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1.  デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム! 《ネタバレ》 
デジモン?親戚の家に用事があって出かけたら親戚の家の小学生が観てる横で観ていたら何だ?何だ?コンピュータウイルスか?パソコンの中で暴れまくる怪獣、どうやって倒す?気になり、気になり、お願いだから最初からじっくり見せてくれと小学生を説得して、また最初から見ることに! 子供向けアニメだと思うけど、いや、待てよ?今作は寧ろ大人が見て楽しめる作品だ!まるで現在のインターネット社会で実際、起こり得る怖さを見ることになる。電話のシーンで突如出てくる数字における恐怖、パソコン上で暴れまくる怪獣、新着メールが届いて、それを見る2人の少年、核ミサイルが迫り来る状況を何とかするべきだと立ち向かうシーン等、僅か40分の中でなんて濃いメッセージを持った作品だ! 正直言って、デジモンが何なんのかさえ分からないし、細田守作品に対してもあまり良い印象はないけど、細田守監督作品の中でもおそらく観てる人は一番少ない筈ですが、私にとってはこの作品が細田守監督のベスト作品である。作品の最後の方で消えていく怪獣の姿が自ら地球を守ろうという想いが感じられて感動的です。テレビシリーズを見てないと分からない欠点があるものの、子供向けアニメだと見ないのは勿体ないです。
[DVD(邦画)] 8点(2021-08-05 19:38:27)(良:1票)
2.  田園に死す 《ネタバレ》 
始まって直ぐのかくれんぼ、不気味な表情で何も言わない少女、沢山の人達も何を考えているのか分からない不気味さ、恐山の風景のドロドロした映像、顔面真っ白な人達、顔が破けていて誰か分からない写真、沢山の鳴り響く時計、男が女の身体を触ろうとするのを障子の向こうから望く老婆に不気味な表情、空気女、サーカス、その他不気味なまでの笑い声等、何が何だか全く分からない。分からないが故に知りたい。そう思わせる映像の数々、映画が持つ映像表現で見せるこの摩訶不思議な世界観に見入ってしまいます。赤、黄色、緑、青、色の使い方がこれまた不気味さを象徴していて過去と現在、そして未来、人間の中に隠れてる狂気、夢なのか現実なのかという問い掛けを不気味な映像表現で見せる寺山修司の世界は寺山修司自身にしか解らないだろうけど1つ言えることは人は一度は過ちを犯す生き物なのだということ。これはそんな映画だ。最後に馬という言葉を発してはいけないという台詞を聞いて、何て残酷なんだ。競馬ファンにとってこれ程残酷な言葉、台詞はない。
[DVD(邦画)] 8点(2018-04-21 16:18:19)
3.  手討 《ネタバレ》 
この映画の題材となっている番町皿屋敷東京いうお話は落語でも何度か聴いたこともあれば見たこともある。あまり好きな話ではないが映画として見た場合、美しく悲しいドラマとして見応え十分で低い点は付けられない。愛する者同士、死をもって覚悟の上での決断する二人の姿が悲しい。殿様を信用出来ずに大事な皿を割り、自らの命と引き換えに殿様に対して、涙ながら殿様に対する気持ちを表すお菊の女の悲しみ、殿様もまた自分を愛し続けていたお菊を自らの手で手討ちにするしかない道を選んだ苦しさ、その両方が見事に描かれている。主演市川雷蔵の殿様としてのただずまい、お菊を演じた藤由紀子の美しい姿は桜の美しさにも負けないほどです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-03-13 19:53:58)
4.  テス 《ネタバレ》 
美しい。冒頭の夕焼けの空の色の美しさ、更に音楽の美しさ、そんな美しい音楽に乗せてダンスする大勢の女性達、美しいと言えば映像もさることながら主演のナスターシャ・キンスキーのあまりの美しさに眼を奪われる。そりゃあ、男ならアレックスやエンジェルだけでなく誰だって心を奪われそうになる。出てくる二人の男が全く別のタイプだがどちらも嫌な奴である。こんな嫌な男なんかに関わらない方がテス(彼女)の為だ。それでもやはり美人であることが致命傷となり、どんどんと不幸へとなっていくのだが、それでもひたすら生きようとするテスの姿が悲しくあり、楽しい映画なんかではないけれど、この映画のテスのように自分が凄い美貌の持ち主であることを知らない女性というのは世界中に多くいると思う。美しいということはとても罪であるとばかり言わんかのような映画です。ナタリーシャ・キンスキーが苺を口にする場面のあの唇の美しさとエロさ、そして、アレックスとの間に生まれた子供に乳をやる場面にはそれが例え嫌々な形で産まれてきた子であっても母としての真の姿が見える。エンジェルがもっとマシな男だったらと思うと余計にテスが哀れでならない。誰もテスを救えなかったのか?作品全体の空気、張り詰めた感じ、あまりの美しさが生んだテスの人生、これを観ると自分は男であり、しかもかっこ良くもなく、美男子でもなくて良かったと思えてならない。そんな映画です。
[DVD(字幕)] 8点(2012-01-12 21:48:01)(良:1票)
5.  電撃フリントGO!GO作戦 《ネタバレ》 
すげえなあ!自分の思うように好きな時に心臓を止められる。ここまで死んだふりが上手い俳優は他にいるのか?ジェームズ・コバーンの動きの面白さに加えて、そこに関わってくる女達が美女ばかりでしかもナイスプロポーション!007シリーズを完全に意識しているような内容なんだけど、そこにコメディの要素がふんだんに加わっている。完全にお馬鹿ムービーである。正月に観るに最適な映画かもしれない。それにしても羨ましいなあ!あんなにも大勢の美女、しかも皆、水着であるに囲まれてチューチューのオンパレード!美女好きならストーリーなんかどうでも良いとさえ思えてしまう映画!
[DVD(字幕)] 7点(2012-01-04 21:35:17)
6.  テキサスの五人の仲間 《ネタバレ》 
やられた。まんまと騙された。ヘンリー・フォンダが倒れ、急遽駆けつけた医者、そして、奥さん、更には銀行の頭取までもが全員、グルで他のポーカーの相手全員騙す。その騙し方が何とも爽快である。あの亭主も亭主なら奥さんも亭主以上のやり手だ。ポーカーのルールさえも全く知らないなんてとんだ大嘘である。結局どんな手で勝ったのか?見せないけれど、そこは見せなくて正解です。見せないことで観る側の立場から考えれば想像することの楽しさというものも面白さであり、またこの映画、ヘンリー・フォンダ以外のポーカーの相手もそれぞれが個性的であり面白い。更に西部劇好きにとってはあの西部の街並み、セット、そういう雰囲気を楽しむだけでも良いのに、そこに来てこの騙す者と騙される者とのやりとり、最後まで騙されたままでいることすら知らないでいる男達の事を思えばそれもまた面白い。とにかくこの映画は最近の下手な大作なんかじゃ絶対に味わえない面白い駆け引きが見られるのも良い。映画は脚本の力でどれだけ面白く撮られるかってことを見せ付けられる映画でもある。
[DVD(字幕)] 9点(2012-01-04 10:23:27)(良:2票)
7.  天井桟敷の人々 《ネタバレ》 
この映画が何故名作と言われているのか解る。映画への愛に満ち溢れている。映画を撮るんだ。映画を製作するんだという情熱、思いが伝わってくる。この映画は当時、フランスはドイツの占領下にあった。暗く沈みがちなフランス人の為にフランスの監督が同じフランス人を映画という武器を持って喜ばせたい。楽しんでもらいたいという願いで撮られている。自由への叫び、それはパントマイムという形でしか表現出来ない時のバティストと素顔でのバティストとの両面を描きながら本当の自由とは何か?愛とは何か?というものを見せてくれている。芸人であるが故に、それもパントマイム芸人であるが故に声には出せない苦しみ、一方でパントマイム芸人ではない時に見せる姿が本当の意味でのバティストであるように人は自分の気持ちというものは心の中にいつまでも隠しておくことなどは出来ない。全てを騙して生きることの辛さ、それはバティストだけではなく、お互い愛しながらも一緒にはなれなかったバティストとガランス、ガランス同様、バティストの事を心から愛していたナタリーの苦しみ、別の男と結婚し、男の子が生まれ、その子供にバティストと名付けた事がナタリーの気持ちをよく表しているし、最後に群集の中に消えて行く(去っていく)ガランスの名を呼び続けるバティストの心の叫び、色んな意味でこの映画は男と女の本心、それを全て隠さずに描ききっている作品として素晴らしい人間ドラマである。午前十時の映画祭で観るまでずっと観ないでいた作品である。大きなスクリーンで観て来て良かった。あれだけのスケール感、よく占領下に置かれている厳しい立場であるにも関わらずこれだけのものを撮ったと感心させられた。この映画がフランス人に与えた勇気、希望は我々日本人には想像つかないぐらい計り知れないであろう。
[映画館(字幕)] 9点(2011-09-10 21:57:17)(良:2票)
8.  でんきくらげ
何だか相変わらずなほど興味を沸かせるタイトルを付ける辺りは如何にも増村保造監督らしいものを感じさせ、映像的にもどこをどう見ても他の監督にはない。増村映画的な雰囲気を醸し出し、ところがだ。何故だろう?これだけのゾクゾク感のあるタイトルに映像美を見せながら、物足りない。刺激が足りない。女優の魅力なのか?この手の作品こそ若尾文子主演にピッタリなはずだ!若尾文子主演で見てみたい。若尾文子主演なら間違いなく凄い映画になっていたはず。川島雄三監督に一番、相応しい女優が若尾文子であったりするのと同じように、(芦川いづみも好きですが)増村映画で最高に輝く。いや、輝くというよりも作品の凄さを引き立てさせる女優は若尾文子であると思っている私としては、この凄いタイトルで若尾文子主演がどうしても見たい。話の面白さというより、増村映画的な怪しい雰囲気で見せる映画であるので、その怪しい雰囲気を見せてくれているという意味では評価は出来る。それでも、何度も言うように物足りない。
[DVD(邦画)] 6点(2010-12-21 22:11:42)(良:1票)
9.  天使とデート
まずは言っておくけど、ストーリーそのものは特別どうってことはない。でも良い。エマニュエル・ベアールの存在が全てを語っている。この映画は誰が何て言おうが、とにかくエマニュエル・ベアールの美しさ、もう、本当にこの世のものとは思えないぐらいとにかく美しい。いや、美しいなんてもんじゃない。美しすぎる。ただただその美しき正に男にとっての彼女は天使そのものである。正に女神のような存在である。その美しさを堪能する。この映画のエマニュエル・ベアールを見ても何とも思わない。何も感じないようでは男失格である。男である以上は誰が見ても間違いなくその美しさに見入ってしまうはずである。どんな映画?て聞かれたら「エマニュエル・ベアールを見る映画」と私は答える。この映画に対してストーリーに対する文句、ケチなど不要である。ただただエマニュエル・ベアールを見て、なんて美しいんだろう!と酔いしれる。そのようにして見るべき映画である。これ一本で私の頭の中では生涯、エマニュエル・ベアールという女優の名前は忘れることはないでしょう!タイトル通りエマニュエル・ベアールの天使とデートしているような気持ちにさせられた。
[DVD(字幕)] 7点(2010-11-27 22:29:36)(良:3票)
10.  転々 《ネタバレ》 
良いなあ!何が?散歩に付き合うだけで百万円貰えるとか納豆味の靴下とか塩味の靴下とかその他所々で真面目なようでふざけているような何とも不思議な笑いが醸し出す雰囲気が良い。そして、見ていて最近、歩いてないなあ!私のような田舎暮らしの人間にとっては歩くという行為が年々、薄れていく中でこの映画を見ているとたまには車の生活から離れて遠くまで歩きたい。目的地なんて決めずにとことこ散歩してみたい。そう思わせるだけの魅力がこの映画にはある。出演者の顔ぶれに眼を向けると、何とも個性的な面子きりでそれもまたこの映画の魅力かもしれない。面白いことは面白いけど、映画的なスリリングに満ちた面白さではなく、個性的な人物によるそういう面白さであって、ストーリー的な面白さはほとんど無い。後ろ向きに歩くと若返れるという発想、悪くは無いけど、でもそれって、ある程度の年齢を重ねた人間に向けての発想て気がして、若者に向けての未来への励ましとは大きく違って見える。どうせなら若者よ後ろを振り返り、後ろ向きに歩くより前を向いて歩こうという方が私には共感出来る。面白いことは面白い作品だけど、ちょっと吹っ切れない何かが残る。ところで気になって仕方ないことが二つほどあるのだが、まず一つにあの時計屋のご主人、オダギリジョーと三浦友和の二人を追いかけて来る際、きちんと店の鍵をかけてきたのだろうか?次に吉高由里子の変な歌、何て歌ってるのかよく解らなかった。それが気になって仕方ない。最後にもう少しだけ!岸部一徳を街で見かけると本当に良いことあるのかな?あるんだろうなあ!でもって岸部シローだったらロクなことが起きないと感じてしまうのは私だけか?きっと他にもいるはずである。
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-22 21:35:09)(笑:2票)
11.  ディーバ 《ネタバレ》 
青、青、青、まずは何と言っても青が印象に残る。壁の青や、部屋の中に眼を向ければ、そこにも青いものが見え隠れする。部屋の外から中へと立ち込む光の色、反射、出演者の中にも青を着ている者もいるし、何から何まで青、青、青です。その次は赤、この映画はまず何よりも色に対する拘りのようなものが凄く感じられる。まるで一種のアートのようである。確かに話としては特別に凄い面白さは感じられない。しかし、見ている間はそう思っても見終わった後には何か解らない不思議な魅力、ミステリー調な中にあるフランス映画的な香り、パリの空に殺しが絡んでくるその雰囲気、上手く言えないけど、私はこの映画はストーリーよりも雰囲気を楽しむ映画ではないかと思う。主人公の女性への憧れ、黒人のオペラ歌手への想いの強さ故にやってはいけないことをしてしまう気持ちも描かれているし、ラストのステージでのオペラ歌手の誰もいない所での歌声、カセットに収められた自分の歌声を聞く彼女を見ている少年、ここでもまた青が印象に残る。映し出されるテレビのモニター画面の色までもが青かったり、ステージの色の青だったり、この監督さんの色に対する拘りを見ているようです。
[ビデオ(字幕)] 7点(2010-02-09 21:15:26)
12.  手錠のまゝの脱獄 《ネタバレ》 
男と男による脱走ものと言えばそうなのだが、この映画の一番のポイントは同じ国の者でありながら白人と黒人という所にある。方や黒人だけの土地では白人は別の人間と差別され、もう片方は白人ばかりの土地では同じように別の人間だと差別を受けるというアメリカ社会における今も消えない人種差別という問題を取り扱っているところにある。そして、そんな二人が手錠をかけられたまま自由を求めて脱走を図る。ところがそう簡単には物事は進まない。最初に逃げた土地では大勢の白人の前で捕まる二人、白人であるジャクソン(トニー・カーティス)のお陰で黒人であるカレン(シドニー・ポワチエ)も逃がして貰うものの、今度は一人の少年に出会い、そこで見た者は少年の母親である白人女性による偏見、差別、カレンを騙し、ジャクソンだけを助けようとするというこれぞ同じ白人に対する考えと黒人とでは違うというアメリカが抱える人種差別の世界である。そんな状況の中、出逢ったばかりの白人女性よりもそれまで散々喧嘩してきたカレンを取る。男の友情を取るジャクソンとそれに応えて見せたカレン、手錠は外れていても手錠は今も繋がっているんだとばかりに負傷して動けないジャクソンの手を取って一緒に逃げるカレン、列車に乗ることに失敗した後、自ら煙草に火を付けてジャクソンの口にくわえさせてあげるという男気、この瞬間、二人は完全に白人と黒人という人種を超えて一緒になれた瞬間であると思うことが出来たのと、最初につまらなそうに歌を口ずさんでいたカレンとラストの同じように歌を口ずさんでいるカレンとではまるで別人である。最後のカレンの歌声とその時のあの清々しい表情で終わるというのも気持ちが良い。あそこで終わっているからこそ良いのである。あの後もダラダラと描いていたらここまでの余韻、作品にはなっていないと思います。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-09-07 21:18:12)(良:1票)
13.  適齢三人娘
川島雄三監督、これは良いねえ!さっき観た「夢を召しませ」がどうにもつまらなかっただげに余計に面白く観ることが出来た。やはり川島雄三監督にはこういう活気のある喜劇が合っている。いきなり訳もなく婚約を解消されることとなる姉を持つ妹を演じている津島恵子が抜群に良い。この映画の津島恵子の何という美しさと可愛さ、健気な姿が見ていて気持ち良い。彼女の演技のおかげで本来ならばドロドロとした雰囲気になりそうなところを全くそうさせず、むしろ、川島雄三監督らしいこの監督の持ち味でもある軽快さ、テンポの良さで見せる。これは川島雄三監督の映画としては知名度は低いかもしれないけど、こういう作品こそ是非、DVD化して全国のレンタル屋さんに並ぶことを願いたい。それにしても川島雄三監督の作品って他の監督さんに比べるとDVDはおろかビデオにすらなってないものが多過ぎる。外れも多いけど、このように面白い作品を山ほど撮っている監督の作品を何故、DVD化しない?川島雄三観ずして、日本映画を語るなんてことは私には出来ない。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-02-10 20:55:34)
14.  点と線
松本清張の原作は元々が面白いだけに期待して見ることにした。確かに話そのものはよく出来でいるし、面白いとは思う。ただ、画面に山形勲が出てきた瞬間にどう考えたところで、この映画の犯人はこいつしかいなと思ってしまう。それは山形勲だけでなく高峰三枝子にしても同じで、それにしてもこのキャスティングの何たる凄さ、誰が見たって善人は全く似合わない二人、山形勲と高峰三枝子が夫婦だなんて、普通じゃないよ。その他に眼を向けると三島雅夫も当然、悪者なんだけど、それを上回る山形勲の悪人ぶりもやはり時代劇の中での山形勲の印象が強すぎて、ここでは確かに悪人なんだけど、山形勲にしてはごく当たり前のような感じしか見えず、高峰三枝子にしても松子夫人に比べたらちっとも恐くない。そんな二人をどう逮捕するかというそれまでの話とあのラストにやや引っ掛るものが残ってしまい悪くはないが、あと、一押し物足りない。これはやはり元の原作があまりにも素晴らしいので、原作を超えることはやはり厳しいと痛感させられた。
[DVD(邦画)] 6点(2007-12-08 14:23:36)
15.  天使(1937)
ルビッチの演出が冴える。冴える。本当に何を見せて何を見せければ良いのか?この監督の見せないことで想像力を高める。素晴らしきルビッチタッチによって単なる三角関係の話がここまでスリリングにそして、上品で美しい物語になるものかと、本当にお見事です。もう、素晴らしすぎるコメントが既に書かれているので、私には何と説明すれば良いのか?とにかくルビッチ監督のこのお洒落で美しい物語にただただ酔いしれるばかりの傑作!
[ビデオ(字幕)] 9点(2007-07-13 21:47:35)
16.  転校生-さよならあなた- 《ネタバレ》 
現役の日本の映画監督の中で最も好きな監督、大林宣彦監督作品にハマるきっかけとなったのが今から25年前に尾道を舞台に撮られた尾道シリーズ最初の作品「転校生」です。そんな「転校生」が再びスクリーンに甦る。しかも、それが私の知っている。いや、知ってるも何も住んでいる所が舞台となって撮られる。そう聞いた瞬間から不安よりも期待のが大きかったし、実際に撮影してる所も友達と見たりした。やっと見れる。期待に胸躍らせ観てきました。期待していた通りの素晴らしい出来に涙が止まらなかった。最初に尾道から長野へと引っ越して来た一夫と母との二人が電車乗ってるシーンからもうたまらない。あの電車、利用した事もあるし、一夫と一美の二人が歩く場所も二人の家もお蕎麦屋さんも勿論、知ってるし、利用した事もある。そんな馴染みの場所が次から次へと出てくる。しかも、大林監督らしい美しい映像を見せてくれる。長野県民として、長野市内にいながら今まで気が付かなかった新たな一面も見せてくれる。こんな所もあったのか!と驚くばかり、それだけでもこの映画、観ていて楽しい。そして、ただ楽しいだけでなく、後半の意表を付く展開にこれはリメイクとは言ってはいるものの、単なるリメイクではない。新しい形の「転校生」だ!全く同じ設定にしてはいないので観れば解ります。一夫と身体の入れ替わった一美が家族の前で蕎麦打ちをするシーンが出てくるのだが、そのシーンを最後の方で病気により亡くなった一美の真似をして蕎麦打ちをする一夫、あそこで一気に涙が出てきました。市民病院から抜け出す二人が途中出会う旅芸人とのちょっとした触れ合いも良い。単なるお涙頂戴にしてない演出の素晴らしさと相成って本当に美しい長野の風景、CGなんかじゃなくて、本当にある美しい信州のそびえ立つ山の見事なこと、同じ長野の人間としてあの美しい風景は自慢出来るぐらい美しい。一美のお墓参りを済ませて去っていく一夫、その後に流れる一美の歌声と美しくてため息の出る素晴らしい映像美に思い切り感動させられ、そして、大林宣彦監督の温かさを見せてもらって感謝しています。こんなにも素晴らしい感動を与えてくれた監督をはじめとする関係者皆に「ありがとう!」と声を出して言いたい。そして、見た後、また善光寺周辺を歩きたくなって、歩いてしまった。文句なし今年のベストワンです。
[映画館(邦画)] 10点(2007-06-23 18:08:42)(良:1票)
17.  抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より 《ネタバレ》 
これはまた一つ面白い脱走ものの映画を見つけた。絶対に脱走不可能と言われたドイツ軍占領下の収容所における一人の男が脱走を図るまでの模様がじわりどわりと描かれています。全編のほとんどがクローズアップで撮られているのだが、この映画では脱走する為の色々な工夫が緊張感を持って描かれています。安全ピンで繋がれた手錠を外そうとしたり、バックに流れるモーツァルトの音楽がなかなかの効果をもたらしていて、何だかまるでその場に自分が放り込まれているような凄い描写によって、主人公と一体化するような心理的恐ろしさというものが生まれるほど白黒の画面構成も見事です。ただ、あまりにも暗い内容なので「大脱走」や「ショーシャンクの空に」といったようなアメリカ的な開放感、爽快感はないので爽快感のみを求める人には向かないかもしれませんが、見て損はない作品になってますし、アメリカ映画との違いを比べて見るのも悪くはないのでは! まあ、いずれにせよよく出来た映画であることだけは間違いありません。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-05-27 19:03:17)
18.  天使も夢を見る
これはまだ川島雄三監督の得意とするような軽快さとでも言うべか?陽気な感じが薄く、そんな中で主演の鶴田浩二が任侠映画での鶴田浩二とは違う雰囲気で何とも新鮮である。作品そのものの出来としては特別面白い作品でもない。しかし、川島雄三監督の持っている怪しさ、この怪しさが無い分だけ解りやすく見易い映画になっている。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-08-05 13:47:08)
19.  出来ごころ
小津安二郎監督のサイレント映画では「生れてはみたけれど」が凄く好きなので、これも同じサイレントとして面白そうだから借りてきました。でもってどうかというとこれもまた面白かった。サイレントであることすらすっかり忘れてしまいそうな雰囲気が観ていて、心地良く、小津監督の映画はどの作品にしてもレベルが高い。突貫小僧の一つ一つの表情、態度、行動が笑える。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-04 17:13:34)
20.  天国は待ってくれる(1943)
何だかヘンリーが「風と共に去りぬ」のレット・バトラーのような男に思えた。そんな調子の良いこの男がマーサに対して愛を語る時のやりとりが凄く可笑しかった。ルビッチ監督らしい相変わらず上手い語り口、最後まで飽きることなく楽しめるこの映画、タイトルがこれまた本当にお見事!それにしてもルビッチ監督って本当に物語の持っていき方が上手い!こういう映画を観ると観るほど、今のアメリカ映画がいかに駄目かよく分る。映画の基本はまずは脚本!ルビッチ監督の映画はこれが観たのが四本目ですが、いずれも脚本が素晴らしくて観ていて飽きない。今のところ観たルビッチ監督の映画の中では「生きるべきか死ぬべきか」が最高傑作だけど、この映画も完成度では一歩譲るとして、間違いなく映画史に名を残す傑作であることは間違いない。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-12-11 16:09:45)
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