1. 幕末太陽傳
あんまり誰もいわないみたいなので言いますが、この名作のために、落語「居残り佐平次」だけはどうしても予習として押さえほしいんだ。面白さ40%増し。ぜひYoutubeでどうぞ。ワタシは、志ん朝押しです。フランキー堺の神がかり演技。誰にもまねできない。だからリメイクはあり得ないと思いますが、もしやるなら佐平次は山崎弘也(ザキヤマ)で見てみたい。 [DVD(邦画)] 10点(2015-09-12 08:22:32) |
2. バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3
《ネタバレ》 ライフルを構えての登場シーンから、とにかく、ドクがかっこいい。馬で馬車を追いかけるシーン。ダンスのシーン。別れを告げに行くシーン。酒場のシーン。ドクの恋愛は、これ以上ないくらい、クラシックでロマンチックでした。最後の機関車のタイムマシンについては、ワタシも、あんた科学者としてどうよ、と思っていますが、それらを補って、これがシリーズ最高傑作!20年の時を越えて、10点献上! [DVD(吹替)] 10点(2010-11-02 23:12:40) |
3. バタフライ・エフェクト/劇場公開版
《ネタバレ》 非常によかったので、満点です。「I'LL COME BACK FOR YOU」と書かれた紙を、様々に変更された未来で観客に見せておくと、最後に選択した人生が際だつかもしれません。センチメンタル過ぎますかね。 [DVD(字幕)] 10点(2009-05-16 09:55:04)(良:1票) |
4. 83歳のやさしいスパイ
《ネタバレ》 本作における「ドキュメンタリー」パートは、介護施設の部分に違いない。そして、任務を携えてそこに潜入したセルヒオはフィクションなんだと思う。もし、ただそのままワタシの視線で介護施設を見た場合には、単にかわいそうなお年寄りたちの集まりになってしまっていたとも思うのだが、しかし、セルヒオの物語(フィクション)を介して見ることにより、一人一人のお年寄りが、それぞれの輪郭をもって立ち上がってくる。見えなかったものが見えてくる。フィクションで補助線を引くというドキュメンタリーの新しい手法。すばらしい映画でした。【追記】ワタシ、「新しい手法」なんて書きましたけど、「電波少年」がやってたのって、こんな事だったのかも知れない。本作は、やさしい「電波少年」。 [インターネット(字幕)] 9点(2024-01-14 20:38:21) |
5. バニー・レークは行方不明
《ネタバレ》 これは…。度肝を抜かれました。奇妙な大家さんや園長先生の造形やドールホスピタルのシーンなどから、クラシックなホラーでありそして教科書的な作品なのだなと、したり顔してみていましたが、最後の15分。こんな展開ありましたっけ。クラシックでありながら最新型(オラには)。ひと一人の痕跡をそんなに簡単に消せるものかとか、転居前の住所地に問い合わせれば、バニー不在説はすぐ消えるだろうとか、無理筋もありましたが、それよりラスト展開の衝撃が勝る。使われている音楽も好きでした。 [DVD(字幕)] 9点(2021-06-12 17:08:54)(良:2票) |
6. バットマン ビギンズ
《ネタバレ》 「ダークナイト」を観ても、ピンとこなかった。でも、これはいいですね。ワタシにとっては、あらためて新しいヒーローの誕生です。街を牛耳っていたはずのファルコーニなんて小役は、期待通りに物語中盤であっという間に倒してしまい、「殺しはしないが、助けもしない」ラストまで、あっという間です。かっちょいい。仮面ライダー1号で同様の作品をやってほしいと、「ダークナイト」のレビューで書いた邦画好きのワタシでしたが、この類は洋画に任せるべきと思いました。圧倒的な財力がないと、ヒーローにはなれません。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-07-23 16:59:08) |
7. パプリカ(2006)
すさまじい。イカれた映画。毛色は違うが、大友克洋氏の「童夢」を初めて読んだときのインパクトに近い。不謹慎ですが、こんな作品を作っていたら、そりゃ早死にしてしまうでしょう。傑作としか、いいようがない。 [DVD(邦画)] 9点(2011-02-11 22:59:04) |
8. パピヨン(1973)
《ネタバレ》 これほどまでに壮絶な主人公は見たことありません。いやー、名作。なのに、そこであえて注文をつけるとすれば、ラストシーン。「その後のパピヨン」のことなど語る必要はなかったですよ。また性懲りもなく無謀な人生を再開した、って感じで終わった方がよかったのでは。もう一つ。作中、何となく意味深げなコトバである「人生を無駄にした罪」。うっかり飲み込んじゃいそうなので、ここは一つ、赤面しつつも、「無駄な人生なんてない(はずだ)」と、少々弱気にいっておきます。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-11-12 23:59:40)(良:2票) |
9. バック・トゥ・ザ・フューチャー
初見時は、パソコンを使って、掲示板に映画のレビューを書く、または他のひとのを読むなんてことができるようになるとは思っても見ませんでしたよ。25年の時を越えて、10点献上! [DVD(吹替)] 9点(2010-09-24 23:51:32)(良:1票) |
10. 裸のムラ
《ネタバレ》 面白かったです。ムスリムの家族とバンライフを送る家族がよかった。北陸の地方都市においては異質な家族だと思いますし、ワタシも初めはおずおずと見守ってましたが、今は親しみしかない。抱えてる悩みは、ウチとおんなじじゃないですか。もちろん独特なイベントはあるのですけど、家族の有り様としては同じです。石川県庁パートは、アウトレイジみたいでもある。同監督の「はりぼて」テイストがあって、天を仰いで笑うに笑えない。谷本知事もウチに帰れば、家族の一員だろうに。■鑑賞後、監督の舞台挨拶をお聞きしました。3つのパートの間に対比があって映画が進むとのお話でした。しかし、ワタシは、観客は全体で解釈しようとせず、3つのパートをオムニバスで見たとしてもそれで良いのではと思っています。ただ監督の興味が向かった3つのことをドキュメンタリー映画にした。「裸のムラ」っていう幅広なタイトルが、五百旗頭監督界隈のリアルな現実及び今どきのニッポンを意味しているのであれば、「裸のムラ」シリーズで定期的に上映して欲しいと本気で思ってます。 [映画館(邦画)] 8点(2022-12-24 14:44:01) |
11. 判決、ふたつの希望
《ネタバレ》 ふたりの男の些細な口論が国を揺るがす騒動に発展していく法廷ドラマ、という紹介文は読んでからの視聴でした。そのあらすじの不可解さとも相まって、トニーが物語初めからけんか腰なのが理解できなくて、中東の政治とか宗教の色彩の強い、そういうものの知識がないと理解しがたい映画化と思いましたが、違いました。洋の東西を問わず、ほとんどの人間同士の諍いは、こんなもんじゃないでしょうか?つまり、被害者対被害者。国をまたいだ争いも、起点になるのは、いくつもの些細なやりとり。ケンカ両成敗にしなかった判決もいいです。いろいろ事情はあったけど、そうなるよねってもんでしたし。 [DVD(字幕)] 8点(2021-11-01 20:16:52) |
12. パンケーキを毒見する
《ネタバレ》 中距離程度のドライブになるが、県境は越えないし見に行ってみようと劇場に足を運びました。しばらくぶりに行った国道沿いの町では、いつか入ってみようと思ってた飲食店が閉店していたり、ああここは元コンビニだったんだろうなというような、中古車店、雑品屋、ケータイショップ、コインランドリーが増えていました。遅めの昼飯を食べようと入った定食屋のテレビで、「菅総理総裁選不出馬」の報道。ガビーン、今見た映画の中心人物、完全に逃げモードじゃん。それはさておき、本作について。ここ1~2年の日本の病状を、菅義偉氏を中心に丁寧に紹介してくれていると思う。ただ、内容よりも、手際よくまとめて、就任中に世に出したのがすばらしいと思う。後出しじゃんけんをしなかったのが偉いよなあ。総理は辞める意向ですが、何も終わってないと思う。またもいいタイミングで、こんなのをパシッと打ちこんで欲しい。【以下蛇足】作中、石破茂氏に小泉純一郎氏が話したことに同意(ここには書きませんが)。私も、この有様は選挙制度のシステムエラーの積み重ねだと思っています。小選挙区制って、非自民の連立政権が成立させたことを考えると意識が遠くなります。 [映画館(邦画)] 8点(2021-09-03 16:39:03)(良:1票) |
13. パブリック 図書館の奇跡
《ネタバレ》 面白い。「Based on a true story」の、いわゆる社会派ドラマなのだろうと思い、観るのが億劫だったのですが、そうではありませんでした。結構ちゃんとエンタメ。不条理劇を見るよう。なんとなく「遊びの時間は終わらない(1991)」を(少し)彷彿とさせますし、「ダイ・ハード(1988)」すらも思い出しました(インチキなマスコミ)。銀行でも高層ビルでもなく、公立図書館なのに。やっぱり、漢気が見たいよね。コレは、いいぞ。 [DVD(字幕)] 8点(2021-05-28 21:28:40) |
14. ハンナ・アーレント
ソファーに横たわり、目を瞑り、タバコをふかす初老の女性が、カッコいいとしか言えない。 [DVD(字幕)] 8点(2021-03-22 08:38:14)(良:1票) |
15. パラサイト 半地下の家族
《ネタバレ》 たぶんスラップスティックコメディなんだと思いますが、笑えない。くすぐりどころはわかるんだけど、笑っていいのかわからない感じ。庭での誕生日のシーンも、あそこにとんでもないものをぶつけたくなる気持ちは分かるが、予定調和でもある。ただ、終幕近く。通常届くとは思えないメッセージを息子に託す父と、息子の決意。こんなとんでもない家族はきっと仲間割れするか、実は擬似家族なんだろうと思いながら見てましたが、最後まで揺るぎなく崩れない家族の信頼関係。そこが物語の核だとは思いませんが、ああ、いいなと思いました。 [映画館(字幕)] 8点(2020-01-20 16:20:45)(良:1票) |
16. 母なる証明
《ネタバレ》 本作のやりきれなさは、本当の真犯人はジョンバルではないかもしれない、トジュンを信じ切ることができないということではないでしょうか。親は因果な商売です。【追記】詐話師の鉄くず屋の親父さんを、不必要に殺してしまった話かと思っていました。他の方のレビューをみて、愕然。そういう筋だったのですね。さらに、やりきれない。+2点。恥ずかしいけど、このままにします、 [インターネット(字幕)] 8点(2019-12-30 21:38:23) |
17. 運び屋
《ネタバレ》 「グラン・トリノ」がもう10年以上前の作になるんですか。彼の作でも、こういう風に年をとったらいいじゃん(困難だけど)という人生の手本をいただいたような気がしていましたが、本作でもそう。「チクショー」って言いながら、車転がして「あちこちに行く」。年齢と戦わず、年齢を味方につける。クリント・イーストウッドの佇まいがカッコいいのが説得力だとは思います。しかし、とにかく。健康第一。病床の奥さんとのシーンも良かった。 [DVD(字幕)] 8点(2019-07-25 22:17:00) |
18. パラドクス
《ネタバレ》 ええ~っ。これは難解だけれど、なんか結構面白いのをみせられたような気がするぞ。これはつまり、我々のこのみずみずしい世界を支えているのは、彼らの無間地獄というようなお話だったのでしょうか?通常営業の世界から見たら、彼らの世界はincident(ささいな出来事)に過ぎないけれど。この解釈、全然自信がありませんが、しかし。DVDジャケのようなシーンは一つもなかったと一応言っときます。【追記】ローグさん、わかりやすい説明、ありがとうございました。それと知って、+1点。視聴後第一感の感想を全部消したくなりましたが、恥ずかしいけど残しておくことにします。 [DVD(字幕)] 8点(2019-07-05 21:56:46) |
19. バケモノの子
《ネタバレ》 父親と子の物語としてはそうとう「出来ていた」のではないでしょうか。ずいぶん荒っぽくて、雑な物語運びも、父と子の関係ならでは、といいように解釈しようと思います。二人の父親がでてきますが、それぞれに切ない。繊細な父子関係。…いや、違う。熊徹のことが、ワタシはうらやましいんだ。「胸の中の剣に聞け」。それを、せがれの中に残すことができた熊徹がうらやましいんですよ。胸の中の剣=生きる指針。 [DVD(邦画)] 8点(2016-03-27 08:48:22) |
20. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
《ネタバレ》 再見。確かに初見時には、一人三役は気づかなかったです。でも、それを知った上で二度目を観ると、全く違った趣きの楽しみがあります。特に、真面目な校長先生のような大統領とイカれた科学者である博士が向かい合うシーンとか、一人の人格が二つに分かれているような感じ。スラップスティック・コメディの傑作。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-05-26 08:43:12) |