21. ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
映像美は間違いなくシリーズ随一なのだが、ストーリーが駆け足的すぎて手放しに賞賛できないきらいがある。原作未読者には非常に不親切な映画だろう。原作の見せ場のシーンをぶつ切りにして、雑に編集しているような印象すら受けてしまう。そもそも、キュアロン監督はドラマよりも映像美のほうを尊重するのだろうか?ラストの叫びの屋敷のシーンが単なる説明だけで終わってしまい、ドラマになっていないのは全然納得いかない。あのシーンが全体で1番重要なシーンのはずなのだが。さらに導入部の風船騒動とナイトバスはシリアスな雰囲気からあまりに浮きすぎているし、ラストの静止画像はロイ・ヒルの下手な真似事にしか見えなかった。ダークな雰囲気はいいが、全体的に中途半端な出来栄えなのがなんとも残念。 [DVD(字幕)] 5点(2005-11-19 23:37:13) |
22. ハリー・ポッターと賢者の石
映像的にはなかなか頑張っていますが、原作の悪い面ばかり目立ってしまった映画ではないでしょうか。叔母夫婦の侮蔑的な描写といい(作者は相当ひどい境遇の中で生活していた時期があったのでしょう)、学校側の依怙贔屓といいどうも子供向けとは思えないシーンがいくつかあり、問題なのはハリーを強引にストーリーの中心に持っていくような展開や彼が車内販売を買い占めたりするシーンがあるところ。よくもまぁ、ロンは友達になったものだと思わされてしまいます。子役たちの演技も主役のD・ラドクリフは変化がなさ過ぎ(傷をさする演技がいかにも嘘っぽい)、E・ワトソンは逆に大げさでR・グリントが一番まともでした。原作の細かい描写を省いたのがそもそもの失敗でしょう。 [地上波(吹替)] 5点(2004-12-21 22:09:25)(良:1票) |
23. パニック・ルーム
《ネタバレ》 久々に見直してみて思ったのはやっぱりフィンチャー監督には単純な娯楽映画は向かない、ということだった。本作を見る限り監督はパニック・ルームよりもそれを取り巻く人々の人間模様に関心があったようで、そこが娯楽映画としての面白みを削いでいるのだ。もっとも犯罪ドラマとしてみればinvincibleさんのいうとおりそれなりに評価されただろう。 [ビデオ(字幕)] 5点(2004-10-16 17:50:12) |
24. バトル・ロワイアル 特別編
題材からして社会の闇とか、仲の良いもの同士の疑心暗鬼による殺し合いとか、そういう人間のダークサイドに目を向けた問題作なのかと思いきや、見てみたらドンパチとC級メロドラマを(少々老けた)中学生にさせただけというなんともお粗末な内容でした(既に指摘している方もいますが、灯台のシーンだけは良かったです)。一般の中学生が殺人狂に変化するから怖いのに最初からサイコな人間を登場させるなど、素材はいいのに全く上手く調理できていません。(監督は『漂流教室』を読んだことは無いのか)。そもそも、中学生という身近な存在を扱いながら、死を安っぽく描きすぎている点でも長崎小6殺害事件で批判されてしょうがないと思いますが。役者でも柴崎コウと栗山千秋以外はみんなイマイチ。特に北野武はいつも通りの大根ぶりで雰囲気台無しでした。 [DVD(邦画)] 4点(2006-10-09 21:17:45) |
25. パーフェクト ストーム
嵐の海を舞台にした映画ってのは絵的につまらないなぁ。ずっと灰色の画面ばっかりなんだもの。おまけに実話を元にしてるっていうけど、後半は完全な脚色じゃん。脚色だとしても自業自得過ぎてどこを感動すればいいのやら。メアリー・E・マストラントニオもダイアン・レインにももうちょっと見せ場があってもよかったと思うんだが・・・つくづく、ペーターゼンの落ちぶれ振りを実感させる1作 [地上波(吹替)] 4点(2005-12-20 00:15:49) |
26. バットマン・フォーエヴァー
それまでのダークなイメージを払拭し、ロビンを登場させることで映画自体は子供向けになってしまっている。これはアメコミ原作と言う点から考えても「退化」に他ならない。そもそも、ティム・バートン監督によるバットマンシリーズは「バットマン:ダークナイト・リターンズ」をモデルにしていたのに対し、本作以降のバットマンは50年代以前のノリに近くなってしまっており、ダーク・ヒーローとしての魅力はない。これではただのB級映画である。とは言っても、キャスティングには4作目ほど怒りを感じないのでおまけして4点。 [ビデオ(字幕)] 4点(2005-10-03 17:02:06) |
27. バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲
ゆみちんさんすいません。個人的にはG・クルーニーはイマイチでした。アルフレッドとの絡みは確かにいいんですけど、彼がバットマンを演じると途端にカッコ悪くなってしまう。あぁ、バットマンもついに中年のおっさんか、って感じでまるで魅力を感じられませんでした(クレジット・カードを出すシーンに激萎え)。魅力が無いって言うのはもちろん他の登場人物に対してもそう。本当に監督はアルフレッド以外のキャラに愛着が無いんじゃないかと思えてくるほど。しかし、この映画を思い出すとノーラン監督は落ちぶれたバットマンをよくも復活させてくれたと思う(本当にビギンズが好きなんだな、オレ)。 [ビデオ(字幕)] 3点(2005-08-04 22:31:31) |