21. マイティ・ソー/バトルロイヤル
《ネタバレ》 わかりやすくて面白い。 こーゆーシリーズで、やれ精神論とか、やれ幻覚とか持ち出されるのは好きじゃない。ソーも、ハルクも、ヘラも、バルキリーも、スルトでさえも、物理攻撃のみ。いいねいいね。 更には、冒頭でストレンジと絡んだり、ハルクが参戦したりと、シリーズものならではの楽しさがあります。せっかくなら、ストレンジがそのまま参戦してくれたらバトルの幅が広がってより面白かったかも。 さて、今作、仲間が次々死んじゃいます。ムジョルニアは破壊されちゃうし、目もアスガルドも髪の毛もなくなっちゃうし、決して楽しいストーリーではありません。そんな中、ストレンジやハルク、そしてロキとのやりとりによるコメディタッチな演出が、雰囲気を明るくします。ちょっとお馬鹿なノリつっこみの数々が、いちいち笑えます。これぞエンターテイメント作品です。 更にはアクション。『ヘラvsアスガルド』『覚醒ソーvs骸骨兵』など、無双シリーズのような爽快なアクションが楽しい。タイマンでいけば『ソーvsハルク』が良いですね。こいつは面白い。ですがちょっと寄り道に時間をかけすぎてしまったきらいがあります。そのせいか、せっかくインパクトある登場をしたヘラの存在感が後半にいくに連れてちょっと薄くなってしまったような・・・。 『とっても危険でやばいやつ』って感じで登場。満を持す感じ。いきなりソーのムジョルニアを破壊しちゃうし、こいつはスゲーぜって期待していたのに、結局剣をびゅんびゅん飛ばすだけの人で終わってしまった。それはそれでスピード感あるアクションで、嫌いではないですけどね。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-05-18 00:00:05)(良:2票) |
22. マラヴィータ
《ネタバレ》 『ただ者ではない一家』っていう設定が好き。父親はもちろん、母、娘、息子に至るまで普通じゃないのが面白い。こーゆー家族はクール。かっこいいとすら思っちゃう。全然タイプは違うかもしれませんが、なんとなく『アダムス・ファミリー』を思い出しちゃいます。一筋縄ではいかないっていう雰囲気が似ている。気がする。懐かしい。 娘と息子の学校での過激な活躍、良いですね。旦那にクギを刺しながら、スーパーを爆破しちゃう母親もかなり良い。前半~中盤にかけては文句なしの面白さ。 中盤くらいからかな、各エピソードや演出がちょっと間延びしたように感じ始めたのは。 ベルの恋愛、これがまずテンポを悪くしていてマイナス。父親の執筆活動、これもテンポを悪くしている一因だし、結局何の意味があったかよくわからないです。結果、2時間近い尺に。これが冗長に感じられてしまったことはマイナスでしょう。 で、決定的にまずかったのがラストの粛清バトル。これが盛り上がりに欠けてしまったこと。ここが最大の見せ場であるはずなのに、淡々と終わってしまった。 『ただ者ではないマフィア一家』と『マフィアの殺し屋たち』の全面対決。こちらは否が応にも期待値を上げられているわけです。その期待に対するシナリオがこれじゃあ物足りませんぜ。 第一、一般人にはめちゃくちゃやってた父と母。この2人が最終決戦でたいした活躍をしないってのが気に入らない。そこが本当に不満。 でも面白いシチュエーションの映画で、それなりに楽しませてはもらいました。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-05-10 23:00:06) |
23. マンイーター
《ネタバレ》 『こんなジャングル・クルーズは嫌だ!』みたいな作品。 何かの陰謀とか、実験とか、生物兵器とか、遺伝子操作とか、そんな雑味はいっさいなし。ただでかいワニがいた。そして人を食う。それだけの映画。なんと潔いのでしょう。 このリアルワニワニパニックの巨大ワニの存在を、地元の人間が誰も知らない。なぜならこれはB級だから。 パニック映画としては一定の水準を満たしているのではないでしょうか。 『ジョーズ』の舞台を『ジャングル・クルーズ』に変えただけですね。 ホラーやパニックにたいして新しい風を求めない私とは、とても相性が良い。 ワニの巣穴に迷い込んでからの攻防はなかなかの迫力。リアルな恐怖心を感じられます。ワニが水中に入ってスーってこっちにやってくるときの恐怖はジョーズに通じます。 ただねえ。こーゆー映画ならではの『登場人物たちにイライラ』なーんて悪習まで踏襲する必要はないんです。その筆頭はケイト。ツアー客を自分の勝手な判断で巻き込むなんて非常識。更にはツアー客に死傷者多数。自身も大怪我して、みんなにこれからどう償っていくんだい、と心配していたら、そんな彼女がピートに一言。『ツアーはどうだった?』いやいやいや!これだけ死人を出しといてその冗談!こいつまじか! ピートはピートで会ったばかりのガイドの女性のために、そこまで命をかけるかね。 何とも理解に苦しむ人たちです。今回ばかりは二人ともワニに食べられちゃっても良かったです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-04-12 21:12:57)(良:3票) |
24. マネーボール
《ネタバレ》 野球。トレード。ゼネラルマネージャー。正直どれも興味ない。うん、この映画はスルーしよっかなって思ったら、『あれ?ブラッドピット主演じゃん・・』と思い、あらすじだけ読んでみることに。『実話系』『サクセスストーリーっぽい』結局好奇心が勝っちゃって見てみることに。 で、結果は、・・・やっぱ興味湧かねーなー、というのが正直な感想。それに、トレードのルールや基準がどれもピンときません。これじゃあ楽しめるわけありません。選手のほとんどは会話の中に出てくるのみ。当然顔と名前が一致しません。誰がどう凄いのかちっともわからないわけです。 『なんかイライラしてる。』『監督全然ゆーこと聞かねーじゃん。』『なんか勝ち始めた』ぐらいのことしかわかんない。 で、そんな自分でも楽しめそうな野球シーン。特に勝っていくシーン。そのほとんどがニュースで流れるダイジェスト版のようなものばかり。 好きな人が見れば面白いのだと思います。見る価値があるのだと思います。 ですが私のようにこの世界に全く興味がなく、知識がない人間が見ても、ただ出来事を羅列してあるようにしか見えません。見る人を選ぶ映画と言えそうです。 ただ、エンタメ色の薄い作品である割に、見飽きるということはなかったです。ですから、映画としての完成度は高いのかもしれません。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2020-03-14 23:13:38) |
25. マイティ・ソー/ダーク・ワールド
《ネタバレ》 いつものマイティ・ソー全開でそれなりに面白く見られます。 ただやはりマーベル作品の中でも、マイティ・ソーシリーズだけは毛色が違うと言いますか・・・。神話系、RPG系アクションで、免疫が無い人には見るのがツライでしょう。例えばウチの奥さんとか・・・。 私は子供の頃からこーゆーのが好き。ですが、大人になると、見ていて飽きがきちゃうことも確か。よほどストーリーが面白かったり、キャラが魅力的だったり、アクションが爽快感抜群でない限り、のめりこめなくはなってきましたね。純粋にこの世界感だけを楽しむことができなくなったのが寂しい。これも歳のせいか。 ジェーンがエーテルの力を取り込んじゃったときは、『ソー』VS『ジェーン』みたいな展開を予想。もしくはソーとジェーンが共闘してダークエルフ軍と戦う、みたいな。どっちも違いましたね。普通にジェーンの体からエーテルを取り戻した敵とバトルするだけ。なんか物足りないです。 で、こうなってくるとこのシリーズは、ひたすらソーのトンカチバトル一本槍になっちゃって、変化が乏しくて飽きちゃうのかもしれません。 敵はなんか良かったです。とゆうか、ダークエルフの最先端な武器が良かったです。印象的だったのはミニブラックホールみたいな爆弾。まあそれに対してアスガルド軍のしょぼさがちょっと。せめて持っている武器がライトセーバーみたいに敵の光線銃やら爆弾やらを弾き飛ばせる性能があればまだ良かったのですが。でもそれだと完璧スター○ーズ。まあそんな魅力的な武器のおかげで、アスガルドが攻め込まれるシークエンスは結構な盛り上がり。見所の一つ。 あとはクライマックスのワープバトル。これは面白い試みだと思います。ストーリーを崩さない程度に笑いの要素も盛り込めるし。 ですので、前作よりかは好きなんですけど、他のマーベル作品と比べるとちょっと、って感じです。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-02-18 13:13:06) |
26. マイティ・ソー
《ネタバレ》 CGや映像は派手できれいで迫力あって良い感じ。ただその質感、ヴィジュアルは、『映画』というより『ゲーム』の世界のよう。神話の話や映像は嫌いではないんですけど、なんかちょっとだけ、自分が見たいものとは違うものを見せられた感じがします。 ストーリーは、神様の世界でのごたごたがいまいち面白くないです。ソーが地球に追放されてからが、俄然面白くなりますね。 『このソーにそんなものが効くか。』⇒ビリビリビリ。『お前らなどにやられはせん。』⇒注射ブスっ。このあたりがかなり笑えます。バックした車にはねられるのも見所のひとつ。 アクションは、地球でのVSデストロイヤー戦がこの映画のクライマックス。面白かったのはそのあたりくらいまでかな・・・。 ソーの仲間たちは序盤では頑張っていたのに、後半は見せ場がほとんどなくて物足りない。 ロキはただのかまってちゃんで、巨人も神も人間も、ただそれに巻き込まれただけ。なんともスケールの小さい話で、巨悪というものが存在しないから、勝利で得られるカタルシスなんてあろうはずもない。 『氷の巨人たちが再び地球を侵略する。地球を守るため、ソーたちアスガルドの神々が立ち上がる。』なんてのを勝手に想像していただけに、なんとも期待はずれの内容でした。 そしてこの内容に対してこの時間、この尺。これをまさに『冗長』というのでしょう。 ちなみに、『ヘイムダル』と『デストロイヤー』はキャラとしてかなりお気に入りです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2019-11-12 04:07:39) |
27. マイアミ・バイス
《ネタバレ》 酒飲む。おどる。ボート乗る。身の上話する。いちゃいちゃする。本筋と関係ないやりとりがだらだらだらだら。あくびが出ます。 本編のストーリーは新しさがなくありきたり。でもそれでもいいんです。王道、正統派の『良さ』があれば、ありふれたプロット大歓迎です。ところがその『良さ』もない。 要所要所で目をひくシーンは確かにあります。イエロ達との交渉シーン。仲間の救出シーン。その緊迫感がなかなか良い。FBIの中でも、優秀なプロフェッショナル集団。それを窺わせる突入シーンは凄く良い。 でもそれくらいかな。野球に例えるなら、良いプレー、良いバッティングはあったけれど、単発ばかりで結局点に結びつかない感じなんです。 FBI、麻薬取締局、その他各機関にそれぞれ異なる曜日で情報を提供。内通者をあぶり出す、シンプルかつ合理的な機転の利かせ方が最高。結果FBIに内通者がいることが判明。これは面白くなってきたぞと思ったのに、そこはなぜか掘り下げません。なぜ?どうでも良いエピソードにはたっぷり時間を使ったくせに。 結局誰がどうやって何の目的で情報を流していたのかすべて不明。イエロは死んだけどモントーヤは放置。これだけの長尺を頑張って見た結果、なんだか全然すっきりしない終わり方。いまいちです。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2019-04-27 04:31:01)(良:1票) |
28. マイレージ、マイライフ
《ネタバレ》 見ているときは面白い。見ているときは興味をひかれます。でも見終わったあとは、『だから何?』という気持ちでいっぱいになります。 起承転結の『結』の部分が、期待していた着地点ではなかったです。ビンガム(ジョージ・クルーニー)がラストで自分が今求めているものに気付き、アレックスを追いかける。そしてアレックスと結ばれる。安易でも良いので、そっちのほうがよほどスッキリします。アレックスには自分と違って家族がありました。自分と同じだと思っていた人が実は違う人種だったなんてことはよくある話ですが、そんなドラマは見たくないです。 パソコンを使った解雇通告の新方式。採用されれば出張は廃止。出張が生きがいのビンガムにとって、出張の廃止は『クビ』を宣告されるのに等しいのかもしれません。今まで散々人に説いてきた『新しい人生』というのを、今度は自分が考える番がまわってきたわけです。だったらここで、『新しい生き方』『マイレージを貯める以外の幸せ』を劇中で示して欲しいです。 ただ逃げ場所と遊び相手を求めていただけのアレックス。クビにした人間の自殺がショックで退職するナタリー。新方式が凍結され、出張の日々に逆戻りするビンガム。こんな終わり方じゃあ消化不良と指摘されても仕方ありません。 それから、個人的に妹の結婚式のくだりは中だるみしました。退屈で仕方がなかったです。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-03-29 02:57:04)(良:2票) |
29. マイ・ボディガード(2004)
《ネタバレ》 え?実話?みたいな終わり方なんですが、実際はどうなんでしょう。実話だとしたら、釈然としないあの終わり方にも一応の納得はできるというものですが。 それにしても前半がだるい。クリーシーとピタの心の交流や絆を描くために必要だというのはわかります。とは言え、尺に頼りすぎ。限られた時間のなかを、作り手側の工夫や演出で、共感させてほしいものです。 中盤、ピタがさらわれてからが、かなり面白いです。次から次へと悪党を芋づる式に釣り上げていく様子は痛快。復讐の仕方も徹底していて良い。クリーシーの怒りが伝わってきます。ただし、ピタが生きていたとなると、多少話は変わってくるかもしれません。もちろん誘拐に加担した人々は、ピタが生きていたとしても、ピタを救い出すために殺されちゃうのは致し方ないのでなんとも思いません。ただ父親はどうでしょう。確かに悪いことに加担したかもしれませんが、その動機は『借金まみれの家庭を守るため』というもの。せっかくピタが生きて帰れても、父親が死んでいたんじゃピタがかわいそうですよ。 それに、クリーシーの過去にいったい何があったのか、さんざんもったいつけておいて結局教えてはくれないのですね。過去のエピソードを明かしてくれないと、どれだけクリーシーがピタによって魂の救済をされたのかが伝わっきません。それってこの映画のいっちばん大事な部分だと思うんですけどねぇ。 と、ゆーわけで、気になる部分がなきにしもあらず。更にはラストがしっくりこなかった。ということで、やや辛口評価です。 [DVD(字幕)] 6点(2017-11-08 01:41:52) |
30. マーダー・ライド・ショー
《ネタバレ》 『悪魔のいけにえ』みたいなのを想像していたのですが、終盤はお化け屋敷状態。「誰?」っていうのが次から次に出てくる出てくる。更にはB級ホラーならではの、『理由』『説明』『動機』というものは一切ありません。強いて言うなら、欲望のおもむくままにやりたいことをやる人達、というところです。ノリと勢いでつっぱしる映画。個人的には嫌いではありません。 スプラッタ描写はたいしたことないですね。ただイカレタ家族の狂気というものはよく描かれていたと思います。 B級ホラーにはこーゆーテイストを求める気持ちが少なからずあります。つまり、私にとってのB級映画のある意味完成形とも言える作品。ただこの作品では被害者側の反撃というものが一切ありません。もちろん作品によってはなくても良いのですが、この作品には欲しいところ。このプロットでやられっぱなしというのは、欲求不満がたまるものです。 それにしてもやたらと画質やカラーの違う画を入れてきていましたが、これは個人的には好きじゃないです。 [DVD(字幕)] 6点(2017-08-27 16:02:29) |
31. マスター・アンド・コマンダー
《ネタバレ》 まず、長い。必要な尺ならまだしも、『アケロン号を追っかけるだけ』の2時間強、これを冗長と言うのでしょう。 そしてこれだけ時間をかけているのに、人物が全然頭に入ってきません。描き方が中途半端で、個性が足りません。 だから、『海に落ちた後見捨てられる人』『自殺する人』『最後の戦いで命を落とす人』と、描かれている戦の悲劇が、観ている側にほとんど伝わりません。それこそが最大の悲劇と言えましょう。何か起こっても、『そもそもあんた誰だっけ』状態です。 で、その分ストーリーで盛り上げてほしいところなのですが、これがまたつまらない。本当に面白くない。 私はラッセル・クロウが好きで、更にはポール・ベタニー演じる船医が凄く良かったので、何とか最後まで見ることができたという感じです。 それに、冒頭とラストの戦闘シーンは緊迫感があって良かったです。 ただ、正直映画として見る価値はほとんど無いようにも思われます。どちらかと言えば、製作サイドの自己陶酔型映画と言えそうです。 ラストのオチも好きじゃない。 こーゆー作風だからこそ、爽快な勝利を信じて最後まで見ていたこちらの気持ちはどーなんの、っていうオチでした。 [DVD(字幕)] 5点(2017-07-27 13:16:08)(良:1票) |
32. 魔法にかけられて
《ネタバレ》 ディズニーの懐の深さが味わえる作品。ディズニーアニメの住人が現実の世界へ。こーゆーの大好きです。わくわくします。夢があります。 実際、ロバートの娘はジゼルに夢中。あれぐらいの年頃の女の子は皆プリンセスに憧れるものなんだと改めて実感。プリンセスは何も容姿だけで、プリンセスなわけではないみたいですね。『心の在り方』みたいな、そーゆーものもプリンセスにとって大事なようです。こーゆー描き方は、ディズニーの一番良いところかもしれません。 とにもかくにも、この作品はとにかく面白い。ファンタジーだけでなく、コメディとしても抜群に面白いです。ジゼルとエドワードが、『ディズニーのノリ』で、ニューヨークを駆け回る様子がおかしくてたまらないです。 『真実の愛に気付き、ニューヨークに残るジゼル』 『もう一度、真実の愛を信じることができたロバート』 『最初から最後まで王子であることがブレないエドワード』 『現実主義と見せかけて、ロマンチスト、その本質はプリンセスのナンシー』 最後に求めたものは、それぞれ違えど、そのどれもが『正解』であると言ってくれるラスト。素晴らしいぞディズニー。皆それぞれのハッピーエンドを迎えられて良かったねと、素直に思える良作。更には斬新なアイデアと、コメディ色豊かなエンターテイメントをプラスしたことで、もう傑作と言っても良い作品に仕上がっています。 好きなシーンは数多くあれど、一番好きなシーンは排水溝からわらわらと出てくるゴキブリたち。それに悲鳴をあげる妻。普段は『掃除される側の生き物たち』に掃除させるそのセンス。脱帽です。 [DVD(字幕)] 8点(2017-06-28 00:36:55)(良:3票) |
33. マッハ!!!!!!!!
《ネタバレ》 カンフー、というかムエタイですが、かなり真面目なアクション。 スピード感あり。アイデアあり。迫力もまあまあ。ストーリーはいまいち。なにせ『盗まれた仏像の頭を取り返す』というだけのものです。 それに、ハムレイが序盤かなりイライラさせる。ムエは悪くないのですが、なんだかいてもいなくても良い感じ。姉が死んだときもハムレイが死んだときも同じリアクションで、死ぬのは姉だけでいいんじゃないでしょうか。 ハムレイが死に、ティンが出家して、で、ムエはどうなったかわからないラストはかなり中途半端です。 つまり、アクションは凄い、けど、シナリオの練りはいまひとつ、といったところです。これだったら、『正義』や『人情』で戦うジャッキー映画、ジェット・リー作品のほうが、カタルシスが得られて良い。『怒り』を私達が一緒に感じられるかどうか、これはアクションにおける重要なポイントだと思うのです。 また、『スローモーション』と『リプレイ』が好きじゃないです。個人的に。この作品も他のカンフー映画同様かなり多用されています。その結果、軽快なテンポを犠牲にしています。たとえ『凄いアクション』であっても、『映画作品』であるならば、ストーリーの一部として見せるべき。もっと言うなら、当たり前のようにそーゆーアクションを見せるのだから、人に感動を与えることができるのだと思います。 いつまでたっても『スローモーション』と『リプレイ』は作り手の自己満足と自意識過剰が目についちゃって、好きになれませんね。 『曲芸鬼ごっこ』『なんちゃって天下一武闘会』など、見所が多いのは確か。 とは言え欠点も多いため、良作と言えるかどうか微妙なラインの良作です。 [DVD(吹替)] 6点(2017-06-01 12:48:05)(良:1票) |
34. マッスルモンク
《ネタバレ》 前半から中盤にかけては面白かったのに。普通に楽しめるサスペンスアクション。クライムムービー。テンポもよく、ノリも良い。 その人の『業』が見える。『業』が見える人は死期が近い。『業』によってその人の死に方も推測できる。面白い試みです。 『サイコメトラー』とか、それに近いテイストになりますね。 『前世がカブトムシってどうなん?』とかも思ったけれど、よく考えると面白い。 女刑事とコンビを組んで、『業』を見て、『筋肉』『カンフー』ふりまわし、悪い奴をやっつけちゃうぜ、っていうよくあるパターン。嫌いじゃないです。むしろ大好き。 犯人も個性的で良い。バッグの中に人を引きずり込むインド人はインパクト大。出だしの相手としては完璧。2番手のウナギのような泥棒も、箸休め的な意味として最適。これは面白い作品に出会ったものだと、非常に満足。 『そしてここから一気にクライマックスのエピソードが始まるわけね。』と勝手にわくわく。 ところがところが。後半は全く違う映画になっちゃいました。 前半であれだけ盛り上がったこの気持ち。いったいどこへ持っていけばいいのやら。 変な宗教観。変な精神世界。アクションはなくなり、女刑事は殺される。女刑事が殺されるところだけが、やたらグロい。 生々しくて、趣味が悪くて、爽快感が無くて、カタルシスもなくて、意味もわからない。 ずっと前半のテイストでいってくれれば、最高に面白い作品になれたのに。 なんでこんなことになってしまったのか、理解に苦しみます。 とてもラストのアンディラウみたいな、爽やかな気持ちになれないんですけど! [DVD(吹替)] 3点(2016-12-18 22:15:07) |
35. マーシャル・ロー(1998)
《ネタバレ》 デンゼル・ワシントンとブルース・ウィリスの共演というだけでテンションが上がりますね。 ブルース・ウィリスには批判的な意見も多いようですが、個人的には二人の演技は完璧で、それぞれの立場、肩書きにおけるカリスマ性というものを十二分に発揮していたと思います。 映像・演出も凄いです。『バス爆破テロのシーン』のインパクトは強烈。このシーンがあることにより、結果のみを映した『劇場テロ』『FBI本部テロ』の惨劇までもがイメージできるわけです。惨劇をイメージさせる演出や、何かを予感させる演出は見事という他ないんです。『劇場テロで一瞬だけ映される片腕をなくした女性』『会議のときに一人、二人、・・・そして一斉に鳴り出すポケベルと携帯』『バーで飲んでいるときに地震のようにバーが揺れる演出』などは、どれも鳥肌もの。 ストーリーにおいても、市民にとっての脅威が、いつの間にか『テロ』から『軍』に移行していて、本質のすり替えがあまりに見事。 ハブ(デンゼル・ワシントン)が、『この国を混乱させることが目的だったとしたら?軍を出動させ、国民を不安に陥れ、やがて法と憲法の精神が破られたら?それこそが彼らの勝利だとするなら、彼らは既に勝っている。』と、デブロー将軍(ブルース・ウィリス)に言い放つ、これこそがこの作品のテーマなのかもしれません。 テロの危険因子を育てたのがアメリカなら、今回のテロの原因を作ったのもアメリカ。そんな映画をアメリカが作っちゃったってんだから、こりゃあなんか凄い迫力というか、警告めいたもんを感じます。 惜しむらくはこの作品、ものすごく頭の良い人や状況判断が早い人にとっては、格別の味わいを見せるのでしょうが、私のような中途半端な頭の出来では、状況や人間関係を理解するのに全力を尽くさないといけないので、途中でやや疲れてしまうのが難点と言えば難点か。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-05-24 16:45:26) |
36. マイ・ビューティフル・ジョー
《ネタバレ》 救いようの無い母親ハッシュに終始イライラしちゃうんですが。自制心がなく、情緒不安定で、ギャンブル依存で借金作って、全部自分が悪いのに被害者面する人って大嫌いです。『実は・・・』って設定があることを期待したのですが、最後まで見てもそれは無く、本当にただのダメ女です。にもかかわらず、金融屋?のほうが無条件で『悪』とされちゃうことにものすごい違和感を感じます。 ジョーの『一見強面だけど、実はとっても真面目で優しい人』っていうギャップは確かに面白い。ですが、それが活かされたのって冒頭だけじゃないですか?冒頭以降は、ただの優しいだけの人に見えなくも無い。これといった取り柄が見当たりません。 それに、ジョーは本当の意味では全然ハッシュという人間を変えられていない気がします。結局ラストも棚ぼたみたいな感じでラッキーのみで乗り切ってしまいます。もちろんそれは、ジョーの人柄がもたらした人との絆によって得られたラッキーではあるわけですが、それが頭では理解できても、心には響いてこないのです。 登場人物に共感できず、物語に全く乗れないまま、突然子供が話し出し、病院で感動の再会を演出されても寒いだけなんですけど・・・。 [DVD(字幕)] 3点(2015-05-22 12:49:01) |
37. マスク・オブ・ゾロ
《ネタバレ》 爽快感のあるエンタメ作品。剣戟アクションだけでなく、道具や馬を駆使したアクションも見ものです。ジャッキー映画に通じる笑いや面白さがあります。 ただ残念ながら、ストーリーに対して時間をかけすぎてしまった感は否めません。剣戟のアクション映画って、バランスが結構難しいのかもしれません。短すぎるとしょぼさを感じてしまうでしょーし、かと言って長すぎると、アクションシーンで逆に間延びしてしまうことだってあると思います。 今作に関しては、『予定調和なヒーローもの活劇』の部類ですので、主人公が死なないことはわかりきっています。だとしたら、こういう作品こそもう少しコンパクトにまとめて、スピード感を大切にしたほうがいいんじゃないかなーと思った次第です。 剣戟のアクションは好きなんですが、今作は何気に、『ゾロVSエレナ』の一騎打ちが一番見所だった気がします。いろんな意味で・・・ それから、馬が一歩前に出て地面に落下するシーンが凄い好きです。とにかく馬からよく落ちるヒーローです。後半、追っ手から逃げるときにまた馬から落ちたときには、さすがに『もーいーよ。』って思います。同じネタを押し過ぎです。だいたい『ゾロ』なんだから、馬ぐらいちゃんと乗ってほしいものです。でもその後のカーチェイスならぬ馬チェイスは非常に良かったです。漫画チックでお約束チックですが非常に面白いシークエンスです。この場面を予告で見せちゃっているのがもったいないですよね。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-04-19 18:16:03)(良:1票) |
38. マーキュリー・ライジング
《ネタバレ》 アイデア、切り口は面白いのですが、中盤以降は関係者が次々と消されるというよくあるパターンで、少々盛り上がりに欠けます。 『ある分野においては天才的な知能を持つ自閉症の子供とブルース・ウィリスの関係性』 『9歳の子供が国家機密の暗号を解いてしまう。⇒子供を他国に利用されれば自国の諜報員達が危ない!』 どう料理しても、面白くなりそうなんですが。メインディッシュになればなるほど、尻すぼみ感が半端ないです。まるで、極上の材料が揃いすぎてしまったために、シェフが油断して料理を失敗して、せっかくの高級食材を台無しにしてしまった感じです。 また、よくあることですが、サスペンスを演出するためのストーリー展開になってしまっているので、必然性に欠ける行動がたびたび見られます。 まあそれでも、娯楽作品、エンターテイメント重視ということであればそれも笑ってスルーできるのですが、娯楽作品にしては少年の境遇がシビアで不憫なんですよね。少年の両親が良い人すぎたため、どう頑張っても少年にとってのハッピーエンドは絶対に来ない事実が、見ていて辛かったです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2015-04-09 12:29:39)(良:1票) |
39. マーダー・ライブ 殺人中継<TVM>
《ネタバレ》 いきなりテレビのトークショーを占拠し、女性司会者を処刑するという切り口が大変面白いです。冒頭から本題に入る潔さは嫌いじゃないです。 ただ本作においては、本題に入るのが早過ぎたためか、途中で若干の中だるみを起こしてしまったのが最大の難点。いや、リアリティを追求するために、それも計算に入れての演出だったのでしょうか。何にせよ、犯人のフランクが娘サリーの復讐のために番組ジャックをしたはずなのに、途中から趣旨がブレはじめたのが正直残念です。 本作の最大のポイントはきっとメディア批判でしょう。特に、視聴率重視で人を食い物にする娯楽番組に対する痛烈なバッシングが感じられます。女性司会者はわかりやすすぎるほどその典型のような存在。更に悪質なのが、その偽善ぶりで、フランクじゃなくても女性司会者にはイライラするばかりです。もうぶっちゃけ女性司会者が処刑されちゃうのを望んでしまうくらいです。 この映画は、リアリズムを大切にしているためか、中盤からのテンポとスピード感が悪く、盛り上がりに欠けるかもしれません。フランクが人質を必要とした理由もわからず、フランクという人物の掘り下げが足りません。フランクの妻とのやりとりも正直?です。 ですが、ラストで女性司会者の発言を聞き、野球中継が流れ、来週の番組の予告が流れたとき、人の命が犠牲になっても結局世界が何一つ変わらない事実は衝撃的です。いや、むしろこれは無力感や脱力感の類かもしれないです。 この作品の唯一の救いは、騒々しいバーでテレビを見ていた人達が、最後暗い表情でテレビを見たまま静まり返っていたシーンでしょうか。 面白い映画としてススメるのは気がひけますが、作品価値という観点からすると一度は見ても良い映画だと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2014-06-17 12:58:36) |
40. 真夏の出来事
《ネタバレ》 本格的なサスペンスかと思って構えて観ていたのですが、思いの外コメディ色が強く、良い意味で肩の力を抜いて鑑賞することができました。サスペンス+コメディというのは苦手なんですが、本作にいたってはシュールさを極力控え、見事なバランスで面白い作品に仕上げていると思います。もちろん、キャメロンディアスやハーヴェイ・カイテルといった役者さんの力も大きいと思います。 全編にわたってピタゴラ・スイッチのような作品でして、タイミングのずれや、不測の事態をうまく使って現状を打開させないストーリー運びは、結構楽しいんじゃないでしょうか。ラストなんてまんまピタゴラ・スイッチで、ちょっと感心します。 おそらくは殺人者なんて最初から一人もいなくて、間の悪い偶然が重ねることで、追い詰められたジョージ(ハーヴェイ・カイテル)が本当に殺人者になっていくっていうのが面白いんです。ジョージが作っといた、多量の精神安定剤入りドリンクをラストのオチにもっていく運びなんかかなり良い感じです。 平均点を見る限りでは、もしかすると観る人によって評価が割れやすい映画かもしれませんが、個人的にはオススメですね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-04-30 20:16:26) |