61. 十二人の怒れる男(1957)
ラストシ-ン以外はすべて密室劇。12人の性格描写も、陪審員の話が進む中で序々に明らかになっていく。狭い部屋、暑苦しい空気、息詰まるような「絶対有罪」からの逆転劇。我々観客もただ息を詰めて見つめるしかない。名前も知らず、ナンバーでしかないそれぞれの真実が暴かれたりする。ようやく解放されそれぞれが家路につく。外の空気はうってかわってすがすがしい。その時を一緒に過ごしたごとくの感がある。人が人を裁くことの難しさを重く問いかけてくる。 9点(2003-10-30 14:24:53)(良:1票) |
62. シッピング・ニュース
お話自体はそんなに感動的っていうこともないけど、この映画一番の見所はケイト・ブランシェット。悪妻役だけど凄いキョーレツなインパクト、うまいです。スペイシーもジュリアンも完全にくわれてる。これだけでも見た甲斐があった。 5点(2003-10-29 20:50:45) |
63. 至福のとき
イーモウ監督の少女3部作って期待して見たのに、前2作に比べてかなり見劣りする。田舎から都会に舞台を移し、可哀想なシンデレラ状態の盲目の少女と、下心もあって彼女に親切にするモテないおじさんとその友人達。話自体がすでに涙うけねらいが見えてあざとい。山田監督の下町人情物語みたいで寅さんの中国版のような感じ。ガリガリに減量させた少女の下着姿を何度も出さなくても・・と思うし、彼女の好演はいいのに監督にはがっかり。 5点(2003-10-29 20:50:26) |
64. 幸福の条件(1993)
札束で人の心を買うなんて発想自体が下品でエゲツナイ。しかも札束に心が動く夫婦。特に夫!なんだっ、情けない!しかもこれがテラテラのひひじじいだったら成り立たないんだけど、ハンサムでかっこいいレッドフォードを持ってきたりして・・・(こんなのに使わんといて!)見るだに腹立たしいような中身のうすーい映画。 3点(2003-10-24 22:22:24)(笑:2票) |
65. シコふんじゃった。
久々に日本映画が元気になった1本。何度見てもおかしくてホロリとする。マイナーな相撲でこういう見せ方をするなんて発想がすごい。個性的な役者たちもみないいし、モックンが相撲に目覚めるにつれ、逞しく成長していくのも見てて気持ちがいい。周防監督しばらく便りなし、何時かいつかと次回作を待っているんですけど・・ 8点(2003-10-22 23:50:04) |
66. シティ・オブ・エンジェル
なに、この泣いてくださいって言わんばかりのストーリー。しらけて泣くどころじゃない。もう見え見えなんだから!大宣伝で誘われて、時間もお金も損した。もう駄作を見る余裕はないから、いつも厳選してるつもりなのに失敗した数少ない作品なんです~ 2点(2003-10-15 17:29:21)(笑:1票) |
67. 市民ケーン
映画大好きですがマニアックな見方が出来るわけでもないので、私はどこがいいのか理解できない。日本でも特にアメリカではすごく評価が高い。それで気が引けるのですが↓の方の言うように、受け止め方は個人の自由ですからね。私は実在のモデルであるハーストのほうに興味がある。映画ではさほどに描かれていないが、すごくあざとい人物だったという。ありのままはさすがに描けなかったようだが、若者が絶大な権力を持つハーストに負けず、この映画を撮ったこと自体がすごい勇気と気骨がいることで、それだけでも賞賛に値すると思う。 6点(2003-10-13 19:03:23) |
68. 幸福の黄色いハンカチ
健さんと倍賞千恵子、桃井と武田鉄矢の二組のカップルをシリアスにユーモラスに平行して描いていくロードムービー。大人カップルの重さを若いカップルで軽いタッチにしてそれぞれの愛の形を見せる。新人だった武田はそのギャグセンスのうまさで注目されることになった。ノーテンキで軽かった武田キャラがラストで愛の大切さに気づき、桃井とほんとの恋ができるのも大人の愛の深さを知ったから・・甘いという人もいるでしょうが、日本映画としては良心的でいい出来だと思う。 9点(2003-10-13 18:29:07)(良:1票) |
69. 白雪姫
何十年の時がたっても古さを感じさせない。むしろ最近のディズニーより私は好き。なめらかな動きが見ていて気持ちがいい。キャラクターもかわいらしい。ディズニーアニメの原点に敬意をこめて! 10点(2003-08-28 22:54:18) |
70. ジュリア
これまた昔見たきりですが、ヒューマンな女性二人の友情を描いて感動的でした。監督のジンネマン、主演のV・レッドグレープ、J・フォンダなど人道的信念を持った人たちの、「伝えたい」という熱意が熱く感じられます。M・ストリープも出てたんですね。あのころならまだ端役でしょうか。 8点(2003-08-12 21:55:08) |
71. 自転車泥棒
いい作品ではあるが、ただただやるせなく悲しい気分が尾を引く映画。敗戦国・イタリアの戦後貧しく誰もが生きるのに必死だった日常が、同様の状態だった日本に重なって見え、そのどん底貧乏ぶりがリアルで悲しい。自転車を盗んだ犯人もまた生活困窮者で、苦しい者同士で生存競争を繰り広げているのがなお悲しい。子供に免じて見逃してもらえたものの、あの終わり方ではあれからどう生きていくのだろうと考えてしまった。 8点(2003-06-22 17:13:10) |
72. 真実の瞬間(1991)
レッドパージ当時の映画関係者の苦悩を伝える映画。これにまともに焦点を当てたというだけでも意味がある。しかし作品からはそのメッセージがやや弱い気がして、ちょっと物足りない感じがする。赤狩りの中心人物は確かFBIのフーバー長官。かのケネディ暗殺事件でも名前が取りざたされたというきな臭い人物ではなかったか・・映画界にとってこの時は本当に有能な人物達が失われた、悔やみきれないほど残念な時代だった。 7点(2003-06-05 22:18:25) |
73. ジャッカルの日
暗殺者の正体が明かされぬまま、プロそのものの非情さと計画性をもってコトを進めていく。大統領を護衛する警部達との緊迫した話の展開に、最後までドキドキハラハラする。それと対比して全てが終わった後の静かな雰囲気が印象的でもある。F・ジンネマン監督は良心的でリベラルな作風が多く一貫して筋通った人という印象である。いい加減な仕事をしないという安心感がある、私の大好きな監督の一人です。 8点(2003-06-05 20:49:45) |
74. JAWS/ジョーズ
子供が見たら悪夢でオネショしそう・・大人が見ると時に作り物っぽい鮫(目がぎょろり)がご愛敬。でもあのサメのテーマ「ジャジャジャン、ジャジャジャン・・」を聞くと条件反射で恐い。恐怖を盛り上げるその手腕はさすがスピルバーグ。私には「激突!」に次ぐ恐怖シリーズの傑作です。 9点(2003-05-13 22:11:22) |
75. 十五才 学校Ⅳ
山田洋次監督の「学校」シリーズの中ではではかなり好き。狭義の「学校」ではなく、広い社会という学校の中で、色々な人たちに逢って成長していく15才の少年の成長が描かれている。いろんなエピソードがあるが、丹波哲郎とのシーンが印象深い。屋久島の自然が旅の目的というのもいい。大自然の前では人は無力で、ただ癒されるのみ。 8点(2003-05-13 20:34:18) |
76. ジャック
ほんとにこういうふうに人生を早回しするみたいに年を取る、早老症という病気の人のドキュメンタリーを見たことがある。子供なのに年寄りのような顔で痛々しくて、とてもここのロビンのような丈夫そうな状態ではない。心と体のアンバランスな苦悩を言いたいのだろうが、実際の病気を知ると、こんなもんじゃない、と共感できなかった。こういう人たちがいる、ということを知らしめることは出来ただろうけど誤解を招きかねない。 5点(2003-05-13 13:07:51) |
77. ジャイアンツ
いろんな意味で大作です。(長いお話、時間も長い)E・テーラーの美しいこと!ずっとあこがれるJ・ディーンの気持ちもよく分かる。貧しい下働きの青年がようやく手に入れた土地で石油を掘り当て、真っ黒の石油まるけになりながら驚喜する。このあたりまでの展開の人間模様はとても興味深い。その後大金持ちになったのに幸せにはなれないディーンの苦悩があって、あとの記憶が・・薄い。 8点(2003-05-13 12:22:29) |
78. ジュラシック・パークIII
恐竜はいっぱい出てきてしかも一番凶暴になってる。バーッサ、バッサ飛ぶ翼竜?なんて迫力があった。で~もお話がねぇ~、あんな恐竜だらけのジャングルで少年が一人、生き延びてる、なんてご都合主義すぎて嘘っぽい。この点数は恐竜さん達の大活躍に進呈します。 7点(2003-05-12 22:18:08) |
79. ジュラシック・パーク
あの恐竜の迫力、CGの助けなしには作れなかったでしょうね。まるで恐竜時代を目の当たりにするようなリアルさでした。はらはら、ドキドキのシーンの連続で映画の中に体ごと引きずり込まれました。ホント素晴らしい映像技術でしたねぇ。子供も大人も楽しませてくれるスピルバーグ監督、大好きです。 9点(2003-05-12 21:59:01) |
80. シカゴ(2002)
ロブ・マーシャル振り付けのキャバレーをホーフツとさせる。キャサリンはプロだからさすが、迫力満点。レニーちゃんは歌、ダンス素人なのを考慮すればとっても努力賞。ギアも意外に良かった。お話は嘘っぽいけど、そんなこたぁどーでもいい。素直に上出来のミュージカルを楽しみましょ。レニーちゃんはこの他の作品でもとってもキュートでうまい女優さん。裁判場面で嘘妊婦のふりして、バッタリ倒れて「うまいでしょ」うまい、うまい。ギアに操られる人形のシーンもうなっちゃいました。近い将来あなたが間違いなくアカデミーの主役です。アカデミーは作品賞とキャサリンだったけど、この作品に関わったみーんながもらったと思えば納得です。 10点(2003-05-02 17:45:49)(良:1票) |