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ユーカラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  殿、利息でござる! 《ネタバレ》 
説明すべき箇所は適宜注釈を加え、一方大切な家財道具を売り払うシーン等に見られるように画面で納得させるべき箇所は視覚で訴える。 酒蔵や露店の風情あるオープンセットや、勾配が映える茶畑のロケーションなど美術の仕事をしっかり見せる。 ドラマがウエットに傾いてきたかと思うと、さらりとしたユーモアで軽やかに揺り戻しをかける。 そうした作劇の手際が見事で、ウェルメイドと呼ぶに相応しい。  何れのキャラクターも映画の中で何らかの変化を遂げる、あるいは先入観の操作によって印象を反転させる。 その感情の変化、印象の変化を俳優が的確に表現し、それをシンプルに直截に映し出す。 奇を衒わぬ基本の技で物語に引き込んでくれる。 出番の多い少ないに関わらず、いずれのキャラクターも何らかの感情の動きをみせることで魅力を放って後味も清々しい。 ラストは川島雄三か。  それにしても、封切りのタイミングが絶妙すぎて笑える。現実のほうは笑えないが。
[映画館(邦画)] 7点(2016-05-19 22:50:31)
22.  トイレのピエタ 《ネタバレ》 
口跡の良さで女優を選ぶ、と語ったのは鈴木則文監督だが、 本作での杉咲花もその声の響きが何よりの特長で、 病院での出のショット、同じくラストでの登場もまずオフからの 彼女の甲高い声が画面に響く。  走り、泳ぎ、自転車を漕ぐ彼女の躍動的なフォーム、 病んだ男たちの泳ぐ視線とは対照的に真っ直ぐ覗き込むような眼にも力がある。  野田洋次郎とリリー・フランキーが語り合う、 白シーツ揺らめく病院屋上シーンの曇天は狙ったものか、たまたまか。 いずれにしてもそうした天候のメリハリも、杉咲とのプールシーンや田舎のシーンの晴天と風を際立たせるのだが、 ここでの野田のアップと涙のショットや、宮沢りえの台詞過剰は、 やはり甘いのではないかと思う。 リリー・フランキーの撮った動画映像も、主人公の死後にだけ見せる形にしたほうがすっきりして より効果的だったのではないか。
[映画館(邦画)] 7点(2015-06-25 23:58:08)
23.  東京家族
『息子』(1991)において、聾唖である和久井映見と永瀬正敏の間で交わされた FAXのやりとり。 そのやり取りには説話的な納得性と同時に、その手書き文字を秀逸な人物描写と する細やかな演出が施されていた。  対して、本作で蒼井優と妻夫木聡の間に交わされるメール文字の何と味気なく、 無意味な事か。観客は事態の推移を既に知っているのだから、 蒼井の表情変化なりを見せるだけで事は足りるわけで、 メール画面の文字は説話的にも無駄な二重説明でしかない。  一方では、妻夫木らの馴れ初めを写真一枚で物語らせるスマートさを持ちながら、 一方では上のような蛇足・無駄もあちらこちらに見受けられる。  または、『息子』でのコンロにかかったおでんの鍋のような、 簡素にして情緒豊かな小道具の類に欠けるのも寂しい。  作為性も露わに画面を賑わすエキストラ達は、 おそらくは山田流のリアリズムなのだろうが、蒼井と吉行和子が対話している奥で、 向かいの窓に姿を見せるアパート住人などはどうなのかと思う。 末っ子の部屋の開放性を以て彼の性格を演出したものとは思うが、 シーンの阻害要因となってはいないか。  貶しどころも多々あるのだが、俳優陣は文句無し。 高級ホテルの窓から見る観覧車の夜景シーンは本作オリジナルのイメージとして 印象深い。 
[映画館(邦画)] 7点(2013-02-11 23:55:20)
24.  ドリームハウス
ヒーローを演じつつもどこか邪まさを匂わせるダニエル・クレイグの キャラクターイメージが次第に活きてくる作劇の転換が サスペンスを呼び込んで面白い。  夜の窓外に蠢く人影より何より、主人公の変貌ぶりにインパクトがある。  家の映画としても、二階に続く階段、地下への階段がそれぞれドラマの舞台に 組み込む配慮が為されていて如才ない。  ラストの業火の中、レイチェル・ワイズとのやり取りが感動的で、 温かい余韻を残す。 
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2012-12-30 00:29:56)
25.  トラス・オス・モンテス
夕暮れどき、真直ぐに伸びる一本道を父親が去っていくのを見送る少女。 夕陽を背にした彼女の影が長く伸びている。 父親が小さな点となり、その姿が見えなくなるまで、 彼女は延々と立ちつくしながら何度も手を振る。  その何度か繰り返される小さな身振りと光の推移が、寡黙な時の流れを意識させる。  ラストの宵闇の中を走る列車の望遠ショット。  薄暗い画面の中に列車の吐く白煙が拡がり、滲んでいく。  ショットの長さがそうさせるのか、それとも静寂ゆえか、 寡黙な本作の中でもこの二つのイメージは特に鮮烈で忘れ難い。  ポルトガル北部の山岳地帯。 機織りのリズムや、川遊び、寺院での祈祷など、 映される風土、風物、衣装はそれぞれ極めてローカルでありながら、 同時にその情景は時代と場所を超えた普遍のノスタルジーをもって迫ってくる。 
[映画館(字幕)] 7点(2012-12-11 22:14:05)
26.  とべない沈黙
撮影は鈴木達夫。  白と黒のシャープなコントラストを基調に ドキュメンタリーと観念的ドラマがせめぎ合う画面は、 季節や気温、湿度、人物の体温の感触まで余すところなく掬い取っており、 素晴らしい。  少年が白樺林で蝶を追うシーンの浮遊感(北海道篇)や、 駅ホームから地上出口までの雑踏を追うカメラ(大阪篇)。 反核集会の人混みの合間を縫っての移動(広島篇)。 あるいは、喫茶店2階の乱闘から階下へ、 そして雨に濡れた路上での銃撃までを延々と追うゲリラ撮影的長回し(東京篇)などの 動的なハンドカメラが時に詩的で、時に生々しく、安定と不安定の按配も絶品である。  そうしたダイナミックな動的ショットと端正な静的ショット、 あるいは緊密なクロースアップと望遠ショットの対照が利いている。  ヘッドライトを原爆の光に模した観念的なショットが登場するかと思えば、 様々なニュース映像やインタビュー音声までが奔放に入り乱れる雑然ぶりは 後の『原子力戦争』のゲリラ撮影へと連なっていく大胆さだ。  とくに映画の後半、香港篇が入って来る辺りで映画が破綻気味に変調しかかるが、 松村禎三の主旋律と加賀まり子の美しい佇まいが 映画に一貫したトーンを保たせている。 
[DVD(邦画)] 7点(2012-06-25 00:10:35)
27.  ドラゴン・タトゥーの女
音入れの工夫が際立っている。  映画は男女それぞれのシーンが交互に展開していくが、次のシーンからの音を前のシーンの最後に挿入する、いわゆるズリ上げが随所でシーン間の浸透とアクセントの効果を挙げており、長丁場のドラマをスムーズに繋いだ秘訣の一つだろう。  そして心臓の鼓動のような、環境雑音のような微妙な音響の活用。レイプシーンに重なる廊下の掃除機の不協和音、あるいは過剰なまでに悲痛な絶叫が前面に出ることで、画面に不穏の様相が与えられていく。 拷問シーンにかかる挿入曲「オリノコ・フロウ」によって不気味さを増す対位的な効果、静寂の丘に響き渡るライフルの銃声のインパクトなども絶妙だ。  オープニングとは対比的な叙情性に富んだ静かなエンディングのサウンドトラックがヒロインの切ない姿に被り、一際耳に沁みる。  一方では、写真フィルムの流れやルーニー・マーラの手際の良い仕事ぶりを表すハイテンポのカッティングが説話のリズムを創り出し、無機質な邸宅内の廊下を歩くダニエル・クレイグと資料室の書架の間を歩くルーニー・マーラの一体化された構図のクロスカッティングは静かな緊迫感を醸し出す。  サウンドのズリ上げ・ズリ下げだけでなく、構図的連続を擬したシーン転換の技巧も、交互に語られる二人のシーン間のモンタージュを滑らかにし、二人の関係性を映画的に強調する効果まで挙げており秀逸だ。  それら精密に設計された編集による緩急もまた音楽的と云える。 
[映画館(字幕)] 7点(2012-02-24 18:34:54)
28.  東京島 《ネタバレ》 
導入部の大胆な省略と、蛇を捕獲する木村多恵のインパクトあるショットで一気にドラマに引き込む語りの妙は原作の出だしにも負けていない。  現代風刺や寓意性を殊更に強調しない節度も原作の精神の尊重だろう。  したたかと脆弱、善良と狡猾と、ヒロインのみならず個々のキャラクターも多面的かつ複雑な諸相を見せる点に、人間描写へのこだわりの意思が伺える。  キャストとは対照的に原作を始めとする主要スタッフには女性が多く、特に出産シーン以降は反逆光を活かして力強さと繊細さと色彩美を湛えた芹澤明子の撮影が印象的だ。  サヘル・ローズと木村が洗濯する水辺のシーンにおける水面の光の照り返し。 岩場の影で、生まれた赤子を懐に抱く二人のショットの自然な光。 後日談での、東京の夜景を背景にした食卓のキャンドルの暖かな灯りなどは格別に美しい。  窪塚洋介が背負う亀の甲羅のユーモアが秀逸で、10年後のエピローグにもさりげなく登場することで物語に映画オリジナルの膨らみをもたらしている。 
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-02-23 20:43:32)
29.  東京のヒロイン 《ネタバレ》 
劇伴音楽ではなく、流しのバイオリン弾きや轟由起子のピアノ演奏によるミュージカル演出。 森雅之と轟がデートする川沿いの公園からクレーンアップし、東京の夜景を俯瞰するカメラワーク。 バーの前の歩道でクリーニング店の配達員や潮万太郎が繰り広げるサイレント風&スラップスティック演出。 さらには横文字の看板があふれる街路の風情と、全篇に溢れるルネ・クレール風の洒落た味わいが楽しい。  会いたくないときには鉢合わせ、会いたいときにはすれ違いの連続の二人。そんな二人を取り持つのが「座席に置かれたハンチング」と花束という粋。  劇場でのすれ違いのカッティングや、写真や手紙のエピソード等はもっと工夫が欲しいところだが、潮万太郎のコメディ・パートはそれを帳消しにするくらい笑わせてくれる。  そして、香川京子が何度か披露するバレエのお辞儀(レヴェランス)も爽やかで可愛らしい。  菅井一郎のバーテンが、彼女に作ってあげたのはレモンスカッシュだろうか。 
[映画館(邦画)] 7点(2011-12-18 20:28:37)
30.  トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
カーチェイス等を主とする水平軸のアクションよりも、垂直軸・あるいは傾斜軸を活かした高低差のアクションのほうが、やはり3Dには相性が良いのか。  『パールハーバー』で戦艦アリゾナに向かって落下する爆弾を高空から追うバーチャルキャメラや、戦艦オクラホマの傾斜した甲板を船員が滑落していく移動ショットで試みられた斜面感覚がここに結実している。  ビルの高層階から地上を俯瞰する縦に深い構図の奥行きは、平衡感覚を瞬間的に迷わせ、落下の錯覚を催させてはくるのだが、それはあくまで感覚刺激にとどまり、映画の感情を際立たせることは無い。  高層ビルから飛行艇へ、シャイア・ラブーフを追ってヒロインが果敢に飛び移るショットや、半壊して傾斜の度を増すビルの中で手を繋ぎ支え合う二人のアクション等にはもう少し情感というものが伴っても良さそうなものだが。  その無頓着ぶりと、状況をナンセンスコメディに転化させてしまうエキセントリックな感覚こそがマイケル・ベイの資質なのだろう。  それでも(それゆえ?)楽しめてしまうのは、画面の豊かな活劇性ゆえだ。  全身による螺旋回転運動を採り入れながら敵を蹴散らしていくトランスフォーマーのダイナミックな横移動ショットなどは、マキノ的な殺陣アクションを連想させずにはおかない。 
[映画館(字幕)] 7点(2011-09-03 19:53:18)
31.  トゥルー・グリット
秋口の景観が印象的なヘンリー・ハサウェイ版(69)とは大きくトーンを異にし、こちらは原作に忠実な冬枯れのロケーション。 粉雪が風に舞う山岳地帯の寒々しさがいい。 黒の濃い「夜用の夜」によるナイトシーンも増え、映画のルックは現実的で渋く冷たい。  シネスコ画面を活かした(『許されざる者』的)長大な地平線のライン、スコープ内の像と空砲の音響の時間差、そうした劇空間の広大さや距離感の演出も徹底している。  その中で、ジェフ・ブリッジスが傷ついたヘイリー・スタインフェルドを搬送する夜の画面が美しく味わい深い。  夕景から夜景へと移り変わる地平線を馬が駆けていく夢幻的なイメージの連鎖と、娘が星空を背景にした「父親」を仰ぎ見るショットの古典的画像処理は一際輝いている。  一方で、より「叙事詩」的となり人間ドラマに傾注した感のあるコーエン版は、ハサウェイ版でジョン・ウェインが酒瓶を指に引っ掛けてグイ飲みする粋な仕草や、馬上でライフルを回転させる手捌き、キム・ダービーが急坂を転げ落ちる動作といった(内面性を伴わない)西部劇的アクションの大らかな魅力を必然的に欠いてしまってもいる。 
[映画館(字幕)] 7点(2011-05-21 17:42:49)
32.  トロッコ
台湾の潤い豊かな緑の中をトロッコが走り出すと共に高鳴る叙情的なヴァイオリン音楽。川井郁子のノスタルジックな音色と、李屏賓の移動撮影の高揚感と、その融合の具合がとても絶妙で陶然となる。 トロッコの軌道上から縦移動で捉えられた、緩やかに流れいく情景ショットなどには侯孝賢礼賛が直截に現れている。  超微速のカメラの動きが醸す緩やかな時間の感覚。屋内に入り込んだ自然光が、床からの照り返しで人物の顔を浮かび上がらせるナチュラルな光の感覚。 昼の屋内でも、暗闇の空間が確りと活きている旧家屋建築の魅力。夜の食卓を照らし出す電球の灯の温かみと、ブルーがかった夜の庭の色調バランス。いずれも素晴らしい。  下手に父親の回想シーン等を持ち込まない慎ましさも好感度高いが、それらにしても、律儀に侯孝賢をなぞっている感があって、やはり既視感は否めない。  母親役の尾野真千子が役者的演技をしすぎの感があって、惜しい。  
[映画館(邦画)] 7点(2010-06-13 17:39:42)
33.  時をかける少女(2010)
2010年の母親が意識不明でありながら主人公の行動が暢気で悠長であったり、その使命自体に何の切迫感もないなど根本的な設定の欠陥も多い上、寄り画面の多さにも辟易するけれど、その役者たちの魅力的な表情は救いだ。 8mmキャメラを一心に覗く中尾明慶の眼差し。ラストの安田成美の美しいクロースアップと、シルエットとしての存在の石丸幹二との切り返し。そして喜怒哀楽の表情豊かな仲里依紗がなんとか映画を支える。何度か登場する、小さな炬燵を挟んでの主演二人のシーンも良い。菓子やラーメンの食事を交えながら二人の対話と沈黙を捉える長廻しが、あるいはお互い逆向きに足を伸ばし合う俯瞰ショットが、二人の微妙な距離感を醸し次第に湧き上がる情感を巧く掬い取っている。そして相合傘、おでん屋台、実験室の机での二人の横並びのショットが、彼女の最後の決断にそれなりの納得性を持たせていく。  70年代のアイテムやファッションやオマージュシーンを目一杯画面に散りばめながら、それをあくまで細部に留めさせるさりげなさも好ましい。別れの廊下のノスタルジックな光、父親と会う公園の風と木漏れ日、時を越える装置としてのフィルムに感応するヒロインの大粒の涙など忘れ難い。
[映画館(邦画)] 7点(2010-03-14 20:24:40)
34.  トリガール! 《ネタバレ》 
毒舌も賑やかな土屋太鳳がよく走り、よく歌い踊り、よく絶叫しながら大健闘。 これだけやかましくて、デリカシーの無いキャラクター設定でありながら、よく映画を引っ張っている。 コンビネーションのトレーニングの一環として踊る仏頂面ダンスシーンもさすがキレのある動きで魅せる。  自転車で颯爽と駆け抜ける男子学生に一発で一目惚れするシーンの簡潔さなどは実に映画的だし、 自転車の疾走、マシンの飛行も爽快感のある画面で映画と相性がいい。  一方で、土屋が空を飛ぶこと自体に惹かれる描写の欠如、空に飛び立つ瞬間の高揚感が決定的に弱いのが惜しい。
[映画館(邦画)] 6点(2017-09-01 23:52:44)
35.  ドクター・ストレンジ 《ネタバレ》 
事故で投げ出された車の回転などを始めとして、ひとつの運動にさらに一捻り動態を加え、画面を活性化させている。 マントに翻弄されたり、幽体離脱させられたり、異次元空間に放り込まれたり、手指の不自由な主人公のアクションは受動的で、 重力が歪み時間が逆行する世界の中での戦闘も思うようにはいかない。  周囲の状況のCGスペクタクル化によって活劇が維持されるのである。 最後の手段も決着もややカタルシスを欠くものの、赤マントの芝居などユーモラスな細部がちりばめられているのが救いだ。  どこか夏目雅子を思わせるティルダ・スウィントンの謎めいた佇まいも東洋の情緒を仄かに醸す。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2017-03-12 04:02:54)
36.  TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ 《ネタバレ》 
ミュージカル風味とか極彩色の美術とか、てっきり三池監督作品とばかり思っていたら、違った。 キャスティングの意外さも後から気づかされるパターンで、そういう意味では後からもう一度見返したくなる作品だ。 この内容なら100分程度に収めて欲しいところだが、やりたい事はとにかく詰め込んだというような潔さとパワーがある。  インコや犬から精子に至るまで、多彩な動物の芝居があり、二転三転する舞台と時空の変化があり、120分越えも苦にはならなかった。  賑やかで毒々しいギャグシーン満載の中、森川葵のヒロインがまさに清涼剤となるが、その約10年後、20年後を演じる宮沢りえは 森川の面影をしっかり受け継いでキャラクターに深みを与えている。 二人のささやかな思い出の場所である、海を見下ろす高台のベンチ。その変わらぬ場所が時の流れを印象づけ、 宮沢のどこか憂いを帯びた穏やかな表情・佇まい・そして何気ない一言一言が、生き残った者の思いを滲ませ、胸に沁みる。
[映画館(邦画)] 5点(2016-08-09 22:21:21)
37.  東京喰種 トーキョーグール 《ネタバレ》 
冒頭のショットからも、眼あるいは視線の主題を意識しているのがわかるが、 それがドラマの中で強度を放つのは相田翔子の死を目撃する娘のシーンくらいか。 彼女の叫び声をかき消す、土砂降りの雨の音。その音響が相乗効果となって 眼の感情を一層盛り上げている。 ドラマが東京を舞台とする根拠はわかるが、画面的にはタイトルに東京を冠する必然性は薄い。 都会の群衆と喧騒があってこそ、異端者の孤独が引き立つと思うのだが。
[映画館(邦画)] 4点(2017-08-30 23:58:42)
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