2. となりのトトロ
「ラピュタ」に10点を付けてしまったので満点は抵抗があったのですが、同一監督によるアニメーション映画ではあっても、全くベクトルの異なる両作品を同列には比較出来ないよな、と勝手に自己完結した結果、10点。「故郷」「田舎」「田んぼに降る雨の匂い」「夜の山道の何とも言えない不気味さ」「旧い家屋」。今の都会から失われてしまって久しい「日本の原風景」の瑞々しい香りが画面から漂って来ます。その「空気」に身を任せる心地よさたるや…ラピュタを「空想冒険小説」に例えさせて頂きましたが、トトロは正に「絵本」。この先どんなに自然が失われて行こうとも、この作品が「昔の日本ってこうだったんだよ」と後世に伝えていってくれる事でしょう。日本人の「心の故郷」を宿した珠玉のファンタジーです。「懐古趣味」と笑う奴は笑え。私はいつまでも「トトロは必ずどこかにいる」と信じられる大人でありたいと思っています。 10点(2003-03-07 14:54:22) |