21. ショーシャンクの空に
様々なメッセージが込められている素晴らしい作品。人間、最後の最後まで諦めてはいけない・・・そういうことでしょうね。とにかく、翻訳者の上手さもあると思うが、語りも演技もモーガン・フリーマン演ずるレッドが良かった! ! とくに、40年めにして罪の重さを自覚した(罪人として悟った! ! )レッドには、変な話しジーンときた。レッドがアンディに会いに行くシーンで終って欲しかったのは、観客がその後を自由に想像出来るからです。まばゆいラストは答えのひとつと受け取りたいですね。 8点(2003-08-10 21:56:56) |
22. 新幹線大爆破
日本が誇るアクションパニック映画の最高傑作!! いかにも東映らしい荒々しい作風で、見応え満点の映画となっている。特撮は、旧国鉄に協力して貰えなかったらしいが、この年代にしては良く出来ていると思う。とくに指令本部の内部の様子など。さらに、正面衝突を避けるため、下り新幹線を反対車線に移す場面もなかなかの緊迫感。その他にも、手に汗握る場面も数多く用意されており、最後の最後まで観客をクギ付けにする。また、高倉健演じる爆弾犯の人間ドラマとしても秀逸で、彼を慕う2人の部下との絆を絡めながら、日本の下請け零細企業の悲しい現実をも漂わせていた。そのことが単なるパニック物に終らせておらず、哀切を極めたラストシークエンスと共に記憶に残る見事な作品となっている。 10点(2003-07-27 00:05:19)(良:2票) |
23. ジーパーズ・クリーパーズ
この映画、前半と後半では作風も方向性も違い過ぎており、90分という時間からすると、どちらか一本に徹するべきであったと思う。前半は緊張感溢れるサイコサスペンスだが、後半は様相がガラリと変わり、荒唐無稽なモンスタームービー。 ところで、製作総指揮が巨匠コッポラということで、ビデオを借りて見たわけですが、見事、一杯喰らわせられた低予算B級映画でした。 4点(2003-06-28 20:41:03) |
24. 仕立て屋の恋
冒頭、若い女性の死体のシーンからしてミステリアスな雰囲気を漂わし、カメラと音楽の使い方も抜群に上手く物語りの展開も申し分ない。つまり監督ルコントの、センスの良さと演出の妙をつくづく感じさせてくれる作品だった。 物語りは、サスペンスを絡めつつも“ゾッ”とするような男と女の一途な恋を描いており、最後にどんなドンデン返しが用意されているのか目が離せない雰囲気を持っている。そんな中、主人公イール氏の人物描写がいやらしい程上手く、見ての通り几帳面だがちょっぴり変態さん。その一方で、滑稽なまでの純愛の持ち主は孤独と哀愁をもしっかり漂わせていた。ルコント監督の代表作にして、切ないラブ・サスペンスの傑作です。 9点(2003-06-22 20:11:50)(良:1票) |
25. 死刑台のエレベーター(1958)
二つの殺人事件を絡ませるという発想がおもしろく、じわじわとアリバイが崩れてゆく過程が見ものでした。まさに、サスペンスの醍醐味を十分味わうことが出来た本作品。ところで、フロランス(ジャンヌ.モロー)が夜のパリの街を渡り歩くシーンがあるわけですが、その当時の活気ある様子がみごとに映し出されており大変気に入っています。 7点(2003-06-07 14:51:02) |
26. シンドラーのリスト
重く長い映画だが、素直に感動した。 ナチの党員であるシンドラー(リーアム・ニーソン)が、単なる儲けてやるぞの実業家から次第にユダヤ人救済へと傾いていく。しかも自分の資財までなげうち、自分の命まで危なくなるというのに。ラスト、シンドラーがシュテルンに支えられて泣き崩れる場面では、目頭が熱くなった。ただ、不満を言わせてもらうと、何でこういう男がこうも善人に変わっていくのかを、スピルバーグはうまく描き切れていない感じはした。ところで、故・淀川長治氏に言わせると、商魂(賞魂?)逞しく人の“まごころ”まで金儲けの道具にしてしまう映画商人スピルバーグ。 ・・・うーん、微妙。まあ、個人的には、作品としての出来映えまで否定したくありませんので、8点。 8点(2003-06-07 14:28:56) |
27. シンバッド七回目の航海
シンドバッドシリーズでは、もちろん怪物がお目当てで「何が出る」「早く出ろ」で子供心にワクワクドキドキしたものだ。ハリーハウゼンのカクカク動くモデル・アニメーションという手法は、昨今主流のCGとは違う意味での良さがある。この映画でのお気に入りは、鎖で繋がれた火を吐くドラゴンの登場シーンです。 8点(2003-06-07 14:28:27)(良:1票) |
28. シックス・センス
ホラー映画というよりも、超能力を絡めた哀しくも切ないドラマでしたね。オープニングからピ~ンときたクチなんですが、それでも十分に見応えはあったしジーンと余韻も残してくれました。ブルース・ウィリスも抑え気味の演技で意外と良い味出していたし、オスメント君は間違いなく“天才子役”でしょう。この様なジャンルものでも、この作品を機にドラマ性のある映画が作られることを、今後大いに期待したいですね。 8点(2003-05-31 13:10:40) |
29. ジャンヌ・ダルク(1999)
歴史スペクタクルとしては、なかなかの出来映え。本作はリュック・ベッソン流のジャンヌ・ダルク像で、救世主というよりも復讐者としての少女をドラマチックに描いている。大好きだった姉を英国兵に惨殺されるという過去を持ち、ジャンヌ(ミラ・ジョボヴィッチ)の心にあるのは愛国というよりも英国兵に対する“憎しみ”だけである。「神のおつげ」ですべてを正当化しようとするジャンヌだが、やがてそれは神への大罪であることに気付き心の葛藤と苦しみが始まる。ジャンヌの良心(D・ホフマン)との会話の中、彼女の心の奥底が明らかにされていく。そして史上有名なラストシーンへ…。やっぱり英語じゃなくて、フランス語でしゃべって欲しかったネ(-1)。 7点(2003-05-25 11:09:00)(良:1票) |
30. 自転車泥棒
この頃のイタリア映画はドキュメンタリータッチのネオレアリズモが主流で、敗戦後のつめ痕を描いた数多くの名作を残しました。この作品もそのひとつで「靴みがき」「ひまわり」と並ぶ、デ・シーカの代表作にして名作中の名作です。物語りはといえば、貧困に喘ぐ中、やっと職を手に入れたものの自転車泥棒に遭い職を失ってしまう父アントーニオ。今度はこともあろうに、自分が自転車“泥棒”になってしまう。真面目な一市民が、まさに“魔”が差した瞬間を描いている。捕まえられ、息子ブルーノの目の前で群集にこづき廻される父。駆け寄り、父にしがみついて泣きじゃくるブルーノ。余りにも悲しく、身に詰まされるシーンでした。ところでこの映画、まったく救いようのないラストなのであろうか? このささいな出来事で良い教訓にもなったし、父と子の絆は終生深まるように見てとれる。この苦境を乗り越え、目覚ましい戦後復興という歴史的事実の中、逞しく生き抜くであろう父と子の姿が想像されるわけなんだが。 10点(2003-05-17 11:23:20) |
31. 地獄の黙示録
戦争映画の傑作に成り損ねた巨匠の迷作なんだろうか。前半は戦時下に於ける近代兵器の凄まじい破壊力、殺傷能力を通し、アメリカ軍の“戦争の狂気”を描いている。しかも圧倒的な映像と音楽により、戦争の恐怖感、嫌悪感を観る者の脳裡にしっかりと焼き付けた。さて、問題の後半でしょう。一貫して流れるものは“戦争の狂気”には違いないが、さすがのコッポラも収拾が付かなくなったのか袋小路に入った感じがする。カーツ大佐(マーロン・ブランド)が現れるシーンなんかは悪夢そのもので、もうほとんどホラー映画。原住民が崇める神どころか鬼気迫る狂人にしか見えない。そもそもカーツ大佐が原住民に神と崇められ王国を築いている、という発想がシュール過ぎて日本人の私にはとうてい理解不能。アメリカと日本の文化の違い、とくに戦争観の違いを感じざるを得ません。序盤は戦争アクション、中盤はサイコサスペンス、そして終盤はホラー映画とでも言えばよいのだろうか。(ひとつの作品で3ジャンル楽しめるので、ある意味お徳では?) しかしコッポラは、映画史上に残るべく戦争映画の大作にして傑作を狙ったのには間違いない。 8点(2003-05-04 13:05:30) |
32. JAWS/ジョーズ
「激突!」と並ぶスピルバーグ監督の代表作にして、彼のサービス精神と才能が遺憾なく発揮されたパニック映画の傑作。前半はジョン・ウィリアムズの音楽が有名な人喰いザメのパニック物で、後半は海洋が舞台のロマン溢れる冒険活劇。ひとつの作品で2ジャンル楽しめるわけですから、そりゃあ最高です。(しかも全く違和感なく繋がっている) ところで後半、オルカ号で酒盛りをするシーンがあるわけですが、三人三様束の間の会話がはずむ中、クイント(ロバート・ショウ)のサメ談話が印象的でもうゾクゾクものでしたね。しかも一転して壮絶なクライマックスに繋がるという、この演出の卓抜さ! ! これは「プライベート・ライアン」でも言えることなんですが、ミラー大尉とライアン達のなごむ会話のシーンから一気に怒濤のクライマックスを迎えます。嵐の前の静けさとでも言えばよいのか、この静から動へと切り替わる一連のシーンの描き様がスピルバーグは本当に上手い。 9点(2003-04-26 23:36:18)(良:1票) |
33. シェーン
主題曲「遙かなる山の呼び声」が似合うワイオミングの大自然をバックに、西部開拓期の人々の苦労と人情を詩情豊かに描いた西部劇。人物描写、展開、背景など丁寧に描き込まれており、まさに良質の名画といったところでしょう。さらに孤独で多感な少年ジョーイの視点から見ると、胸躍るヒーロー物ともいえます。どこからともなく現われたアラン・ラッド演じるシェーン。やがて愛する人のために凄腕の殺し屋(ジャック・パランス)と決闘することになるが、あえて町に留まらず、馬上の人となりどこえともなく去って行きます。ところで、アラン・ラッドは本当に早撃ちだったらしいですね、神話になるくらい。しかしその後、役に恵まれず失意のどん底でこの世を去ることになるわけですが、そのことがこの作品をより一層切なくしていると思います。やはり、エンディングシーンは最高です。大自然を背景に、何回でも見たくなるこの感無量のシーン。主題曲と共に浮き彫りにされる素晴らしい名画に、文句なしの10点満点。 10点(2003-04-10 11:42:14) |
34. ジュラシック・パークIII
シリーズ3作目ともなると新鮮味が無くなるのは仕方ないが、脚本、演出等突っ込みどころが多過ぎやしないかナ。とくに T・レックスとスピノサウルスの格闘で、T・レックスの負けには唖然! ! T・レックスが最強でしょ~に! ! まぁしかし、プテラノドンの登場で少しは盛り上がり、恐竜さんたちもしっかり暴れてくれたことだし。 5点(2003-03-24 18:37:59) |