21. ヒットマン(2007)
《ネタバレ》 サスペンスアクション。それはそうなんでしょうが、個人的にはこれはダークヒーローもの。なぜかというと、ティモシー・オリファント演じるエージェント47が、他の追随を許さないほど圧倒的な強さを見せるからです。これがヒーローものでなくて何なのか。こーゆーノリの映画は大好きです。 47が強すぎるので、緊張感やスリルを感じることはあまりないでしょう。この映画にあるのは爽快感です。この映画には絶対無敵のヒーローだけが醸し出す爽快なノリが、確かに存在するのです。 ですので、ストーリーはシンプルでも構いません。いや、むしろシンプルなほうが良いかもしれません。実際、『ベニコフ大統領暗殺の真相を知っているニカと47』を、殺しちゃおうとする黒幕との攻防戦なわけです。面白いのはその戦いに何故か47が所属する暗殺組織がからんでくるところです。47が本気で大統領暗殺に失敗したと思っているのか。それともニカと47を始末するために、黒幕が組織に依頼したのか。その辺は劇中で明らかにされませんので、よくわかりません。大事なのは同じ組織の暗殺のプロ集団との戦いがあるという事実。これも見所の一つ。これがなかなかのスピード感で面白い。 この作品は時間も適度。大作にしすぎず、気軽に楽しめるエンターテイメントに徹しているところが良いですね。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-09-24 11:56:39)(良:1票) |
22. ビハインド・ザ・マスク
《ネタバレ》 一風変わった趣向のドキュメンタリーホラー。いや、もはや前半はホラーですらない。いったい自分は何を見せられているのだろうとずっと思っていました。 『え?この人がレスリー?殺人鬼?どこが?』で始まり、延々とホラー映画の背景を学んでいく。自主制作映画のメイキングに付き合わされている気分。しまいには殺人鬼の師匠とその奥さんまで現れる始末です。どこまでが本気のノリで言っているのかよくわかりません。 で、フワフワした気分で映画を鑑賞すること1時間。ついに作戦決行の瞬間。 殺人鬼は・・・本当に殺人鬼だった・・・! で、ここから盛り上がるはずなんですが・・・ 第三者、傍観者だったはずのTVクルー達が当事者になっていくのなんか凄く面白い。なのに、あんまり盛り上がんないんですよねー。 理由はいろいろあると思います。犠牲者が舞台装置の一部と化しちゃって記号にすぎないのが原因の1つかもしれません。 原因の2つめは、計画を知っているはずのTVクルー達が計画通りに動きまくって自ら死地に飛び込んでいくのが白けます。バカらしくて見てられないです。 映画の試みとしては斬新でひねりが効いているだけに、もったいない作品です。 [DVD(字幕)] 5点(2019-05-24 04:14:43) |
23. 100年後...
《ネタバレ》 しっとり系。でもホラーの雰囲気は抜群。恋とホラーは雰囲気作りが命。前半から中盤にかけての雰囲気作りはB級作品とは思えない凝りよう。廃墟系の建物が多いのがまた良いですね。 『正体不明系ホラー』はその正体がわかると途端に恐怖が半減してしまうものも少なくありません。ですがこの作品は子供ゾンビが出た後も、一定レベル以上の恐怖クオリティーを保っています。恐怖演出が上手なのかもしれませんね。 『血縁関係には手を出さない。』『でも興奮すると手がつけられない』このあいまいなルールが非常に良い。こちらの振る舞い方次第で助かるかもしれない。でも絶対に安全と言うわけではない。だから気が休まらない。だから助かったときの開放感が大きい。これ大事。恐怖は希望と背中合わせになっているからこそ、より一層輝きを増すのです。 地主を徹底的にクソ野郎に描いているのも重要。最後の犠牲者なわけですが、変なカタルシスまで得られる始末。復讐とは無関係な人、気の良い若者達などかわいそうな犠牲者たちがいるため、ハッピーエンドとは言い難い。子供ゾンビの肩をもつわけにもいかない。でも母娘が助かるので、見終わったあとの満足感は高いです。 B級ホラーにありがちな、『夜のシーンがみづらい』っていうのは、この作品も例外ではありません。いや、この作品は特に見えづらい。とゆーかもう真っ暗でほとんど何も見えない。そんなシーンが結構いっぱいあります。そこだけ減点。 [DVD(字幕)] 7点(2019-05-05 01:42:04) |
24. ピアノの森
《ネタバレ》 天才系の映画って面白い。作品の出来不出来に関わらず、単純に自分はこのジャンルが好きなんだろうと思います。 雨宮修平と一ノ瀬海というW主役の設定も好き。秀才タイプの人間が、何の努力もしてこなかった天才に嫉妬する。何も知らない天才に、『元天才』が師としてめぐり合う。もう何もかもがベタすぎて、でもベタだからこその味わいもある作品。 更にはコンクールでの女の子の登場が、エンターテイメント性をより強くしましたね。 雨宮君が弾いた後、女の子が弾きます。演奏の描写とピアノの音が凄く良くて、ざわつく会場。審査員が身を乗り出して、『今年はレベルが高いですね。』の一言。そしてここで海君の登場。このシークエンスが全部好き。否が応にもテンションがあがります。 海くんだけ予選落ちになるのは予想通り。阿字野先生が海をより広い世界へ連れて行こうとうするラストも予想通り。すべてが予想の範囲を出ないステレオタイプの作品と言えそうですが、安心して楽しめます。 海くんは天賦の才があります。でも楽譜が読めません。曲は聴いたら1回で覚えちゃいます。これって、まんま『の○め』と同じキャラ。どうしても既視感はついてきます。それをふまえても魅力的。雨宮君も女の子も先生も、登場人物それぞれの魅力が描けている作品。 子供同士の殴り合いに若干引いてしまう部分はありますが、それ以外に嫌なシーンは一つもありません。毒気は足りませんが、ささやかな高揚感につつまれて、なんか頑張ろうと気持ちにさせてくれる良作です。 [DVD(邦画)] 7点(2019-04-17 14:08:43) |
25. ヒルズ・ハブ・アイズ2
《ネタバレ》 前作ほどではないにしろ、今作もドキドキを堪能できる良作ホラー。正直、ホラーとして楽しめるかどうか不安でしたが、十分すぎるほどのクオリティ。前作と違って『武装した兵士』では戦力がある分、怖さが半減すると思ったのですが、『頼りないひよっこ新兵』という絶妙なバランス。更には『岩陰』と『洞穴』がいたるところにあるため、いつ何が飛び出してくるかわからない恐怖。前作が得体の知れないものへの恐怖心を喚起させるものとしたら、こちらは『お化け屋敷的びっくり箱』といったところ。 兵士達にとっては迷路でも、クリーチャー達にとっては『庭』。地の利が圧倒的に不利な状況が怖さを引き立てます。 いつの間にか消えるロープやライフル。精神的な追い詰め方、プレッシャーのかけ方が良い感じですね。 知らん俳優さんばかりで、『誰が生き残るのか』『それとも全滅パターンか』それさえも読めないから面白い。 こーゆータイプのホラーでは、犠牲者達のアホな行動にイライラさせられることもしばしば。特に『単独行動』は愚の骨頂なんですが、この作品ではその辺結構うまくて、自然に部隊が分断するような流れを構築。『本部への連絡係を2人残す』『ケガした隊員を引き返させる』など自然に危険なシチュエーションを作り出しています。 一番頼り無さそうだった人が一番活躍。女の子に1人すごくかわいい娘がいる。などなど、そーゆーところも自分好みでした。 [DVD(字幕)] 7点(2019-04-13 04:19:57) |
26. ヒルズ・ハブ・アイズ
《ネタバレ》 『クライモリ』の砂漠バージョンみたいな映画。パクリかと思いきや、『サランドラ』という映画のリメイクのようですね。知らんかった。 クリーチャーのキャラでいけば、『クライモリ』のほうに分があるでしょう。本作品に出てくるのは、イカれてはいますが人間寄り。言葉は話すし銃も使う。普通の人間より生命力はあるし腕力も強いが、ちゃんと死ぬ。知性を感じさせてしまうので、クリーチャーとしての怖さは半減します。だから付け入るスキがあります。戦えます。すると希望が生まれます。『助かるかも』『勝てるかも』『何とかなるかも』。希望があるから、余計にハラハラします。希望が恐怖や焦燥感をさらに煽ってくれるのです。こーゆーストーリー構成は好きです。 この映画は完全なるバッドエンディングではありません。反撃のカタルシスを得られるのです。武闘派の元刑事ではなく、反撃するのは犬を殺されて泣く少年と、文句ばかり言う都会っ子のダグ。早々に死亡フラグが立っていたこの二人が最後まで生き残り、少年は姉を守るため、ダグは娘を救うため必死に闘う姿がもはやかっこいい。 両親や長女といった『良い人』が犠牲になり、ダグやブレンダといった文句ばかりのちょっとヤな人たちが生き残るってのは意外性があります。ホラーの定石を踏みながらも、犠牲者についてはホラーの定石から微妙にずらし、予測不能なドキドキ感を演出。全滅でもおかしくなかったプロットだからこそ、起死回生の反撃に胸躍ります。こーゆーホラーはかなり良いです。 [DVD(字幕)] 9点(2019-04-02 12:12:25)(良:1票) |
27. ピクニックの準備
《ネタバレ》 どのエピソードも悪くはないんですが、『こーゆーのが見たかった!』と思ったのは、貴子と美和子のエピソードくらいかな。『さくらのエピソード』も、学校を感じられる部分が結構好きです。 杏奈のエピソードはあってもなくてもいい感じ。本編でもっと加藤ローサ見たかったですね。 高見のエピソードはもはやミュージッククリップ。 亮子のエピソードはマンガチックすぎ。亮子にしろ野球部の彼にしろ、こんな高校生いるわけないし。多少のキャラ設定はともかく、この二人はやりすぎ。あまりにも現実離れしすぎです。 千昭のエピソードはショートフィルムとしては結構好きです。ストーリーもちゃんとありますし、キャラも良い。ただ今回、スピンオフ作品としてはどうかなって思っただけです。だって不良神主は超強烈なキャラしているものの、本編では全然出てこないわけですから、そこにスポットを当てられてもね。 やはり貴子のエピソードが本編と深く関わっていて、とても良いですね。 美和子のエピソードは本編の大事な部分に触れているだけでなく、全エピソード中、最も『学校』を感じられる雰囲気が好きです。学校のシーンじゃないのに、学校を感じられる、作り手のセンスが光る作品です。 それにしても、歩行祭の前日にいつも通り野球部の練習やったり、犬の散歩行ったり、プレゼント買いにショップをはしごしたり、バイトする人までいたりして、みんな凄いね。 [DVD(邦画)] 5点(2018-05-06 05:29:57)(良:1票) |
28. ヒストリー・オブ・バイオレンス
《ネタバレ》 最初が強盗2人組。次がエド・ハリス率いるマフィア3人組。ラストがマフィアのボスで実の兄であるリッキー達4人。こーゆー構成は結構漫画チックで、かつ王道。エンターテイメント作品としての定石を踏んでいます。でもその内容は全然別物。こんなに暴力的で、かつ美しいバイオレンスアクションは、未だかつて見たことがないかもっていうレベルです。 最初のかませ犬的扱いをされる強盗2人組だって、プロローグでの圧倒的な存在感は、雑魚キャラのそれではないわけです。この2人がメインになっていたっておかしくはない。その2人が瞬殺されたとき、この映画は普通ではないと気付きます。 でもこの作品で特筆すべき点は、バイオレンスよりアクションより、むしろそのドラマ性にあるのかもしれません。夫婦愛。親子の絆。『父は昔マフィアだったらしい。かなりひどい人間だったのかもしれない。』そのことを知った妻が、なんとなく察した息子が、父親とどう接するのか。この映画での解答は、『ただひたすらうろたえる。』これが相当にリアルです。そりゃあまりにも今までの父とその正体とのギャップがありすぎて、答えなんかすぐに出せるわけがないんです。 ラストで、無邪気な娘は父にお皿とフォークを。息子はとまどいながらも料理を父のほうへ差し出す。これが血のつながり。子供達にとっては『それでも父親だ』というメッセージ。では妻はどうか。最後の妻の表情だけでは、正直私にはよくわかりません。このまま夫婦を続けるのか。それとも・・。そうか。ここだけは、見ている私達の価値観で、『君が同じ立場だったらどうするか、自分で決めろ』っていうメッセージなのかもしれないです。ほんとかなぁ。 でも私はここまでいろいろ述べたのに、見ているときは全然違うことを考えていました。『こーゆー過去があるって憧れる。かっこいい。しびれる。』と、ずれたことを思いながら、一人興奮していたのでした。 息子のエピソードもかなり良かったですね。いじめられっこに見せかけて、抑えられないサラブレッドの血。やばいっす。 [DVD(字幕)] 8点(2018-03-20 02:44:09)(良:3票) |
29. ピカ☆ンチ LIFE IS HARD だけど HAPPY
《ネタバレ》 嵐ファン以外の人が見て、はたして楽しいのだろうか、という程度の内容です。 特にダラダラ進む前半は苦痛。 嵐は、それぞれがドラマで活躍しているときは結構良いのに、この作品ではみんな微妙です。ましだったのは相葉君と二宮くらいでしょうか。演技は全体的にへたくそ、というかやる気が感じられないし、ヒロインはかわいくない。 それに、やたらくだらないエピソードとストーリーで中身ゼロなのに、二宮のパートだけやたら重くて深刻。凄く変。バランス悪いです。 実写の中に、アニメーション入れるのは嫌いじゃないのに、この作品では何故かうざく感じます。 原宿パートが終わったところで、もう見るのやめようかと悩んでいたら、そっから先がなんか少しずつ面白くはなってきます。 そんなこんなで結局最後まで見てしまいましたが、中身の無い青春映画ってのはつまらないものですね。 もちろん中身がなくても『あるあるネタ』や『ノスタルジー』を感じることができれば良いのですが、この作品にはそれも無い。 あまりにもふざけすぎていて、もはやファンタジー。ギャグマンガの世界です。 そんでそんな世界に、簡単に自殺をほうりこまないでほしいです。 アクションエンターテイメントで人が殺されるのとはわけが違います。 ラストには一人一人のエピソードがうまくつながるのかと思っていたのですが、それも無かったですね。 見ていて飽きることはありませんでしたが、正直楽しくもありませんでした。 [DVD(邦画)] 5点(2016-09-07 05:18:02) |
30. ピアノを弾く大統領
《ネタバレ》 韓国お得意のシンデレラストーリーですね。 男性のほうは、リッチで社会的地位が高くて、気さくで寛容。 女性は一般人。 ラストはお約束のハッピーエンドで、誰がいつ見ても楽しめる一本なのは間違いありません。 あとは結論に至るまでのプロセスはどーか。ディテールはどーか。 まず、万引きはダメ。絶対。 自分も万引きすることで、生徒との信頼関係築こうなんて、大間違い。せめて、その後お店に商品返して謝罪してほしいです。 また、クラスのいじめられっこ、大統領の娘、そのパシリ君、主人公のチェ・ウンス(チェ・ジウ)、この人たちの背景はもう少し語ってほしいです。チェ・ウンスは何故学校の転勤を繰り返しているのか、大統領の娘は何故ひねくれてしまったのか、一切教えてくれません。 もう少し説明が欲しいところですね。 さて、全体的なストーリーテリングはどうか。 前半、バランスのとれた複数ジャンルの融合から、後半はロマンティックコメディ1本に収束。その分、作品としての落ち着きは取り戻しますが、面白さは半減。個人的にはこの作品のピークは、大統領に宿題を出す辺りまでです。 チェ・ウンス(チェ・ジウ)も、ハン・ミヌク大統領(アン・ソンギ)も、先生や大統領としての登場シーンは最高。 それにプラスして、それぞれの仕事に対するプライドや志を感じさせるエピソードが、あと一つずつくらいあれば、より二人に感情移入できたかもしれません。 まあ、さらっと観るエンターテイメントとしては、十分及第点でしょう。 [DVD(字幕)] 7点(2016-06-06 00:24:13) |
31. ひみつの番人
《ネタバレ》 人には言えない秘密を抱えた14歳の少女エミリーが、まっすぐに夢を見据えて努力する。最後は秘密も打ち明けて、自分の人生と向き合う。 思っていたより、大分良いお話じゃないですか。特に終盤の『衝撃⇒感動』のたたみかけは、おじさんちょっと胸にきちゃいましたよ。こんな単純な話に胸打たれるとはね。 ただ、ほんとこんなことを言うのは野暮ってもんかもしれませんが、こんなビジネス成立するはずない。 発想は面白いと思います。 ただ子供だって馬鹿じゃないんだから、本当に秘密にしたいなら誰にも言わないでしょ。子供が並んでお金を払っているだけでも人目をひきますよ。しかも有料。50セント。 そんで、何でそんなことを始めたのか、その辺りの説明は一切なし。なぜなら『秘密』だから。 子供たちが何故お金を払ってまでエミリーに大切な秘密を打ち明けるにくるのか。その動機に関する説明も一切なし。なぜなら『秘密』だから。 なんてことでしょう。『秘密』のキーワードひとつで、すべて説明がつくではありませんか。 『ただ、舞台設定がそうなっているから。』と言わんばかりであります。 ただこの作品が一番言いたかったことは、きっと、終盤でバイオリンの先生が口にする一言なんでしょう。『秘密を持っていたら、本当の人生を送れない。』 いや、もう本当その通りなんですけどね。 でも私はこんな子供向けの作品で、もっと大事な教訓を学びましたよ。 人の秘密なんて聞くもんじゃないな、と。 [DVD(字幕)] 6点(2016-05-13 03:36:00) |
32. ビューティフル・デイズ
《ネタバレ》 非常にオーソドックスな青春ドラマ。一昔前の日本の学園ドラマを見ているようです。 はじめの1時間くらいは高校生の学園生活をひたすらダラダラ見せられます。ただそれが日本とあまり変わらない雰囲気でして、しかも自分達が高校生の頃ってこんな感じだったかも、という既視感も覚えて、妙な心地よさを感じます。 そして1時間を過ぎたあたりで、ドラマが加速し始めます。 友人達に内緒のお付き合い。そこへかかってくる親友からのSOS・・・。葛藤の末、主人公は親友ではなく彼とのデートを選び、その結果・・・。日本のドラマなんかでよくありそうな展開ではありますが、私のようなベタな展開大好き人間には、こーゆーエピソードが入るだけでぐっとストーリーにひきこまれます。 それにしてもインドネシア映画とゆーものを初めて見たのですが、この国は自分達の国の言葉に誇りを持っていまして、『詩』がひとつのキーアイテムになっています。言葉大好きな自分にとっては、大変羨ましいお国柄です。 また、インドネシアの人って初めて見たのですが、さすがアジア圏、日本っぽい、けど南国っぽい雰囲気の人が多いのですね。 主演の女の子チンタは、決して飛び抜けた美人というわけではありません。ですが、喜怒哀楽、とりわけ『哀』の演技が抜群に上手く、泣きの演技が物凄く魅力的です。 で、ヒロインが好きになる相手役のランガはイケメンっぷりが尋常じゃないですね。 ドラマとしてはとりたてて絶賛するほどのものはありませんが、インドネシアの人、学校、街、家、初めてみるものばかりで、インドネシアという国を少しでも知ることができたのは凄い良かったです。 [DVD(字幕)] 6点(2016-01-17 14:59:05)(良:1票) |
33. 光の旅人 K-PAX
《ネタバレ》 ケヴィン・スペイシーも良かったのですが、ジェフ・ブリッジスがかなり良いですね。 今作の主役はどちらかと言えばジェフ・ブリッジス。 さて、今作のように、結末・真相に白黒はっきりつけないタイプは、相変わらず自分とは相性が悪いようです。 とは言え、まだ学会で発表されていない、それどころか解明もされていない謎まで解き明かしちゃっているわけですから、これはもう『プロート=K-PAX星人』と認めざるをえません。 また、『紫外線が見える』『犬の言葉がわかる』というのもK-PAX星人であるという有力な証拠でしょう。 ですので本作で彼が何者なのかをはっきりさせなくても、彼をK-PAX星人として見ることはできます。 問題はそれを周囲が完全に認めないまま、催眠療法という曖昧で安易な方法を用いて真相に迫る展開がどうにも好きになれません。そして映画も、この辺りから急にダラダラしたものになるんですよね。 それに、患者たちが何故それほどK-PAXに行きたがるのか、その説明も不十分で説得力に欠けます。 更に言うなら、みんな精神病に収容されるほど精神に異常をきたしているようには見えません。 この作品自体が、音楽と雰囲気で何となく良い映画っぽくごまかしている印象があります。 それでも中盤までの、特に天文学者たちとのエピソードまでの流れるようなストーリー展開は素晴らしいの一言。 これは二つとない傑作の予感を感じたものですが、それ以降ラストまではひたすら失速。 惜しいです。 [DVD(字幕)] 6点(2015-12-31 02:45:16)(良:2票) |
34. ピッチブラック
《ネタバレ》 SFチックでホラーテイストでアーティスティックな作品。それでいて、古さと懐かしさも感じる味わいがあります。 リディックのような典型的なダークヒーローが好きなので、彼を見ているだけでも楽しい。 手堅く地味な作りなので、期待していたほどにはリディックは暴れません。超人的でもありません。物足りなさを感じますが、シリーズものの1作目ということなので、これくらいのほうが次回作への期待は高まります。 ストーリーがかの有名な『エイリアン』に似ているため、あちらのファンの方にこきおろされちゃうのは仕方がないと思いますが、個人的にはこの小粒感がなんとも言えずB級ぽくてクセになります。 それに、一人一人の説明を極力端折っているにも関わらず、これだけ脇役一人とっても個性がはっきりしているのは素晴らしい。行動やファッション、セリフだけで個性を確立させているわけですから、人物描写が上手なのかもしれません。 そして昼間の惑星と宇宙の、これぞSFとうなされる映像センス。このヴィジュアルはたまらないですね。 ストーリーとルール設定上仕方が無いこととはいえ、日蝕が始まってからはもう真っ暗で、緊迫感やホラーテイストの要素は強くなりますが、それでも面白さ2割減といったところでしょうか。 ふりかえってみれば、オープニングから惑星不時着までがこの作品のクライマックスであり、惑星についてからはよくあるモンスターSFになっちゃってますね。でもまるでゲームに出てきそうなこの世界観だけでも十分に楽しめる良作でしょう。 リディックがラスト直前に、本気で一人だけ逃げようとしていたのはちょっと残念でしたね。それじゃあ凶悪犯というよりただのせこい奴じゃないですか。あそこでキャラがぶれてしまって、大きく減点。それ以外はかなり良いと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2015-12-30 13:44:47)(良:1票) |
35. ビッグママ・ハウス
《ネタバレ》 コメディときどきサスペンスの良質エンタメムービー。エディ・マーフィーやマーティン・ローレンスのわかりやすくアップテンポなコメディが大好きです。今作は、前半から中盤にかけて特にコメディ色が強く、メインのストーリーがどうでもよくなります(笑) とは言え、レスターが次第に近づいてきているのがわかると、クライムムービーの雰囲気も出てきます。子供に絵本を読んであげるシーンはドキドキ。演出がうまく、なかなかの緊張感。コメディにしとくにはもったいない盛り上がりを見せます。 そしてそこから、マーティン演じるマルコムがFBIってばれちゃうまでの流れは、どたばたの中にコメディと緊張感をうまく共存させ、これぞクライマックスにふさわしい展開を見せます。非常に良かったですね。脇役たちの反応もOK. 個人的に、『実はFBIでした』っていうのが好きなんですよ。格好いいじゃないですか。嘘をついてはいたんですが、捜査上仕方なくっていうのが良いんですよね。そんで最後は、わかっちゃいるけど、すきっと爽快ハッピーエンド。こうゆう映画を休みの日にのんびり見るのが至福の一時です。(安上がりな自分) それに、冒頭の引き出しでお化けのおもちゃが飛び出るシーンや、レスターが夢に出てくるシーンなんか、ちょっとびっくりしちゃうんですよね。サスペンスやホラーだったらそれくらいで驚きゃーしないけどさ、のほほんコメディだと油断しているから意表をつかれます。そーゆープチドッキリをはじめとして、ハートフルで爽快なミニエピソードを、それこそメインのストーリーを邪魔しない程度に取り入れているのが楽しいです。非常にバランスの良い作品です。 [ブルーレイ(吹替)] 8点(2015-04-30 21:50:51) |
36. ヒットマン(1998)
《ネタバレ》 テンポの良いストーリー展開、軽快なアクション、匙加減の絶妙なミステリー、非常にバランスの良いエンタメ作品です。リー・リンチェイはもちろんのこと、脇役の面々も大活躍。殺し屋達のバトルなので、リー・リンチェイの独り舞台になっていないところが、かえって面白いです。 『誰が炎の天使なのか?』っていうちょっとした謎を楽しめちゃうのですが、正直そんなに大したミステリーでもないのに、意外とミスリードされてしまうかもしれません。噂の凄腕ヒットマン『炎の天使』がまさかの人物なんです。『おまえかよ。』って感じです。 ラストは個人的に一番好きなタイプのハッピーエンド。 観る人を選ばない、誰でも気軽に楽しめる作品です。オススメです。 [DVD(吹替)] 7点(2015-04-17 14:29:19) |
37. ビッグ・ヒット
《ネタバレ》 シュールなブラックコメディ系アクション。どちらかと言えばコメディ寄りです。テンポとリズムが大変良く、歯切れの良さは今作の最大の長所ですが、逆に言えばそれ以外の長所がほとんど見当たりません。もう一つの見所としては、マーク・ウォルバーグ演じるメル・スマイリー。メルのキャラは最高です。また、彼の声が抜群に良いんです。主人公が殺し屋ながらも、素直に応援したくなるタイプっていうのは重要です。 今作は冒頭15分くらいの、メルたち殺し屋チームの仕事ぶりを閲覧できるシークエンスが一番面白いです。それ以降はコメディに徹します。 コメディは大きく2パターンあると思います。ストーリー性が強いものの中に、スパイス程度にコメディがブレンドされるパターン。コメディそのものが主流になるパターン。後者はハチャメチャ、支離滅裂になりやすいのが特徴。今作はどちらかと言えば後者より。あまり私が好きではないタイプです。 メル以外のキャラはどいつもこいつも奇人変人ぞろいで、シスコなんてクズすぎて最早笑えません。ぎりぎりセーフなのは、組織のボスの『パリス』と、誘拐された娘くらいでしょうか。あとはいかにもコメディやってますって感じで、見ていて辟易します。 劇中ちょっと期待してしまった、お父さんの酒癖の悪さがどう爆発するのかっていうのも思いのほか不発に終わり期待はずれ。やはり最初くらいしか見所がないんです。それにラスト、結局メルは組織に身の潔白を証明できたのかどうかわからないまま終わっちゃうので、変な残尿感が残ります。シスコに殺されるガンプやビデオ屋が可哀想すぎるのもちょっとマイナスです。 残念ながら僕の中ではビッグ・ヒットしませんでした。 [DVD(字幕)] 5点(2014-12-11 13:18:16)(良:1票) |
38. ヒーロー・ネバー・ダイ
《ネタバレ》 非常にドラマ性の強いバイオレンスアクション映画です。 少しだけストーリーの紹介。【敵対する二大勢力の中で、ボスに次ぐリーダー格のジャックとチャウ。しかし二人は親友同士。序盤のバーでのひとときが何とも微笑ましい。しかしそれぞれのボスのため、二人は戦い、チャウもジャックも瀕死に。ジャックは仲間を全員失い、チャウは両足を失います。】 【ここからが本作の凄いところ。二人が病院にいる間に、二人のボスは和解を済ませてしまいます。そして、ジャックのことを煙たがっていたボスは、あろうことか入院中のジャックを殺そうとする暴挙に出るのです。それを助けたジャックの恋人はジャックの代わりに大火傷を負い、最後は自殺してしまいます。一方、チャウは組織に捨てられた挙句、献身的な世話をしてくれる最愛の彼女をボスに殺されてしまいます。】 当然復讐となり、それまでの憤りを払拭できるほどのカタルシスをラストで感じることができるかどうか、そこは重要なポイントになると思います。ですが、残念ながら復讐実行の前にチャウが死んでしまいます。その最期たるや、照準を合わせたまま死んでいるという壮絶さ。衝撃的なシーンでしたが、この時点でチャウは戦線離脱してしまうわけです。そこでもしかすると評価が分かれてしまうかもしれませんね。 結局この作品は、ボス二人がクズすぎて、ラストではもう少し爽快な気分、もしくは別な形のハッピーエンドを用意してくれても良いんじゃないかというのが個人的な感想になっちゃいます。エンタメ系バイオレンスアクションとしては大変クオリティの高い作品ですが、後味はそんなに良くないかもしれないですね。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-09 04:31:49) |
39. ピースキーパー
《ネタバレ》 アクションは好きなジャンルのはずですが、今作はスケールの大きさに技術力が伴っていないため、安っぽさと作り物感が際立ってしまいました。はっきり言ってアクションは物足りないです。クロス少佐(ドルフ・ラングレン)の走り方がなんか恰好悪いし。 ただ途中で仲間になる黒人の中佐は良い味出しています。 陰謀もの系の、国家を巻き込んじゃうような壮大なストーリーは、よほど上手く作ってくれないと全然ノれないものですね。アクションはある程度スケールが小さいほうが、ハラハラするし、爽快感を感じることが多いです。 そう言えば、ホテルのエレベーターにスタンばってた人って結局どうなったの? それにめっちゃ思わせぶりな登場をした無駄にきれいな大統領の愛人って、結局ストーリーに全然からんできませんでした。 [DVD(字幕)] 5点(2014-10-26 23:08:24) |
40. ピースメーカー
《ネタバレ》 娯楽作品にしたいのか、それとも何かしらのメッセージを含んだ深みのある作品にしたいのか、軸のはっきりしない印象を受けます。 もちろん好意的に見れば、『真面目なテーマを扱いつつも、エンターテイメント性を失っていない』ととらえることもできます。 『VSコドルフ』までは単純な『正義×悪』の図式が出来上がっているので、わかりやすい勧善懲悪ものです。ところがコドルフ失脚後は、犯人への感情移入を誘う回想のシーンが入ったりと、作品のテイストに変化が生まれます。それがこの映画の長所なんでしょうが、作品のイメージを中途半端にしてしまった原因にもなっているようです。 また、コドルフの登場シーンはラスボスっぽい風格があって良かったのですが、物語が進むにつれてその勢いは失速。それは彼がラスボスではなかったからと言ってしまえばそれまでなんですが、もう少し悪役の美学みたいなものを魅せてほしかったです。 そして後半。回想のシーンをもう少し早いタイミングで入れてくれたら、どちらに肩入れしていいかわからないもやもや感をもっと楽しむことができた気がします。回想シーンに始まり、犯人が除々に包囲されていくシークエンスはかなり好きなシチュエーションです。 それに、劇中ケリー博士(ニコール・キッドマン)の『10基の核を欲しがる人間(コドルフ)よりも1基の核を欲しがる人間のほうが怖い』という台詞がわかりやすすぎるくらい前振りとして効いているのも大変良かったです。 きっと本作は、アクションひとつとっても、メインディッシュが多すぎて、逆にどれもメインにならなくなってしまった典型かもしれません。見所が多すぎて、途中から感覚が多少麻痺しちゃうんでしょうね。 [DVD(字幕)] 6点(2014-09-29 10:23:56) |