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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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41.  DUNE デューン/砂の惑星(2021) 《ネタバレ》 
 リンチ版の方が好き。   っていうか、意外とリンチ版とイメージそんなに変わらないのよね。大人しい、お上品なリメイクといった風情。だったらリンチ版の方が楽しいわよ。決して楽しいとは思えない、のっぺりとした砂漠を背景とした権力と血統と謀略の物語、だったら悪趣味とかグロとかぶっ飛んでるとかクセやアクが強いとかいう要素で彩った方がまだ見られるじゃない、端正にマジメに映像化しました、ってそれ必ずしも長所にはならないわ。   シャラメくんはいいと思うわ。マクラクランとはまた違った美形で大スクリーン映えするのよね。んでも、それを際立たせるだけの背景、センス・オブ・ワンダーはリンチ版という見本があるだけにハンパというか明らかに物足りないわ。ハルコンネンの一派の小物感はどうした事かしらねぇ。なんかニューヨークの路地裏で麻薬売ってそうな人達程度にしか見えないわよ?   IMAXで見てこその映像美!とか言ってるけど、現状の最大スペックであろうIMAXレーザーGTテクノロジーで見たけど、映像美!ってほどのモンでもないわ。上下に広い戦闘シーン、これトリミングされてるバージョンはどんな見え方になっちゃってるのかしら?って心配しちゃう事はあったけど。IMAXでも2種類の画角(1:2.35が基準で一部映像がGT版1:1.43、通常IMAX1:1.90)、通常上映の画角(1:2.35固定)と少なくとも3バージョンあるワケで、ヴィルヌーヴ、画角に拘りないんか?って考えちゃうとちょっとガッカリね。   毎度の、リズム打ち込んで重低音ずーっと鳴らして申し訳程度のメロディをトッピングしたようなジマーの音楽は苦手。うるさい。今回はもう過剰に音楽鳴らしておくことでダラダラした映画の間を持たせようとしてるような印象ね。  そう、じっくりドラマを描く事で重厚さを与えようとしてるわ。でもダラダラしてるばかり。その上で「僕たちの戦いはこれからだ!」で終了だもの。はぁ?あんだけ勿体つけといてそんなとこで終わり?って程度のところで終わるわね。リンチ版見てたらそんなに勿体つけなくてもどうなるか判ってるわよ!ってツッコミたくなるわね。   ヴィルヌーヴは好きな方なのだけど、コレは微妙だわねぇ。予算かかったスタッフめちゃくちゃ大勢な大作で好き勝手はできないんでしょうけれど、優等生的な映画作りを求められました、みたいなのってつまんないわ。冒険映画だけど映画自体が冒険してる感はあまりなかったわね。
[映画館(字幕)] 5点(2021-10-16 23:47:46)(良:1票)
42.  TENET テネット 《ネタバレ》 
 ノーランって映像で説明するの、下手じゃない?   クライマックス、何やってんのかちっとも伝わってこないのは難解なんじゃなくてヘタクソだからだと思うのよ。爆発までの間にブツを奪還しましょう、ってのはさ、順行組と逆行組とで論理的に説明可能だと思うのよ。でもグチャグチャ。ブツを手に入れるシークエンスなんか、アレ、ちゃんと流れ判った?  パラドックス関係なんか、もうメチャクチャよ、あれ。「細かいコトは気にすんな」って状態。  大体、物語を伝えるのは映像以外の部分に頼りまくってるでしょ。大量の、それこそ喋り続け状態なセリフの応酬と不安を煽るやかましい音楽で説明してます、って状態。映像はひたすらハデな、これ見よがしな部分にばかり注力されてるワケで。   で、コレ、200億円とかかけて2時間半に渡って見せられるDV映画ってのがアタシの抱いた印象なのね。いかにDV野郎を退治するか、ってハナシ。そこに監督好みのセカイ系だのSFだのドンパチだの盛り込んでみせました、そんだけ。  だけどアタシにはあのDV野郎が監督の分身のように思えたわ。作品世界を完全にコントロールしないと気が済まない、ホンモノ使わないと満足しない、世界を支配してこそ、そんな自分の投影。人類の滅亡を描こうとしたら人類を本当に滅亡させないとリアリティ出ないとか、そういうキケンな思考(あるいは志向、または嗜好)を自嘲的に、自戒を込めて映像化してるのかしら?みたいな。  だけどDV映画としては徹底的にドラマがつまんないわ。っていうかキャラがみんなつまんない。誰にも殆どノレないのよ。せめてヒロインがいかに息子を愛しているかくらいは映像として見せて欲しいワケよ。もう全部セリフでの説明で、息子そのものはチラチラと映る程度。それにDV野郎のヒロインに対する現在形の加虐シーンはあっても、それ以前にヒロインが憎悪していた点に関してはやっぱりセリフでの説明に終始するのよね。  お腹の傷はサスペンスの要素になるかと思いきや、水戸黄門の印籠みたいなポジションだし、DV野郎が手に入れた自殺カプセルは意味を成さなかったし、あちこち隙間がスカスカしてるわ。   ハデな映像と大量のセリフとやかましい音楽とSEが緩急なく連なった2時間半、それはノーランの強迫観念の発露みたいなものなんじゃないかしら。   あと、日本でたった2カ所なIMAX GTテクノロジーで見たのだけど全編フルサイズだと思ってたら半分くらいだったわね。ちょっと肩透かし。コレ!って見せ場以外はシーン頭の説明的映像が上下(空と地面、天井と床)広々、っていう、なんとなくカタにハマった不器用な使い方だったのがちょっと微笑ましかったわ。
[映画館(字幕)] 5点(2020-09-19 22:45:49)(笑:1票) (良:2票)
43.  天才バカヴォン 蘇るフランダースの犬 《ネタバレ》 
 いつものFROGMAN作品。『天才バカボン』に『フランダースの犬』を絡めるという離れ業をやってのけた!って程のモノでもなく、まあ毎度のように小ネタは面白いけど(「命運」の静かなる笑いの表現に大ウケ)、全体を俯瞰するとありきたりという。世界征服を企てる組織が云々って時点で器が変わっても中身はあまり変わらないわけで。   問題は『天才バカボン』を原作にしながら、この映画の作品世界の設定ゆえにバカボンのパパが受動的な立場の存在になってしまっている点。あくまでマイペースではあるのですが、物語自体を動かすのは悪を実行する側とそれを阻止する側、そして悪の側が地獄から甦らせたネロとパトラッシュですから。組織の施設に潜入する、ネロとパトラッシュを救済する、なんていう類型的な物語のワクの中にバカボンのパパを納めちゃってる、それはちょっとつまらないなぁ、と。   全体的にイメージが貧困で(闇落ちネロとパトラッシュのビジュアルなんか、もう少しなんとかならなかったかなぁ)、ウェットなドラマを描くとあまりに凡庸になってしまうので、もっとギャグ方面での個性を強調した方がいいと思うんですけど。   あと、お客さんからお金貰って成り立ってる表現者としてはアレは思ってても口に出して言っちゃダメなんじゃないかなぁ。たとえギャグという形にしても。ならばやめちゃえば?って思いますよ。   それにしても主題歌に表れているように、元はやっぱり初代のアニメなんですね。『元祖』でも『平成』でもなく。   いつものFROGMAN作品が好きならば楽しめる作品だと思います。進歩を期待してしまうと微妙ですが。
[映画館(邦画)] 5点(2015-05-25 21:25:10)
44.  テルマエ・ロマエⅡ 《ネタバレ》 
 前作と同じ。焼き直しみたいなもの。   後半のダラダラっぷりが多少は改善されたかな?くらいのモノで(前作がダメ過ぎた感じですけど)。なので前作を楽しめれば今作も楽しく、前作をこんなモンか、って思ったら今作もまたそんなモンで。  水の中に吸い込まれる映像も挿入されるオペラもそのまま、ネタ的にもあまり代わり映えはせず、登場人物もそのまま引っ張り。   よくぞこれだけの画を作れた、ってスケールの大きな映像は今回も健在。コロシアムのモブなんか見事な物量っぷりで。でもまあ、中身そのものは前作と一緒です。  後半はまた大規模な施設作りと立場危うしって話ですしね。つーか、温泉を掘り当てる事が映画の最終的な目的って、それがちゃんと設定された描写が足らなかった気がするんですが。   気になったのは安易にナショナリズムを刺激してる感じ。日本人、外国人から褒められるのが大好きですからねぇ。実際にそういうテレビ番組も色々と存在しておりますし。  で、この映画はそんな平たい顔族の文化を無条件に肯定してみせるワケですけれども、じゃあたとえば混浴とかって、その解釈は理想論に過ぎるんじゃないか?って。これって日本人の本音と建前の、その建前部分のみを濾過してるようなシロモノなわけですよね。そこで安易に日本文化、日本人サイコーって持ち上げると、それは盲目的なナショナリズムを煽る行為に繋がるんでないの?とか思っちゃう訳で。   古代ローマ人を日本人が演じる、この国の中だけで閉じた映画、それが単なるお笑いで済ませられればいいのですけれども、その奥に偏った閉塞性があるとしたら、ちょっとイヤかな。
[映画館(邦画)] 5点(2014-04-29 22:09:28)(笑:1票)
45.  テルマエ・ロマエ 《ネタバレ》 
前半面白くて後半つまんない。感想はもうそれだけで十分って気もしますが、一応長文型レビュアーなんでここから先は蛇足で(笑) 前半は色々と頑張っている気がするんです。セットとモブとCGを駆使した古代ローマのローマっぷりや阿部ちゃんのローマ人っぷり、その頑張りが生み出すギャップの笑い。だけど中盤以降はなんだかとても雑と言うかいい加減な感じになってしまって。市村正親のハドリアヌスなんてのはネタでしかない訳じゃないですか。なのにシリアス。もうたっぷりタメの演技をしていてテンポ殺す殺す。元々演技の間合い、編集の切り方が何やら不自然?って感じの映画ではあるのですが、マトモに映画たらんとしようと体裁を気にし始めたようなあたりでモロにぎくしゃくしてしまって。こちらとしては、いや、別に笑わせてくれればそれだけでいいから、って感じなんですけど。で、最もイカンのがタイムスリップものとして作られているにも関わらず、過去の改変による現代への影響オチ、これが全く一切スルーだって事。過去と現代とを行き来する映画でそこがまるっきり欠落しているって、一体何から逃げているのやら。銭湯がローマしちゃってます的なオチくらい入れておこうよ。せっかく阿部ちゃんが頑張りまくっているのに脚本と演出はとにかく無難な方向へ逃げようと必死になってる感じがする残念な映画でした。邦画ってそういうパターン多いよね・・・。
[映画館(邦画)] 5点(2012-05-08 20:24:25)(良:2票)
46.  電人ザボーガー 《ネタバレ》 
何かもったいない気がするんですよね。せっかくのリメイクを、何故わざわざこの監督独自のB級センスに合わせなければならないのか。そりゃ、元々のオリジナルがB級炸裂なシロモノであったのは間違いない訳ですが、その再現をするだけでなく(今日的なリニューアルなんて一部のCGを除いて殆どされていません)、この監督ならば当然とばかりにエログロも盛り込んで、好事家専用の、対象がごくごく狭く閉じた映画にしてしまったような状態で。見ていて楽しかったりもするのですが、それは決して真正面から楽しめているのではなくて、何か負というかネガティブというか、それを楽しめている自分を自嘲的に笑うような状態。作る方も見る方もそれでいいんか?とは思います。板尾さんは例によって薄~い演技しかしませんが、それはうらぶれた中年という設定に合っているものの、やっぱりそれでいいんか?と。まあ、もっとも私がこの映画に抱いた不満の大部分は、女サイボーグ、女悪役軍団、巨大化女子高生なんて美味しいネタに対してこの程度のダッサいやっすい味付けしか出来ない事に対する憤り、って感じですかねぇ。もったいない。
[映画館(邦画)] 5点(2011-11-13 21:54:43)(良:1票)
47.  デンデラ 《ネタバレ》 
前半のワクワクっぷりと、後半の腰砕けっぷりの落差ったら、なんなんでしょうねぇ?もう。前半、ばあちゃん達がすっげーカッコいいんですよ。反目する草笛光子と倍賞美津子のダブルミツコったら、マグニートーとプロフェッサーXっていうか。草笛光子が老けメイク状態で永遠の少女から支配者までを表現してみせるその凄さ。両者の間で揺らぎながら親友の死によって遂に立ち上がるスタローン風な浅丘ルリ子のカッコ良さも含めて、この映画スゲー!って。ばあちゃん達にユル・ブリンナーやマックイーンやブロンソンや志村喬やミフネの影を見ちゃうワケですよ。このカッコ良さで、さぞかし凄絶な復讐アクションが展開するのかと思いきや・・・後半はアレです。今度はみんながクリストファー・ジョージやリチャード・ジャッケルに見えちゃう、そう、『グリズリー』(物語的には『オルカ』って感じもあり)。なんかカットの繋ぎで誤魔化した(ゴマかしきれてない)B級モンスターパニック映画になっちゃいまして。んでも「婆VS熊!」って活劇でも、それはそれで面白そうですが、映画はどんどん山の中の世界に閉塞してゆく行き詰まりの物語になってしまいまして。大変に観念的なハナシで幕になってしまいまして。ヘンなの。大自然の中で必死に生きようとする者同士が、お互い復讐心に駆られて傷付き、倒れてゆく。熊の存在が生と死という相反するものを象徴し襲いかかってくる、にしても最後には物語そのものが放棄されてしまうような状態はどうもねぇ。ルリ子、何らかの策を抱えて乗り込んだのかと思えば・・・。雪に閉ざされたモノトーンの世界で必死に生きるばあちゃん達の、最後の生の灯と大自然との葛藤の物語、にしてはあまりに色々とやり過ぎちゃってて、視点ブレブレ。後世に残る珍作となってしまった感が。それでもダブルミツコの笑っちゃうくらいのカッコ良さだけでも見る価値は十分にあったりするのですが。
[映画館(邦画)] 5点(2011-07-04 22:01:30)(良:2票)
48.  出口のない海 《ネタバレ》 
まず映画としては撮影がとっても丁寧で綺麗で、良かったです。でも脚本はかなりガタガタね。オープニングから時間が戻った上で回想シーンで更に戻ったり、世界を捉える視点がクライマックスでいきなり主人公から整備士の青年にシフトしたり(唐突に彼のモノローグになるんだものなぁ)、だから見てるこちらとしては視点ブレるブレる。突如として死に急ぎ始める主人公から気持ちが離れてゆくんですわ。で、これは反戦映画のようにも見えますが、あくまでカッコ良く描かれてる訳ですよ、ここに出てくる死を選ぶ人々が。負けると判っているが、後世に語り継ぐために意味があるのだ、って点では『男たちの大和』と同じかな。確かにそういう歴史的事実があった、そういう悲劇があった、その通り。そしてそれを知る事も重要。でもね、赤紙が来て戦争に行った私の父や叔父の話、疎開した母の話なんかを聞いていると、どうも色々作られる映画との間に距離を感じるのですね。日本の戦争映画はみんながみんな最前線の人々となんの罪もなく犠牲になっていった人々の極で描かれているのですが、生き延びて今の日本を作った人々は蔑ろにされてるみたいな。俯瞰できず、悲劇に酔うばかりでそこに至る理由は問わず(問えず)。それはもう日本の戦争映画の限界かな。アメリカ人にも家族がいて、みたいな事を語りつつ、最後の方に出てくるアメリカ兵に魂を全く入れず類型的な進駐軍としてしか描けてない時点で、この映画もまた限界丸出し、と。
[DVD(邦画)] 5点(2007-05-18 01:34:11)(良:2票)
49.  ディック&ジェーン 復讐は最高! 《ネタバレ》 
どうもジム・キャリーの「物語の進行には関係のない芸の見せ場」はジーン・ケリーの「ボクの踊りを見て見て!」に似て、ちょいとジャマくさかったり。デキるサラリーマン役にしちゃあ、リアクションがウザいですよ、って感じ。さて、私がこの映画でいちばん気になったのは、強盗行為に対してのエピソードの回収をしてない部分。いかがわしい店とかコーヒーショップとかはマジで強盗しちゃってるワケで、モロに犯罪者夫婦になってるんですよね。それに対して物語として罰を与えるとまでは行かなくても、ちゃんと後腐れのないオチを与えておいて欲しかったです。クライマックスのややこしい作戦は、あんまりスッキリとせず、もう少し痛快なオチを用意して欲しかったな、と思いました。ジム・キャリーのマンネリな感じよりも、ティア・レオーニの多彩ぶりが楽しめる映画でした。
[DVD(字幕)] 5点(2006-10-03 00:32:02)
50.  天地無用! 真夏のイヴ
このアニメの事は全然!まるっきり知識のない状態で見たのですが、最初っから最後まで人物関係が全く判らず。初めて触れる人間に対するフォローが微塵もないのは困ったモンです。でも、日本的な夏の風景を舞台にして展開する、「作られた少女」の儚い物語は、ちょっと感傷的な気分にさせてくれました。日本の夏のイメージをフィルムに定着させようとしても、実写では湿度が高くて色が上手く出ないのですが、アニメならば、その色彩を更に純化させてフィルムに定着する事ができる、そんなアニメならではの利点を生かした映画でした。既存キャラのイメージに依存するような作り方をせず、一本の映画としてきちんと成立させれば名作になったのかもしれず、惜しい作品でした。
[映画館(邦画)] 5点(2004-06-16 00:40:32)
51.  デビル(1997) 《ネタバレ》 
アイルランド政府が悪い、いやIRAが悪い、という映画ではなくって、怒り、憎しみが新たな悲劇を生む現実をキツく描いた映画ではあるんですが、その背景をぶら下げた映画はスッキリとした印象になる訳もなく、だけど登場人物までシャキっとしない、ぐだぐだした感じになっちゃっていーの?と思いました。絶対的正義なんてものが存在しない世界では、ハリソン・フォードは冴えないおっさん状態。どうせならば彼と家族と、ブラピの関係を映画の中でもっと際立たせて、最後の悲劇を盛り上げてくれた方が良かったと思うんですけどねぇ。せっかく「テロリストはテロリストという名の生物ではない」ってスタンスで語ってる映画なんですから。
5点(2003-12-14 13:59:11)
52.  伝説巨神イデオン 発動篇 《ネタバレ》 
人として業を背負って滅びの道を歩む性、追い詰められ死んでゆく人々の物語。だけど、キッチンやアーシュラ、カララ、カーシャと、酷い死に方で描く事の意味が理解できませんでした。残酷な死によって戦争の無情を描くにしても極端過ぎ。製作側とファンとの間にある馴れ合ったアニメの枠にウンザリして、「形骸化されたアニメを殺す」みたいな意図があったのかもしれませんけれど、それ以前にアニメの表現の限界ってモノがある事にも留意して欲しい感じがしました。その枠を刺激的な表現によって超えようとしても、アニメである事の根本を破壊する事は出来ないのですから。その意図を更に進めて破綻した感じがするのが「エヴァ」なワケですが。その模索は実のところ、もっと全然別のところに正解があるんじゃないかなぁ? 少なくともキャラクターの記号化、形骸化はこのアニメの意図に反して(本家ガンダムの新作まで含めて)更に進んでしまっているような今日この頃。
[映画館(字幕)] 5点(2003-12-12 13:33:50)
53.  ディープ・ブルー(1999)
うーん、やっぱりレニー・ハーリンやねぇ・・・。施設内の構造が判りづらくて相変わらず刹那的なサスペンス描写。で、この映画にはたっぷりの既視感、いや、実際にそりゃどっかで見ましたぜぇ状態が詰まっております。遺伝子研究施設に嵐が迫っていて、多くの人々が去って残された人々(社長含む)が大変なメに遭う映画は?下着姿でヒロインがバケモノと対決する映画は?さて、この3匹の退治方法はそれぞれ何?ってまるでクイズ出されてるみたい。グロ描写には力入ってますけどね。登場人物には誰にもまるで感情移入できなくってツラかったですけど、最後のとこで、ちょっとスカッとしたかな。でも、原題から「海」を抜いたのは賢明な判断ですね。実際の映画、建物の中ばっかで、あんまり海を舞台にしてないもん。
[映画館(字幕)] 5点(2003-12-11 23:38:37)
54.  天間荘の三姉妹 《ネタバレ》 
 とにかく最初に言いたいのはダルくなるくらいに長いわ。とてもじゃないけどここまでの尺は要らないわよ。   生者と死者を巡る感動的な物語、かと思ったら冒頭からずっと頭ヒネりまくり、ハテナマーク浮かびまくりのおかしな映画だったわ。  展開上、隠されている、徐々に見えてくる要素がいっぱいあるのだけれど、それを隠したことが映画にとって有効だったのかどうかが甚だ疑問なのよね。ドラマで魅せたいのならば、登場人物に対してはともかく観客にはむしろ最初から映画世界の仕組みを説明しておいた方が良かったんじゃないかしら?   隠されていた、あるいは明確にさせていなかったポイントは以下の通り。 ・まずこれは『スカイハイ』の番外編、『スカイハイ』と同一の世界観で描かれる作品であること。 ・登場人物の殆どは死者であること。 ・旅館を訪れる客のみが生死の境(意識不明状態)にあること。 ・旅館の一家のみが自ら既に死んでいることを認識しており、町の人びとは死んだことに気付いていないこと。 ・そして旅館の一家を含む町の人びとが東日本大震災の犠牲者であること。   ずっと作品世界の設定ルールが明確でないためドラマを堪能する以前に何がどうなってるの?っていうのが先に来てしまうのね。その上で「お行きなさい」とか言い出すので『地獄少女』?・・・じゃなかった『スカイハイ』みたい?って。更に東日本大震災という現実の出来事を題材にしながら「お行きなさい」を繰り返すので(ここでは「お逝きなさい」はさすがに使われてないわよね)、何?ふざけてるの?って。  とてもじゃないけれど震災の犠牲者に対してこの娯楽映画のあり様、カタチが相応しいとは思えないのよ。別にそういう映画を作るべきじゃないとか言わないけれど、鎮魂と残された人への癒しとしてはあまりに無神経で雑な出来だと思うわ。なんで『スカイハイ』なのよ「お行きなさい」とか言ってんじゃないわよ、って思ったのが正直なところ。  カメラ動かしまくり、ぐるぐるとテクニックに走った長回し、そんなこれ見よがしの要素(ついでに恥ずかしいレベルのVFX)が余計に題材に対する不真面目さを醸してしまっているのよね。  連なったエピソードもほのぼのとか癒しとかの方面じゃなくてギスギス、トゲトゲ、バタバタしたものばかり、豪華スターの競演によるドタバタ混乱劇よ。   そんな中でのんさんは独特な存在感があって良かったわ。彼女に抱いていたイメージと違う、ちょっと大柄で(周囲が小さい?)しなやかな体躯が際立って映えてるのよね。映画自体の印象と同じな、繊細とは言えない、ちょっと雑なカンジが彼女のキャラにだけは合っていたわ。   全編を説教臭さ、押しつけがましさが支配していて、こんな映画に過去を胸に未来を生きろ!とか言われても「偉そうに何よ?」ってカンジだったわね。
[映画館(邦画)] 4点(2022-11-02 15:39:20)(良:1票)
55.  天気の子 《ネタバレ》 
 この虚無感はなに?   家出少年と親を亡くした未成年の姉弟。高校生を殴るチンピラ。銃をぶっ放す高校生。未成年だけで入るラブホテル。高校生に銃を向ける刑事と警官。国家権力に反抗して法を犯しまくる登場人物たち。  今のアタシはそういう刺激的な(あざとい)要素を、物語を楽しむためのドラマティックな題材として捉えられる気分じゃないのよね。   「繊細なフリして無神経」ってのはアタシが前から新海誠監督に抱いてる印象。相変わらずだけど今回はそれが腹立たしくもあって。  東京の西側に生まれ育った身からすれば見慣れた風景、それが「だから?」としか映らず。街が見せる「顔」はそこに住む人間からは必ずしも正しいとは思えず、上っ面のイメージとして提示されたモノに苛立ったりもして。   そう、上っ面。なんとなくそれらしい設定や映像やキャラや美術やエピソードや歌が並べられているけれど、その内側に一体何があったのかしら?いや、何かあったのかしら?  数々の類似した映像、エピソードを思い出しつつ(『時かけ』『バケモノ』な細田作品だの『聲の形』だの『サカサマのパテマ』だの『ペンギン・ハイウェイ』だの水没系なアレコレだの、いちいち挙げるのも面倒だわ、ってそうそう、でも忘れちゃいけない、愛という名のエゴが、リアルに描かれた東京を水没を含む壊滅のイメージの世界に誘う『X』も)、それ以上の何かがあった? それらが提示したモノの意味以上のものがあった? っていうか、それらがキチンと有機的に結合して1つの作品として意味を成してた?  『君の名は。』同様、ダラダラ流れる歌の数々と共に、アタシにはコレがなんとなく感覚的に雰囲気的に酔えればいいじゃない程度のものにしか映らなかったのよね。でも『君の名は。』ほどには娯楽映画として楽しいって作品だとは思えないし(かなり殺伐としてるわ)、かと言って、そんなに作家性なんてあったかしら?   愛にできることはまだあると信じたいけれど(特に今は京都アニメーションに対して)、でも、この映画の愛はそもそもなんだったのかしら? アタシ、それすら見失っちゃったわ。
[映画館(邦画)] 4点(2019-07-19 23:14:35)(良:5票)
56.  天空の蜂 《ネタバレ》 
 原発や国防という今日的問題を描いている点では意欲的作品なのかもしれませんが、とにかく面白くありません。   登場人物の誰にも魅力を感じる事ができないっていうのはどうした事でしょうか。皆、感情を晒しまくって感情と感情のぶつかりあいみたいな状態になっていますが、国家単位の危機的状況下で一体何をやってるんでしょうかねぇ。制限時間が設定された中で、その会話は必要なのか、その行動は必要なのかっていうシチュエーションだらけ。主人公の奥さんなんかぎゃーぎゃー喚いて主人公を足止めするだけっていう、単なる障害物状態ですからね。息子を助けたいのに足引っ張ります、っていう。  主犯の犯行の動機にだって説得力がありませんし(それは作品そのもののテーマに直結している訳ですが、人を上から見下し自らは結局何もできていない中二秒的視点に過ぎません)、実行犯に至ってはただのおかしい人。  その人の背景がちっとも見えてこないんですね。背景が描かれる人まで含めて。映画で描かれただけの背景はある、けれどだから?みたいな。そんな過去があったからってどうしてそんな人になるのやら、って。手塚とおるの刑事など、そこにそんなおかしな人間を配置する事の必然が全く感じられません。堤幸彦的変人、必要でしょうか?  プロの人達がプロの仕事をする、それで十分見応えがあると思うのですが、過剰な個性や感情の味付けが興を削いでしまっている気がしました。   サスペンスシーンは一連の流れをテレビの実況中継で全て解説するという、画に全く自信がない事を吐露しちゃってるような時点でそのレベルを物語っているようなもので。肝心な瞬間はいちいちカメラがヨソ見してますしね。   即物的な画ばかりの映画で、ラスト近くのモックンがそれを受けとめようとするイメージショットはなんだか唐突でしたね。いきなり何が起こったかと思っちゃった。
[映画館(邦画)] 4点(2015-09-22 23:29:41)
57.  デンジャラス・ビューティー2 《ネタバレ》 
ハリウッド映画では、どうして続編になると前作でくっついてたハズのカップルが別れてしまうんでしょう? きっと脚本よりも役者の事情が優先されるんでしょうね。だけどそれであっさり前作を壊しちゃうんだもんなぁ。さて、今回は前作の完全な後日談となっていて、前作頼りな設定と展開なんですけど、これがあーんまり面白くないです。前作のミスコン設定はもう使えませんから、ミスコンで入賞しましたって部分だけを頼りに物語を進めていて、それに刑事モノお得意のバディムービーのスタイルをくっつけてみました、という状態。このバディムービースタイルに新鮮味がないどころか、どうも上手く映画の歯車が回っていない感じで気持ち良く進んでくれません。今回、核となる事件部分が映画を動かしてゆくだけの力を持ってない上に、前作にあったミスコンへの挑戦から晴れの舞台までの流れにあたる存在がなく、結末に急がせないための回り道ばかりが目立ってしまって退屈、という感じ。結局、1作目で完結しちゃってる映画だったんですよね。設定に縛られて無茶できないくらいなら、いっその事「スーパーマン」みたいなふごふご笑いのダサい捜査官とスーパーモデル風捜査官の二面性を前面に押し出したスーパーヒロインものにでもしちゃった方が良かったのにね。
[DVD(字幕)] 4点(2006-06-30 00:19:34)(良:1票)
58.  デビルマン
この点数、私のレビュアー生命の危機かも。えーと、ネット上で散々な言われ方をしておりますが、私にとっては目くじら立てる程でもないフツーの駄作でした。脚本に全く流れが存在していない、主役の演技が壊滅的、という映画なのですが、少なくとも「地獄堂霊界通信」「新宿少年探偵団」「ビッグマグナム黒岩先生」あたりが醸し出していたデビルパワーには到底及んでいないんですよね。意外にマトモで肩すかし。中途半端に変身した明の体が貧相で情けない姿でも、「黒岩先生」でミョーにデカいヘルメットに小さな体でバイクから降り、演技なしの棒読みセリフを発声する横山のやっさんほどの破滅的インパクトはないのです。キャラクターの感情がちっとも伝わってこないし、CGシーンになると全くの別映画になっちゃうし、世界が狭すぎだし、説明不足は全部ボブ・サップの喋りで片付けちゃうしと、まー、そりゃ評価すべき点がちっともない映画ではあります。でも、じゃあ、最悪なのかっていうと、もっとヒドいモノは沢山あるでしょー、と。原作から離れて人の中に棲む悪魔、異なる個性を持った者への弾圧の部分を純化させていったら、あるいはもう少し評価できたかもしれません(補足記:それが明確に表れているミーコとススムくんのエピソードは、ブランコのシーンでの印象的な映像も含めて、この映画の中での少ない評価ポイントなのです)。だけど、それでは原作に思い入れのある人も、原作者自身も納得はできないのでしょうね。ミーコ主役の映画にしろ、って言ってるよーなモンだし。私は原作を読んでもファンにはならず、思い入れもない人間なので、怒りや憤りを感じないのかな。大振り三振を期待したら、スリーバント失敗でした、みたいな映画ではありました。
[映画館(字幕)] 4点(2004-10-16 17:08:28)(笑:1票) (良:5票)
59.  テックス 《ネタバレ》 
青春期の苦悩を描いたマット・ディロン主演の映画、という事で「アウトサイダー」を思い出さずにはいられないのですが、これは良くも悪くも良識的な範疇に収まった映画でした。田舎に暮らす兄弟の金もない生活は、荒んで落ちてゆく事を容易に予感させますが、ディズニーブランドゆえのお行儀の良い転落と甘いハッピーエンドが約束されてしまっているような感じ。常に映画に抑制がかかり続けていて、そのために鮮烈なイメージを残すような事はありません。やはり、登場人物に強い個性付けがないと魅力が感じられずにツラいですね。悪い人は、なんとなく中途半端に悪い人、いい人はめちゃめちゃいい人な映画、そこから生まれるのはヌルいファンタジー、って感じでした。何しろ撃たれても強い教訓を残すほどのドラマのうねりがあるワケじゃなくてめでたしめでたしですからねぇ・・・。
[映画館(字幕)] 4点(2004-09-08 02:59:28)
60.  天国にいちばん近い島
「ここが私の天国にいちばん近い島です」と言われても、なんで?って感じの映画でした。そこまでのドラマがちっとも迫ってこないモンだから。そもそも、旅エッセイな原作を無理に物語にした結果、かなりヘンな映画に。実話からリアリズムなしの映画に変化。大林監督としては昔風の南国モノを再現したかったようですが、いかんせん物語に全然面白味がなくって。最後の最後のショットで、ちと許す、みたいな。当時、めちゃくちゃ知世ファンだった私が必死になって応募して当てた、「知世バースデイフェスティバル」とゆーイベントで見た、とゆー事は、ここだけのヒミツ。ちっともヒミツになってないけど。
[試写会(字幕)] 4点(2003-12-12 12:42:49)
080.32%
1220.87%
2421.67%
31234.89%
431912.67%
548419.23%
654521.65%
745518.08%
829811.84%
91827.23%
10391.55%

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