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叫真さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 125

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1.  メル・ブルックスの大脱走
本作は、ルビッチの傑作「生きるべきか死ぬべきか」の割と忠実なリメイクだと言われているが、恥ずかしいことに、このルビッチの作品は、まだ見たことない。ルビッチのもそうだし、この「大脱走」もそうなのだが、まだDVDがどちらも出てないし、当然ビデオなどもすべて廃盤。なかなかお目にかかれない。少なくとも、近くのレンタル店では置いていない。以前、本作をCSで見たことがあり、かなり面白かったのを覚えていて、やっとここ最近に、ある店で未開封新品ビデオを300円ワゴンセールをやっていて本作を奇跡的に発見。即効で購入した。再度、観てみると、やはり最高に面白い。第2次世界大戦におけるナチスを痛烈に皮肉ったコメディなのだが、全編に渡ってテンポが緩むことなく、次から次に飛び出す「化かし合い」が強烈な印象を残す。知性あふれる「笑い」と、その真裏を流れる「辛らつな皮肉」は、神がかり的な芸術を感じる。冒頭からミュージカル仕立ての舞台で始まり、最後もまた舞台で幕を下ろすアイディアも最高。また終盤にユダヤ人の人権を訴える名場面は「ベニスの商人」のセリフまで飛び出す。「生きるべきか死ぬべきか」も超絶的な完成度を誇っているらしいので、ぜひ観たい。
10点(2003-05-13 20:03:49)
2.  ドライビング Miss デイジー
本当に凄く温かい作品ですよね。誰もが気難しい年寄りを相手にするのは難しいと感じますが、雇われ運転手演じるモーガン・フリーマンの豊かな表情としぐさから、次第に関係がほぐれていく展開を観てると、これから深刻化する「年寄りが年寄りを助ける」高齢化社会における真の意味での人間の接し方を教えられてるような気がします。どこまでもほのぼのとして地味ですが、これほど心に残る作品はそうはないですね。大好きな作品です。
10点(2003-05-04 20:35:41)
3.  CUBE
これは凄い。非常に閉塞感を感じる空間において、これだけ異常性を感じるほど生々しい人間性を描くことができるとは。現実社会における人間の岐路の選択と処世術とをリンクさせて縮小したような、強烈な世界観に人類未開の芸術すら感じる。
10点(2003-05-03 19:41:31)
4.  ショーシャンクの空に
自分だったら、調達屋に何を調達してもらっただろう。グググっと自殺を思わせておいて、(ロープなどの小道具をさりげなく映し)脱獄へと結末を描く意外性には、驚かされた。全編に渡って、閉塞的空間の中で描かれる生々しい群像劇を、したたかな主人公を中心に、これほど感動を生む作品は他にない。すべてが最高。
10点(2003-04-25 05:57:41)
5.  十二人の怒れる男(1957)
やはりこれからも史上に残り続けるだろう不滅の傑作。特にあれだけの白熱した議論のあと最後の最後で陪審員の名前を確認するだけで別れるラストの場面は、映画史上最高の名場面のひとつと言えよう。これ以外にも、名場面は数多いし、演出は、生々しさを見事なまで、抉り出している。特に、この作品の演出で気に入っているのは、夕立が来る場面です。密室内の議論は少しづつしか進展がない中、外の天候は急に変わる。この室内と外の変化の誤差が、現実感をかなり出している。こういった何気ない演出の積み重ねが、この作品を不朽の名作に作り上げていると思います。
10点(2003-04-18 20:56:34)(良:1票)
6.  リトルショップ・オブ・ホラーズ(1986)
ホラーをベースにしながら、ミュージカルタッチで、これほど、明るく躍動感あふれるコメディ映画は、僕は知らない。ミュージカルの部分もクサいほどの大仰な演出は笑いを超えて、カッコいいと思えてしまうほど、よくできてる。リック・モラニス、エレン・グリーン、スティーブ・マーティンも役柄にばっちり合っていて見事。最後に少し突っ込みいれると、「シーモアのオリンの死体切断行為は死体損壊罪になるんじゃ・・・?」
10点(2003-04-18 20:36:28)
7.  シザーハンズ
とても切なく美しいおとぎ話みたいで、最初に見たときから非常に気に入っている作品。何度観ても、泣けます。ティム・バートンの他の作品は、あまり好きではないけどこれは文句なしの傑作だと思う。
10点(2003-04-18 20:24:47)
8.  パーフェクト・ワールド
やはり子役の演技力が光る映画。さらに、ケビンも少年を殺さないし、優し語り口で、意外にも思いやりのある人間を演じながら、少年に盗みをさせたり、少年の前で、人殺しをしようとしたり、随所で、悪態ぶりを描写し、この優しさと凶悪さの絶妙なバランスが素晴らしい。そして、その絶妙なバランスを次第に解きほぐしながら、ラストの衝撃につながる。やっと会えたはずの親の方向に走らず、倒れたケビンに向かって駆け寄る姿は、相当な印象を残す。この場面を冒頭の場面とリンクさせるアイディアも、使い古されている手法ながら、綺麗に決まっている。序盤から垣間見える適度なサスペンス色で塗り固めながら、それを極上の人間ドラマへと昇華した見事な作品。
9点(2003-06-13 18:30:30)(良:1票)
9.  サイコ(1960)
古今東西のサスペンス映画の中において、やはり不落の巨峰とも言えるのが、この作品。初見の時の印象は、それは凄まじい衝撃を受けたものだ。意外な展開、結末は、本当に巧みな手法で、これぞ映画だと思った。最近のリメイク作品では、覗きの場面や終盤の一部に脚色が変えられているが、ほぼ同じ。こういった作品を見るたび、ヒッチコックの驚異の才能を改めて思い知らされる。
9点(2003-06-01 07:24:05)
10.  パッチ・アダムス
コメディタッチながら、実に心を洗われる想いにさせる映画である。全編にちりばめられた「笑い」と「現代医学と医者のあるべき姿」を巧みに融合させながら、一気に語る。少し下品ともいえる「笑い」の場面も、そこまで毒々しさを感じさせないのは、主演のロビンの人徳なのかも知れないが、実話を基にしながら、単にお堅い「医者批判映画」に終わらないのは、製作者の巧手ぶりを、嫌と言うほど見せ付けられるからである。近年、稀に見るヒューマン・コメディの傑作。
9点(2003-05-13 06:01:01)
11.  ターミネーター2
CGを駆使して表現するという映画において、「アビス」から産み落とされた新時代CGのひとつの完成期を迎えた時期に、製作されたSFアクションの傑作。最近の映画に多く見受けられる、CGの使いすぎによる、無機質な雰囲気は、映画の歴史において、別の意味である種の「退化」を感じることも少なくないが、当時として驚異のCG技術を導入しながら、それに頼りすぎることなく、しっかりしたドラマ性とスリリングなアクション色のバランスを全編に渡って保ち続けるという、非常に優れた平衡感覚は賞賛に値する。こうした作り手と演じ手のがっちりとした堅固な創作意欲から生まれる「芸術」に対して、やはり、鑑賞者側の感動を呼ぶのは至極当然といえよう。
9点(2003-05-10 19:58:36)
12.  天空の城ラピュタ
まったく無駄のない展開とテンポの良さ、キャラクター設定とストーリーの質が、非常に高い。だれもが子供のころ、一度はこういった冒険をしてみたいと思っただろうし、今もそう思っている人もいるかも知れない。それと、今の殺伐とした時代、ドーラのような話のわかる犯罪人は、まず、いないだろうけど、こういった役柄のキャラクターは絶妙な味を出してますね。アニメだからこそ、成し得た躍動感と爽快感にひたすら感動。
9点(2003-04-24 21:29:15)
13.  火垂るの墓(1988)
あくまで「反戦映画」ではなく、「兄妹愛の映画」であるこの作品。戦争がどうのこうのではなく、まず兄妹ありきをテーマに掲げて、極限の地における純粋な兄妹愛を描こうとしたこの手法は素直に褒めたい。ここまで、妹の事を思える兄貴って現代にはそうはいないだろう。たとえ脚色が非現実的な極端なものだとしてもこの兄妹愛に感動するものも多いはず。最初に登場する、兵隊に投げ捨てられるまで死に掛けた兄が持っていたドロップ缶が結局、すべてを物語る。
9点(2003-04-21 21:48:19)
14.  シャイニング(1980)
内容からして、ジャンル的にはホラー映画としてみると稚拙すぎる(個人的には評価は大幅に落ちる)ので、ちょっとオカルト味もあるサイコサスペンスといった方が、しっくりくるこの映画。やはり、ホテルの閉塞的空間だけじゃなく、時間が止まったかのような厳冬という季節の設定、そこに、ひと家族以外存在しない孤立感の恐怖と、そんな場所で、誰にも助けを呼べない状況なのに、じわじわ狂いゆく父親の存在を、ずば抜けた映像美とともに進行するストーリーは印象的。ただ、わずかに垣間見えるオカルト色は、今思えば、別に無くてもいいような気がする。それ以外の部分だけでも充分怖く、サイコサスペンス映画として完成しているので。
8点(2003-06-14 16:51:24)
15.  仮面の男(1998/ランドール・ウォレス監督)
当時、絶大なディカプリオ人気に便乗し、安易に起用した作品だが、思いのほか、安定した演技力で、浮いた存在には感じなかった。ストーリーもシンプルながら、ドラマ性を明確に打ち出しており、史劇タイプにありがちな失敗例=「壮大な学芸会」には、陥っていないので、好感が持てる。何よりも、ベテラン俳優陣の起用の仕方が、かなりのヒット率で、ただの「豪華俳優人の展覧会」などと揶揄されることは、決して無い、いわば人選のセンスの良さを感じる。
8点(2003-06-13 17:02:39)
16.  キャリー(1976)
昔から、オカルトホラーの傑作として知られる本作。やはり後半を超えたあたりのダンスパーティーでの、キャリーの非常に幸せそうな笑顔が印象的である。この笑顔と、終盤に発狂モードに入ってからの惨劇と、そのキャリーの表情の描き方とが、非常に好対照である。これまでのキャリーの人生にとって最も幸せな瞬間から、その幸せが、あっけなくも崩壊してからの怒りの描写への急展開と、そこから悪夢の結末に向かって、ひた走るホラードラマは、実にダイナミズム溢れる展開である。ただし、昔としては斬新だったかどうかは知らないけど、マルチカメラアングルによる惨劇シーンの表現法は、蛇足な気もした。
8点(2003-06-12 19:21:09)
17.  鳥(1963)
もし、この作品が、ここ最近作られたのならば、パニックブームにおける便乗作品として一蹴されたに違いない。しかしこの作品は、当時として、いわゆる「コロンブスの卵」であり、いやはや、誰もが鳥の集団攻撃を発想できなかったに違いない。やはりヒッチコックの長けた才能だけに生むことができた名作。これに似た作品に、近年、低予算で作られ、タイトルは忘れたが、こうもりが集団で人間を襲うパニック映画が製作されていて、一応観たが、やはり大した事なかった。どんなに時が流れても、パニック映画の金字塔として、「鳥」は、これからも残り続けるだろう。
8点(2003-05-22 16:22:42)(良:1票)
18.  顔のない天使
身体的外見の劣等感から、ずいぶんと根も葉もない噂を流され買い物へ行くにも、夜にこっそり訪れる。こんな日常を暮らしている人は、日本にも意外に、多いかも知れない。この映画は、題材こそシンプルだが、メッセージは深いものがある。少年も現実から逃避したかも知れないが、逃避した先で、変な噂で有名な男性と会う。この何気ない始まり方のドラマから、次々と描写され、蓄積される二人の友情は、やはり感動的である。題材では親子を描いたわけじゃなく、二人は全くの他人という設定だが、内容は、「現代の親子関係」、または「教師と生徒の関係」に一石を投じるものとなっている。シンプルにして秀作。
8点(2003-05-19 19:47:31)(良:1票)
19.  チャンス!(1996)
ゴールドバーグが、凄いメイクで男装して、カティなる架空の人物に扮して活躍する、痛快社会派ドラマなのですが、これが結構面白い。2役を演じ分けるゴールドバーグの演技のうまさや、男性上位主義の社会を痛烈に批判したメッセージ性など、一筋縄ではいかない。何度観ても、爽快な気分にさせられる傑作です。
8点(2003-05-15 20:59:10)
20.  千と千尋の神隠し
ストーリーは、小汚い実社会とのリンクをベースにしてる。現代の子供の礼儀の無さ(車での乗車姿勢、挨拶、お礼、ドアのノック)、仕事をしなきゃ生きられないという人生の役割、それと対比させる形で見せる、大人の見苦しい姿(食い意地、物欲、乱痴気騒ぎなど)、また湯婆婆のセリフに登場する「そんなヒョロヒョロに何ができる」といった身体的理由による就職差別や新入りに一番汚い仕事を押し付ける貧弱な精神性の群衆による職場いじめなどは、暗に見せる現実的な社会問題への風刺、その他、ナウシカ時代から引きずる環境、自然問題も今回も登場する。結局、これまでのジブリの手法と何ら変わらないし、予定調和の強いラストもこれまた同じ。だが、そういった使い古されたメッセージを展開の流れにおいて、訴える場面のつなぎ目を優秀な脚本で、ごまかしながら完成させているので、ぎこちなさは皆無。単純にストーリーを追える。初期のジブリと違い、ここ最近は、展開において複雑化の傾向があるが、この作品は、奇妙な世界観ながら、まったく肩の凝らない映画に仕上がっている渾身の快作といえよう。
8点(2003-05-09 20:06:35)
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