181. テス
ナスターシャ・キンスキーの「美」と、田舎町の風景が良く溶け込んでいる。映像美を楽しむ映画でしょう。話の内容は、展開が突発的で、終わり方も劇的に作りすぎな感があり、映像が素晴らしいだけに首を傾げる。波瀾万丈を描くのではなく、前半でみせた貧しいながら、輝きを放つテスをもっと生かして欲しかった。 7点(2003-02-08 10:33:31) |
182. ペーパー・ムーン
孤児アディとペテン師モーゼのやりとりがとにかく面白く、永遠と見ていたいほど・・・。はっきり言って、監督の手腕がどうのというより、実の親子でもあるアディ、モーゼのコミカルでユーモアに満ちたやりとりが生命線であるの確か。ただ、大げさな展開をせず、純粋に二人に焦点を当てたところは監督のセンスの良さを感じる。この映画に高得点を付けている人は誰もそんな展開を望んではいないのだから・・・。 10点(2003-02-08 10:18:22) |
183. パリ、テキサス
ロードムービー巨匠ヴィム・ヴェンダースの最高傑作!前半謎めいたトラヴィスの過去に引き込まれ、後半はヴィム・ヴェンダースの十八番でもある親子のロード・ムービーで人間模様を楽しむ。ライ・クーダーのスライドギターに、ナスターシャ・キンスキーのテスを越える存在感、本当の親子だからこそ出来るの感涙のラスト、すべてにおいて申し分なし! 10点(2003-02-08 10:02:27) |
184. ナイト・オン・ザ・プラネット
オムニバス形式のため、それぞれで評価が分かれるが、ロサンゼルス編はウィノナ・ライダー のませたところに惹かれ、ニューヨーク編はタクシードライバーと客の絶妙なコンビネーションで笑え、パリ編は盲人が一泡吹かせてスッとする。ローマのロベルト・ベニーニ のワンマンショウ以外は素晴らしい出来、ジム・ジャームッシュの代表作でしょう。 9点(2003-01-02 10:29:33) |
185. シャンドライの恋
暗殺の森ほどでないにしろ、映像だけで見せるところはさすがです。セリフを極力省いたため、状況を掴みづらいところがあるが、それ以上にシャンドライとピアニストの微妙な関係に引き込まれる。シャンドライの心理を見ている者にも考えさせる作りはベルナルド・ベルトルッチらしい。 8点(2003-01-02 09:47:51) |
186. 惑星ソラリス
人間の深層心理が実体化といったSF要素はあるが、それ以上に宇宙船で織りなす3人の人間模様に引き込まれる。自分が作り出した妻に翻弄され、ラストでは郷愁の思いが実体化しソラリスに飲み込まれてしまう。哲学が混じり、難解と敬遠されているが、ハリウッド映画では到底表現できない凄み(映像、メッセージ性)がある。それを楽しめる自分はなんて幸せなんだろうと思う。 10点(2003-01-02 09:40:01) |
187. マンハッタン
個人的にはウディ・アレンの最高傑作。女性の共感を得られづらい話ではあるが、わかるよ~この優柔不断さがストレートな男の心理を表してると思う。ラストで流れる「ラプソディ・イン・ブルー」はまさにこの映画のための楽曲と思えるほど見事にマッチ、なんて贅沢な終わり方なんだ。 10点(2002-12-30 17:53:19) |
188. 鏡
人気ないデスなぁ~映像の美しさは個人的に今まで見た映画で一番です。難解ゆえ敬遠されてる節があるけど、映像美を楽しむと割り切ってみてもらいたいね。なんてたって映像の革命児タルコフスキー黄金期の作品だし、惑星ソラリスより、息をのむ美しさ、火と水の見事な対比など難解さがいいあんばいに相乗効果を生み究極の映像の世界にどっぷり浸れる作品。タライで髪を洗う女、鏡をのぞき込む顔、印象に残るカットがこれほど多い映画も珍しい。タルコフスキー映像美学はこの映画で達成される。 10点(2002-12-30 17:34:52) |
189. ミッドナイト・エクスプレス(1978)
そんな面白い映画だろうか?脱獄物では「穴」に勝る物はないと思うが。 3点(2002-12-15 17:03:23) |
190. 穴(1960)
脱獄映画の最高傑作。脱獄のアイデア、脆い人間関係、衝撃のラスト申し分なし。特筆すべきはカメラワーク、単純な穴を掘るシーンに緊張感を生んだ功績は大きい。脱獄を企てる5人も個性的で、人間模様だけでも飽きさせない作りはお見事!リアルな緊張感を求めるなら「ミッドナイト・エクスプレス」なんかより、断然お薦め!! 10点(2002-12-15 16:54:07) |
191. 暗殺の森
主人公マルチェロの孤独感を、青を基調とした完璧な映像美で表現されている。時代に流されることしかできない男、それに翻弄される者達、サスペンスに芸術性が伴った傑作。ラストの仲間をファシスト呼ばわりし、保全を第一に考えるマルチェロの姿に痛烈な社会批判を感じる。 10点(2002-12-11 23:59:08) |
192. 都会のアリス
ヴィム・ヴェンダースが70年代に発表したロード・ムービー三部作の中で一番の出来。ペーパー・ムーンと話がかなり似てるが(モノクロ、大人と少女など)それが理由で未見なら、もったいないほどの傑作。アリス役のリューディガー・フォーグラー のませた感じ、それでいて愛くるしいところはテイタム・オニールに匹敵するほどの名子役ぶりを発揮している。特にアリスとフィリップが無人写真機で写真撮る場面は生涯ベスト10入る名シーン。 10点(2002-12-11 17:56:30) |