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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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61.  新・刑事コロンボ/迷子の兵隊<TVM> 《ネタバレ》 
今回の犯人のアリバイ工作はつっこみどころ満載の穴だらけでコロンボとの対決に見ごたえがなく、本棚から出てきた兵隊の人形が証拠になるんだろうなあと思っていたらまさにその通りで、加えて犯人も魅力がないので、作品自体に面白みを見出すことができない。今回の犯人の殺害方法は闇討ちでナイフによる刺殺というシンプルなもので、アメリカらしく射殺が多いこのシリーズでは逆に新鮮に感じる。(これが「汚れた超能力」のような殺し方になるとやりすぎになってしまう。)冒頭とラストに犯人が使っている南北戦争の戦場を模した模型がやけに印象に残るように映し出されているのが、どこかのおもちゃ会社とのタイアップのように見えてしまった。吹き替え版で将軍の声を担当しているのは「権力の墓穴」で次長の吹き替えを担当していた北村和夫であるが、前回に比べると今回の方が役柄に合っており、違和感はあまりなかった。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2013-04-14 13:50:18)
62.  新・刑事コロンボ/幻の娼婦<TVM> 《ネタバレ》 
恋人の浮気現場を目撃したうえにその恋人の口から自分への屈辱的な言葉を耳にしたセックスカウンセラーの女性が別人に変装し、その恋人を射殺するというシチュエーションはなかなか面白いし、この犯人の動機もよく理解できる。話としても犯人の心理がよく描かれていて、最後、変装している間は本当に別な自分になれた気がしたという意味の言葉をコロンボにいうシーンは思わず感情移入させられた。しかし、個人的には変装後の犯人が化粧の濃いおばさんにしか見えず、さほど魅力的とも思えなかったのは残念。せめてもう少し演じる女優の年齢が若ければ、最後の犯人のセリフも説得力が増したのにと思うとなんか惜しい気がする。でも、本作は今まで見た新シリーズ3本の中ではよく出来ていると思う。コロンボがテューバを演奏し、それに合わせて噴水がダンスをするように動くシーンは、本筋とは直接関係のないシーンだが、微笑ましくて印象に残った。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2013-04-07 15:27:57)
63.  新・刑事コロンボ/狂ったシナリオ<TVM> 《ネタバレ》 
今回、コロンボは登場直後から犯人である若手映画監督にしつこくつきまとい、しかもそこから大半がコロンボと犯人のやりとりで占められていて、コロンボのしつこさにはっきり言って見ているこちらのほうも犯人と同じようにウンザリしてくる。また、大したドラマがあるわけでもないのであまり面白くない。ラストの解決シーンも見ていて痛快に思いながらもやたらと芝居がかっていて少しやりすぎの感が強かった。ただ、映画スタジオが舞台になっているのは面白かったので甘めかもしれないがそこに1点プラス。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2013-04-06 02:04:11)
64.  新・刑事コロンボ/汚れた超能力<TVM> 《ネタバレ》 
「策謀の結末」から11年ぶりに作られた新シリーズ第1話(通算第46話)ということもあってか、始まってから事件が起きるまでが長く、コロンボ登場をかなり焦らしている。その分、今回のコロンボ登場シーンはかっこよく演出されていて印象に残るものとなっている。しかし内容としては殺人の方法がギロチンで首をはねるというものだったり、解決方法もコロンボがわざわざギロチンに頭を乗せて犯人をだますという命がけの手段で、少々やりすぎ感があり、旧シリーズとは違うものを目指したいのは分かるが、これはちょっとなあ。それでも全体的にはけっこう楽しめたし、娯楽作品としてはそう悪くはないように思う。インチキ超能力者である犯人の吹き替えは野沢那智であるが、これがハマっていて、いかにも胡散臭い雰囲気が漂っている。(原語だとまた違った雰囲気なのかもしれないが。)コロンボの声は新シリーズの今回から石田太郎が担当しているが、この間まで小池朝雄のコロンボを見ていたためか石田太郎のコロンボに最初は若干の違和感を感じたものの、すぐに馴染むことができた。(「金曜ロードショー」でこのシリーズを放送していた頃にもっと見ておけばよかったかも。)それにしてもBSPでの放送は順不同ではあるが、せめて旧シリーズを全部放送してしまってから新シリーズを放送したほうがよかったのではないか。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2013-03-24 14:11:26)
65.  地獄花(1957)
室生犀星の原作を映画化した伊藤大輔監督の時代劇。「地獄花」というタイトルと京マチ子がヒロインを演じていることから、大映が外国の映画祭での賞どりを狙って企画した映画だと勘ぐってしまう。確かに撮影や美術などは大映らしい素晴らしさであるが、物語的にさほど見るものはなく、イマイチ面白くなかった。京マチ子は勝気なヒロインを熱演していて、その濃い顔立ちもあってか、とても演技にインパクトが感じられるが、表情が怖く、少しひいてしまう部分もある。相手役の鶴田浩二はいいのだが、個人的にはこの頃よりももっとあとのほうが好みかな。山村聡は京マチ子に言い寄る男の役で、普段誠実で真面目な印象があるだけに違和感があり、がんばってはいたが、若干ミスキャストに感じる。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-02-06 12:52:13)
66.  十三人の刺客(2010) 《ネタバレ》 
東映集団抗争時代劇のハシリとなった工藤栄一監督の「十三人の刺客」の三池崇史監督によるリメイク版。先週再見したオリジナルと比べると格段に娯楽性が増していて、グロい描写も加わっているが、うまく現代風にアレンジされていて面白く、成功作と呼べるものになっている。オリジナルであまり存在意義のなかった十三人目の刺客の設定を山男に変え、山で道に迷った島田(役所広司)たちを案内するかたちで登場させ、その後に仲間に加わるという展開にしたことで存在意義を持たせたり、暗殺の標的にされる松平(稲垣吾郎)の残虐性を強調する演出(生首を蹴り上げるなど。)を施すなど、オリジナルと違う部分も効果をあげている。ただ、オリジナルにはあった重厚さがなく、とくにクライマックスの乱闘シーンが派手になった分だけやたら軽々しく見えたのは残念だった。(オリジナルが30分に対して50分というのもいくらなんでも長すぎる。)オリジナルでは島田は半兵衛にわざと斬られることで己と半兵衛の武士道を通しているが、本作では普通に決闘をして倒しているのも少し違和感を感じた。その後の松平との対決で稲垣の見せ場を作りたかったのかもしれないが、ここはオリジナルのほうが良かった。オリジナルで工藤監督の演出意図を理解しながらも戸惑った平山九十郎が無様な死に様を見せるシーンはなかったが、そのかわりに本作では首を刺された山男が最後に何事もなかったかのように登場するというシーンがあり、ここは三池監督の演出意図がよく理解できず、幽霊とか深読みはしてみたものの、はっきり言ってこのシーンはいらないとしか思えない。出演者としてはやはり松平役の稲垣。菅貫太郎がハマリ役だったので心配だったが、なかなか印象に残る演技を見せていて、とても良かった。(稲垣は「踊る大捜査線」でも犯人役を演じているが、ジャニーズ事務所の看板タレントがこういった非道な悪役を演じるのは珍しいのではないかと思う。)オリジナルに出演していそうで出演していなかった松方弘樹の殺陣もよく、流石は近衛十四郎の息子である。オリジナルで気になった部分が直された一方で、新たに気になる部分や不満な部分も出てきたリメイクで、いろいろと書いたが、純粋な娯楽時代劇としてはじゅうぶんに楽しめたので少し甘めかもしれないが7点。でもどちらかといえばやっぱりオリジナルのほうが好きだな。こっちの方が見ていて爽快だけど。
[DVD(邦画)] 7点(2013-01-03 16:44:23)(良:2票)
67.  四月物語
大学進学のため、北海道から東京に出てきて初めて一人暮らしを始めた女性の日常を描いた岩井俊二監督の映画。取り立てて何か起こるわけでもなく、淡々としているが、爽やかな青春映画となっていて、思ったよりは面白かった。光の使い方が印象に残り、映像的にも美しく、岩井監督の映画はまだ何本も見たというわけではないが、初めて見た岩井作品である「Jam Films」の「ARITA」も、光の使い方がうまかったような印象があるので、これが岩井監督の個性なのだろう。初主演となる松たか子も初々しく、見知らぬ土地で初めて一人で生活する期待と不安をよく表していて良かったと思う。ひょっとしたら主人公を初主演の女優に演じさせることで、役柄と演じる側の状況をある程度ダブらせてリアリティーを出そうという岩井監督の演出意図があるのかもしれない。冒頭の松本幸四郎一家総出演はこの映画で初めての主演を飾る松たか子にエールを送っているようにも見える。(ここの主観ショットはけっこううまい。)上映時間も短くサクッと見られるし、後味もいいのだが、名画座で「生きていた信長」を見るシーンだけは、いちいち劇中劇として挿入しなくても、劇場で映画を見ているというシーンだけでじゅうぶんだったような気がする。
[DVD(邦画)] 6点(2012-09-06 16:09:43)
68.  上海バンスキング(1984) 《ネタバレ》 
深作欣二監督が「蒲田行進曲」に続いて舞台劇を映画化した作品で、主演も「蒲田行進曲」の三人を起用して第二の「蒲田行進曲」を目指しているのは明らかだが、明るく始まった序盤と打って変わって中盤で戦争が始まって以降は雰囲気が暗く重くなり、そのまま最後までいってしまった感じ。ラストも暗い雰囲気をムリヤリ明るくして終わったような感じで後味は悪いし。おそらく原作の舞台(未見)は戦争よりも上海でジャズを演奏するプレイヤーたちの生きざまにあると思うのだが、深作監督の演出ゆえか、日本兵による中国人の虐殺シーンや派手な戦闘シーンにばかり力が入り、普通に戦争映画を見ているような感覚だし、肝心のステージシーンもしょぼい。それともう一つ「蒲田行進曲」であれだけの見せ場を熱演した平田満の出番が少なく、どうせ「蒲田行進曲」の三人を主演にうたうならせめて宇崎竜童の役を平田満にやらせるべきだったのではと思う。
[DVD(邦画)] 4点(2012-07-26 13:47:08)
69.  新・座頭市物語 《ネタバレ》 
「座頭市」シリーズ3作目で初のカラー作品。初期作品とあってかまだそんなに派手な殺陣シーンはないが、その分、市の内面の描写がしっかりとしている。市がヒロインに求婚されて本気で堅気になろうと決意する展開はどこか「男はつらいよ」シリーズの寅さんのようではあるが、このシリーズではちょっと珍しいし、市を兄の敵と狙う男がそれを知ってわざと賭博で負けるのもべたではあるが、ちょっとウルッとくるものがある。剣の師匠(河津清三郎)を倒した市がその妹であるヒロインに「やっぱりこんな男です。」と言い残して去っていくラストシーンも切なかった。ただ、この剣の師匠の人物描写が浅く、ラストの対決もここがもっとしっかりとしていればもっと違う印象になっていたと思うし、ドラマとしても深みがあるものになっていたのではないかと思うと少々残念な気がする。とはいえ、久しぶりに見る座頭市(そういえば大映の時代劇もかなり久しぶりに見た気がする。)で、全体的にはなかなか楽しめた。
[DVD(邦画)] 7点(2011-09-02 01:40:58)
70.  淑女は何を忘れたか 《ネタバレ》 
冒頭の女三人の井戸端会議のシーンからとにかく会話のテンポがよく、最後まで全く飽きることなく楽しめた。小津安二郎監督の喜劇といえば「お早よう」だが、この映画でも斎藤達雄と桑野通子のやりとりの面白さや、ドアを使ったギャグ、飯田蝶子(始まってすぐの車からおりて来た派手派手しいかっこうにびっくり。)と吉川満子の「バカ」、「カバ」というやりとりなど思わず笑ってしまうような軽妙な描写で本当に喜劇の演出がうまい監督なんだと思わずにはいられない。それに「お早よう」でも子供をイキイキと描いていたが、この映画でも地球儀を使って地理を教えていた岡田(佐野周二)を尻目に遊びに来た友達と地球儀で遊びはじめる子供の描き方がすごくイキイキとしていて楽しい。(このシーンのとんがらがっちゃ駄目よという鼻歌もいい。)ワンカット本人役で登場する上原謙の使い方も笑える。どの人物も魅力的に描かれているが、大阪からやってきた小宮夫妻の姪 節子を演じる桑野通子が可愛らしくて印象的。桑野みゆきの母親で、もちろん出演作を見るのは初めてなのだが、あらためて戦前の女優の美しさというものを感じた。もちろん節子のキャラクターもいい。後半は妻の尻に敷かれている小宮が妻にゴルフに行くとウソを言って出かけたのが妻にバレてしまいという展開で、なんだか現代の夫婦とあまり変わらないと思えてしまう。というか戦前の日本にもこんな夫婦いたんだなあ。ラストシーンはエロスを感じさせる演出になっているが、それをあまりいやらしくならずに上品に描いているのが見事。小津監督というのはどうしても和風な作風のイメージが強いけど、この映画はハイカラな雰囲気で、小津監督がアメリカ映画から受けた影響は本当に大きいんだなとこれ一本見ただけで感じることができる。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-07-28 17:55:13)
71.  修羅の群れ(1984)
山下耕作監督が手がけた松方弘樹主演のヤクザ映画。ヤクザの世界に飛び込んだ一人の男の生き様を描いた年代記ものなのだが、ドラマがやや駆け足ぎみで物足りないと思うものの印象的なセリフも多く、全体的にはそこそこ楽しめたといったところか。ナレーターが小池朝雄だったり、脇に菅原文太や北大路欣也が出ているのでつい最近まで見ていた「仁義なき戦い」シリーズを思い浮かべてしまうが、山下監督の演出は画に落ち着きがあり、撮り方もキレイ。(深作欣二監督の手持ちカメラによる荒々しい映像も好きだが。)松方弘樹は貫ろくのある存在感で主人公を熱演していて、子分の菅原文太を「おい」呼ばわりするのもいちいち迫力がある。一方の菅原文太も良かったが、こちらが「仁義なき戦い」シリーズを見終わったばかりというのもあってか、ほとんど同じ演技にしか見えないのがちょっとなあ。松方弘樹の兄貴分を演じる鶴田浩二は本当に味のある演技で、若い頃より晩年近くなったこの頃のほうがいい芝居をしているように思う。(といっても若い頃の東映での出演作はほとんど見たことがないのだが・・・。)俳優が本業でない演歌歌手も何人か出ているが、中でも主題歌も担当している北島三郎(モロッコの辰役)が意外にいい演技をしていたのが印象に残り、ちょっと新鮮に感じた。(北島三郎、そんなに好きでないけど。)
[DVD(邦画)] 6点(2011-06-14 16:02:40)
72.  新 仁義なき戦い 組長最後の日 《ネタバレ》 
シリーズ通算8作目で深作欣二監督と菅原文太のコンビによる「仁義なき戦い」のタイトルを冠した映画ではこれが最後の作品となる。前作「組長の首」より飯干晃一の名がクレジットから外され、完全オリジナル脚本となったが、この映画も五部作ほどの勢いはなく、普通のプログラムピクチャーのヤクザ映画という印象で、そんなに面白くはないし、ナレーション(酒井哲)が少なく、テロップによる人物紹介もないなど、これまでのシリーズと比べるとかなり印象が違う。「完結篇」で大友勝利を演じ、「新仁義なき戦い」にも出演していた宍戸錠の弟である郷瑛治が殺し屋「ジョー」という役名で出ているのには笑える。今回の組長は悪役がハマリ役の小沢栄太郎だけど、出番が少ないうえに、憎々しさもイマイチで残念。シリーズ最後の作品ということもあって(と言っても製作中にはそう思っている関係者はいなかったかもしれないが。)か、菅原文太演じる主人公が刺されてしまうが、そのまま終わってしまうのはかなりの中途半端さで、せめて主人公の生死をハッキリさせてから終わってほしかった。それとやはり今回も金子信雄がいないのがさびしい。
[DVD(邦画)] 5点(2011-05-19 14:18:37)
73.  新・仁義なき戦い 組長の首
シリーズ通算7作目。主な舞台が広島から九州に変わり、飯干晃一の原作とは関係のないオリジナル脚本となり、完全に最初の五部作とは別の一話完結の物語になっているが、どうもシリーズとしての勢いがなくなってきてる印象。確かにカーチェイスなど五部作になかった見せ場があるのだが、どうも空回りしているし、菅原文太扮する主人公のキャラも広能に比べて魅力がないように思う。深作欣二監督が撮影中に絶賛したという山崎努は確かに良かったとは思うけど、なんかエピソードが中途半端で演じたキャラクターがあまり印象に残らない。「広島死闘篇」の上原靖子役が印象的だった梶芽衣子の使い方も勿体無く感じる。ヤクザ相手に男から男へ渡り歩く女を演じるひし美ゆり子は「ウルトラセブン」のアンヌ隊員役でお馴染みなだけにこういう役を演じていること自体に驚くが、この女のエピソードをもっと膨らませればドラマにもっと厚みが出たのではないか。それと金子信雄が出てないことも残念。大和田組長を演じる西村晃は山守役の候補にあがっていた人で、貫ろくのある組長を見事に演じているが、やはり金子信雄演じる山守ほどのインパクトがなく、物足りなく感じた。それでも娯楽アクション映画としてそれなりには楽しめるものにはなっているとは思う。でもやっぱり物足りなさが残る映画だった。
[DVD(邦画)] 5点(2011-05-12 13:53:52)
74.  新仁義なき戦い(1974) 《ネタバレ》 
全5作で完結した「仁義なき戦い」シリーズであるが、それからあまり間を置かずに製作された新シリーズ第1作。人気シリーズを手放したくないのは分かるが、ちょっと潔さが感じられないなと思いつつも見たが、想像よりは悪くないし、シリーズ初参加となる大物俳優の存在感もあって楽しめる。それに五部作で登場するたびに殺されていた松方弘樹が最後まで生き残るのは見ている側の予想を裏切る展開である意味新鮮に感じた。五部作とは役名の変わった出演者が多い(でも、田中邦衛とか役柄はほぼそのまま。)中で金子信雄だけは同じ役名で同じ役柄というのが嬉しかったりもする。しかし、ドラマとしてはちょっと盛り上がりに欠け、五部作に比べてちょっと物足りないというか、普通のプログラム・ピクチャーになってしまった感じがするのが残念。(五部作では人間ドラマの面白みに加え、ラストシーンが印象的な場合が多く、それが評価を上げる一因になっていたのだが。)菅原文太演じる主人公も広能と口調は同じだが、キャラクターが広能と比べるとワルな感じなのが少し違和感を覚える。田中邦衛の手旗信号のシーンはコミカルだし、五部作同様ユーモラスな場面があるんだけど、やはり五部作のほうがドラマとしての見ごたえはあったと思う。殺された組員(誠直也)の母親役で1シーン登場する菅井きんが強烈だった。
[DVD(邦画)] 6点(2011-04-05 16:24:24)
75.  仁義なき戦い 完結篇 《ネタバレ》 
前作「頂上作戦」で一応の完結を見たかに見えたこのシリーズだが、四部作では中途半端と考えたのか(実際はヒットシリーズを手放すのが惜しかったのだろう。)急遽企画され製作された五作目にして広能昌三を主人公としたシリーズの完結篇。笠原和夫が脚本から降板してしまい、高田宏治が脚本を担当している。これまでのシリーズと比べてややこじんまりとしていて盛り上がりにも欠けるし、前作のラストから強引に続けてしまった感もやはりある。それに今回は広能(菅原文太)をはじめ、武田(小林旭)も山守(金子信雄)もあまり登場しないのだが、それでもなかなか面白かった。しかし、このシリーズ(に限ったことではないが)では役者の使い回しが目立つが、今回話を引っ張る若いヤクザを演じるのが北大路欣也というのは「広島死闘篇」の山中役が印象的だっただけに止めてほしかったかも。大友役も宍戸錠に代わっているが、千葉真一のようなインパクトはないものの、それほど違和感はない。(小林旭と宍戸錠の共演を見ていると日活映画を連想してしまい、裕次郎がどこからか出てくるのではと思ってしまったり。)一作目の青大将のようなキャラからみるみる出世していった槙原(田中邦衛)が殺されるのはキャラに愛着がわいていたのでやや寂しさを感じる。ラストの広能が引退を決意するシーンもこれで本当に終わりなんだと思うと感慨深いものがある。(エンドマークが「仁義なき戦い 完」というのも哀愁を感じさせていていい。)余談だが映画館の入り口で桜木健一演じるヤクザが殺されるシーンで出てくる藤純子のポスターを見て「緋牡丹博徒」シリーズが見てみたくなった。
[DVD(邦画)] 7点(2011-03-30 19:05:30)(良:2票)
76.  シュアリー・サムデイ
やりたいことはなんとなく分かるのだが、劇中の竹中直人のセリフのとおり本当に勢いだけで作ってしまった感じで、とにかく落ち着きがなく、映画に全く入り込めないまま、2時間がひたすら長く感じた。小栗旬の初監督作品ということで、見る前は嫌な予感しかしなかったが、やっぱり人気俳優が監督に初挑戦という話題性だけの映画という印象しかない。小栗監督の人脈か次々登場するゲスト俳優たちも使い方が勿体無いような気がするし、役者への演出も下手なのであろう、例えば小西真奈美なんかもっと出来るはずだと思うのに活かせていないような気がするし、回想シーンの多用もなんかうざったらしく感じてしまった。(他の映画だと普段はあまり気にしないのに。)それに、終盤の演奏シーンはなんか唐突に感じるし、脚本も詰め込みすぎでグダグダで、ドラマも薄く全体的に見てはっきり言って典型的な駄作だと思う。それにしても人気の若手俳優が話題性だけでこうも簡単に劇場映画を撮れるなんて、考えたら今映画監督を目指している若い人たちがあまりにも可哀想な気がしてならない。
[DVD(邦画)] 2点(2011-03-21 00:52:14)
77.  仁義なき戦い 頂上作戦 《ネタバレ》 
シリーズ第4作。いよいよ抗争が激化して最初から最後まで息つく暇もないほどなのだが、これまでなかった一般市民の犠牲や、抗争事件の取材に躍起になるマスコミ、そして暴力団一斉検挙に乗り出した警察という要素が加わったことで見ごたえが増していて4作目というのにクオリティを全く落とさないのは凄い。今回は広能(菅原文太)が前半で警察に逮捕され、後半は前回登場した武田(小林旭)が引っ張っていくあたりは「広島死闘篇」同様にこのシリーズがヤクザ社会を描いた群像劇であるということを強く感じさせられるし、次々と登場する曲者ぞろいのキャラクターたちもこのシリーズの魅力なのだろう。深作欣二監督の演出も相変わらずパワフルで魅せてくれる。最後は警察の頂上作戦によって生き残ったヤクザたちが逮捕されてしまうのにはなぜか哀れみを感じてしまった。それに最後の最後、広能と武田の会話はグッと来るものがあり、広能や武田よりも山守(金子信雄)のような卑怯者(でも、なぜか個人的には打本(加藤武)同様、なぜか嫌いにはなれない。)の方が刑期が短いというあたりに世の中の矛盾も感じさせている終わり方で印象に残る。それに完全にこの回で完結してもおかしくない空気が流れていて、実際に笠原和夫の脚本のシリーズとしては最後になった(次回以降降板)のも理解できる。菅原文太が広能を演じるのはあと一作残されていて、もちろん見るつもりでいるが、くどくならないかがちょっと心配。
[DVD(邦画)] 8点(2011-03-10 13:58:12)
78.  仁義なき戦い 代理戦争 《ネタバレ》 
シリーズ第3作。今回は前2作ほどの派手さはないが、その分、組同士の駆け引きの面白さがあり、見ていてだんだん引き込まれていった。下にも書かれている方がおられるが、笠原和夫の脚本は実に見事で、今にも全面抗争が起きそうな中でのやりとりは緊迫感があり、飽きさせない。深作欣二監督の演出も1作目や2作目のようなエネルギッシュなパワフルさよりもこの男たちの駆け引きのドラマををじっくり描くことに重点を置いており、脚本と演出がしっかりしているからこそ、ドラマ部分に見ごたえがあり、このシリーズがただ単にヤクザ同士の殺し合いだけを描いたシリーズではないことが分かるし、なぜこのシリーズが後世に残る名作と言われているのか分かる気がする。でも、やや中だるみ感もあり、これまでの2作は単体でも見れる感じだったのに対し、本作はいよいよ全面的な抗争が始まるというところで終わるのでやや物足りない感じがするのだが、同時に次も早く見なくてはという気持ちにさせられる。その本作のラストシーンはヤクザの社会の非情さを見せつけられるとともに、死んだ渡瀬恒彦演じる若者の無念や、組長である広能(菅原文太)の思い、若者の母(荒木雅子)の悲しみなどがひしひしと伝わってきて、強く印象に残る。出演者では広能組幹部の一人を演じた川谷拓三はシリーズこれまででいちばん大きな役柄ではないだろうか。打本役の加藤武はいい人のイメージが強いだけにどぎつい方言のヤクザ役はミスキャストなのではと思ったが、(実際、「座頭市二段斬り」で演じた敵側の用心棒役はミスキャストに感じた。)金田一シリーズの刑事や、「釣りバカ日誌」シリーズの秋山専務のイメージとはまた違う雰囲気の役を見事に演じていて新鮮に感じた。物語にじゅうぶん絡む役柄ながらスチール写真だけで登場する丹波哲郎演じる明石組組長も(本当に写真だけなのに)貫ろくと存在感がたっぷりあるのは驚かされる。
[DVD(邦画)] 8点(2011-03-02 23:20:33)
79.  仁義なき戦い 広島死闘篇 《ネタバレ》 
「仁義なき戦い」シリーズ第2作。今回はシリーズ本来の主人公である広能(菅原文太)を脇に回し、元予科練志願だった山中正治(北大路欣也)の悲劇的な末路を描いていて、前作のような勢いはやや抑え気味になっているものの、山中のドラマがなかなか見ごたえがあり、集団よりも個人に焦点をあてているのもあるのだろうけど、そのおかげで前作よりも分かりやすく、ドラマとしても前作より面白かった。予科練の歌を口ずさむ山中にはどこかかつて軍国少年だった深作欣二監督自身が投影されているのではないかと感じられるし、ヒロインの靖子(梶芽衣子)が戦争未亡人というのも利いている。ラスト、警察に包囲された山中の自殺シーンと、靖子の彼を思って号泣するシーンは演じる二人の熱演もあり、印象に残る名シーンになっているし、組織に利用され、虫けらのように死んでいく男のやりきれなさがよく伝わってくる深作監督の演出も見事。しかし、深作監督が苦手としているのかこの二人の惹かれ合っていく過程の描き方がちょっと適当というか下手に思え、この部分にもっと深みがあれば良かったと思う。出演者では山中を演じた北大路欣也はもちろんだが、大友を演じる千葉真一のキレたキャラクターもいい。最初は千葉真一が山中を演じ、北大路欣也が大友を演じるはずであったらしいが、逆にして正解だったと思う。成田三樹夫も相変わらずカッコイイし、広能の舎弟として登場する前田吟は「男はつらいよ」シリーズの博役でおなじみなだけにこういうヤクザ役は新鮮に感じる。そしてやはり梶芽衣子が美しく、恋人と引き離される女性の悲しさを見事に表していて素晴らしく、山中と靖子の惹かれあっていく部分の演出が下手に感じながらも、それでも彼女の演技から靖子の女としての悲しみが伝わってくるのはすごいと思う。このシリーズは基本的には女気なんかなさそうだけど、この映画の梶芽衣子は本当にいい。
[DVD(邦画)] 8点(2011-02-15 14:42:54)(良:1票)
80.  仁義なき戦い
深作欣二監督の代名詞的な映画で昔から見たいと思っていた映画だが、東映のヤクザ映画を見るのに抵抗があり、一部のシーンはテレビの日本映画特集番組などで見ていたものの、全編見るのにはなかなか手が出なかったが、ようやく見た。冒頭のキノコ雲の写真をバックに流れる有名な音楽(実際に映画を見ていなくてもこれまで幾度となく耳にしている。)から興奮させられるし、映画が始まっても深作監督らしいテンポのいいエネルギッシュな演出で引き込まれる。しかし、登場人物の人間関係をこちらが把握する前に殺し合いが始まってしまうのでゴチャゴチャした印象があるのも事実。でも、深作監督のダイナミックな躍動感あふれる演出は見ていて飽きないし、なにより実話ベースで当時まだ問題となっていた事案を題材にし、尚且つ実在するヤクザをモデルにしているだけでも企画の日下部五朗や、深作監督、脚本の笠原和夫といったスタッフの尋常でない挑戦心を感じられる。俳優陣も濃く、ヤクザ映画、そして、深作作品でも初めて見る菅原文太が渋く、存在感を発揮しているのをはじめ、出てくる男たちがみんな熱く、これぞ男の映画という感じ。山守役の金子信雄がはまり役と言われているが、自分が生き残るためなら何でもするような男を見事に演じており、本当にはまり役だ。(個人的には金子信雄と言えば小学生の頃に風邪引いて学校を休んだ日にたまに見ていた朝日放送の料理番組の司会というイメージが未だにある人なのだが。おいおい。)ラストの葬儀場で広能が拳銃をぶっ放すシーンはなにか見ていて爽快感を覚える。ガラが悪いのでちょっとまだ抵抗はあるかもしれないが、続編も見てみようという気にさせられるような面白さはあった。
[DVD(邦画)] 7点(2011-02-10 13:43:30)
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