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1.  ルパン三世 カリオストロの城 《ネタバレ》 
久しぶりに見たので書き込みます。  この作品は今でもある意味宮崎アニメの頂点に有る作品だと思います。 この頃のキャラクターは活々飄々として余裕たっぷりです。  これは作画の大塚康生氏に寄る所が大きいと思いますが パンクでジャンケン、カーチェイスと手榴弾、崖のぼり、ワイヤーロープ、謎とプロレス。 どれもどうやって観客を驚かすか笑わせるかを逆に彼等が手ぐすね引いて待っている。  観客が観ているのでは無く作品の中のキャラクター達が観客に観せて居るんです。 だから1度観ても2度目、2度観たけど3度目。 何度も観て分かっているはずなのにまた観てしまう理由でしょう。  もう2度と戻りっこ無い時間の流れの中でこの作品だけはいつまでも色褪せない。 凄い事だと思いますね。  ここからは生臭い話なので興味の無い方は飛ばして下さい。 宮崎監督自身あれだけの才能も持ちながらも長く不遇の時代を経て 貧乏暇なしのアニメというジャンルを切り開いてこられたパイオニアです。 監督が居なければ今の世界的な日本アニメというジャンル分けは無かったでしょう。 ただしかしその仕事も今は壮年期に入っている。刈り入れの時期に入っているかの様です。  最近の作品がこの頃の。。。と、いうのは禁句かも知れませんが 他の作品と見比べてもやはり宮崎アニメの頂点がココに有るのは間違い無いと思うんです。 それをもう1度新しい形で観たいと思うのはファンの我侭でしょうか。    
[DVD(邦画)] 10点(2006-05-19 04:12:32)
2.  うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー 《ネタバレ》 
押井映画最高傑作の1つにして日本アニメ界の金字塔。。。  まあ、余り言ってしまうとアレですが私が定期的に何度も観る映画の1つです。 ともかくこの作品は当の押井氏も言っている様に原作の「うる星」が無ければ出来なかったとか もしこの「うる星」の世界観無く多元世界を描いたら多分「アヴァロン」に成ってたのかも知れませんね(笑)  さて、作品の内容ですが正に押井さんそのものでして 逆に言えば押井さん以外はこんな映画は作れません。 文化祭前日を永遠に繰り返す事で永遠に現実から逃れられる代わりに現実へは戻れない。 しかし良く考えれば帰るべき現実など本当に存在するのか?いや、そんな物は本当は要らないのでは? 世界全体で同じ夢を見ればその夢は現実に成り得る。だから夢を観続ける。しかしそれで良いんだろうか? こんな事がテーマの1つに成ってます。  アヴァロンでは現実を虚構の果てに辿り着く理想の仮想世界として描いてますが 押井さんのアイデンティティの中ではつまり自分が現実として暮らすこの世界の非現実さは何よ? ああ、夢なら覚めて欲しい。どうすれば本当の現実へ行けるの?こういう事なんだと思います。 これはファンの方なら数々の作品観て分かってらっしゃると思いますが。  温泉マークを初めこの世界の不条理を議論し少しずつ謎を解き明かす事で真理を得て最後は現実世界へ帰還する。 つまり不条理から抜け出したいのなら自分がそれを本当に望み戦わない限り永遠に抜け出る事は出来ない。  タイプは違いますが宮崎駿監督がある意味押井さんの対極に居る人で 雑誌の対談とか見ても喧嘩はしてますがやはりお互いを認め合わざろ得ない。(と、私は勝手に理解しております。。。) 例えるなら紙の裏表の様な関係なのかも知れません。  話が脱線しましたがつまりいま我々が暮らすこの現実を現実として受け入れてしまっている非現実さ。 これをうる星の世界観とカフカやダリの啓示に透過させながら作った事がこの傑作を生んだんだと思います。 
[DVD(邦画)] 10点(2006-04-22 20:26:48)
3.  GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 《ネタバレ》 
久しぶりに見たので書き込みます。 この映画は草薙素子と言う主人公を通して 脳以外を義体化(サイボーグ化)した人間が 様々な情報と技術が高度化複合化した社会で、どういう感覚と思想、概念、理念を経て行くのか? これを描いた作品であると思います。  主人公の素性については殆どられません。オープニングで全身義体のサイボーグと分かるのみで あとは公安9課なる非正規の警察組織で、国家に特殊強化義体のプロトタイプとして管理されつつ 超人的な能力を発揮し、様々な事件を解決する言わば実験体として生きている。  主人公の生きる社会は電脳化なる脳のサイボーグ化が普及した社会で 人間は何時でもネットに接続し、あらゆる情報を直接脳に取り込み処理する事が出来る。 だが反面、その恩恵に浴せない大多数の貧民 そして薄汚れ、疲れている都市空間。。。  そんなある日「人形使い」なる天才ハッカーが、人の電脳その物をハッキングして記憶を上書きする事件が起こる。  ともかく、この物語を通して押井氏が言いたい事は、人間が人造物としての義体化を進めて行けば 最後はその個人を特定するゴースト、つまり脳を含めた肉体という「入れ物」が その個人にとって信用出来る物では無くなり  しまいにはそれすらも捨ててしまうだろう。と、言う事です。  最後草薙は人形使いに繋がり、融合し、自分も上部構造(物質的な脳を含めた肉体を脱し、あらゆる情報と繋がる生命体)へ旅立ってしまう。これは進化なのか? しかし、それが人間の最終的に行き着く場所なら、この世界に何の意味が有るのか? そう疑問する(その理由は彼のセーフハウスに並ぶ古ぼけた本が物語っている) 相棒のバトーは現実を選び そして素子と別れてゆく。 出て行く時、素子は冷たく自分自身を言い切ります。それを見つめる彼は苦しげでした。 「でも少佐は少佐なんだよ。」 素子が出て行った後の部屋で、彼は呟いたのでしょうか。         
[DVD(邦画)] 10点(2006-04-10 04:11:36)
4.  アルカトラズからの脱出 《ネタバレ》 
この映画の凄い所は話の筋自体は大したアクションもどんでん返しも無く 淡々と進んで行くにも関わらず、逆に緊縛感は映画が進めば進むほど増大し まったく観客を飽きさせない事です。  シーゲル特有の癖の有るアングルから舐める様に撮られた独房 味気ないコンクリートの壁、冷酷な看守、そして1癖も2癖も有る登場人物。。。  彼等は凶悪な犯罪者では有りますが、ある者は二十日鼠を愛し 自分の食べ物を分け与えて育てていたり また有る者は絵を愛し、描いた自画像に実際には有るはずの無い菊を描いて自分の自由を表現します。  主人公のモリスは聞きます「菊は何処に有るんだ?」 絵描きと呼ばれる囚人は言います。「それは心の中だ。彼等(看守)も私の心の中までは縛る事は出来ない」と。  ともかくこの映画は立場はどうあれ、人間はいつどんな時も自分の持っている自由が 奪われれば奪われるほど、逆に自由を追い求めると言う哲学が根本に敷かれていて  それが全編重厚なイメージと共に観客を引き付けながら いやが上にも増して行く緊迫感をあえてギュウギュウと押さえ付けながら クライマックスでは一転、一気呵成に駆け上がって行く。  警報が鳴り響く中、床にコロリと転がったモリスの首人形を見て笑った黒人が 事の全てを凝縮し 痛快にこの作品を表しています。     
[地上波(吹替)] 10点(2005-08-01 18:39:41)(良:3票)
5.  ブレードランナー 《ネタバレ》 
  封切り当時は確かこれ不評の映画だったですね。 私は場末の客席ガラガラの映画館で見ましたが  この時私と一緒に見た何人かの人々は 多分一生忘れられない1作になったんだろうと思います。  話の筋は逃げ出したレプリカント(人造人間)を処分するブレードランナー(賞金稼ぎ)を描くという事には成っておりますが  はっきり言ってそんな事はどうでも良い。  本作品に出て来るレプリカントの寿命は僅か4年です。 もし本当の人間が自分の寿命は4年と区切られてしまったらどうするでしょう? 植民地星に送られ、重労働にコキ使われて死んで行くだけの人生を受け入れられるでしょうか?  自分の寿命を4年と自覚したが故に 劇中のレプリカント達は追う存在である人間より人間臭く そしてより少ない人生を追い求める。  また自分たちの存在意義をも、激しく追い求めて行きます。  自分たちがどうやって作られたか?切られてしまった寿命を伸ばす方法は無いのか? 彼等は必死であがいて行く。しかしそうしている間にも 自分たちの肉体はドンドン衰えて行きます。  そして最期は仲間がブレードランナーデッカードに次々と殺され 逃げ出したレプリカントのリーダー バッティーは超人的な力で デッカードを絶対絶命まで追い詰める。  しかしなぜかバッティーは絶体絶命のデッカードを助けてしまう。なぜか? 劇中その事についての説明は一切有りませんが、私はこう解釈しました。  つまりバッティーは自分の寿命が尽きる事を悟り、全ての諦めが付いた訳です。 諦めが付いたからこそ、デッカードを助けた。 自分がいま死に行くが故に、バッティは命あるものの尊さを知ったのでしょう。  死の間際 降りしきる雨の中、バッティは諭す様にデッカードへ 自分が見てきた僅か数年の事柄を語ります。  その時、邪心の無くなった彼の肩には1羽の小鳥が止まりました。 そして彼が語り終え、こと切れた瞬間に大空へ羽ばたい行く。。。 涙無しには見られないシーンです。何度もこのシーンで泣いた人が多いのでは無いでしょうか。  ともかくSF映画の金字塔と言うには余りにもマニアックで、虚無に満ちている作品ですが ラストにデッカードが完全人造体であるレイチェルと、恋に落ちエアカーで逃げて行くシーンで僅かに救われます。  人間とレプリカントの差異は無いのだ。と。       
[DVD(字幕)] 10点(2005-07-30 23:37:16)(良:4票)
6.  機動警察パトレイバー2 the Movie 《ネタバレ》 
ログインネーム登録する前もこの名前で投稿してたんですが 久しぶりにこの映画を見たので再投稿します。  もう何回となく見てる作品で私にとっては「繰り返し見れる数少ない映画の1つ」です。 なんか1部思想の合わない人達には酷評されていますが(笑)  間違い無く1度見て損の無い作品だと思います。  この映画が10年以上前に封切られた事実もさる事ながら「日本という国の実体」を2時間という枠の中でここまで描き切った作品は皆無でしょう。 それは10年経ったこの現在、現実において切実な問題として表に現れつつ有ります。 国家としての「体」を成して来なかった日本。 いや、それを見せ掛けながら擬似国家として「成立、継続してしまっていた」日本。 今でもそれに気付いて無い人がこの国にどれだけ居るのでしょうかね。  劇中それを「知らしめる方法」と「その方法論」を 押井、伊藤の両氏が激しく、痛烈に掛け値無しに観衆へぶつけたからこそこの傑作が生まれたのだと思います。 私は是非いま10代20代の若い人に見ても貰いたい。 それだけの価値は有る作品です。
[映画館(字幕)] 10点(2004-04-30 17:28:13)(良:1票)
7.  ジャッカルの日 《ネタバレ》 
これずううっと前にBSで黒沢明が評価した映画集とかなんとかでやってたのを見た事が有ってリストから題名見たら投稿したくなっちゃいました^^; 古い映画で画質も古臭くて最初は期待せずに見てたんですがこれがトンデモナイ快作でしたね!びっくりしました。 特に小技として出て来る特殊銃や古いアルファロメオなど製作者の繊細な感性が全編ににじみ出ていてプロット脚本共非常に丁寧に作りこまれています。 主人公は凶悪な暗殺者なんですがプロフェッショナル。次第に追い詰められて行くにも関わらず次々と警察の裏をかく所など正に拍手喝采です。そうゆう感情移入が自然に出来てしまって話に引きずり込まれてしまう辺りが並みの出来な映画では無い所でしょう。 最後のクライマックスなどは正に脱帽。家族と一緒に見ていたのですが みんな「あ!ああ!!」っと驚愕の声を上げてしまった程でして ともかく1度見て損は無い作品です。 
10点(2004-02-01 01:35:09)(良:1票)
8.  スリーデイズ 《ネタバレ》 
久々に大当たりの映画でした。 今の所、今年一番の映画です。  あの名作、逃亡者のハリソン・フォードが 自分の罪を晴らす為に、理知的で用意周到で冷静で時に神出鬼没な外科医だとすれば  ラッセル・クロウは腹の出た、ごく平凡で、真面目なマイホームパパ しかし、家族の為には何もかも投げ捨てる情熱家。 こんな対比でしょうか。  ともあれ、そんな男がある日いきなり 妻が無実の罪で投獄され、あれよあれよと言う間に 第一級殺人で、終身刑を言い渡されてしまう。  と、まあ、ココまではある意味でオーソドックスというか定番の筋立てなのですが いかんせん、脱獄計画を立てるのが、妻や子を思う気持ちばかりが先走る、ズブのド素人。  脱獄のプロとやらに御高説をタレてもらって、神妙にメモを取るのは良いが  裏稼業との接点見つける為に 自分のプリウスで必死に走り回りながら、クソ真面目にドラックを買い込むこの機転の無さ。 どうしよう、どうしよう、という気持ちばかりが募って、何度もドジを踏む。  ああ--持ちカネも無くなるし、やっぱ無理ジャン、駄目っぽいじゃないのと 見てるコッチまで心配になって来た矢先  いきなり妻の身柄が遠方の刑務所に移送されると聞いて プッツンとキレたが故に冷静さを取り戻すが それにも増して圧し掛かる緊迫感と悲壮感、どうしようも無い行き詰まり感。  これを脂ギッた顔面一杯で表現してしまう辺りは、さすがラッセル・クロウです。  終局はあえて申しませんが、この映画。 本当にプロットが巧みであると言わざろ得ません。いや、ホントに。  刑事「そう言えばボタンが取れたと言ってたな」 言ってたなぁ???  それを真っ先に探すのがお前等の仕事だろボケ!! ど素人に探し当てれる様な麻薬工場放置して、麻薬取締りとか言うなボケ!  こういう事柄は主人公が取らざろ得なかった超法規的措置を 正当と言わざろ得ない根拠と成っています。  いまチャリンと音がした???え?したかな??? どっちだよ!!  ズサンな捜査と、それに反比例する行き過ぎた物証主義が、逆に冤罪を作り出す。  内実を知っている人ほど寒気がすると思いますが、この映画は 白は白、黒は黒で、灰色を認めないアメリカの病理をも同時に抉っている。 こう言わざろ得ないのです。 
[DVD(字幕)] 9点(2012-03-24 22:53:48)(良:1票)
9.  96時間 《ネタバレ》 
クライムアクションとしては屈指の出来なのでは無いでしょうか? 確かに細かく見れば、目の粗い設定などが見え隠れしますが  それを吹き飛ばして余りあるスピード感と リーアム・ニーソンの娘を思う父親という、まさにはまり役の非常に秀逸な演技が功を奏して 最後まで一気呵成に見れてしまう娯楽作品に仕上がっています。  それにしてはかなり作品の知名度が低かったのが解せないのですが これだけの作品が何の賞も取ってないのですかね?  兎も角、理に敵ったガンアクション、東欧の組織誘拐&組織売春という犯罪組織の構図 主人公の元秘密工作員としての背景など、プロットも非常に多岐多彩でありながら 全く違和感無く1本のストーリーとしてまとまっていて、小気味よく 序盤以降、全然もたつき感が無いというのが、この作品の特徴です。  やはり、ニキータやレオンなど スタイリッシュなクライムアクションでありながら 一面フランス風味のちょっとドロ臭くて深い味わいの映画が作れる リュック・ベッソン脚本ならではの作品だと思いました。  また、監督のピエール・モレルも「パリより愛をこめて」などで ガンアクションに定評のある人で  私はこのコンビとスタッフでもう1作、作って欲しいとすら思いました。      
[DVD(字幕)] 9点(2011-11-26 19:43:10)
10.  シッコ 《ネタバレ》 
今見終わりました。 お恥ずかしい事に私もこの監督の事を色眼鏡で見ていた1人でした。  しかしこの作品は文句無しに素晴らしい。医療ドキュメンタリーとしては傑作の部類です。 アメリカにおける医療問題の歴史を細部に至るまで詳しくリサーチして 彼独特の表現方法で作品にしています。  彼の作品は全般にどれもシニカルです。 だがこの作品は、そう、確かにシニカルでは有りますが 同時に暖かいヒューマ二ズムにも溢れている。  突き詰めれば結局、アメリカは資本主義がトコトン行き着いた国だと言う事なのでしょう。 政治が1部大企業の言い成りに政治を進め それが医療に関してまでクチバシを入れると、どういう事態に成るのか? それを年代も踏まえ、赤裸々に暴露しています。  政治家は皆、金を掴まされ製薬会社の代弁者となり ごく限られた金持ちだけしか正当な医療を受けられない。  貧乏人は文字通り、身ぐるみ剥がれる様に、有り金を全部医療費に巻き上げられ 必要な医療を途中で打ち切られ、そのままガンが進行して死んだり カネが無くなったと見るや、路傍へ打ち捨てられてしまう。 文字通り、「文無しは死ね!うせろ!」と、こうです。 私は目を疑いましたが、今やアメリカではそんな事が日常茶飯事に行われて居る。  はた、と、考え直すと日本でも現在、特別養護老人ホームに申し込んでも 全国で42万人の待機者が居て、仕方なく劣悪で小規模な介護ホームへ押し込まれた 寝たきり老人が火災で7人焼死したというニュースや  他にも収入が無く、健康保険料が払えないからと言って自治体に保険証を取り上げられ 医療を受けられない人々も増えていると聞きます。  その一方で大規模外食チェーンのオーナーが病院経営の規制緩和を求め 病院事業の株式化を政府に働きかけていたりしている。 つまりわが国も決して「対岸の火事」では無いと言う事なのです。  作品の後半に呼吸器の薬がアメリカ本土で買えば120ドルもするのに キューバでは僅か5セントで手に入る事を知り、女性が号泣していた場面が有りますが  「日本では絶対その様な事態に成らない」と言えるのでしょうか? 私は今の日本医療の現状を考えると空恐ろしく成ります。 また同時に、オバマ大統領の成立させた皆保険制度が早晩覆らない事も祈ります。。。  
[DVD(字幕)] 9点(2010-05-03 00:44:46)
11.  誰も知らない(2004) 《ネタバレ》 
いま見終わりました。素晴らしい映画だと思います。 しかし同時に相当不快でもある。 私を含めて子を持つ親がこの作品を見て憤りを感じない人は居ないのでは無いでしょうか。  ですが口惜しくもこの監督さんは日本を そしてこの現代社会の本質を良く知っている。 親から見捨てられた子供がどう社会から孤立するか。またどうやって追い詰められて行くか。  鏡を見上げながら歯磨きをする子供。子供を見下ろしはしてもまるで無関心な大人。 冷たく事務的に催促してある日呆気なく止まるライフライン。 裕福で鷹揚な大家。ガサツで高圧的なコンビニ店長。 そして揃いも揃って無責任で甲斐性無しでどうにもならん親達。 確かに陳腐じゃない。リアリティーが有る。  だから非常に不愉快だが認めざろ得ない。 またこれだけ重い題材を普通にサラリと撮ってしまっている所に 作り手の非凡なセンスが光っていますね。  最後に死んだ妹の亡骸を飛行場に埋める明のシーンがこの作品の演出らしい演出でしょうか。 また説明がましいのはこの部分のみですが 明が「以前にも福祉事務所を頼ったらみんなバラバラに成って大変だったからもう嫌だ」 と、さりげなく言わせています。  ラストを見れば彼らはたぶん全員が窮して死んでも自ら警察や福祉事務所には助けを求めないのでしょう。 東アジア随一の先進国と言いながら内実は余りにも未熟で悲しいぐらい平和な日本。 しかしこの子達はこれで良いんだ。死んでもそれまでは自由である方が幸せだ。 だがそれなら最初に実際の事件をモチーフになんて言うな! と、一喝して終わりに出来ない所がこの作品の憎い所であります。  逆にそういう反応が有るからこそあえて冒頭のテロップは入れたんでしょう。 入れる事により確かに注目度は大きく成り観る人間も多く成る。 しかし出来上がった作品が愚にも付かない駄作ならこの監督さんの評価は大きく下がりますよ。  つまりそこがこの監督さんの世間に向けて仕掛けた部分であり カンヌをはじめとした多くの海外映画賞受賞に到った経緯でも有る。 そして低劣なマスコミネタで終わるはずだったこの事件をどういう形であれ当時大きく社会問題化させた。 その功績も含めて今回は9点献上します。 
[DVD(邦画)] 9点(2006-06-02 20:38:38)
12.  穴(1960) 《ネタバレ》 
凄い映画ですね。みなさん一様に点数高いのも納得しました。  何が凄いってこの徹底したリアリズムですね。 他の脱獄映画の設定が相当ヌルク感じてしまうぐらいに この映画は「実際の刑務所から脱獄するには」という事に何より拘っている。 小さい覗き窓1つしか無い頑丈な扉。突発的に入って来る看守。監房を出入りする度に身体検査。 夜中でも容赦無く回って来ては点呼を取る冷酷な監視体制。。。 でもそのことごとくにマンマと裏をかくズル賢いリーダー格の古参受刑者。  小技の1つ1つもあだやおろそかにしません。 小さい覗き窓には歯ブラシの柄に小さい鏡のカケラを結び付け看守を監視する繊細さ。 逆に頑丈なコンクリートの床は「ここが何とか成らんとドウにも成らんわ!」と腹を括り どれだけ激音がしようとも決して掘るのを止めない大胆不敵さ。 更にはダンボールで作った即製人形を糸で操りながら夜中の点呼をやり過ごすこの危うさ(汗 その後はもう刑務所中を縦横無尽に徘徊し「ちょ、ちょっとアンタ!そりゃ無茶や!」と 後ろから何度も突っ込みたく成りますがその都度機転と小技を駆使して乗り越えて行きます。 この辺はもう正に脱帽でして超兄貴ブリを発揮しておりますね。はい。  またガスパールと言うへタレな新入りの若者が主人公の様でも有りますが これがもう脇役のアクの強さに完全に食われてしまっている。 なんで?なんでこんな影の薄い主人公なんだ?と、みんないぶかしむ所では有ります。 しかし実はそれがこの監督さんの凄い所でして。ええ。その訳が最後の最後で明らかに成ります。  ただ私としてはこのラスト、もう1転有っても良かった様な気がします。だから9点です。 ただフランス映画だという事を考えれば仕方が無いのかも知れませんが。    
[DVD(字幕)] 9点(2006-04-26 23:11:10)
13.  太陽を盗んだ男 《ネタバレ》 
いま見終りました。素晴らしい作品です。 まず1つ言いたいのはイデオロギーうんぬんと言う前にこの映画は1級のエンターテイメント作品ですね。  主人公は奇異な行動で知られる中学の理科担当の教師で昔は爽気を持って授業をしたが今はまったくやる気が無い。 そんな時に事件が起こる。天皇に会わせろと62式機関銃(たぶん)を引っさげ彼の担当のバスをバスジャックする老人。 それを阻止しようとする頑健でタフで有能な角刈り警官。 彼は否応無しに渦中へ巻き込まれますが反面そのどれもが彼にとっては非日常的で刺激的だった。 よし!俺もやろうと決意する。  原子力発電所に忍び込み核燃料を盗み出し濃縮しやがて銀色に輝くプルトニウム239を精製するのに成功する。 このプルト二ウムを作ってゆく過程が凄いです。。。これでよく映倫通ったもんだと思いました。 それぐらいリアリティーたっぷりです。  兎も角主人公は原爆を完成させ国家を相手に交渉を始めますが 実は自分自身がこの国の戦後体制に冒されて居るのを知る。 この国に不満は有るがじゃあこの国をどう変えたいのか? それは主人公自身にも結局分からない。仕方なく部屋に帰り所無く原爆を抱えて眠る主人公。 この辺りの演出も非常に素晴らしいですね。  いうなれば原爆作成は彼の自己表現であり他者との繋がりを作る道具だったのかも知れません。 その繋がりに選んだのがバスジャックのタフな警官といつも聞いていたラジオ番組のディスクジョッキー。 しかし対立と葛藤の中、最後はそのどちらも死んでしまう。 また彼自身も放射能被爆により先が短い事を知る。。。  しかしまあ、この監督さんは凄いですよ。まったく。 自分が拘りたい所は徹底的に拘りますがその分粗も多い。 後半のカーチェイスやヘリ襲撃場面、ムチャな原爆奪還、「細かい部分はええんじゃ!!」っていう監督さんの声が聞こえて来る様でした(笑) ラストの原爆爆破シーンは同時の映像技術では難しかったのでしょう。これで良かったと思います。 ともあれこの戦後社会を一刀両断した切り口の鋭さをはじめ これだけの内容を1本の映画にみごと収め切った事には驚嘆を禁じ得ません。 このジャンルでは正に日本映画史に残る作品だと思いました。 
[DVD(邦画)] 9点(2006-04-22 14:44:09)
14.  摩天楼を夢みて 《ネタバレ》 
同じ「摩天楼」の付く作品に投稿してコッチにも入れたく成りました。同じ様な題名でも中身はまったく違いますが どちらも好きです(笑)  この映画は舞台劇を映画化したかの様で台詞が異常に多く、初めて見た時は面食らいましたが作品としては非常に出来が良いのでアットゆう間に見終わってしまいました。私が観たのは日本語吹き替え版のDVDですが   コレ、字幕だと台詞追い切れるかどうか自信が有りません^^;それ程台詞の多い映画です。  ストーリーは売れないセールスマンの悲哀を描いた物ですが その根底にはこの頃(より少し前まで)の大不況下に有ったアメリカと一見自由で民主的なアメリカ社会が内包する矛盾や  ドラスティックで皮肉に満ちた側面を見事に描いています。成績が上がらず次第に追い詰められて行く老セールスマンと それを内心ほくそ笑んで冷ややかに見つめながらも肩を叩いて励ます同僚。  転勤して来た新任の若い上司との確執など、少し極端ですが 現実に有る一般社会の縮図を切り取ったかの様な筋立ては見ていて少し憂鬱に成る事もしばしばでしたが   しかしそれを補って余り有る独特の台詞がマシンガンの様に飛び交って もうグイグイと劇中に引き込まれてしまいます。  ココ近年借りて来て見た映画の中では1,2の出来だと感じました。見て損は無い映画です。
[DVD(吹替)] 9点(2004-04-30 20:12:58)
15.  摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に
この映画面白いですよねぇ 題名見たら懐かしくて投稿したくなっちゃって(笑)  ココ何年か重病に犯されて精細を欠いていたマイケルですが最近は声優としてまた復帰したそうで良かったです。さて、作品の事ですがこの頃のマイケルは正に旬の役者って感じで本当にハマリ役でした。  が、彼の素養を最大限引き出した監督と脚本の素晴らしさを感じまます くすぐり、小ネタ満載でまったく観客を飽きさせない。あとあまり評価されてませんが音楽も秀逸ですね。この映画のBGM聞くと当時の事を思い出してしまいます。
[DVD(吹替)] 9点(2004-04-30 19:46:56)
16.  最後の忠臣蔵 《ネタバレ》 
主君、大石内蔵助の密命で討ち入り直前に「世に隠れて、自分の隠し子を育て、守って欲しい」 と、言われ、逐電した大石家の家士、瀬尾孫左衛門  この作品の秀逸な所は江戸を代表する人形浄瑠璃である 曽根崎心中を武士道の裏側に織り込んで描いている事です。  主君大石内蔵助の娘である可音は成長するにつれ 孫左衛門へ家来以上の気持ちを抱くように成る。 そして、孫左衛門もそれに気付いている。  自分が長年愛おしみ育てた主君の娘 しかし、1つ屋根の下、この先不意に我が物にしたとしても おかしくは無かろう。  しかし、それすれば 武士道という自らに強いている不文律を完全に破る事に成り 武士としての自分も、そして主君の娘である可音も  2人を取り巻く物(価値観、矜持、そもそも自分がいまおめおめと生きている意味) すべてが、自壊(死ぬ事よりも酷い状況)せざろ得ない。 と、孫左衛門は思う。  「その物思いの行き止まりに、いつも聞こえて来る挽歌の様な物が、あの日観た曽根崎心中だった」  何もかも捨てて、2人で逃げる所まで逃げ、想いを果たし、刺し違えて死ぬ。 と、いう願望。  つまり、孫左衛門は主命と、自分の本意の狭間を 少なくとも、可音の気持ちを知ってしまった後 常に揺らぎながら日々を過ごしていた。  しかし現実は 主命により、どれだけ周りから蔑まれても 事の一切を明らかにも出来ず、勝手に死ぬ事も出来ない。  死に遅れたという無念、その一方では可音と結ばれたいという衝動 しかし、出来ない。出来うる訳が無い。  たらいに入れた可音の足を指の叉まで丹念に洗う孫左衛門 それにうっとりと身を任せる可音。  これは1つ間違えば、何時でも主人と家来という垣根は破られる それを自覚しながら、決して超える事の出来ないギリギリの境界線上で 2人は生きざろ得ない。  そういうジメジメとした不条理で愚直な武士道 それと表裏している華々しく形式美的な武士道 この両方を見事に描いていると私は思いました。  しかし、こんな事は今の若い人にはピンと来ないでしょうね。 ましてや、外国人に理解できる訳が無い。  演出も少々、最後はくどく成ったかも知れませんが (私はラスト、寺坂が駆けつけるのは孫左衛門が絶命した後でも良かった気がします)  最後の切腹のシーンはとても見事ですし 総体的に見て、1度見て損は無い作品だと思います。 
[DVD(邦画)] 8点(2012-11-29 23:12:14)(良:2票)
17.  ALWAYS 三丁目の夕日‘64
前作の2作品も感想は書かなかったのですが 実は密かにファンでも有りました。  しかし、こういう昔を懐かしがって楽しむという ある意味でジジむさい事に抵抗が有ったので  (と、言うより、そういう事を言う事自体が中年の証なのかも知れませんが)(笑) あえて感想は書かなかったのですが  しかし、この作品は完成度が高かった気がします。  まず、取って付けた様な時代性を表すエピソードやギミック (腰にぶら下げたタオルとか)が かなり影を潜めて、殆ど違和感なく見れた事が1つ。  そしてやはり、3作目という事で、かなり脚本は練られて作られていて 続編にありがちなマンネリ感や失速感が全然無かった事。  そして、オープンセット自体も前作の使いまわしではなく ちゃんと5年間分の進歩と、時代性を考慮して作られているのが良かったですね。  また、意図的に配役(新しい登場人物も含め)などの主客を交代させているのが ある意味では前2作品より、完成度が高く成った原因の1つの様に思えます。  1作目では鈴木オート夫妻とその周辺の人々の戦前~終戦直後の話や 借金のカタに人身売買も絡めた水商売や、不遇な出自など まあ、要するに前時代的な物珍しさを、前面に押し出した脚本でしたが  (自分の父親、母親(ちなみに茶川夫妻とほぼ同年齢です。)も言ってましたが、こういうのは「だから何だ?」なのだそうです。それに「美化し過ぎ」「思い出したくも無い事もたくさん有るんだ。」とも言ってました。)  しかし、今作品では鈴木家と茶川家それぞれの家族における 個別のエピソード(まあ、どうしても人情話に成るんですけど)の方へ 大きく方向転換している。  家族性や時代性というのは ある意味では「男はつらいよ」シリーズにも通ずる永遠のテーマですが まさかそういう事を考えているのでしょうかね?  まあ、観てみたい気もするのですが それをやる為には今作品以上の完成度、ギミック 時代性を考慮した巧緻な脚本と場面設定が無いと 間違いなくズッコケますよ。  ともあれ、今回は8点にさせて頂きます。 ちなみに前2作品はどちらも点数を付けるとすれば5点です。 つまり、この3作目はそれほど完成度が高い。  欲を掻かずに綺麗に終わる事もまた このシリーズの最終的な評価に繋がると私は思います。 
[DVD(邦画)] 8点(2012-10-24 23:04:30)
18.  ミッション:8ミニッツ 《ネタバレ》 
先ほど観終わりました。  この作品の新しい点は ・主人公が自分に適合する死人の脳内の記憶(或いはデーター化された記憶???) の最後の8分間にハッキング(或いは脳潜入)を掛けれる。(これはドラマ・フリンジでもちょっと使われてましたが)  ・その8分間は実際に起きた出来事、つまり現実の過去と全く同じである。  ・そしてハッキングを掛けた主人公は基本設定(列車、乗客、犯人、車掌、爆弾、乗降駅)に関与出来 新しく得た記憶を蓄積する事が出来る。 (これが斬新で新しい)  ただちょっと引っ掛かったのが  悪徳所長は「パラレルワールドへの入り口」 と、言っていましたが、これは矛盾がある気がします。  高校教諭の脳の8分間の記憶、或いは脳その物にしても それは現実にいま存在していて 「現実に違う過去へアクセスしている訳ではない」  あくまで、死ぬ前の最後の8分間の記憶(それも主観的な記憶)が 残っているだけです。 「なのに、何故、他の乗客と関われるのか?」これも矛盾です。  フリンジでは死人の主観的記憶の外側には関与出来ないとされていて この点が合理的に説明されています。  それとも死んだ全ての乗客の脳から最後8分間の抜き出して 既に全部データー化しているのか???(でも、犯人は途中下車して逃げ延びている。これも矛盾)  この辺りの合理的設定と説明がちょっと曖昧なのが残念です。  或いは人の時間の認識や空間の認識は 脳感覚(味覚、視覚、嗅覚、触覚、痛覚、聴覚、そして無意識)の産物であると仮定すれば 自意識の外側にもアクセスが可能(ユング的な集合的無意識領域??シュレーディンガーの猫?)なのか???  またこういう設定には 「我々が居る現実なるのものが果たして本当の現実であると誰が定義証明できるのか?」 という、疑問にブチ当たります。(押井守監督は一貫してこのテーマ(荘子的な現実と虚構)を描き続けている)  要するまだ人知の及んでいない超現実の事ですが  もし、この作品がその領域まで踏み込んで(まあ、最後の展開は踏み込んでいるとも言えなくはないですが) 合理的に仮説を立てて、作品を描いていたとすれば、私は文句なしに10点付けました。  今回はちょっと曖昧で余りに即物的(人命救助、事件解決、出世欲)で有り過ぎたので 残念ですが8点にさせて頂きます。
[DVD(字幕)] 8点(2012-08-20 21:20:39)
19.  月に囚われた男 《ネタバレ》 
先ほど観終わりました。かなり面白かったです。  この映画の秀逸な所は基本設定や場面設定 そしてプロットを徹底的に練り込んで有ると言う事です。  それでいて、作品の世界観や背景などは冒頭にザッと説明するのみで 殆ど明らかにされていない。  ある意味ではSFの定番で地味な話なのに 観ている者をこれだけグイグイと物語に引き込んで行くのは  上に書いた事柄(基本設定、場面設定、プロット)を 相当徹底的に練り込み、その過程で余計な物をそぎ落としたからこそ 全然違和感無く、これだけの作品に仕上がったのだと思いました。  私は昨今のド派手な演出ばかりで、粗を隠そうともしないハリウッド映画も この作品を見習って欲しいと思いますね。  この作品もやはり、あのブレードランナーを手本に取って作ってある映画で ある意味、レプリカント達が働いていたとされる 植民地星の実情に思いを馳せ、空想し、それを基にして1本の物語にしたかの様に  悲しく、重厚で、深いシナリオの中に 心洗われる余韻を残しつつ、最後まで痛快に見る事の出来た作品です。  作品の内容は 要するに莫大なエネルギーを生み出す月面の新エネルギーの採掘には 高レベルの放射能により、人間が重度の被爆に冒されてしまうというリスクが有った。  その為に採掘会社は違法なクローンを作り出し、偽の記憶を植え付けた上で 月の採掘基地に閉じ込め  3年の任期(実は重度の被爆により寿命が3年程度しか持たない)を課して 偽りのローテーションを繰り返させていた。  つまり、3年でクローンを廃棄処分にしてまた新しいクローンに交換し 採掘業務を延々と継続させ、金儲けしていた。  この映画の新しい所は作品に登場する会社側の管理AI つまり、会社が騙しているクローンを監視し管理するコンピューターに 性格や許容性、そしてある種の感情を持たせている所です。  結果的にこのAIが主人公達を助けた事で、物語が大きく展開して行く。  惜しい所は時間の関係なのか、予算の関係か分かりませんが クローンである主人公が脱出ポッドで脱出した後の話が 非常に駆け足で、ちょっと尻切れトンボに終わっている事です。  この最後をキッチリ落とせていれば 私は10点でも足りないぐらいの作品だと思いました。 8点と付けましたが、限りなく9点に近い。  どちらにせよ、1度見て損は無い作品です。   
[DVD(字幕)] 8点(2012-08-16 19:34:33)(良:1票)
20.  ハッピーフライト(2008) 《ネタバレ》 
いや、私は見た直後にレビューするのをモットーにしてまして いまテレビでこの映画がやってたものでレビューします。(笑)  中々面白かったです。 フジ主催の映画は海猿とか、毎度おなじみの何とか捜査線とか ドッチらけるのが多いんですが この映画は当たりですね。ドラマの延長ではなく、キチンと映画として撮られています。  ともかく、皆さん言ってる様にテンポが良い。 それでいて航空業務における技術的なギミックなども ふんだんに盛り込まれていて飽きさせない。  そしてその裏側もまあ、極端なんでしょうけれども 赤裸々にコミカルに描かれている。  何より力まずサラリと撮っている所が非常に良いです。  あと、秀逸なのは配役ですね。 この人をココにというのがキッチリと詰められていて 全然違和感が無い。  私的に好きなのは管制塔で双眼鏡握ってる、クールなお姉さん役の宮田早苗さんです。  あと、凸凹コンビのグランドスタッフ田畑さん。 この人も良い俳優さんに成りましたね。  一見温厚そうなサラリーマンで 実は短気な菅原大吉さんもいい味出してます。  なんていうのかな、出来の良い舞台劇を見ている様で 主役級を喰ってしまっている脇役陣というのでしょうか。  はっきり言ってこの映画 時任さん以外は主役級が全部脇役に喰われていたと思います(笑)  欲を言えば現場に口を出す無能な上役見たいなのが居ると 筋立てにアクセントが出来て、もっと面白かったのかも知れませんが  最後までスリリングでコミカルな風合いを保ちつつ、一気に観れた辺りは 最近2,3年の日本映画の中で1番面白かった作品です。  今回はオマケの8点にします。
[地上波(邦画)] 8点(2011-02-05 23:37:58)
011.20%
100.00%
233.61%
378.43%
456.02%
589.64%
689.64%
71518.07%
82125.30%
989.64%
1078.43%

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