61. さらば愛しき女よ
うらぶれた探偵が魅せる仕事に対する矜持に見惚れ、任務完遂後、遺児のもとに向かう背中が見せるやるせなさと優しさに痺れます。絶世の美女と呼ぶにふさわしいシャーロット・ランプリングの視線で人が殺せるような眼差しにクラクラしました。 [DVD(字幕)] 7点(2017-06-17 14:42:09) |
62. サムライ(1967)
《ネタバレ》 仕事の完遂に向けて喜怒哀楽が皆無の姿はサイボーグのようなマネキンのような。他人を一切寄せ付けない孤独がサムライとは思えない。ピアニスト殺しの依頼に空の拳銃で向かった理由は分からないが、孤高な死に様はサムライを連想させた。そして、柔和な物腰と裏腹に犯人逮捕の意志を見せる警部もまたサムライ。演じたフランソワ・ペリエの存在感はキレッキレのアラン・ドロンに劣らぬものだった。 [DVD(字幕)] 7点(2016-11-08 01:48:45) |
63. サイレントパートナー
《ネタバレ》 モッサリしているが悪知恵が働く小悪党エリオット・グールドと残虐さに目を背ける悪党クリストファー・プラマー(「トラップ大佐」のキレキレの狂気模様に心底仰天)の絡み合いは先が読めなく結構ハラハラさせられた。緊張感が高まった中での悪乗りが過ぎた女装姿に脱力したまま結末を迎えたのがすごく残念。 2017.11.25 オトコマエの狂乱模様を観たくて再見。残忍なチンピラ役は見事な役作りだとしても、子供の頃からの悪役好きの私が見ても魅力のカケラも感じない。オトコマエがけったいな顔にしか見えなかったのが致命的。女性の顔を踏み躙ったり、女性の喉を掻っ切ったり、モッサリ銀行員にいいようにしてやられたり、「愚か者が! 女にしか勝てんのか!」と憤慨する始末。金輪際見ること無い作品。不細工な女装姿にちゃんとした役だったら美人になるのだろうかと考えてしまった。 [DVD(字幕)] 7点(2016-07-30 17:07:39) |
64. ザ・ヤクザ(1974)
健さんの相手役にロバート・ミッチャムをもってきたキャスティングが絶妙。全編に亘り二人が醸し出す「不器用さ」に何とも言えない味わいを感じるのです。唯一の不満は、賭場への殴り込み。片手にショットガン、片手に拳銃のミッチャムの姿にクラクラ~ッときたのに、長ドスの健さんの活躍ばかりが目だった点です。別れ際にタラップ上でお辞儀をするミッチャムに、これはアメリカ人には解るまいと中学生の私が思った作品です。 [地上波(吹替)] 7点(2009-11-12 00:22:54) |
65. 最後の人
《ネタバレ》 喜劇でなく字幕さえも無い無声映画が、現代にも通じるところのあるテーマを起承転結明快に描いている事に驚きます。プライドをズタズタにされた悲嘆ぶりに胸を衝かれます。しかし、汚職したのではありません。職業に貴賎はありません。何時までも嘆き続けることはないのです。その事を教えてあげるべきは家族です。本作の家族は言語道断でした。ハッピーエンドバージョンは他愛なさ以上に下品さを感じ、ない方が良かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2009-08-20 13:49:09) |
66. 最高の人生の見つけ方(2007)
旅から戻った後の二人の食事風景が私には本作が言わんとしているところに思えました。白けた思いで眺めていた旅の模様でしたが、途方も無いほどの豪勢さであるからこそ、このシーンが生きてくるのだと感じました。また、伴侶を一生愛し抜ける事について考えさせられた作品です。両優は流石の好演で良作ですが、邦題がいただけません。人生に最高も最低もないと思いますし、見つけ方とはどう解釈してよいのか 考えても分からないです。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-23 23:41:51) |
67. サイドウェイ
後戻りのきかない年齢故の焦燥感、自己評価の低さを水と油のようなマイルスとジャック双方が抱いています。真っ直ぐな道を颯爽と走らなくても、寄り道、回り道しながら曲がりくねりながら歩いて行こうとする事に、もうこの歳からでは遅すぎるという事はないと言う事を、ユーモア溢れる珍道中の中にほんのりと感じさせてくれます。ラストシーンは好きですね。マヤと結ばれる、結ばれないという結果以上にドアをノックした事が素晴らしいのですから。 [DVD(字幕)] 7点(2006-07-18 01:32:23) |
68. 座頭市の歌が聞える
絶対勝つ。今の暮らしを抜け出し、再び、二人で幸せを掴むために。市との対決での気迫、叶わなかった空しさを感じますが、前回の涙しかけた天知茂の心模様に比べ、今ひとつ自分には響いてきませんでした。代わって、市と琵琶法師、市と少年の絡みが印象に残ります。強さに憧れる少年。欲望のため弱い者を痛めつけて屈服させる強さと、無やみに力を示さず、ここ一番の時に弱い者を、我が身を守る強さ。どちらの道に少年を導くかはお前次第と法師に説かれた市が少年に違いを言葉ではなく身をもって教えます。子供は親のする事を見て育つ事を端的に示してくれた作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2005-03-30 15:18:24) |
69. The Son/息子
ニコラスの心の闇は両親の離婚によってもたらされたのか、それ以前だったのか? 赤ん坊を洗濯機に放り込むのではないのか、怖かったのですが杞憂に終わりホッとしたのですが、 やりきれない結末が堪えます。 [DVD(字幕)] 6点(2024-01-08 02:24:46) |
70. 酒とバラの日々
《ネタバレ》 夫婦揃ってアル中になるというこれまでに観たことない展開。堪えきれずに泣き崩れる父親が胸に刺さります。二人の娘の視点が抜け落ちているのは如何なものか。聞き覚えあるヘンリー・マンシーニの音楽に+1点。 [DVD(字幕)] 6点(2023-10-16 01:12:46) |
71. サバービコン 仮面を被った街
《ネタバレ》 保険金殺人と黒人差別。接点を強いてあげるとしたら、白人達大勢が徒党を組んで(一人じゃ何も出来ないカス)善良な黒人一家に嫌がらせをしているが、隣家の白人一家でおぞましい殺人行為が繰り広げられているのを誰も知らない皮肉さ。溶け合わない水と油のような脚本でジョージ・クルーニーの意欲が空回りしている残念な作品。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-09-28 16:28:17) |
72. サン・フィアクル殺人事件
《ネタバレ》 ジャン・ギャバン演ずるメグレ警視。雑貨屋のおばさんとの会話の味わい深さは流石の名優ぶり。 興味津々で事件解決を待っていたのですが、胡散臭い二人が度が過ぎる感じでミスリード要員かなぁ、どうかなぁと思っていたところでの結末は台詞だけでの怒濤の展開で理解出来ず(泣)再見確認となりました。 [DVD(字幕)] 6点(2022-09-03 22:49:59) |
73. ザ・ファブル 殺さない殺し屋
堤真一の怪演は目を惹きましたが、恨みが主となったスケール感の小さな争いに盛り上がれず。カーアクション及び団地での攻防は邦画とは思えない派手さ(+2点)ではありますが、現実離れにも程があり盛り上がれず。う~ん残念。脇役のキャスティングが重要な作品に思えました。 [インターネット(邦画)] 6点(2022-06-25 19:56:28) |
74. 猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)
脚本が今一つ。人間が徹頭徹尾愚かな存在なのがいけません。シーザーの奮戦記はテンポが悪く、都合良過ぎて、眼力も慣れてしまったというかお腹いっぱい状態。3作通してのMIPはモーリス。体も器も大きい存在が沁み入りました。 [DVD(字幕)] 6点(2022-04-20 21:43:04) |
75. 最後の谷
30年戦争時の寒村を舞台にした物語。拷問を悪魔払いと称するのを始めとした宗教家の傲慢さ以外に印象に残るものは無く、端正な台詞回しではあるものの、毒気が薄いマイケル・ケインもいまひとつ。ナイジェル・ダヴェンポートがもう少し話に絡んでくれれば盛り上がったのに。全編通して歯痒さがある惜しい作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2022-03-14 16:04:06) |
76. ザ・スナイパー(2006)
《ネタバレ》 ブルース・ベレスフォードのサスペンス犯罪ものに興味惹かれての鑑賞でしたが、語られる父子の絆話はありきたりなもので、彼らしいほろ苦さが全く無い物足りなさ。暗殺者モーガン・フリーマンは資産家息子殺しとカフェでの警告シーン以外は父子の父親に見えた善人ぶりで、噛ませ犬な追手と思わせぶりな巨悪と併せて興醒め。期待通りだったダンテ・スピノッティの映像美のお陰で一気に見終えた残念度の高い凡作。 [DVD(字幕)] 6点(2021-08-26 01:36:09) |
77. 錆びた黄金
《ネタバレ》 アラスカで一山当てた金鉱成金ハリー・オークスをモデルとした作品。 キャスティングに賞を授けたくなる他で見たことないスターの顔合わせ。 MIPはルトガー・ハウアー。そのお姿にウットリでストーリーなんてどうでもいいか状態。 ジーン・ハックマンの惨状はいくら何でも盛り過ぎ演出と思ったのが実話というのが恐ろし過ぎる。 キチンと観なければと座り直したものの散漫なストーリーに集中できず終わってしまった。 この題材でこのキャスト。要リトライ、出直してきます。 [DVD(字幕)] 6点(2021-08-07 14:16:03) |
78. 三人の狙撃者
《ネタバレ》 カーニーが殺害されて「これは当たりかも」座り直したのですが、そこから会話劇がウダウダ続いてのお開きにポカーン状態です。鶏ガラみたいなシナトラの小者感漂うイキった姿は観るに堪える演技だったのですが。脚本に難ありの凡作です。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-04-15 01:37:18) |
79. サイレンサー/沈黙部隊
四十路になってもお美しいシド・チャリシーに5点。銃とボタンが物語に機能しているところに1点。脂ぎったディーン・マーチンがこれでもかっ!と見せるキスシーンに情緒など有るはずもなく、かといって目くじら立てることもなく。血圧一定のままで鑑賞終了となりました。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-04-11 13:09:40) |
80. サバイバー(2015)
ピアース・ブロスナン目当ての鑑賞。ストーリーを「考えず」に彼を「感じる」のであればまずまずの出来映え。ミラ・ジョヴォヴィッチとの対決は1回乃至2回でよかったかと。 [DVD(字幕)] 6点(2020-02-19 16:53:09) |