「惑星ソラリス」を観たときのような感動を受けるわけではない、ということになる。  あと、映画の字幕で「現実」に拮抗するものとして「アイディア」ということばがなんども使われていたけれども、これは当然「イディア」のことで、ふつう日本語として使われる「アイディア」よりもずっと広い意味を持っている。
[映画館(字幕)] 6点(2010-08-26 17:25:35)(良:2票)
2.  イタリア旅行
 序盤の粗いつくりが気になって、こんなことでどういう仕上がりになるんだろうと思っていたら、妻と夫が別行動を取って、妻があちこちのイタリアの遺跡や博物館を見てまわるようになる展開で、がぜん面白くなる。ここで、どこの遺跡でも博物館でも、ガイドを職業とする人物と妻が行動を共にするのだけれども、たいていは初老の男性であるそのガイドと妻との描写が、とにかく面白い。そして、まさに「イタリア旅行」というぴったりの、そういう遺跡や博物館の映像、これが物語にひそやかに絡んで行くあたりの展開がとってもいい。映画ならではの表現でのストーリーテリングを堪能できる。小さなベスビオ火山の噴火の再現、カタコンベ、ポンペイの新たな発掘(ここはちょっと「フェリーニのローマ」を思い出した)、そして市街の中での祭礼のクライマックス。素敵な映画だと思う。
[DVD(字幕)] 8点(2010-05-08 11:16:01)
3.  刺青(1966)
脚本は新藤兼人だけれども、谷崎の原作をふくらませ、じゃあお艶という女はどのような女なのだろうか、刺青を施したあと、どんな生き方を送ったのか、ということに想像力をふくらませて行く。これがもう徹底的な悪女で、お艶を演じた若尾文子の強烈な演技も合わせて、あっけにとられるような世界になっている。撮影が宮川一夫で、典型的な江戸の世界を舞台のように美しく撮っている。増村保造監督としても「卍」(これも谷崎の原作)以来のカラー作品で、一面毒々しいほどの色彩にあふれた、虚構性の強い作品に仕上げている印象。ただ、原作のひとつの主題である、彫り師新吉の美意識などはもうねじ伏せてしまった印象で、これを谷崎潤一郎の小説からの作品とすると、あれこれと不満は噴出してしまう。まあ増村保造監督もこの演出を楽しんでいるみたいだから、これはこれでいいか。傘をうまく使った、雨の中の殺人のシーンが素晴らしかった。
[DVD(邦画)] 7点(2010-04-07 15:35:13)
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