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ユーカラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 《ネタバレ》 
中盤の空港での大乱戦を何と形容したものかと思案していたら、他所のサイトで適切な表現を見つけた。曰く、「単なるバカ騒ぎ」。 フルメンバーに拘らずに不要な常連キャラクターは潔く削り、さらにクライマックスも舞台とキャラを限定したのはいいが、 結局は新規キャラとのプラスマイナス。 オールスターということらしいが、そもそもそれほど有難味を感じるキャストか、という話である。  いわゆるハリウッドスター映画のシステムとはいえ、ドラマパートは当然の如くアップショットの連発、アクションパートも毎度お馴染み エフェクト過多の小刻み編集。相変わらずである。  この一連のコミック映画、一昔以上前の日本アニメのような愛とか正義とか世界の平和とかの所謂「大きな物語」を語るのにうってつけらしい。 程よく紛争情勢や現在的な課題なんかを織り込んでシリアスを気取るが、やはり「単なるバカ騒ぎ」である。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-05-17 00:17:46)
22.  SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁<TVM> 《ネタバレ》 
だまし絵『化粧台の前の女性』や剥製など、小道具・調度品の余計な解説を本編前に持ってきたりするお節介が苛立たしい。 監督だか何だかが得意げに自賛するだけあって、内装美術などは確かに凝っているけれど。 夜霧をかけ、雪を降らせ、ホームズの事務所内ではカーテンによる遮光を活用してクラシカルな雰囲気を出しているが、 落ち着きがなく、視点も定まらず、何かといえば顔面アップに頼るカメラが台無しにしている。  作中、それぞれの女性たちがそのカット尻で、曰くありげな表情をほんの一瞬間、見せる。それらの些細な「間」が小さな引っ掛かりとなりながら ドラマは進んでいくと、いきなりの種明かしが待っているわけだが、これがただの説明なのでまるで面白味がない。 尺伸ばしのメイキングは全く不要。興味なければ即退出してマイルの足しにだけして下さい、という意味では良心的である。
[映画館(字幕なし「原語」)] 4点(2016-02-24 22:56:12)
23.  十字架 《ネタバレ》 
蜃気楼の浮かぶ田舎道を神妙な面持ちで歩む礼服の教師と学生達の列。そのどこか異様な風情の望遠ショットがまず印象深い。  いじめを受けている少年が登校するのを背後からカメラが縦移動で追う。通学路から学校玄関、廊下を通って教室へ。 その間、無視され、忌避され、罵られる彼に同化したカメラが我々に疎外感と痛みを直截に伝えてくる。  幾度も登場する、藤井家の仏壇の置かれた居間の空間。仏壇を前にした小出恵介と木村文乃の複雑な表情。 隣の卓袱台で精神的な危うさを見せる富田靖子と葉山奨之。 そして庭の見える窓際に座りこんでいる寡黙な永瀬正敏。その五人が一つのショット内に配置された縦構図と時間がただならぬ緊張をもたらしている。  時を経て小出と永瀬が佇むその窓際に突然降りだす夕立と稲妻に、わけもなく心を揺さぶられる。  10代から30代までを演じることを主演二人に課したことで、時間の経過とそれぞれのキャラクターの成長が鮮明となった。作り手の英断である。 時間のコントロールこそ、映画の要なのだから。それに応えた二人の芝居も素晴らしい。
[映画館(邦画)] 7点(2016-02-10 06:12:11)
24.  シーズンズ 2万年の地球旅行 《ネタバレ》 
追う動物と追われる動物、狙う動物と狙われる動物のショットが180度切返し編集で繋がれたりと、あからさまな劇映画である。 何台のカメラで撮っているのか知らないが、一連のチェイスシーンが極端な低位置での高速横移動や縦移動を織り交ぜながら マルチ・カムのごとく巧妙にモンタージュされていて見やすい事この上ない。 だが、そもそも野生動物同士の驚異的な知覚や鋭敏なアクション-リアクションを人間レベルのモンタージュに置き換えることには傲慢しか感じない。  ヒグマ同士の格闘や渡り鳥との並走など、ドキュメンタルな非モンタージュでこそ生き物の躍動を存分に伝えているだろう。  グローバルな戦争の世紀を経て、ヒトは再び自然との共存意識に目覚めました的な玉虫色の総括もやはり傲慢である。
[映画館(吹替)] 3点(2016-01-22 22:52:26)
25.  人生の約束 《ネタバレ》 
何やら薄暗い詰所らしき場所で江口洋介らが力み切った絶叫芝居を繰り広げる冒頭からして、駄作臭が漂う。 劇場予告でも散々聴かされた西田敏行の「失って、(中略)、、人生は。」とかいう手垢のついた人生談義も鼻持ちならない。  テレビサイズの表情芝居とダイアログ、そして案の定、クライマックスには西田の泣き顔で釣ろうという辺りがやはりさもしい。  竹野内豊と高橋ひかるが携帯電話で語り合う背景に、それぞれ東京タワーと夜景、灯台と海が対応し合うのだが、だから何?と思う。 彼女が聞かせる波音が全く効果を発揮しない。  ホテルの一室でキーボードを叩く竹野内と、江口らの漁のカットバック。感動を要請しているようにも見えるが、だから何?。 絆とか繋がりがテーマの割に、画面はまるで相乗していかない。  祭りの最中、頻繁に入るスロー処理。だから何?。 思わせぶりではあるのだが、映画の感情はうねらない。  途中思い出したように、木漏れ日が人物に落ちたり、緑の丘に風が渡ったりするのだが、ドラマが付いていかない。
[映画館(邦画)] 3点(2016-01-13 00:17:22)
26.  ジャンヌ・モローの思春期 《ネタバレ》 
月の満ち欠けのアバンタイトルに続いて、フランス国民祭の賑わいが窓外から響いてくる。窓辺に佇む少女。  隣りの部屋の窓から身を乗り出す少女と交わされる短い対話によって、戦争が間近であることがわかる。 果たして、通りの嬌声に交じって軍用機の爆音も部屋の中に入ってくる。  美しい田園風景の中を走るバスのロングショットにヒロインのモノローグが被さる。12歳の夏休みにフランス中央部にある父方の田舎に出かけること。 そしてそれが1939年の夏であること。  つまり、フランスが宣戦布告する直前の夏、戦争前夜である。  納屋の干し草に埋もれながら田舎の友達とはしゃぐ。祖母(シモーヌ・シニョレ)と添い寝する。年上の青年にほのかな恋情を抱く。 単に女優の回顧録としても、それらの他愛ないエピソードが夏の光と共にノスタルジーをかきたてるが、 そののどかな暮らしの中ににじり寄る大戦の影(それらはラジオ放送であったりと、さりげない。)が 情景のかけがえのない美しさをより印象付ける。  少女によって開け放たれたオープニングのドアと、祖母によって閉ざされるエンディングのドアが対照を為す。
[ビデオ(字幕)] 7点(2015-12-19 15:20:46)
27.  ジャン・ルノワールのトニ 《ネタバレ》 
『列車の到着』に始まり、列車の到着に終わる。 映画の中で語られた一つの事件も、これから幾度も繰り返されるであろう束の間の出来事の一つに過ぎない、と。 着いた駅から流れ出てくる外国人労働者たちの歩み。石切場の勾配、入り江、鉄橋、官能的な葡萄畑の風景、それら南仏の実景に 同時録音と思しき環境音が生々しく響き、そして労働者たちの歌が印象的に流れている。  中景、遠景を中心とした撮影で風土と人間の存在・動きをまるごと捉える。その引きのショットの距離感が絶妙である。 女が入水自殺を図ろうとボートを漕ぎ出す水辺のショット。逃走するトニが猟銃であっけなく射殺されるショット。  それらは対象を突き放すような、それだからこそ凄味と誠実を感じさせるカメラである。
[ビデオ(字幕)] 8点(2015-11-08 06:07:09)
28.  自由への闘い 《ネタバレ》 
屋根伝いの危険なスタントあり、操車場の高架から列車へ飛び乗るスタントあり。 アクションの演出も頑張っているし、空爆シーンは予算の都合らしく音響だけでの表現だが、 それでも十二分に空襲の恐怖感を伝えている。  ルノワールその人を思わせる相貌のチャールズ・ロートンの演説と身振りはヒトラーとは真逆で穏やかで淡々とし、 語る彼の姿よりも、それに聞き入る人々の表情に多くのショットを割いている。 その中で、彼を万感の想いで見つめるモーリン・オハラが一際美しい。  中でもルノワールらしいのが、映画の中盤、彼女とロートンがガラス戸を挟んで見つめるシーンだ。 屋内と屋外の空間処理の巧さもさることながら、彼女への想いをうまく伝えられない彼の気弱でシャイな姿が何ともいじらしい。  その彼が、ラストで彼を引っ立てようとするドイツ兵士の手を毅然と払い、胸を張って校舎を歩み出て行く。 映画前半の臆病を吹っ切った彼がみせる、さりげないが意思的で尊厳に満ちた身振りの数々が感動させる。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2015-11-02 00:00:32)
29.  ジョン・ウィック 《ネタバレ》 
結末部一歩手前を巻頭に持ってくるのも、キアヌ・リーヴスの顔半分に影を落として二面化する照明設計もノワールスタイルの証。 全般に照度を落とした心象情景の中、主として人工の光が彼の相貌を染める。 摩天楼の夜景空撮に稲光、白銀に輝く雨の反射にネオンサインと、光と影を意識してドラマに組み込んでいる。  雨の波止場で決着を付けた彼が画面手前に歩み来ると同時に、その顔面を次第にシルエット化させて死を仄めかす。 そこで冒頭のショットへと回帰するが、瀕死の彼を生に呼び戻すのは亡き妻の声と、彼女を映した携帯端末の光であると。  打撃系と関節系を組み合わせた連続技のアクションを出来うる限り持続的な引きのフィクスショットで撮る。 桟敷部分からの垂直落下を、多人数掛けの銃撃とそのリアクションをワンショットで収める。  そうした意欲的なアクション演出も随所に光る。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2015-10-17 22:17:06)
30.  屍者の帝国 《ネタバレ》 
独特の動きをした群衆が雑踏を形作る俯瞰ショットがいくつかある。ほんの数秒のカットだが、一人一人が進行方向も動作もまちまちだ。 3DCGだろうとはいえ、それに費やす手間暇は相当のものだろう。  メカニックの動きには独創的な楽しさがあり、キャラクターのデザインは統一感があってタッチは端正、そしてアクションシーンも頑張っている。 帆船内のソファに反射する外光や、浮上するノーチラス号の船体をてからせるハイライトなどの処理も細やかである。  夕陽で赤く染め上がった灯台のロングショットや、ロンドンの夜景など、時折ハッとするような背景も差し挟まれる。  そのように端正な画面は作られているが、エリアや建造物などの構造・空間がさっぱり活かせていない。  特に肝心なクライマックスは人物の位置関係も不明瞭、二手に分かれた仲間がそれぞれどの辺で何をやっているのか。 目で合図を受けて飛び出したヒロインはどういう動線で動いているのか。 作り手のほうはもちろん場面設定をしたつもりだろうが、観る側には判然としない。  場面転換の度に入る緩慢なフェードアウトも物語の流れを滞らせる。ドラマがいま一つうねっていかない。
[映画館(邦画)] 5点(2015-10-04 21:35:57)
31.  進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド 《ネタバレ》 
前編ダイジェストが終わり本編に入ると、何やら強制捜査らしきシーンなのだが、暗い屋内で照明は最悪。 おまけに不必要にカットを割りまくるので見るに耐えない。 その見苦しい照明と、バランスの悪いシネスコサイズのレイアウトは最後まで続く。 三浦側と長谷川側が対峙する中盤シーンの人物配置など、かなりいい加減だろう。  世界観の謎解きはかなりつまらなく、 映画の被写体にはまるで見えぬ相貌の主人公はひたすら意味不明な喚き声を上げ続けるばかり。  クライマックスは壁面が舞台だというのに、高低の恐怖感も巨人の巨大感もまるで演出できず。 勿論、飛翔シーンの爽快感など微塵もない。 兵器自体は様々に登場するものの、弓矢もロケットランチャーも遂にアクションとしての見せ場にはならない。 大団円が夜明けならば、そこへ向けて夜明け前の時間推移を描写して欲しい、というのも高望みのようだ。 かつての『ガメラ2』にはそれがあったのに。  主人公とは違う意味で喚き、弾ける石原さとみ以外、ほとんど褒める点がない。
[映画館(邦画)] 2点(2015-09-19 22:19:23)
32.  ジュラシック・ワールド 《ネタバレ》 
言語的で非運動的で簡便性が特徴である携帯電話はやはり映画的な小道具ではない。サスペンスを基調とする映画なら尚更で、 この映画の作り手もそこを理解していて、早々に子どもたちの携帯電話を無効にしてしまうなど、気が利いている。 孤立状態も割とあっさりなのだが。  枝葉や車輌など対象物の合間から、メインの恐竜を部分的に小出しに見せていく手管。昼間の擬態や、夜の闇の中で赤いレーザーサイトの交錯の中に シルエットを浮かび上がらせるといった、立体性を意識したモンスターの見せ方の工夫が楽しい。同じくモブシーンの混乱ぶりとスケールも気合が入っている。 もっと、人間視点の仰角構図で恐竜の迫力を見せて欲しかったが。  ヒロインについては、見せ方次第でもっと魅力を出せたはずなのが勿体無い。 滝の上で身支度して一念発起するシーンは、スカートの裾をたくし上げるとかの衣替えでもっと大胆にギャップを提示して欲しい。 後半、銃を打ぶっ放しタンクトップ姿で疾走する彼女はとてもいいが、逆光のショットなどで不美人に見えてしまうのは撮影側の問題である。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2015-09-11 00:18:07)
33.  進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 《ネタバレ》 
一般常識的にやってはいけないこと、するべきではないこと。 それは映画内でこそどんどんやればいい。現実の場ではないのだから。 軍律的におかしな行動だろうが何だろうが、それが出来るのが映画の特権だ。 そもそもこれは荒唐無稽な『怪獣映画』の一種ではないか。  騒いで、性交して、規律違反して、トラブルを積極的に呼び込み、周囲をそれに 巻き込んでこそ戦争アクション映画のキャラクターの王道だ。 話題の前田某らは数々の戦争映画主人公のアナーキーな迷惑キャラぶりも知らぬのかと。 最前線での性愛シーンなどだって、普通にいくらでもあるだろう。  『英霊』、『内地』などの単語に大して意味は持たせていないようが、 そもそもこの未熟な軍隊の有様は図らずも現在日本の世代批評と見れなくもない。  ここで三浦春馬がみせる直情径行、情緒不安定、喧嘩早さなど映画史の中では実に可愛いものだが、 そのような性向の描写と彼に降りかかる理不尽とがあって、 クライマックスの呪詛と化身が一応はカタルシスとなるわけである。  と、誰でも批判出来る評判の悪い脚本をとりあえず擁護はしてみるが、 世評のよろしい空中飛行のショットはまるで不出来である。  夜明け前の設定によって照明は薄暗く、重量と飛翔の感覚も活きていない。 人間と巨人の、見上げる-見下ろすの視線処理も不全である分、恐怖感を削ぐ。
[映画館(邦画)] 4点(2015-08-22 01:40:08)
34.  シンデレラ(2015) 《ネタバレ》 
皇子とシンデレラの出会いのシーンは、馬上の二人が緩やかに円を描きながら 言葉を交わし合うショットを切り返しつつ綴られる。  この旋回運動は舞踏会でダンスを踊る二人のシーンに引き継がれることでより 運命性を印象づけるだけでなく、その運動のリズムへのシンクロぶりによって 交際期間をほとんど経ておらずとも二人が相思相愛となることを 視覚的な説得力をもって描出してしまう。  それならば、ラストで皇子が聞きつけるオフ空間からのシンデレラの歌声も 前段で何らかの形で布石を打っておいて欲しいと思う。 例えば、それこそ二人の出会いのシーンで。 そして歌声の記憶が二人を再会させる。  そのくらいの演出は欲しい。 あれでは、ただ単に女性がもう一人いる事を示唆するだけの唄でしかない。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2015-05-09 21:46:53)
35.  ジョーカー・ゲーム(2015) 《ネタバレ》 
『陸軍中野学校』そのままの適性テストも登場するものの、作品のテイストは大違い。 市川雷蔵の小市民への変装ぶり、ストイシズム、知略的行動といった いかにもな諜報員らしさはこちらの主役には微塵もない。 容貌からしてスパイ丸出しである。  そこは冒頭の荒唐無稽な銃殺シーンからして開き直っているからいい。 嘘のレベルをあらかじめ提示した上で、後はひたすらアクションで押していくので、 あとは『プロジェクトA』的追っかけや 『カリオストロの城』的時計塔アクションや深田恭子の着せ替えを 楽しんで下さいという趣向だ。  時計塔はもっと高度のサスペンスを出して欲しかったが。  
[映画館(邦画)] 5点(2015-03-30 15:34:00)
36.  シン・シティ 復讐の女神 《ネタバレ》 
終始、悶々としているばかりのジェシカ・アルバ。  その煩悶をタメてタメて、クライマックスに遂に決起するという 感情の高まり、復讐の劇としての任侠映画的カタルシスが欠けている。  延々とメリハリなく愁嘆にくれ続けた挙句、 単にドラマが終盤にきたから行動した、というだけにすぎない。  ワイヤー感まる出しのアクションも非大胆、非アクロバティックだ。   
[映画館(字幕なし「原語」)] 3点(2015-03-24 14:21:17)
37.  ジャージー・ボーイズ 《ネタバレ》 
トランクに無理矢理金庫を押し込んで前輪の浮き上がった車が夜の街を 迷走する。 金の重みに後輪をとられてうまく舵をとれない車は、その後のドラマの暗示でも あろうか。それでも必死にハンドルを駆るジョン・ロイド・ヤングは 上方の光に向かう姿勢で前へと進んでいく。  それはそのままラストの街路で光を見上げる彼らの擬似ストップモーションと 釣り合う形ともなる。  60年代へのオマージュか、厳格なロケーション主義かと思われた監督がさらりと スクリーンプロセスを使う趣向があったり、長身のエリック・バーゲンが カウンター席で斜め後方を振り返るといった特権的な仕草を見せたりと あちらこちらがさりげなく面白い。  「SHERRY」をはじめとする楽曲とそれに合わせた4人の振り付けにももちろん心踊るが、 やはり既成曲の力に寄りかかりすぎの気がしないでもない。 クライマックスも少々くどくはないだろうか。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2014-10-03 15:58:21)
38.  周遊する蒸気船
アン・シャーリーを連れ戻しに来た男たちを、「甥の嫁は渡さん。」と撃退し、 粗末な身なりの彼女に妹の形見のドレスをプレゼントするウィル・ロジャース。  口の悪い彼に反発していた彼女も、その一件を境にいっぺんに彼を大好きに なってしまう。  彼の右頬にキスし、もらったドレスを大事そうに抱きかかえる彼女の仕草の 何と可憐なことか。  その心変わりを大いに納得させる彼女の素直な瞳が美しい。  絞首刑判決となり護送されるジョン・マクガイアとの別れの際、 駅の丸柱に寄り掛かって悲しむ 彼女の左手の薬指にはめられた指輪をさりげなく映し出すカメラは、 その表情以上に彼女の心情を語る。  偉人の蝋人形を窯にくべていく、といったアナーキーな賑やかさの一方で ヒロインの心情を繊細に演出する細部の気遣いが尚のこと光る。  文句のない傑作だが、ダン・フォードの『ジョン・フォード伝』によると、 就任間もないダリル・ザナックが、すでに完成していた本作の「編集にハサミ を入れてテンポを速め、野放図な所作が見受けられるギャグシーンのあれこれ を切り捨てた」らしい。  確かに映画は展開が早く、グリフィス的救出と大団円後の 後日談などはわずかに2ショットだ。 現在の主流シネコン映画とは真逆の潔く鮮やかな〆具合の現行版も悪くないが、 本来のいわゆる「ディレクターズ・カット版」はどんなものだったのか。 興味はつきない。  「脇道にそれたり、道草を食って筋に関係ない何かに焦点を合せたり、そんな 類のことを軽くやるのが好きだった」(ナナリー・ジョンソン) それがJ・フォード作品の魅力なのだから。   
[DVD(字幕)] 10点(2014-09-06 16:00:16)
39.  白ゆき姫殺人事件
画面が物語の単なる絵解きなら、そこに溢れるTwitterのキャプションも単なる文字説明。しかもご丁寧なことに音読つきだ。 肉声の伴わない無機質な活字の匿名性と威力にこそ、ネットの恐ろしさがあるのでは ないのか。 文字情報を羅列し、それをそのまま「読み聞かせ」て良しとする。 それを延々と繰り返すのだから芸がない。観客は赤ん坊か。  そして安直な絵解き画面はラストで極まる。  画面左手に向かって灯をかざす貫地谷しほりのショットに続くのは 同じく画面左手に向かって視線を送る井上真央。  灯を交わし合う彼女らの切り返しはイマジナリーラインすら無視され、 その位置関係を意味上は把握出来ても、 二人は映画感覚としてまるで繋がり合っていない。  折角、言葉によらない交流のシーンを段取りながら、 最も肝心なところでこの繋ぎはないだろう。     
[映画館(邦画)] 4点(2014-05-02 00:09:42)
40.  条理ある疑いの彼方に 《ネタバレ》 
法廷内に据えられたテレビカメラが、審理の模様を中継している。 米国ならではの光景だ。 被告席に座るダナ・アンドリュースは彼に向けられたカメラを正面からじっと見据える。 彼を追い詰めていくのは、自らが捏造した状況証拠だけでなく、 マスメディアのレンズでもある。 『暗黒街の弾痕』のラストで、ヘンリー・フォンダを捉えるライフルの照準器のように。  映画のラスト、奥のドアへと退出する彼に、カメラのフラッシュが追い討ちをかける。 彼に浴びせられる、その唐突な白光が容赦無い。  予断を煽る新聞のセンセーショナルな大見出しや 儚く灰となる、証拠写真のネガ。  そこにメディアの危うさもまた浮かび上がってくる。 
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2014-01-25 23:58:34)
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