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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 542
性別 男性

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1.  スリ(1959) 《ネタバレ》 
スリの手法は確かに非現実的で「そんなんで取れるわけねぇだろ!」とツッコミを入れたくなるものばかり。 新聞読みながら近づいたり、腕時計を片手で外したり、後ろから婦人のハンドバッグをすり替えたり・・・と、まぁ、映画だから引っかかってくれないと話が進まないから別に構わないですし、実際、序文でも犯罪映画ではないと述べられていたわけですから、そんなことで評価を下げるのはちょっと違う気がします。 で、何が大事なのかというと、(まぁ、どんな映画でもそうですが)主人公や彼を取り巻く人間模様とそれぞれの心理描写、そしてストーリー展開ではないかと思うのですが、特にラストの解釈が難しいように感じました。 上映後のトークショーで五所純子さんの解説によると、最後のあの面会で肌を寄せ合うシーンは彼にとって一筋の光が見えたシーンであり、良い終わり方だという話をされていたのですが、自分にはそのように解釈するのは難しかったです。 話が前後してしまいますが、序盤の競馬場でスリを働くシーンで、馬が駆け抜ける音が遠ざかっていく絶妙なタイミングで画面上の人間が皆揃って動き出していたのですが、ここで一瞬、現行犯でバレるのか又はレースが終わって単純に去っていくだけなのか、どっちにも取れるような凄くスリリングなシーンを作り上げていた所にブレッソンの天才的な感性を感じました。
[映画館(字幕)] 5点(2015-08-23 15:50:25)
2.  ストロンボリ/神の土地 《ネタバレ》 
いきなり結末についての考察になってしまいますが、バーグマン扮するカリンは夫のもとに戻るのでしょうか?「神様!神よ、私に力を!」と叫ぶところで終わってしまい、ここから戻るくらいならここで死んだ方がマシ、という意志の固さを自分は感じました。 映画の序盤に話を戻すと、カリンは「自由を求めてアルゼンチンに行きたい」と言い、また「私は文明社会の女」とも。 夫を捨て、噴煙を上げる火山を命懸けで乗り越えてまで女が手に入れたかったもの・・・自由とは一体なんだろうと、映画を観終わって考えた。 イタリア本土やアルゼンチンに行けば文明的な生活ができ、自由が得られると考えていたようですが、文明的な生活をすることが自由なのか? カリンは自分の中に新たな命を宿し、夫からの愛を受けているにもかかわらず、色目を使って本土へ逃れようとしていましたが、夫の愛や子供の命よりもそれは大事なものなのか?疑問を抱かずにはいられません。 また、島民の閉鎖的な気質も理解が難しい。よそ者だろうとお互いに助け合う精神が見えないのは何故なんだろう?あれほど自然災害が頻発する場所だと、大抵は協力し合う気持ちが自然と出てくるような気がするのですが。この住民の環境も映画用に作られたような気がしてならず、ヒロインの心情も含めて疑問点の多い物語のように思えます。 これを踏まえると、この映画の言いたかったことは一体なんだったのだろう??いくら考えても自分には分かりません。 一方で島での生活についてですが、こちらはかなりリアルに捉えている印象。 やはりマグロ漁のシーンは必見で、大勢で歌に合わせて網を引き、大量のマグロが水面に上がるシーンは圧巻。銛で巨体を船に引き上げ、幾重にも重なるマグロの姿。複数のカメラで捉えたこの一連のシーンは、自然からの恵みを享受し喜びに溢れる一場面と言えるでしょう。また、噴煙や土砂が村全体を覆い島民が逃げ惑うシーンも嘘偽りのない本物の噴火現場を撮ったと思われ、これほどの災害を生で撮影に挑んだ監督やスタッフ達の情熱には頭が下がる思いでありますし、最後の噴火口付近でバーグマンが火山灰を吸い込み咳込む姿を見ても並大抵でない苦労が伝わってきて、劇中でのカリン役の島を出るのだという強い意志とがオーバーラップし、自分がそれまで感じていた疑問など吹き飛んでしまうほどの圧倒されるような気持ちになりました。
[映画館(字幕)] 6点(2013-12-23 15:05:34)
3.  素敵な歌と舟はゆく 《ネタバレ》 
ここまで面白さが感じられない群像劇は初めてかも。 それぞれの登場人物に関するエピソードにおいて興味を引かれる事が皆無で、またそれらの接点に関しても決してそこから話を広げていこうという意思も感じられないため、ただひたすら退屈で冗長な印象しか受けなかったです。 まず、登場人物の行動に不可解な点が存在していたと思うのですが、カフェの女店員が森の中に連れ込まれて襲われた後、その男が元カノにビンタされて大爆笑していたにもかかわらずデートの誘いを受けてしまう所とか、仕事でミスをした黒人の男が食事に手を付けなかったりした所など、他にも行動の動機が理解し辛い所がいくつか出てきていたのは、敢えてストーリーを構築するのを避けながら作ったからなのかもしれませんが、あまり面白いとは言えないと思います。 ただ、それぞれのストーリーに共通しているのが、仕事でミスをした黒人、皿洗いがテキトーでクビになったり盗みを働いて捕まった青年、屋敷の主人とイチャついてクビにされた使用人など、生きる上で何かと躓いている人たちばかりでしたが、彼らを皆救済しようという意思はないのか、ワイングラスを傾けながら楽しそうに歌を唄う二人だけがハッピーエンドを迎えてしまっているため、彼らの乗ったヨットのロングショットを見ても最後まで救われない人たちの事が気がかりで上手に締めくくっているとも思えず、結局最後まで良い所が見当たらない映画でした。
[映画館(字幕)] 5点(2012-02-05 00:06:25)
4.  素晴しい哉人生 《ネタバレ》 
どこかで似たようなタイトルの映画を観たと思ったら、原題まで本当にソックリで面白い。 直訳すると、「人生は素晴らしいんでないかい?」といったところでしょうか。 映画の舞台となっているのが、戦後間もない貧しい時代の最中で、家族全員食べるものもままならない程の生活。手に入るものといえば、カブの葉の部分くらいなもんで、飼っている鶏がたまに卵を落としたり芋が食卓に出ようものならもう大宴会。 そんな世の中だから、盗みをしないと生きていけない人も沢山いる。そんな困難にもめげず、それでも笑顔を絶やさず生き抜こうとする人々それぞれの人物像とそれに呼応するかのようなコメディタッチの映像が本当に元気にさせてくれます。 それだけでなく、レバーソーセージを分けてくれた客の心遣いなど心暖まるシーンもあって、ネオリアリズモで見られるような暗さが微塵もないのがすごく良いです。 ひとつの家族を描いたとても小さな物語だけど、人々の逞しさや優しさが描かれ、些細な喜びも大きく感じられるような映画でした。
[映画館(字幕)] 7点(2011-08-04 00:28:53)(良:1票)
5.  スローガン 《ネタバレ》 
大筋のストーリーは特に印象に残らず、ごく普通の恋愛物といった内容。 注目すべきは、冒頭のアフターシェーブローションのCMの時点でもう既に本編に突入しているという奇想天外な幕開けでしょう。 自分はこの映画を劇場で観たのですが、フランスの映画館で流れる上映前のCMを流してくれているんだなと思って見ていたら、それも映画の一部だったというのが驚愕で、ここは一杯食わされました。 他には、ベネチアの水路を猛スピードで駆け巡るシーンがあったっけなぁ?という感じで、フィーリングの問題ではあるんですけども、自分にとってはそれだけの映画にしかなりませんでした。 何が「スローガン」なのかもサッパリ・・・?
[映画館(字幕)] 5点(2011-04-10 14:23:24)
6.  素晴らしき哉、人生!(1946) 《ネタバレ》 
天使が出てくるまでが長いと言われてますが、確かに長い。けど、冒頭で天使の存在を出さずに最後の方でいきなり川に飛び込ませる方が何となくシックリこないような気がするので、これで良かったのだと思います。映画の中盤、如何に天使の存在を忘れていられるかがポイントでしょう。 映画全体を見ると、脚本にかなり凝っている印象で、軽快過ぎるテンポやウイット含みのやりとりがやや鼻に付くというか、いかにも“作った感じ”が出すぎているのが自分の好みではないです(アメリカ映画って本当にこういうのが多い)。 途中出てきたダンスのシーンで、床が開いてプールが出てくる場面がありましたが、その後でびしょ濡れになって外を歩くシーンを撮りたかったという理由であのセットを作ったようにも感じられ、ここはちょっと過剰な演出のようにも思えます(ていうか、お金の使い方これでいいのか??)。 最後の方で天使と出会って、自分が存在しない世界を見せられるのですが、そこには薬屋の親父も犯罪者になってるし、いるはずの弟も凍った池に落ちて亡くなってる。戦死した友達もいれば、ジョージと結婚したはずのメアリーは独身のままときた。 こんな世界を見せられてジョージが何を思ったかといえば、自分自身が冷たくあしらわれ悲しくなってしまったのはもちろん、それ以上に、自分がいないことで周りにいた人をどれだけ不幸にさせてしまっているかということなのだと思います。自分を取り巻く人たちに対する思い遣りや彼らに尽くす気持ちが、元の世界に戻して欲しいと思ったのでしょう。 元の世界に戻してもらい、家に帰れば、階段の飾りは外れてるし、子供のピアノの音がうるさく感じられてしまうこともあるし、単純なスペルを繰り返し聞いてきたりする。けど本当は、こんなごく普通の日常が幸せなんだと気づかせてくれる。こんな風に思えるのってすごく羨ましい。やっぱり、今のこの世の中には天使が必要だなと思いました。
[映画館(字幕)] 6点(2011-02-15 23:08:04)
7.  スティング 《ネタバレ》 
フッカーという名の人物が人を騙すというのが、何かもう、いかがわしさがプンプン漂ってくるのですが、こんな緩い設定と、何と言ってもこの有名すぎるテーマ曲が相まって実にいい味出してると思います。この曲は当然知っていましたが、改めて聴くと本当にいいですね。 ストーリーが進むにつれて段々とコトが大きくなっていき、金を巻き上げるためにわざわざ賭博場そのものを作ってしまうという大胆な展開は見ていて楽しいのですが、それまでに様々なペテンを見てきてしまったせいで、どうも銃で撃たれて倒れている姿を見ても、実はまだ生きているんじゃないかという疑惑の念が心の片隅から消えないんですよね。 自分が思うに、最後は賭博場の存在そのものがウソだったという締め方で良かったんじゃないかなという気がします。 この映画に限らずよく言われるのが、この手のパターンは後世のあらゆる映画で使われ尽くされてしまって、オリジナルであるこの映画を観てもいまいち感動が湧いてこないなどということですが、自分はこの映画の製作年よりも前の時代に作られた映画の方が観た本数が多いにもかかわらず、何故か驚きも感動もありませんでした。 恐らく、ストーリーを完全に理解してない部分も十分にあると思いますが、再度鑑賞してみて完全に理解できたとしても点数は変わらないと思います。
[映画館(字幕)] 6点(2010-10-17 23:25:06)
8.  スイング・ホテル 《ネタバレ》 
この映画のリメイクは観たことはないのですが、これはこれで十二分に面白い。 一年を通じて歌われる様々な楽曲と共にステージ女優を巡って繰り広げられる恋模様。 あの有名な「ホワイト・クリスマス」も聞けちゃうし、一粒で三度も四度もオイシイ映画です。 アメリカの休日なんてその地に住んでいる人にしかわからないので、普遍性という観点で言えばマイナスな要素があるにしても、それを打ち消してなお余りあるくらいの面白さがあります。 オープニングで舞台裏の実生活における三角関係がそのままステージ上でも繋がっているのが斬新で面白いと思ったのですが、そのワンシーンだけでなく終始に渡って三つ巴の恋愛模様を舞台裏とステージ上で相関性をもたせて描いているところが上手いなぁと感心してしまいました。 最初観た時は、デッド役のフレッド・アステアはもう少し若くてプレイボーイ的な俳優を配した方が良かったんじゃないかと思ったのですが、ワシントンの誕生日に見せた、曲が何回も変わりながらもスムーズに踊り続けるテクニックとか、酔っ払いながら踊る演技も完璧にこなしてしまうところを見てしまうと、やはり彼の代役はいないんだろうなぁと思ってしまいます。 好きなシーンが本当に多すぎて、例えば、ピアノを弾くジムの後ろで見せる影絵とか、リンダが顔を黒く塗られている時の楽しそうな表情だったり、小物使いが最後の伏線になっていたり、2回も沼に飛び込んだりと、とても数え切れないくらいですが、やはり何と言っても脚本が抜群にいい。 終始に渡って吹き出してしまうような台詞回しがある中で、特に面白いのは最後の方。ハリウッドのプロデューサーの「このホリディ・インを映画化したい」も可笑しいですが、その後の「どうだ?本物を忠実に再現してみたんだ」で思わず笑ってしまいました。 だって、あのセットは当然“本物”ですからね。
[映画館(字幕)] 9点(2010-10-09 16:06:17)
9.  素晴らしき放浪者 《ネタバレ》 
すんません、平均下げます。どうしてもあの放浪者が好きになれないんです。観ててイライラしました。プレゼントした宝くじが当たってそのまま結婚しちゃうというのも含めて、至るところにコメディの雰囲気が感じられましたが、やっぱりダメみたいです。楽しめません。 途中、夫人がブーデュに襲われたのもビックリしましたが、そのあとの夫人のあの表情にもビックリしました(これもコメディ??)。 最後に、冒頭に出てきたあの黒い犬と再会してハッピーエンドとなるのだろうなぁと期待していたのですが、結局最後まで出てこなくて拍子抜けしてしまいましたし・・・。 結局この映画は、私のフレンチコメディに対する苦手意識がますます強まっていってしまっただけの一本でした。
[映画館(字幕)] 5点(2005-12-04 21:46:27)
10.  スイミング・プール 《ネタバレ》 
終始、南仏の美しさ、プールの美しさ、に見とれてしまいました。 あのミステリアスな音楽も大好きです。サラとジュリーの肢体を足先から舐めるように撮って2人を比較したような絵はお世辞にもセンスがいいとは言えませんけど・・・。私がこの映画で好きなところは、初めはプールも葉っぱだらけであまり綺麗ではなかったのが、だんだんと綺麗になって水が澄んでいくところでしょうか。以前から当たり前のようにわかっていたことですが、男女間で相手に好意を持つのはやっぱり自分に年齢が近い人に対してなんだな~、と改めて感じました(笑)。オゾン監督は、歳とってもまだまだイケるぞってことをこの映画を見た人に言いたかったのかもしれませんね。 そして、普通は映画というのは終盤にかけて盛り上がりを増していくものですが、この映画ももちろんその例に外れずにエンディングに向かっていくわけです。この映画のすごいところは、なんと言っても、その盛り上げどころにシャーロット・ランプリングのヌードをもってくるところなんです。それまでにちらほら出てきたサニエのヌードは、まさにラストを引き立てるお膳立てに過ぎないのです。この緩やかな終盤を考えた監督も凄いですが、体一つでクライマックスを作ることのできる彼女のボディはもっと凄いですよ。やっぱり、ランプリングが脱ぐのとサニエの世代の女優が脱ぐのとでは重みが全然違います。彼女が大女優だからというわけではなく、あの裸体には何か言葉にできないような物凄い説得力があります。
[映画館(字幕)] 8点(2004-06-29 17:03:50)(良:1票)
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