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1.  吶喊 《ネタバレ》 
史実をなぞった上で、その裏の架空の人物像を描くという手法はよくあるが、軽妙な娯楽作でありつつ、戦いの無意味さを感じさせるのは、岡本喜八監督ならでは。 主役二人、一生懸命の熱演なんだけど、奥行きや華がなく感情移入しにくいのが玉に瑕か。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-07-06 22:36:17)
2.  H.G.ウェルズのS.F.月世界探険 《ネタバレ》 
時代的にそこそこまともに作ってるにもかかわらずチープな感じなんだろうな~、と思っていたら、結構コメディーとドタバタが混じってて、狙ったチープに見えてくる。 B級映画ファンにとっては掘り出し物かも。 主人公の短絡的な考えの浅さ、ゲスっぽさ、身勝手さにはいらっときたが、博士の真面目なマッドぶりがいい味を出してて、それを引き立たせるためには仕方ない設定なのかな。 欲を言えば、もうちょっと尺のばして、博士の月でのその後から、廃墟となる過程を、少しくらいストーリーに組み込んで欲しかった。 その後、博士が支配者となって、地球を救うために自ら滅亡の道を選んだとか、そういうストーリーもありかな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-07-06 20:03:09)
3.  第九軍団のワシ 《ネタバレ》 
ローマ時代の戦士と奴隷の身分を超えた冒険劇。 ローマ時代という背景でかなり重いものせいで、二人の心理的描写がちょっと希薄かなぁ。 最後の方で強い絆が確認できるんだけど、そこに至るプロセスに色々詰め込みすぎて、友情の変化がよくわからず、最後に唐突にやっぱり信頼しあってたんだと確認するしかない。 設定は斬新なんだけど、ちょっと惜しい気がする。 もう少し緻密にシナリオを詰めてほしかった。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-06-15 23:31:32)
4.  フランケンウィニー(2012) 《ネタバレ》 
監督ティム・バートンのグロいファンタジーと、配給ディズニーの夢のあるファンタジーって、普通に考えると本来合わないような気がするんだけど、両方の長所がうまく融合してる。 ウイニーのグロいのに可愛いく感じてしまうところがその象徴。 最後、生きかえらせたのや、科学の先生の去り際の立派な言葉は、ディズニー寄りかなとは思うけど。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-06-07 23:51:10)
5.  黒い十人の女 《ネタバレ》 
女優陣の演技は、皆さんの感想と同感で、それぞれすごい存在感。 それにもまして、しっかりとした個性的なキャラの女性を、飄々とした男が一人で受けて立つ、こんなすごい役回りをこなす船越英二って、すごい役者だったんだなと脱帽。 できれば、結局、何もしない生活を受け入れた途端に、岸恵子からも他の女からも完全に見放されてしまって、それでも飄々と職場に戻ってしまうってシナリオにしたほうが、更に船越英二の良さが活かせたかもしれない。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-06-01 22:55:10)
6.  飢餓海峡 《ネタバレ》 
重厚で緻密な描写はいいのだが、妙に間を持たせた冗長で長いシーンも散見され、もっと尺を短くしたほうが、スリリングで緊迫感も増したのにと感じた。 あと、ラストが納得いかない(原作は未読)。 見終わって考えると、北海道に行きたいと懇願したのが、船上から身を投じるための演技と解釈できないわけではないが、元刑事のお経で発作的に身を投げた感じもし、突然打ち切られてしまったような未消化感。 まあ、これから更に北海道紀行をやってたら、さらに尺が長くなるんだろうが、、  高倉健は刑事というよりやっぱりヤクザのほうが合ってるな。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-05-11 19:11:11)
7.  バトルシップ(2012) 《ネタバレ》 
極めて個人的な事情を抱えた主人公がヒーローとなり、細かい理屈は抜きでド派手な映像で一気に見せる、というまさにアメリカンな展開の地球危機物。 細かいところを突っ込まずにただ楽しむにはうってつけ。 自衛隊、浅野忠信の存在感が高い演出だったのも日本人にとっては好印象。 細かいツッコミは置いといて、全体のストーリーは破綻なく、クライマックスに持っていくのは娯楽映画として非常に見やすいんだが、最初のところで若干ダレた。 もう少し早くに宇宙からの飛来物の存在を何らかの手段で暗示しておいたほうが、もっと入り込みやすかったかも。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-05-11 14:47:42)(良:1票)
8.  億万長者(1954) 《ネタバレ》 
かなり秀逸な社会風刺コメディー。 当時の社会の大きな関心事である核と汚職をミックスしながら、登場人物全てを見事にデフォルメし、破綻ぎりぎりのストーリー展開で一気に突っ走った。 映像への遊び心も入っており、市川監督の得意分野って感じ。 役者陣もそれぞれデフォルメされた人物像を見事に演じていた。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-05-11 01:56:04)
9.  満員電車 《ネタバレ》 
なかなかブラックでよかった。 社会風刺はどこか説教臭くなりがちなところ、最初の雨の中の卒業式からグッと引き込まれて、最後まで一気に見せてしまうのは大したもの。 無理やり笑わせようしていないのに苦笑いしてしまうシュールなコミカルさもすごい。 主人公を船越英二の役のような淡々とした感じにしてもらったほうが、より風刺が効いたかも。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-05-11 01:32:30)
10.  あの手この手(1952) 《ネタバレ》 
アコちゃん強烈すぎる。 この強烈なキャラに対向するには、振り回される方ももっとコミカルに振り回されて欲しかった。 予定調和のようにほのぼのさせる必要はないと思ったけど、時代背景でこういうのが望まれてたのかな。 まあ、最後しっかり見せきるところは、さすが市川監督ってところ。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-05-11 01:22:02)
11.  日本橋(1956) 《ネタバレ》 
熊がもっといい男じゃないと変態ストーカーにしか見えないよ。 先生もクールで真面目を装いすぎ。 カラーで情感たっぷりの画面構成にしようとする努力は見られるけど、はっとさせるようは絵も少ない。市川監督、まだまだ巨匠ぶりは見られない感じ。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-05-11 01:11:13)
12.  月世界旅行 《ネタバレ》 
100年以上前、まだまだ初期で長回しが多く、舞台劇の雰囲気が多く残っているものの、月世界人が煙になってやられたり、演劇では不可能な縮尺のシーンをふんだんに盛り込んだり、舞台劇でできなかったことを映画でどこまで出来るかって考えながら作ってた意気込みが感じられる。 見たのは彩色版だったが、色があるだけで子供向け短編アニメのようで、違和感はない。 もちろん、今の「映画」の良さの基準となるシナリオ、演技、画面構成、カット割り等は評価する対象ではないのだが、100年以上前の映画ってどんなんだったんだろうって興味を含めると、結構面白い映画だった。 時間も短いし人に勧めることもできそう。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2013-06-16 11:57:10)
13.  PLANET OF THE APES/猿の惑星 《ネタバレ》 
 過去の猿の惑星を見ており、ストーリー展開はだいたい想像がつくので、ハードルを上げざるを得ない面はあったのだが、見るものをグイグイ引き込んでいく展開、地味ではあるが極めて自然な特撮、しっかりとした個々の人物(猿物?)描写、細かい部分で破綻のないシナリオ等々、全体的にかなりクオリティーは高く、最後までしっかり楽しめた。  主人公は一匹の猿を助けようとして追っかけたら、猿に支配された惑星に着いちゃって、何とか逃げることばかり考えてる。 主人公に責任感も大それた思想もない。ただ個人的に逃げたい帰りたいだけであり、逃亡劇から成り行き上、猿達との大戦争に発展。 ご都合主義は多々あるものの、一貫して主人公は逃げたいだけの平凡な人間であり、単純な主人公の逃亡劇を芯にストーリーが進むのだが、その流れで、テンポよく、ダイナミックなアクションを交えつつ、猿の惑星の成り立ちやそれぞれの猿達の性格付けをうまく描写し、社会の矛盾や人間への皮肉を散りばめて、クライマックスまで一気に見せるのは、なかなか練られたシナリオである。  で、結果、最初に助けようとした一匹の猿に助けられるところは、完全にこの作品のオリジナルであり見事。  さらに、その後のどんでん返しはリメイクゆえにハッピーエンドにするわけに行かずに考えたものだろうが、ここだけは、疑問符が残ってしまう。   どうしても1968年の最初の「猿の惑星」が大きなインパクトを与え過ぎており、それを超えるインパクトを与えるのは難しく、極めて不利なリメイクである中、なかなか頑張ったと思う。  しかし、猿の惑星の造形や色使いにもっともっとティム・バートンらしさを出して欲しかった。 特殊メイクに金をかけすぎてセットまで回らなかったのかと思いたくなる。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2013-01-03 01:27:05)(良:2票)
14.  銀座カンカン娘 《ネタバレ》 
中途半端なミュージカル仕立て、ストーリーに捻りもなく、深い人物描写もなく、あっけらかんと明るく脳天気。 何じゃこれって思っていたのだが、映画しか娯楽のない当時のアイドル主演ドラマなんだと考えると、人気歌手や落語家を脇に配し、高峰秀子の魅力をしっかり引き出してるなあと、それなりに納得できる。 戦後間もないという時代背景を頭に叩きこんでおけば、娯楽という映画の大事な役割はしっかり果たしていると思えるし、今見ても、当時の世相が垣間見えて興味深い。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-01-03 00:58:54)
15.  人斬り 《ネタバレ》 
勝新太郎の演技、表情は申し分ない。しかし、メタボな体型が最後まで以蔵のキャラにしっくりこないという違和感が拭いきれなかった。 特に走るシーンは滑稽ささえ感じてしまった。 この映画の中で出てきた人物で勝新太郎の体型、迫力を活かせるイメージの人物はほとんど居なかったのではないだろうか。 勝プロダクション制作ということで主演にするしかないとすれば、この物語は選択ミス。 折角のいい演技がもったいない。 幕末を描きたかったのであれば、西郷隆盛あたりをチョイスべきだった。 その他の配役も演技は申し分ないんだが、年齢層を高く設定し過ぎ。 幕末の志士たちは、もっと若々しく、荒々しかったはずである。 展開、画面構成は監督、スタッフともいい仕事をしているだけに、違う配役で、もっと若さを全面に出した脚本、演技にして欲しかったと思う。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-01-02 03:10:57)
16.  宇宙大怪獣ドゴラ 《ネタバレ》 
 カラーの東宝スコープに続いて、そこそこまともな宇宙シーン、期待して見始めたものの、すぐその期待が消えてこれはとんでもない映画を見ているという失望感とB級の醍醐味であるツッコミどころ探しのワクワク感に変わる。 存在感のない怪獣に現実感のない強盗団。どんな被害を想定してどこに逃げるのかわからない緊迫感のない避難シーンや何発撃っても当たらない銃撃戦。初めの方に人が浮いてたのがなぜなのか、ドゴラって名前の由来は何なのか最後までわからずに終わり。幼稚なシナリオ、設定のくせに、場面展開や台詞回しは子供には理解できそうもないややこしさ。「映画」としての価値はかなり低いと言わざるを得ないが、これはまさB級映画である。  一番突っ込めたシーンが、強盗団のボスのデスクのシーンで突然昼休みのチャイムみたいなのんきな音がしたと思ったら本部への連絡時間の合図だったところ(笑  ただし、ゴジラシリーズのような派手さや親しみがない分、もっともっと突っ込める要素が欲しかったことも事実。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-12-10 02:18:02)
17.  TRICK トリック 劇場版 《ネタバレ》 
 ドラマは全く見てないが、お馬鹿なコメディーとしてはまずまずの出来かな。現実にはありえない設定で、有り得ない人物像、リアクションを、それぞれ個性豊かに演じており、ドラマを全く知らず元々の人間関係は一切しらなかった私でも、そこそこ楽しめた。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-08-20 18:31:12)
18.  ケイン号の叛乱 《ネタバレ》 
 キースの恋話が全く余計である。メインのストーリーやメッセージとは殆ど関係ない。その分の尺を切るか、部下たちの心理描写や裁判シーンに割いてほしかった。見るものの情に訴えるために甘っちょろいシーンを入れたのかな。上官の命令は絶対の軍隊であの状況でも無罪を勝ち取る事はほぼ不可能、最後は副官を有罪にして軍の規律とはそういう不条理なものだ、というシナリオのほうが、ずっと説得力があっただろうに。  深みやメッセージ性では疑問は残るが、娯楽映画と割りきって見る分には、ダレることなくそこそこ見れた。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-08-20 18:14:20)
19.  十一人の侍 《ネタバレ》 
 「七人の侍」を意識して最後の雨の中の切り込みシーンを見せたかったのだろうが、そこに持っていくための、遊郭での失敗、森の襲撃の中止とも、ストーリー的に不自然すぎる。遊郭では警備が来る前に誰か突撃すれば簡単に殺れたでしょう。森の中では皆止めてもらうのを待っているような臭い演技迫力は全然負けてます。で、無理やり持っていった最後のシーンも「七人の侍」には到底及ばない。  とまあ、比較対象のレベルが高すぎて酷評するしかないのだが、最後まで飽きずに緊張感を持って見られたから、客観的にはそんなにひどい映画ではないかも。 
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-08-20 17:58:43)
20.  天地創造 《ネタバレ》 
 同じ旧約聖書の物語の映画化ということで、どうしても「十戒」と比べてしまうが、こっちは、ただ単に旧約聖書を映像化しました、という印象で何も感情移入できない映画。「十戒」はモーゼの人間ドラマとしても非常に重厚だが、こっちはドラマ性が殆どなくダラダラと旧約聖書通りに進んでいくだけ。旧約聖書の最初の部分は宗教的にあまり脚色しちゃいけないのかもしれないけど、あまりにも脚本家が楽しすぎてる感が否めない。 セットや特撮も当時としてはお金をかけた凄いものだったんだろうけど、作った年代を頭に入れての話で今となっては大したものではない。映画を娯楽として捉えると脚本や演出は全く納得出来ない映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-08-06 01:55:25)
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