101. 幸せのちから
成功に到るまでの過程で丹念に描かれていた極貧生活は、理不尽さによるものではなく、払うべきものを払わぬ当然の報いによるもので誰の身にも起こり得る事です。子供に愚痴を一言も洩らさぬ姿勢に頭が下がります。かつ、貧しても鈍することなく、上司やビジネス相手に引き立ててもらえる資質に、気位が高いばかりだけでは成功できない事を気付かされます。父の頬を一筋の涙が伝う2つのシーンは押さえ切れぬ感情が胸に迫ってくる名場面です。ただ、観終わって今一つ物足りなさを感じました。それは成功の秘訣「数字と人に強いこと」の数字に強い部分の描写の物足りなさによるものでした。 [DVD(字幕)] 7点(2008-07-26 22:45:55) |
102. 社葬
劇場で2度鑑賞した稀有な作品です。細かな部分は忘れていますが、大奥の女たちも裸足で逃げ出すであろう、男たちの群れを作って裏切り裏切られの権力争いのリアルさとコミカルさが印象深いです。佐藤浩市演ずる社長の息子に「あなたは父親のパンツでも洗いそうですね」と揶揄された緒形拳が「いけませんか、家族のためならパンツだってサルマタだって洗いますよ」と憤然とするシーンは忘れ難く「こんな人と結婚できればいいな」と思ったものでした・・・・・・。 [映画館(邦画)] 7点(2008-07-14 02:10:46) |
103. 昭和残侠伝
昭和残侠伝シリーズは小学生の頃、テレビで父と一緒によく観ました。登場人物とストーリーの細部は忘れましたが「親にもらった大事な肌を・・・」の歌をバックに健さんが単身敵地に向う道すがら池部良と合流し並んで歩くシーンは歌詞共々覚えており、毎度毎度池部良のカッコよさにメロメロになったものです。何十年か振りかの鑑賞でしたが、前奏が流れただけで鳥肌が立ちました。本作ではお馴染みの二人以上に江原真二郎に魅了されました。優男が見せる滅びの美学に、不覚にも涙ぐみそうになってしまった私は、いい歳になってもシビアに物事を考えられない甘ちゃんなのだと感じました。 [DVD(邦画)] 7点(2006-12-02 12:52:00) |
104. ジャスティス(1979)
祖父がアーサーに対して「お前は良い弁護士か?」「お前は正直か?」「正直でなければ意味がない」と言う台詞が法の根幹の部分に思えます。世の中の秩序は法によって守られ、法は正義に基づくものであって、正義は万民に共通のものであるはずです。しかし本作にあるように、法を作るのも人、裁くのも人、裁かれるのも人であり、強者で勝者が正義で、理があっても弱者で敗者が虐げられる状況が起こるのは、正直である事の難しさを示しているのではないでしょうか。アーサーが気骨ある「良い弁護士」であるのは、祖父の影響なのでしょう。呆けて衰えているものの、アーサーを見る慈愛に満ちた眼差しから、現役時代の凄みを感じられる凄い存在感でした。パチーノ演説シーンの原点、パチーノ名場面の一つである、弱者の無念を渾身の思いで代弁するラストは、本作の叫びに聞こえました。重いテーマなのに、何処か爽やかさも感じた不思議な作品でした。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-01 23:53:48) |
105. 新・極道の妻たち
極妻シリーズでこの作品が自分にとって最も印象深いです。加奈江と直也の葛藤は、極道社会のみならず、堅気の世界の何処にでも見られる親と子の姿です。加奈江と重田の絆の強さは、実の親子以上、極道の親と子としての凄みを感じました。重田を演ずる本田博太郎の静かな迫力に見惚れました。ラストの二人の姿は胸に迫るものがありました。 7点(2004-11-04 18:15:22) |
106. シー・オブ・ラブ
惚れた彼女が犯人か否か、適度にハラハラさせてもらった、そこそこのストーリーでした。エレン・バーキンは伸びた前髪の如く見ていてイライラうっとおしくて苦手ですが、パチーノが一緒でしたので何とか我慢することが出来ました。こういうリラックスしたパチーノの演技は見るほうもリラックス出来ました。ジョン・グッドマンいい味出していました。 7点(2004-08-01 17:18:54) |
107. 幸福の黄色いハンカチ
男女が愛し合って結婚して夫婦になる。生活って楽しい時と同じ位苦しい時もあり、自分がとびっきり悲しく苦しい時は相手も同じなんだと思える事が愛情だと思う。健さんのラスト臆しているのは自分の事だけを考えていた事に対する妻への申し訳ないという後悔に見えた。 7点(2004-03-24 15:59:02)(良:1票) |
108. 終電車
《ネタバレ》 ナチス占領下という時代に芝居を愛し芝居を続けようとする者たちの心意気を感じた。マリオンとルカとベルナール、三人の心模様が絶妙に描かれていた。悲しい結末を予感していたので、あのラストは嬉しい驚きだった。カーテンコールに応える三人を見て、これからこの人たちはどう過ごしていくのだろう、続編を作って欲しいと思った。監督が亡くなられているのが残念だ。 7点(2004-02-05 16:22:45) |
109. シックス・センス
何時もの様に、何の予備知識も持たずに見たのでラストは仰天した。自分はブルースウイルスが苦手だけれども、こんな演技も出来るのかと少し見直した。この世に何も思い残す事は無いと思いつつ旅立つ人もいるのだろうが、大部分の人は、このままでは死んでも死にきれないと未練を残しつつ逝くんじゃないだろうか。自分がもし明日死んだら、未練だらけなので生きているうちに未練を少しでも減らせたらなあ、などと見終わった後に感じた。 7点(2004-01-19 18:43:41) |
110. 白と黒のナイフ
《ネタバレ》 法廷映画の一級品。聡明で凛々しい女弁護士テディーが依頼人ジャックと恋におちてしまい、裁判で勝訴し過去の過ちを告白する。ここまでのストーリーは、果たしてジャックがシロなのかクロなのか二転三転して見ごたえがあった。真犯人はジャックであることが解り自らの手で殺してしまう。このラストはラブロマンス映画としても一級品である。サムも印象的でよかった。ただ、クラズニー検事があっさり描かれすぎていて、ピーター・コヨーテ目当てで見たのに残念。 7点(2003-12-08 01:47:41) |
111. しあわせの隠れ場所
男前なサンドラ・ブロックを堪能しました。彼女の気質に加えて財力があってこそでしょう。あまりにも波風無しのハナシではありますが、白ける事無く受け入れられました。ただ、キャシー・ベイツの波風無しのキャラが物足りなかったのが残念です。 [DVD(字幕)] 6点(2023-12-09 19:43:27) |
112. 地獄の7人
《ネタバレ》 捕虜を何年にも亘って返さない非道さはあっても一言の台詞無く人間扱いされていないラオス兵の扱いに苦笑い。大佐に何となく賛同しているアッサリ感もなんだかなぁ。それらを脇に置いといてアクション映画として観るぶんには見応えがあり、執念が実らなかったジーン・ハックマンの演技は流石名優、グッときました。安っぽい邦題ではありますが、時間の損はしてない作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2023-09-25 23:53:37) |
113. 死神の骨をしゃぶれ
大層な邦題ではありますがマカロニポリスアクションの肩の凝らない作品を楽しめました。 フランコ・ネロのキレのあるアクションは見応えたっぷり。外道どもへの鉄槌を待ち焦がれたのに・・・腰砕けな結末が歯痒いところです。 [DVD(字幕)] 6点(2023-09-17 22:08:32) |
114. 地獄のヒーロー/ザ・プレジデント・マン<TVM>
ヘンテコな武士道、和テイストの描写には半笑いが浮かび、開始5分かそこらでファーストレディ救出にも半笑い。もう寝ようかと思ったのですが、リンカーンの頃から存在するというプレジデントマン(嘘つけ~)が寄る年波で後継者を育てる思わぬ展開がなかなかに楽しめました。 [DVD(字幕)] 6点(2023-05-29 03:08:37) |
115. ショック療法
《ネタバレ》 観たいと思ってから49年。 サウナから海へ駆け出す全裸男女に、思い出しました。当時の「スクリーン」だったか「ロードショー」でアラン・ドロンが全裸になる記事を。 来た来たっ! 来たああああああああ! ボカシ無しのスッポンポンのお姿ああああ! 全盛期の男前に後光がさしており、眼福のお宝映像でありました(恥ずかし・・・) お話は若返りでの弱肉強食といったところで、真実に迫るアニー・ジラルド(彼女もスッポンポンで楽しそうでした)がまぁまぁかなといったところ。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-05-01 16:38:11) |
116. 料理長(シェフ)殿、ご用心
マックスの洒落の効いた毒舌に笑いっぱなし。美食家なのか食い意地が張ってるだけなのか曖昧なところも笑えます。犯人の殺害方法が無理筋にも程がある連続殺人は作品の付け合わせに思えました。 [DVD(字幕)] 6点(2023-04-13 00:12:58) |
117. ジェノサイド ナチスの虐殺 ホロコーストの真実
ナチスもの、ヒトラーものは一昨日観た何じゃこりゃなのも含めて山ほどあり、それらの元となった史実を示すドキュメンタリー作品。脚色演出演技に感情を揺さぶられる作品に対して、やる側もやられる側も淡々としており、観る側も感覚が麻痺したように眺めているのに他人事として捉えている怖さを思いました。唯一血管ブチ切れそうになった無罪を主張する幹部達に、上から下まで皆が命令通りにしただけやし、知らんし、思ってるであろうところにも怖さがありました。 [DVD(字幕)] 6点(2023-02-27 16:35:01)(良:1票) |
118. JUNK HEAD
《ネタバレ》 クリエイター魂には敬意を表するものの、追いつ追われつに終始するストーリーに結局何が言いたいのか分かりませんでした。「地上では思えなかったけれどここでは生きてる感じがする」ハッとした台詞に加点。続編があるそうで言いたいことを見せて貰えるのでしょうか、興味深いところです。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-01-28 23:29:50) |
119. ショーン・コネリー/盗聴作戦
ショーン・コネリーが盗聴する側と誰もが思うのでは。不思議な展開で結末にもズッコケました。 デビューを飾ったクリストファー・ウォーケンの瑞々しい美しさにウットリ、なので「覆面被せたらアカンわ」地団駄踏んでました。 [DVD(字幕)] 6点(2022-11-05 20:03:40) |
120. 新・猿の惑星
インパクトに欠けるありきたりなキャラクターが繰り広げるありきたりな展開ながら、まずまず楽しめました。 「いずれはと言いながら何もしない」台詞に+1点。 [DVD(字幕)] 6点(2022-03-14 16:39:03) |