Menu
 > レビュワー
 > ユーカラ さんの口コミ一覧
ユーカラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 936
性別
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/24461/

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順12
投稿日付順12
変更日付順12
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  羊の木 《ネタバレ》 
バンドの練習場を覗いていたり、暗闇の中から現れたり、松田龍平はことごとく唐突に登場する。 飛び蹴りや車での轢殺もフレーム外からの突然の闖入であり、そうした神出鬼没ぶりも 彼のキャラクターの特異ぶりを際立たせる。  突然降り出すにわか雨、病院での雨垂れの陰影はいかにも芦澤明子らしい造形だ。
[映画館(邦画)] 7点(2018-02-18 15:40:28)
2.  否定と肯定   《ネタバレ》 
序盤から慌ただしい編集で畳みかける語り口をスピーディととるか、目まぐるしいととるか。 朝靄のかかるアウシュビッツの厳粛なシーンに至って、緩急のバランスが釣り合ってくる。 法廷を中心とする弁論シーンを主体としつつ、ロケーション自体の沈黙の力にも信頼を置いている。 レイチェル・ワイズがトム・ウィルキンソンに詫びるシーンや、生存者である女性と手を重ね合わせるシーンなどの静かな余情もいい。  弁護士らとのチームワークのドラマ、法廷戦術のドラマとのバランス取りも巧く、視線劇もドラマの中にしっかり活かされている。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2017-12-14 23:43:52)
3.  火花(2017) 《ネタバレ》 
熱海をはじめとして階段や坂道のショットが数多く登場して画面にアクセントをもたらしはするのだが、 その高低や段差がドラマに意味をもたらすまでには至らない。 自販機や鍋料理や行きつけの店なども律儀に反復してみせるが、活用と呼べる程ではない。 当初は二人をツーショットで捉えて交流を描写していくが、 髪を染めた桐谷の横顔とそれを詰る菅田のショットあたりから交互にピントを送って一方を暈すことで 二人のもはや相入れなくなっていく関係の変化を示していく。 終盤の木村文乃と菅田もそういう趣旨で撮られているのだろうが、その乱用はやはり面白くない。  十年間のスパンを描くのなら、キャプションや台詞だけでなく もう少し映画らしい小道具や美術を活かしての年月経過提示が出来なかったものか。 その分、原作をマイナーチェンジしたラストで熱海の居酒屋の店員と娘がいい味を出したが。
[映画館(邦画)] 5点(2017-11-23 23:02:32)
4.  ひゃくはち 《ネタバレ》 
原作は高校卒業八年後からスタートし、現在と過去を交互に語っていく形式である。 映画版はこれを高校時代の現在進行形で進めていく形に改変したのが良かった。 それに伴って、相馬佐知子のキャラクターも新人記者に変更され、映画後半のストーリーも 斎藤嘉樹と中村蒼の間でのベンチ入り争いへと大きく変えられることになったが、こちらも 一〇八の煩悩という題材を発展させた脚色として、尚且つ 躍動的な練習シーンと二人の感情のぶつかり合いが相俟った見事な映画的アレンジである。  序盤で携帯電話を壊される1シーンを加えることで、クライマックスの雨の公衆電話シーンが 音響と縦構図が印象的な名場面となった。  打撃や守備の練習をする部員らの身のこなしも本格的で実にさまになっており、 強豪校のレギュラーメンバーという設定を説得力をもって提示している。  ラストの斎藤のずっこけをスローで処理してしまっているのがちょっと勿体ないが、その直後の笑顔はピカ一だ。
[DVD(邦画)] 8点(2017-10-12 00:41:45)
5.  光(河瀬直美監督作品) 《ネタバレ》 
モニター内の劇中映画は手前に遮蔽物を置いて画面をフルスクリーンで見せることをしない。 眼のクロースアップを主体にして、深度の浅いフォーカスで画面奥を暈したショットを多用する。 敢えて見づらいショットが選択されているのも主題に沿った撮影スタイルという事だろう。  併せて当然ながら光の扱いも多彩であり、永瀬正敏に当てたプリズムの反射のような効果や、 浜辺や峠での夕陽のシーンなどが印象的だ。  永瀬が両手で水崎綾女の顔を触れていくショットがとても官能的である。
[映画館(邦画)] 6点(2017-09-18 21:35:24)
6.  昼顔(2017) 《ネタバレ》 
ヒロインにとって暮らし場所は「どこでも良かった」訳だが、映画の作り手にとっては海辺の街でなければならないのである。 花火の類との対比において、斎藤工と密会する小川に対する平山浩行の領域として、あるいはサーフボードから突き落とされ(落下)、 髪を濡らし、水圧にもがき喘ぐように歩むため、という運動的論拠もあるだろう。  躓き、よろめく上戸彩。普通の歩行のショットは稀だ。自転車を息せき切って漕ぐか、ふらつくか、足を取られてつんのめるか。 見よう見真似のぎこちない盆踊りも然り。 手で云えば、ハンバーグを捏ねる、藪蚊を払うなどのちょっとした生活動作から、マンション七階の呼び出しボタンを順に押していくなどの 心理表現まで、非意思的で不器用気味の身体性を強調することで、キャラクターの生の感触を伝えている。  上戸と伊藤歩の、視線交錯のサスペンス。クライマックスとなる踏切での光のドラマもいい。  クラクションや調理音などSEの演出も充実しているのだが、BGMが無駄に被る箇所があるのが残念。
[映画館(邦画)] 8点(2017-06-16 21:52:01)
7.  光をくれた人 《ネタバレ》 
窓の外を白く飛ばし、逆光のポジションに立つファスベンダー。自らが陰となって順光を愛する相手に注ぐ構図、という趣旨か。 特に後半の劇はこのスタイルを多用して光の主題を語っている。  兎に角圧倒されるのは、島を吹き荒れる強風の音であり、波の寄せ返しの画だ。ヒロインが産気づく夜の嵐の音響が彼女の動揺と不安感を次第に かきたてていく辺り、巧妙に出来ている。  勾配が特徴的な島のロケーションであり、その傾斜を画面によく活かしているが、そこを登る・降りるの運動は少々貧弱だ。 ラストで港へと必死に駆けるだろうアリシア・ヴィキャンデルの走りもまるで物足らない。  芸達者な俳優らの表情芝居とその極端なクロースアップに頼り過ぎてしまったのではないか。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2017-06-02 23:51:17)
8.  美女と野獣(2017) 《ネタバレ》 
ダンスや巻きつくドレス以上に、回転大好きなカメラが被写体周囲をよく回る。 擬人化された小道具たちもテクノロジーのアップグレードを見せ付けてよく動き回るが、 アニメ版の柔軟で大胆な動きの楽しさに比べると逆にこぢんまり感が強い。美術も箱庭的だ。 ダンスシーンのカメラワークもアニメ版のダイナミックさと比べると端正な印象が勝つ。  クライマックスは露出アンダーに加えて、塔を舞台にした三者のアクション的絡みが弱い。 もっとドラマティックに出来ただろうに。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2017-05-03 14:26:09)
9.  PとJK 《ネタバレ》 
上り坂気味の歩道を駆け上がってくるヒロインをカメラが追っていくと、小高い斜面を背景にした路面電車の乗降口があり、ドンピシャのタイミングで 電車がやってくる。 ラストで『Marry You』が流れるなかミニパトが走り去っていくクレーンショットも同様で、 路面電車の発車に合わせたタイミングから逆算して俳優らがディレクティングされているのは間違いない。 特にそのラストは学園廊下から校門前までの長回しミュージカルシーンを通じての逆算と車止めだから相当入念な準備とリハーサルがされたはずであり、 現在の映画はこうした部分に対してもっと評価を得るべきだろう。  バットやナイフを振り回す危険なアクションシーンも含めてだが、極力引きのショットで撮られていることで、街の景観、特に坂道などもよく活きている。 下校する土屋太鳳と高杉真宙が握手する下校道の、並木がざわざわとなるロングショットの風情。 学園祭の体育館にカメラが入ると一気にクレーンアップしてブラスバンド部の見事な演奏と立体的なパフォーマンスの壮観を映し出す外連。 (学園祭の風景は『ストロボエッジ』ともかぶる。) 函館の夜空に舞い上がるスカイランタンの灯りの美しさ。  そして窓ガラスの用法が実に的確だ。それが原作由来なのかどうかは知らないが、その用法は正しく映画的である。 特に二人が微妙にすれ違うシーンに効果的に現れる。窓外からのショットで、画面中央は縦の窓枠で分割されている。 その右手に土屋。左手側に亀梨和也がフレームインしてくる。土屋側には割れた窓ガラスを土屋が補修した跡。 二人が仲直りするとともにカメラが緩やかに右手に移動して二人を一つの窓枠内に収めていくという趣向だ。 あるいは、校庭外に止められた亀梨の白い車の前席部。わがかまりを抱えて気まずい二人はドアウィンドウの仕切りの前後に分断されている、という具合。 そして土屋一家のダイニングの広い見晴らし窓は、彼らの度量の広さと開放的な人柄を象徴するだろう。 ラストの礼拝堂は俯瞰ショットの時点でその黄金色のステンドグラスが後により印象的に使われるだろうことが簡単に予想できるが、 果たしてその美しいグラデーションは大団円のツーショットの背景として見事に決まる。 それはもうダグラス・サークばりと云ってもよい。  二人の家族、友人らまでを過不足なく含めてドラマを作っているところも、この手の作品の中では好感が持てる所以だ。
[映画館(邦画)] 7点(2017-03-26 21:09:40)
10.  ひるなかの流星 《ネタバレ》 
親を都合よく海外へ出そうが、勉強そっちのけだろうが、この手の作品にはもう慣れたのでいいが、 眼を見開いて口をすぼめるヒロインの表情つくりも単調で飽きる。アップに頼り過ぎるのがよくない。 全身表現として食事させたり、走らせたりはすれども、お転婆の設定の割にバリエーションが貧困である。  小津作品のように髪を上げ、おでこを見せて顔の造作をはっきり撮っているのは好感が持てる。
[映画館(邦画)] 4点(2017-03-26 03:00:04)
11.  ひるね姫 ~知らないワタシの物語~ 《ネタバレ》 
バスやサイドカーなど、ヴィークルの類は3DCG全開。 一方でキャラクターは影を省き、コマ落とし風の処理を施し微妙にギクシャクさせた2Dアニメーション風。 そこに空気感や照明効果のVEを乗せて、独特の手作り感を醸す。  大判のカットを用いて、人物の小ささとロボットの巨大感を一つのショットで提示した個々のレイアウトも見事で、スケールがある。 クライマックスの廃墟の中をヒロインが駆け抜けていく回り込みのショットや、 ラストで縁側に座った3人からカメラが引いて海側へとパンしていくショットなど、結構手の込んだカメラワークと作画の融合が唸らせる。 ワイドレンズを意識した構図、鳥のいる風景、<越境>を演出する瀬戸大橋の用法など、ところどころで「ドリーマー」繋がりの師匠印がちらつく。  通学の坂道から始まり、昇降・落下をモチーフに繰り広げられるアクションも散発気味。  せめてタブレットをめぐる争奪戦や駆け引きをもっと活劇的に見せてほしい。
[映画館(邦画)] 5点(2017-03-22 23:04:55)
12.  ピートと秘密の友達 《ネタバレ》 
両親との死別をシンプルな画面処理で静謐に描写した出だしから、林間の木漏れ日をほどよく採り入れたドラゴンとの出会いがいい。 彫刻刀の滑るショットと一本道を走る車のショットのオーヴァーラップなど、スムーズな画面繋ぎによる前半の語りも快調だ。  俳優側の都合ではあろうが、ロバート・レッドフォードの回想談に無駄なフラッシュバックを用いず、彼の語りで見せてくれているのだから、 出来れば原語で聴きたかった。  前作に続いての「家へ帰る」映画であり、絵本の挿絵を使った寡黙な語りに打たれる。  ただデヴィッド・ロウリー、飛翔のアクションは不得手なのかも知れない。 夕焼けの鰯雲などのパノラマショットは素晴らしいが、クライマックスのアクションにはもう一つアイデアが欲しい。 橋が登場すると、水平ー垂直の展開が見えてしまう。
[映画館(吹替)] 7点(2017-01-03 23:58:26)
13.  光にふれる 《ネタバレ》 
背景をぼかし気味にした深度浅めのカメラは、主人公ホアン・ユィシアンの不自由な視力と同調させたのだと考えよう。 感知できるものと出来ないものが、カメラのフォーカスで仕分けされているように見える。 列車がトンネルを抜けていホウ・シャオシェン的ショットも光の主題を担いながら台湾映画の薫りを濃厚に伝えてくる。  耳を澄まし、事物に触れて大学の新生活になれていく彼の姿が丹念に追われるが、とりわけダンスと音楽を通して 外界と触れ合っていく描写が映画と相性よく馴染んでいる。  そして、激情を秘めつつ穏やかな表情を絶やさないホアン・ユィシアンの佇まいが素晴らしい。 ダンサーを志すサンドリーナ・ピンナが仏頂面と泣き顔から次第に笑顔の似合うヒロインへと変わっていくのも、彼の言葉と表情を通じてだ。 彼女が月光の差し込む夜の教室内でユィシアンの弾くピアノに合わせて踊るシーン、 彼の故郷の海辺で楽しげに戯れるシーンが美しい。  クライマックスは、それぞれが挑むコンクールとオーディションのクロスカッティングであり演奏とダンスが劇的にシンクロして盛り上げる。 寮の悪友たちもここでいいところを見せて、青春ものとしても爽やかに決めている。 映画のサントラが未だに絶版で手に入らないのが残念だ。
[DVD(字幕)] 8点(2016-10-24 23:29:39)
14.  BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント 《ネタバレ》 
巨人マーク・ライランスの掌の上でヒロインの少女が動き回っている。今では何の驚きも感動もなく受け取られるのだろうが、 ここは素直に驚嘆してみたい。などといいながら、毛布に乗って床をサーフィンするあの芸達者な猫を見れば アレは本物なのか、CG猫なのかといちいち悩まされるのが癪である。  ポプラらしき並木道を駆け抜けていく黒い影。街燈の灯りを反射する石畳など、夜の英国情緒がいい。 部屋の小道具を駆使して少女が巨人の目から逃げ隠れする長回し、 街中の木々のシルエットなどにカモフラージュしながら闇に紛れて宮殿に入り込むアクションも それぞれ、「見られてはならない」というサスペンスがそれなりの面白さを生むが、 やはり「見られた」後の減速感が厳しい。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-09-22 15:43:16)
15.  秘密 THE TOP SECRET 《ネタバレ》 
設定上、アクションに乏しくなるのは仕方ないが、生田斗真と岡田将生も終盤には別行動となるのでドラマの収束感が薄く、 サスペンスも散漫である。 加えて生田ら警察側が現場の物証を素手で触りまくったりという描写の杜撰さがあちらこちらで目についてさらに緊張感を削いでしまう。  記憶の視覚化という設定にはメタ映画的な面白さがあってしかるべきなのだが、POV以外の余計な映像まで織り交ぜてしまっているので 映像の死角を探ったり、細部をブローアップしたりという『ブレードランナー』的な解析プロセスの面白味も無い。  生田・岡田それぞれの居間の美術セットは彼らの心象をよく表していて、ラストで動画を見る岡田の背景で窓外の緑が彼を癒すように広がっていく。 鏡や窓、マジックミラー、水面などもよく登場するが総じて不発気味の印象である。
[映画館(邦画)] 4点(2016-08-08 23:23:56)
16.  ヒメアノ~ル 《ネタバレ》 
直近の作品はともかく、監督デビュー作の『なま夏』のじんわりホラーテイストを思い起こすと、この類の作品こそ本領かな、とも思える。  通り魔的にアパートの女性を襲うエピソードをまず事前に配置し、今度は佐津川の帰宅シーンをもってきて緊張を高めていく。 何事もなく玄関口を上がるが、彼女が台所で微かな風音に気付き、見上げると窓が割られているというシーンなど、実にサスペンスフルであり、 ギリギリまでカットを割らずに打擲や刺殺や銃撃をされる側を捉えるカメラもなかなかに非情である。  濱田岳らの性交と森田剛らの殺傷をアクションで繋いだクロスカットなどはあまり類例を見ない、と思う。  森田のささくれだった佇まいと所作も絶品であり、その分ラストの回想の中でみせる半逆光の彼の横顔がなんとも切ない。 『さんかく』でのコンビネーションに続き、ラストはやはり印象的な光で決めている。
[映画館(邦画)] 7点(2016-06-01 23:08:19)
17.  ピンクとグレー 《ネタバレ》 
例えば、聖女と悪女と演じさせて女優を売り出すシステムが旧来からあるように、 ここでは中島・菅田・夏帆それぞれの役柄の転換が、演者の多面性を見せつけて映画の妙となっている。  首吊りや街頭の広告パネルなど、前半の菅田将暉は常に中島裕翔を見上げる形で描写されており、 中島の舞台挨拶シーンと夏帆を押し倒す菅田のシーンのクロスカッティングも、中島が二人を見下ろす形の視線で繋ぐモンタージュが象徴的だ。  映画化にあたって演出として意識したのがその見上げる、見下ろす、階段を上る、段上から落ちる、の高低差だろう。  映画のラスト、朝の自然光の中、今度は中島がを歩道橋の階段を駆け上り、柳楽優弥を見上げ、ライターを上空へ放り投げる。
[映画館(邦画)] 5点(2016-01-17 00:19:48)
18.  ピクセル(2015) 《ネタバレ》 
ゲームを映画空間に置き換える上でのアイデアが貧困。 ロンドン編では水平軸上の運動が、ニューヨーク編では垂直軸上の運動がなく、アクションとして単調。 一応3D仕様らしいが縦軸のアクションすら不発の上に、いずれのゲームも単なる乱打戦で何の戦略的面白みもスリルもない。 そして例によっての80年代風俗ノスタルジー頼りの自堕落。  当初は馬鹿にしていた、あるいは敵対していた男の戦いぶりに、相手を見直す・惚れる三人の女がいる。 その感情が動く瞬間を捉えなければダメだろう。心を通じ合わせながらも雲散霧消していくバーチャルヒロインとの別れ があれでは、演出の怠慢でしかない。  ストーリーが陳腐ならばもっと細部に凝ったらどうか。
[映画館(字幕なし「原語」)] 2点(2015-09-14 23:56:13)
19.  ピース オブ ケイク 《ネタバレ》 
飲みの席で陽気になったりカラんだり愚痴ったり、多部未華子の飾らないキャラクターが魅力的でいい。 借金で雲隠れしていた部下に、咄嗟にレジから札束を取り出し退職金だと渡してテレ笑いする綾野剛の、人の良い表情がいい。  そんな愛すべき二人が熱海のホテルで大喧嘩する。多部が男湯に乗り込んでの修羅場なのだが、 綾野の憎めないキャラクターもあって何故か微笑ましい。  必ずあるはずの二人の再会シーンでは、そこにどのような風を吹かせるのか。 終盤はその興味だけで画面を見守る感じだが、そこではしっかりと歌が流れ、疾走する二人が風になっている。  クワズイモは青々と揺れ、今度はカメラが風になって二人の周りを流れる。  そしてキスする二人のストップモーションが爽やかに映画を〆た。  前半のヒロインのモノローグはもっと削って欲しい。
[映画館(邦画)] 7点(2015-09-08 22:10:13)
20.  ピッチ・パーフェクト 《ネタバレ》 
実質的ライバルはただの一チーム。 そもそも何チームが出場していて、どれだけの難関コンテストなのやら。  リーダー、異性、父親との確執・和解の薄っぺらいドラマも ただただ尺伸ばしにとってつけたよう。  『友情・努力・勝利』なる、漫画誌の三原則を映画に当てはめるのもなんだが、 友情も努力もない、アカペラパフォーマンスそれだけというこの映画のドラマは実に貧相だ。  その肝心のステージシーンのショット構成もただせわしない。 後ろから前から、下手なアクション映画のように目まぐるしくポジションを変えまくる。  歌唱と身体パフォーマンスの映画で、バストショットばかりというのも致命的欠陥だろう。
[映画館(字幕なし「原語」)] 3点(2015-06-20 16:18:28)
010.11%
150.53%
2202.14%
3384.06%
4717.59%
510311.00%
610811.54%
721522.97%
821823.29%
911412.18%
10434.59%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS