61. 大災難P.T.A.
《ネタバレ》 無神経な人物は嫌いなのでデルは生理的に受け付けない。帰る家が無い「おかえり」と言ってくれる者がいない淋しさも免罪符にはならない。品の良さが滲みでていたスティーヴ・マーチンがコメディアンというのに驚き。 [DVD(字幕)] 4点(2019-01-29 16:51:28) |
62. 007/カジノ・ロワイヤル(1967)
007作品でのシャルル・ボワイエに期待を寄せたのですが。「まだか、まだか」と思っているうちに終了して愕然。速攻観直して確認出来ました。眼鏡のせいもあるし、オーラが感じられなく残念。「ジョージ・ラフトはどこに出てた?」で更に再見でやっとこさ発見。泥沼に咲いた一輪の蓮の花を思わされたコイントスの姿・崩れ落ちる姿に往年の名シーンが甦ります。イメージが覆りそうな弾けっぷりのデボラ・カー、針で突いたら弾け飛んで行きそうな存在感満点な巨体オーソン・ウエルズ、イメージにドンピシャだったネズミ男っぷりの大嫌いなウディ・アレンが印象に残ります。他にもスターがズラリと居並び、馬鹿丸出しのコメディで共演している事に感心します。超絶駄作にしてある意味貴重な珍作。 [DVD(字幕)] 3点(2019-01-27 23:30:40) |
63. 探偵物語(1951)
《ネタバレ》 9割方が21分署内で繰り広げられる刑事たちと犯罪人たちの群像劇は個々のエピソードが繋がってゆく見事な脚本で見応え充分。罪には罰を、犯した罪は償う。当然の事であって、マクラウド刑事の姿勢を支持するものの、結婚前のメアリーの過去を罵る「ちっちゃい男」ぶりには幻滅。チャーリーに素手で立ち向かうラストに、信念を貫くのとこの世への絶望感が入り混じった、他の生き方が出来ない男の哀れさを見せつけられ胸が詰まる。カーク・ダグラスはドンピシャのキャスティング。リー・グラントはほんわかとした存在感だったものの必要な登場人物だったのだろうか疑問が残る。邦題は鑑賞史上屈指の誤訳。 [DVD(字幕)] 8点(2019-01-13 22:17:25) |
64. 太陽は光り輝く
プリースト判事。冴えない見た目の飲んだくれが人を裁けるのか、やたらと陽気な音楽、ハズレだったかと思いました。しかし、「人間の尊厳は肌の色や職業に関係ない」譲れない思いは何があっても譲らない二つのシーンにひれ伏しました。とりわけ後のシーンの演出は鳥肌もので、将軍の胸中を想像すると泣けてきそうになりました。「怒りの葡萄」「わが谷は緑なりき」「周遊する蒸気船」に続く鑑賞となった本作も監督特有の骨太さに感じ入った傑作です。 [DVD(字幕)] 9点(2018-08-17 09:23:24) |
65. 脱走特急
《ネタバレ》 一瞬も目が離せないスリル満点の物語でフランク・シナトラ、トレヴァー・ハワード、ウォルフガング・プライス、オリアリ大尉、コンスタンゾ大尉それぞれ味わい深いキャラクー達が輝いていました。とある所でライアン大佐が死ぬ事を知ってしまった上での鑑賞が何とも残念ですが、最後の一歩が踏めなかった全力疾走に鳥肌が立ち、ラストの台詞に涙が止まりませんでした。脚本・演出・撮影共に一級品で「大列車作戦」と並び称される傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2018-06-16 23:09:38) |
66. 第七のヴェール
「ある日どこかで」のクリストファー・プラマーとジェーン・シーモアを彷彿させるニコラスとフランチェスカの関係。迫力に圧倒された二度のコンサートシーン(グリーグ:ピアノ協奏曲第1&3楽章、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番第1&3楽章)において、フランチェスカを見守る屈折した男ニコラスの眼差しに、芸術だけではなく彼女も愛しているのが透けて見え胸をかきむしる思いに。ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番第2楽章を弾くフランチェスカへの一緒にいてくれとの必死の懇願が聞き入れられず激昂する姿も切なさで身悶えする。恋敵二人はニコラスに敵うはずもないのだが刺身のツマの如く無くてはならない存在だった。本作で完全に虜となったベルベット・ボイスのジェームズ・メイソンに酔い、クラシック音楽も堪能出来た逸品。赤ワインを買ってきてもう一度最初から鑑賞しほろ酔い気分で3つのシーンを何度も何度も観直してはキュンキュン。映画って本当にいいもんですね。 [DVD(字幕)] 8点(2018-05-07 13:10:18) |
67. 太陽の中の対決
《ネタバレ》 「白人は助け合うのよ」と言いいながら先住民は虐げてきた。ペラペラ喋る女性に対するポール・ニューマンの淡々とした言動の端々に窺える憤りに寒々しさを感じる。hombreとしての最期も寒々しかった。フレデリック・マーチとの絡みが物足りないのがとても残念。 [DVD(字幕)] 6点(2018-03-31 20:56:44) |
68. 太陽が知っている
4人の思わせぶりなだけの姿をダラダラ垂れ流すだけのつまらなさでイライラし通し。ポカーンとするのみの結末に詐欺に遭ったような脱力感で一杯。企画・配役・脚本・演出・邦題(まで)全てが安易な愚作。 [DVD(字幕)] 3点(2018-02-04 00:55:50) |
69. 大空港
二組の不倫カップル、タダ乗り婆さん、爆弾犯と妻、それぞれもう少し掘り下げられていたら傑作となったでしょう。窮地に遭っての神父さんの「私に出来る事はありますか」に感服し、我が身可愛さだけの身勝手男に見舞った裏拳の一撃にアメリカ魂を見せてもらった。往年のパニックものの秀作。 [DVD(字幕)] 8点(2017-12-15 02:57:35) |
70. 第十七捕虜収容所
描かれる捕虜収容所生活は、捕虜達は愛国心に溢れるでもなし、独軍は管理者としての厳格さはあるものの陰惨さはなし。更に密造酒、鼠レース(爆笑)、覗きの行列(「早くしろ!俺の順番には婆さんになってしまう・・・」爆笑)、チョビ髭達の「ジーク・ハイル!」(爆笑)、大量の煙草、等々実に能天気なもの。オスカーを逃したのが残念なアニマル役のロバート・ストラウスに大笑いさせられる。スパイが判明する件から結末までは一転して手に汗握る緊張感に包まれる。孤高を貫く男(渋すぎる)セフトンの言うとおりあれしか方法はないにせよスパイの最期に息を呑む。ユーモアと非情さの塩梅が絶妙なワイルダー監督の名人芸をいつも通りに堪能させてもらった快作。 [DVD(字幕)] 8点(2017-11-05 09:51:09) |
71. 大列車作戦
《ネタバレ》 操車場の爆撃、単機による列車掃射、機関車の衝突、全てのシーンが臨場感に溢れる息を呑む迫力で撮影の困難さが想像出来ます。 「わが命つきるとも」で信念を貫き通したポール・スコフィールドが演じる悪役は、絵画に対する異常な執着心を持ち、やはり偏執的な信念を貫き通しておりました。一言の抗弁も許さぬ無言の目力に見惚れてしまいナチス式の敬礼までかっこいい。バート・ランカスターとの最後の対決は圧巻。盗人猛々しく価値観をまくしたてる威風堂々とした大佐に無言で引き金を引くラビッシュ。転がる多数の木箱と多数の射殺体が戦いの虚しさを漂わせます。傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2017-10-17 15:33:06) |
72. 007/スペクター
哀切感に満ちた主題歌に圧倒されるも、プロフェルドとボンドの因縁、プロフェルドの企み等、お話のレベルが曲と不釣り合い。残念。 [DVD(字幕)] 6点(2016-04-26 01:19:27) |
73. ダイ・ハード
16年前、映画館で観終わって帰宅するまでの90分間「あぁ、面白かったぁ、最高やぁ」と感激し続けた事を今も覚えています。自分の中ではアクション映画の最高傑作です。マクレーンの「えらいこっちゃ、どないしょう、考えろ考えろ。」「しかし、ワシ一人何でこんな目に遭わんとイカンのや。」「嫁ハン助けるまでやめられへん、死んでたまるかいな」という思いが台詞と共に汚い姿から滲み出ていて、完全無欠・天下無敵では決してないオッサンの、『やらなあかん時はやる』のた打ち回りながらの奮闘ぶりは素晴らしいです。それと敵役のハンス・グルーバー。子供の時から悪役好きの自分にとって史上最高の敵役です。一つ一つの台詞と仕草、表情、あの散り様は忘れられません。こんな知的で冷酷非道な紳士が何でオッサンにやられるのか何時も腹立ちますが、そこがまた面白いところです。他にもホリー、パウエル、タカギ社長、カール、いらん事しいのソーンバーグの脇役陣、よく練られた脚本など何度観ても飽きることがありません。【2016/1/16追記】shoot the glass! 思い出すたびに身震いするワンシーン。さようなら、ハンス。 [映画館(字幕)] 10点(2016-01-16 00:15:37)(良:1票) |
74. 大統領の執事の涙
《ネタバレ》 与えられた環境で全力を尽くし職を全うした父。与えられた環境を変える事に心血を注いだ長男。意志を貫いた者同士が最後に分かり合えた事が感慨深い。僅か50年前に繰り広げられた惨劇は目を覆うもの。オバマ大統領就任に夢を形にする偉大さを思わされます。 [DVD(字幕)] 7点(2014-08-24 09:54:19)(良:1票) |
75. 黄昏(1981)
初見。詩情溢れる湖の景色が脳裏に焼き付く作品です。ペラペラ喋りまくるキャサリン・ヘップバーンは元来苦手ですが今作は抑制されており嫌悪感はありませんでした。ヘンリー・フォンダがポツリポツリと吐く言葉に、老いての衰えは誰にも必ず訪れる事を突き付けられます。父と娘が抱擁を交わす姿に、父への憎しみが消えたのに亡くなるまで一度も抱擁どころか握手することもしなかった悔いが押し寄せてきました。 [映画館(字幕)] 7点(2014-08-03 23:57:27) |
76. 大統領の料理人
南極基地シーンは無用に感じます。エリゼ宮シーンも全く盛り上がりませんでした。料理人は男性だったら作品にならないと思える個性に乏しい人物。大統領は威厳も気品も感じられないヨタヨタのご老人にしか見えなく、料理を食する姿が一度も無い。実話だとしても素材の悪さと味付けのなさが相まって喜怒哀楽の感情が湧かない期待外れの一品。 [DVD(字幕)] 4点(2014-04-20 01:01:38)(良:1票) |
77. 第七の封印
《ネタバレ》 死神の登場シーンが頭に焼き付いて離れません。その重厚で侵し難い姿は得も言われぬ怖さを放っていました。戦争での殺戮、魔女狩りでの殺戮、終末思想による狂乱の行進。これらを神の名の下に行っておきながら神に救いを求めようとする自己欺瞞を死神は見通しています。一方、このような陰惨な時代にあっても瑞々しく健全に過ごす若い旅芸人一家には死神の神通力も及びません。信仰心は道徳心の上に成り立つものである事を知らしめられます。死の恐怖と生の喜び。監督は後者を表したかったように思えました。 [映画館(字幕)] 9点(2013-11-04 02:45:44) |
78. ダイ・ハード/ラスト・デイ
異国の地で暴れまわる親子。組織の体を成していないその戦いぶりは派手で不死身であればあるほどドン引きしていきました。チェルノブイリを引っ張り出したいが為のロシアという舞台設定も放射能の無神経にも程がある描写に呆れ果てます。ハンス・グルーバーを彷彿とさせるシーンに、あの名作が今では見る影もない有様である寂しさと、こんな出来でダイハードを名乗る厚顔無恥さへの怒りを味わいました。 [DVD(字幕)] 2点(2013-10-12 22:11:47) |
79. 断崖
《ネタバレ》 私の嫌いな舌先三寸男を見た目爽やかなケーリー・グラントが演じているものだから、「これでもかっ!」というくらい神経を逆なでさせられました。本性を剥き出しにしてリナを断崖から突き落とそうとするも間一髪のところでかわされ自身が転落死・・・私の確信はハズレ。なるほどそう来たかと呻らされるハズレでなく、なんじゃそりゃとずっこけるハズレだったのが残念でした。 [DVD(字幕)] 6点(2013-02-11 12:19:06) |
80. 007/スカイフォール
《ネタバレ》 前2作のダニエル・クレイグ版ボンドは駆け出し諜報員の粗野で荒削りな所に好感を持ちました。今作に頭が混乱しています。スパイは時代遅れと語られているので現代の話のようですが、彼は洗練されていない。おまけに衰えている(老いなのか、心身のダメージなのか?)007の魅力が皆無なのはいけません。悪役の目的がMへの意趣返しでMのお命頂戴!なのもいけません。そのクールビューティのMの焼きが回った姿(再試験不合格を黙認)が最もいけません。スカイフォールの攻防は気持ちはすっかり醒め、長尺の疲れを感じながら眺めていました。期待外れでした。 [映画館(字幕)] 5点(2013-01-06 11:20:39)(良:1票) |