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枕流さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 496
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 皆様のレビュー、いつも参考にさせていただいております。私のレビューも参考になれば幸いです。

2012年以降忙しくなったので、レビューを一言にしています(上半期分は6月末にまとめて投稿)。参考にしにくいかもしれませんが、あしからずご了承ください。採点基準は以前と同様です。

私の連絡先はこちら⇒えむいーあーる75jp[あっとまーく]yahoo.co.jp

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181.  くまのプーさん(2011) 《ネタバレ》 
くまのプーさんの世界というのは恐ろしくて魅力的だと感じた。 まずは、この作品のキャラクターたち。非常に親しみを持てるキャラクター達であるが、その誰もが著しく過剰な一面を持っている。カンガとルーは比較的まともだが、プーさん、イーヨー、ピグレット、アウル、ラビット、ティガーはいずれも妙にリアルな恐さを持っている。これを実写かつ人間でやられたら、少し精神を病んでいるのではないかと心配になってしまう人物のオンパレードだろう。こういう濁った目で無邪気なディズニーアニメを見てはいけないと思いつつも、ついついこう感じてしまう。イーヨーはうつ気質、ピグレットは異常なほどの怖がり、アウルは傍若無人な知ったかぶり、ラビットは神経質なしきりたがり、そしてティガーは常に躁状態である。実際、クリストファーのモデルであるミルンの子クリストファーは、この物語のキャラクターのイメージと自分自身の比較に生涯苦しめられたという。何とも後味の悪い話ではあるが、この異様なほどに「身近」に感じられるキャラクターこそがこの作品の魅力ではないか。人間の特性を細かに分割し、無邪気なビジュアルを持つぬいぐるみ由来のキャラクターに付与するという行為のアンバランスさ、不自然さ。デカダンスすら感じるのは私だけだろうか? また、この作品でのハチミツという物質のもつ強烈な存在感も印象的である。ハチミツに飢えたプーさんは恐ろしい幻覚に苛まれながらも、ハチミツを手に入れるためにデスパレートな努力をささげ続ける。カエルがハチミツ入りのポットに見えるシーンやハチミツを手に入れたと錯覚したプーさんが泥の中を転げ回るシーンは異様な迫力に満ちていた。最終的にハチミツよりも友人を取ったことをクリストファーに褒められるプーさんを見て、思わず薬物の更生施設でのワンシーンを連想した私のほうが病んでいるのだろうか? 奇抜な不思議の国のアリスよりも、親子連れが客席の大半を占めるこの映画のほうがよっぽどヤバい作品を観た気持ちになった。「時計じかけのオレンジ」の「雨に唄えば」のような狂気を感じた。
[映画館(吹替)] 7点(2011-10-05 22:41:19)(良:1票)
182.  ヒート 《ネタバレ》 
特濃男汁が飛び散る男による男のための映画。アル・パチーノが刑事になって過剰かつオラオラな演技を披露すれば、デ・ニーロは例のキメ顔を惜しみなくさらしながら盗賊団の首領を熱演する。これが3時間続くのは正直少ししんどいんだよなあ。初鑑賞は中学生の頃だったと思うが、その頃から比べると評価は落さざるを得ない。僕も年をとりました。 この映画のテーマは「仕事と女(家族)」なんだということも今回鑑賞して気づいた。刑事にしても盗賊についてもみんな女のことで悩んでる。女って奴は何でこうも分からず屋かねえ。ジャスティンにしてもシャリーンにしても旦那の足を引っ張ってばかりじゃないか。男ってのは忙しいんだから家のことはお前らがきちんとやれよ。という男の目線には納得できるところもあれば納得できないところもある。ただし、この映画は設定からして、男の味方をしやすく作られているのだ。この映画に出てくる女達は弱すぎる。何だかんだで男におんぶに抱っこなのだ。これじゃ男たちが上に立とうとするのも無理は無い。現代から見ればそういう設定が少し時代遅れに見えてしまう。 でも、この映画が良いのはそんな小難しいところじゃない。とにかくこの映画のアクションシーンの迫力は圧倒的だ。特に銀行強盗のシーンとラストの空港での追跡シーンは白眉である。色々と欠点はあるけど、憎めない作品だ。
[DVD(字幕)] 7点(2011-09-19 00:37:19)(良:1票)
183.  楢山節考(1958) 《ネタバレ》 
原作既読。姥捨ての習慣が残る極貧の寒村を舞台にいのちの尊さを真正面から描いた傑作だ。淡々とした筆致ながら、深い感動が残った。この映画は歌舞伎仕立てで、その世界観を汲み取ろうとする。ナレーションは全て長唄である上、セットはセットらしく、舞台をイメージした演出は徹底しておりユニークだ。 ただ残念なのは、どうしても人情が全てに先行してしまったところだ。非情とも呼べるほどの原作のスタンスがこの趣向によって綺麗に崩されてしまっているのは惜しい。原作と映画は全くの別物という立場に立てば許容できるはずなのだが、どうしても手放しでは褒められないと感じてしまう。また、原作で印象的だった美しく残酷な自然というテーマが舞台では生きてこないのもつらい。母性の神々しさが際立つつくりは悪くないが、この作品のメッセージは、前述のとおり、他にもある。その取捨選択は手堅いが、捨てられたものの大きさを考えると残念としか言いようがない。
[DVD(邦画)] 7点(2011-09-13 22:44:03)
184.  アリス・クリードの失踪
時間軸の操作や登場人物の過去の因縁に頼ることなく、意外とナチュラルかつまっすぐなストーリー展開で好感が持てた。本当に登場人物は三人しかいないというのもすごい。今年のカップル映画が「ブルー・バレンタイン」なら、三角関係映画はこれで決まりだろう。登場人物一人ひとりの立場に立って考えても、ストーリの流れに矛盾や違和感が無い。ラストはできすぎているのだが、その爽快感も捨てがたい。
[映画館(字幕)] 7点(2011-09-11 18:08:56)(良:1票)
185.  ツリー・オブ・ライフ
僕はどちらかというと映画に明確な「ストーリー」とその中で繰り広げられる「人間ドラマ」を求めるタイプで、「映像美」とか「精神性」とかに日ごろ興味は薄いのですが、この映画に限ってはどちらかというと擁護派です。監督の生まれや育ち方については、何も分からないので、主人公≒監督なのかどうかは分かりませんが、主人公ジャック・オブライエン(ショーン・ペン)の心の旅をただそのまま映像化するというこの映画作りへの取り組み方には清新な驚きを感じました。はっきり言って彼の半生は特にドラマチックでもないし取り立てて面白いエピソードがあるわけでもないんですが、そのひたすらパーソナルな思い出の羅列と無駄に壮大な自然風景とを単純にミックスすることで、映画の中に名状しがたい独特の融合感が生まれていることは否定できません。 ありふれた思い出は人間みんなが持っているもので、何も特別なものではありません。でも、その一つ一つの思い出は一人ひとりにとってかけがえのないものであり、それを作り出してくれたのは、太古から続く連綿とした生き物の連なりです。そして、木が枝分かれして多くの葉をつけるようなその「連なり」の背後には「神」がいます。僕は残念ながら、この一神教における「神の存在」という感覚が自分にはどうしても理解できない(世界を考える上で重要とは思えない)のですが、この映画が言いたいことは何となく理解できました。この映画は、かなり汎神論に近い考え方に基づいて作られている気がしますし、自然と神の融和ならば、神を信じていない僕の心にも比較的すっと入ってくるのです。 この映画の中には、確かに色々と訳の分からない箇所もあります。そもそも次男が死ぬという設定も必要ないと思いますし、恐竜を使って安直に生命の歴史を概観するに至っては失笑も禁じえませんでした。なぜカンブリア爆発を映さなかったのかは理解に苦しみます。それでも、この映画は今までに観たことがない優れて映画的な映画だったと思うのです。こんな作品は映画以外の媒体では生み出されえないと思いますし、今までに観たどの映画とも似ていない映画で、それはそれで凄いことだと思います。この映画のことをきちんと理解できていないとお叱りを受けるかもしれませんが、「自分史を地球誕生から書き始めるというあまりにも壮大かつ稚気溢れる試み」には少なくとも拍手をもって報いるべきではないでしょうか。
[映画館(字幕)] 7点(2011-08-19 00:02:38)(良:2票)
186.  モールス 《ネタバレ》 
原作は未読。映画版の「ぼくのエリ」は鑑賞済み。どうしても「ぼくのエリ」との比較になる。 「ぼくのエリ」は良くも悪くも荒削りな映画だった。CGや特殊効果はほとんど使わず、ただ役者の演技力だけで勝負していた。この作品は効果的にそれらの技術を使用することで、オリジナルに現実味を与え、観やすい作品に仕上がっている。さらに監督は、舞台をアメリカに移し、意欲的に当時の時代背景(共和党レーガン政権における二極思考の強まり)を作品に付加して、どちらかというとはっきりとした「テーマ」を持たなかった原作にバックボーンを与えようとしている。そのチャレンジ精神は評価したい。しかしながら、この作品が原作に比べて優れていたかというと私の答えはノーである。 私はこのお話の魅力は子供の人格が孕む不安定さや二面性にあると思う。その点についても、本作品は明確に意識しており、オーウェンは「弱虫!」ではなく「この女の子野郎め!」と言いながら、立ち木をナイフで傷つける。つまり、彼は自分をいじめるケニーたちに復讐したいと思いながらも、女の子のように見える自分自身をも傷つけているのである。この映画は、善悪二元論的な世界観が支配的である時代背景との対比で、自分を全面的に肯定することができない主人公の意識を浮き彫りにしようとしており、そのテーマ自体はオリジナルに対して分かりやすくなっている。 しかしながら、この作品はこのテーマをはっきりさせようという点に腐心しすぎたがために、子供の持つ魅力を映しそこねてしまっている。マクフィーとモレッツ、主役二人の演技力は確かであり、その堂々とした演技はこの作品のテーマをしっかり伝えられた上での演技だろうなと安心感を持って観ていられるものだ。だが、その代償として、オリジナル作品の二人がもつ儚さや頼りなさは損なわれた。そこにあった頼りなさは本人達が意図したものではなかったのかもしれないが、結果的に、オリジナルでは彼らの演技の頼りなさが役柄上の頼りなさと見事にシンクロしていたのである。その巧まざる一致が原作を傑作にしたと私は感じている。それゆえに、ハリウッド的に上手にまとめたこの作品も私は好きだが、やはりオリジナルには及ばないと感じるのである。 ところで、オーウェンが生きていれば、現在は40代。どこでどのように血液を確保しているのだろうか。観終わって、ふっとそんなことを考えた。
[映画館(字幕)] 7点(2011-08-07 13:47:30)(良:1票)
187.  恋愛睡眠のすすめ 《ネタバレ》 
かなり独りよがりな映画なんだけど、最後までこの雰囲気について行けたんで僕にとっては楽しい映画でした。もうこれは、ガエル・ガルシア・ベルナル演じる主人公のセンスについていけるかどうかの映画ですね。お話の大半はこの主人公の夢の中なんですから。ガエル・ガルシア・ベルナル。名前だけじゃなくて顔もかっこいい色男です。  さて、この主人公はいわゆる妄想癖のある男なんだけど、そんじょそこらの妄想好きじゃ対抗できないレベルに到ってるわけです。夢遊病も混じるほどの妄想癖で、夢うつつで手紙を書いて、向かいの好きな女の部屋に滑り込ませちゃうくらいイッちゃってるのね。その癖、自分のセンスはイケてると思い込んでる節もあり、自分の職業はカレンダーのデザイン企画とか偽っちゃうくらいの見栄も持ち合わせている。かなり性質の悪い不思議ちゃんです。そもそも不思議ちゃんを名乗る資格はないという疑惑も残りますね。だって不思議ちゃんが一番持ってはいけない意識って自意識でしょう。つまり、この主人公は自分が外からどう見られているかを気にする似非不思議ちゃんなんです。  で、この人は部屋の向かいにいる女性(シャルロット・ゲンズブール!)を好きになるんですが、その動機もしょぼくて、本当は彼女の友達が好きだったんだけど、ちょっとこの人にやさしくされたし、彼氏もいないらしいからもう好きになっちゃったっていう程度なんです。うわあ。現実的。不思議ちゃんの癖に夢がない。しかも、会社の女性をヤっちゃう夢とかも同時並行的にけっこう見てるわけですね。もうほんとダメ!顔以外全然可愛くないよ!この男は!  とまあ、ひとしきり主人公をくさしといてなんですが、僕から見るとこの男は最早他人に見えないんですね。それくらい親近感を感じるんです(顔以外)。男の妄想ってこんなもんなんですよね。「女子の妄想は他人のこと、男子の妄想は自分のこと」と腐女子の吉木りさが言ってました。これは真理だと思うんです。男って女に比べてセックスがらみのことに関しては凄くリアルかつ生々しい願望を持つものなんです。だから、僕は森見登美彦の小説には納得できず、この映画は好きなんです。ラストのヘタレ感も素晴らしすぎる。  男の夢の持つファンシーさと泥臭さを奇妙に両立させたこの作品は、今後ミシェル・ゴンドリー監督の傑作として語り継がれるべきと感じます。
[DVD(字幕)] 7点(2011-08-04 21:58:11)
188.  明日、君がいない 《ネタバレ》 
舞台はオーストラリアのとある高校。映画の冒頭で誰かの死が予測されるシーンがあり、その後はその死が引き起こされるまでの過程を描く。 この映画は、月並みに言えば、思春期の危うさを映した映画ということになるが、それに止まらない不思議な迫力を持っている。監督の年齢がまさに思春期を終えた19歳と言うこともあるのだろうが、そのことを差し引いても、役者陣が素人だらけの中で、この緊張感とリアリティを90分にわたって維持できたというのは恐るべき才能だと感じられた。監督自身、友人を自殺で失っているということだが、それを阻止できなかったことに対する後悔や亡くなった友人に対する哀惜の情がこの作品の根底に渦巻いている点もこの映画の訴求力の増加に大きく貢献している。 この作品の結論は何ともやるせないのだが、思春期に限らず、人間の生死というのは意外と分からないものであるとは、常日頃感じており、そういう意味で私としては監督の考え方を肯定し、同調することができた。この映画のラストには、人によって様々な受け止め方や意見もあるだろう。だが、人間の命は脆く儚いものであるということはいつも心に留めておくべきだと私は思っている。この映画はそれをきちんと捉えていた。
[DVD(字幕)] 7点(2011-07-31 15:25:51)(良:1票)
189.  トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
何のためにこの映画を観るのか?オートボットたちの変身シーンがかっこいいからである。彼らが使う多様な兵器が魅力的だからである。ビルが倒れたり町並みがぶっ壊されるのが快感だからである。この映画はその全てを満たしていた。ミーガン・フォックスが出なくなったこととやけに長い点を減点しても十分に面白い映画だった。アメリカという国についても理解が深まった。
[映画館(字幕)] 7点(2011-07-28 22:26:48)
190.  南極料理人 《ネタバレ》 
良質なコメディ。途中がちょっとドタバタしすぎるのが僕の趣味に合わないが、全般的にクスリと笑えるシーンが多く、日本のコメディの中では出色の出来と感じた。125分とコメディにしては少し長い尺だが、許容できる長さだ。 物語の舞台は南極の昭和基地からさらに内陸に1,000kmも離れた極限の地にあるドームふじ観測拠点。学者や医者も含めて総勢男8名。料理人として働く西村さんを中心に彼らの人間模様を描く。 1年にも及ぶ缶詰生活は、彼らにかなりの精神的負担を強いる。家族や恋人を日本の残してきている人がほとんどなのだ。そして、この究極の僻地で楽しみなのは何と言っても三度三度のご飯なのである。毎日同じ人たちと顔を突き合わせ、同じ仕事を繰り返していたら、精神的におかしくなってしまうこともあるだろう。そこで食事の出番になるのだ。 食事とはただ栄養を摂るためだけのものではない。この映画を観て最も感じたのは「食卓」ひいては「家族」のありがたさだった。彼らはそれぞれの家族と離れ離れに暮らしながら、彼ら自身で擬似的な家族を構成し、コミュニケーションを取っている。そして、その中央には西村さんが作る美味しい料理がある。1年間という長い期間ではメンバーそれぞれに色々なドラマがある。料理を通じて、彼らの体のみならず心も癒す西村さんの仕事ぶりには感心した。終盤のシーンでも感じられるが、半分メンバー達のお母さん化している。そしてメンバー間のコミュニケーションを促進する「食卓」の心地よさ、意義深さを感じた。家族で食卓を囲む。そのことの素晴らしさを逆説的に感じることができた映画だった。
[DVD(邦画)] 7点(2011-07-24 20:56:48)
191.  X-MEN:ファースト・ジェネレーション 《ネタバレ》 
このサイトでかなり高評価のため、このシリーズは未見にもかかわらず、劇場に足を運びました。日ごろアメコミものは敬遠しがちなのですが、期待に違わぬ重厚なつくりの作品で、素直に面白いと感じられました。とにかく予備知識が全く無く、予告編を観て、プロフェッサーXとマグニートーというキャラクターが犬猿の仲になる前の話ということ情報のみをインプットして鑑賞に臨みましたが、全く問題はありませんでした。ただし、ケヴィン・ベーコン演じる悪役ショウ博士の存在感が大きいだけに、予告編で全く取り上げられないのには少し違和感が残ります。 さて、ストーリーは米ソ間に戦争を起こして、それをきっかけに世界征服を企むショウ博士軍団(ヘルファイヤクラブ)に人類を守るべくプロフェッサーX軍団が挑むという内容です。後でXの宿敵になるらしいマグニートーもまだプロフェッサーX側です。果たして人間は守るべき存在なのか?という問いかけ自体はアメコミに多く観られるパターンであり、若干陳腐ですが、若いミュータントたちが真剣に悩み、決断し、それぞれの信じる道に足を踏み出すシーンは美しさを感じました。自分も若者の若さに感動できるようになってしまったかと思うとちょっぴり複雑な気持ちですが。 「キック・アス」でも感じましたが、マシュー・ヴォーン監督はかっこいい映像を撮ることにかけてセンスがあります。CGは全般的にあまりできが良くなかったのですが、その分を十分補える「いい絵」が撮れている映画だなと感じました。最後に。ビースト役の男優は「アバウト・ア・ボーイ」のマーカス君だそうで、月日の移り変わりが身に沁みました。まとめると自分の「老い」を自覚させられる映画だったということになりましょうか。
[映画館(字幕)] 7点(2011-07-22 21:28:40)
192.  素晴らしき哉、人生!(1946) 《ネタバレ》 
泣きました。映画館で号泣です。昔の映画はエンドクレジットが短いので恥ずかしいの何の! でも、最後に到達するまでの過程はそこまで面白くは無かったですね。ストレートにストーリーで勝負する作品としてかなり期待していただけに、コメディ色やファンタジー色が強めの演出にはちょっとがっかりでした。この映画は「ここ笑うとこ!」みたいな笑いの押し売り感がちょっと強すぎる印象です。前半はややしんどく感じました。 また、良い奴は良い、悪い奴は悪いという単純なキャラクター設定が、昔の映画の醍醐味でもあるし限界でもあるような気がしました。ジョージの徹底的な良い人ぶりが、現代の映画に慣れた目で見るとちょっと嘘っぽいですよね。ジョージが「自分がいない世界」をクラレンスに見せられる部分でも、あまりジョージに感情移入できないんです。だってジョージは仏様のように超良い人で多くの人を救っているわけで、その人が「自分の人生捨てたもんじゃない!」って思うのは当たり前な感じがするんです。むしろ見せられる前に気づけ!と言いたい。もっと悪いこともしてる普通の人が主人公じゃないと、この映画の無条件に生を肯定するというメッセージが伝わりにくいような気がしました。例えば、「クリスマス・キャロル」のスクルージはこの映画のポッターみたいな超悪い奴です。そんな彼が更生を誓うから感動できるんです。でも、この映画はジョージの人生を全面的に肯定していますから、その人が自殺を思いとどまるのは、当たり前とも言えると思うんですよね。そのあたりが観ていて気になりました。 それにしてもポッターは可愛かった!本当は絶対悪い人じゃないんだろうなあ。人間味があって、この映画の中で一番愛せたキャラかもしれません。
[映画館(字幕)] 7点(2011-07-04 23:24:24)(良:1票)
193.  奇跡(2011) 《ネタバレ》 
是枝監督の映画は全般的に好きだ。まず、何と言っても静かだ。そして人間の心の動きがリアルだ。壮絶ぶったり、びっくりさせようとしたり、無駄に派手なことやったりしないところがよい。出てくるのはみんな大体普通の人だ。隣に住んでいても違和感の無い人たちだ。普通の人たちだから、怒鳴りあったり、むやみに他人をぶん殴ったりはしない。でも、みんな当たり前だけど個性がある。普通の人の中にも面白い人もいれば怖い人もいる。冗談が通じる人もいれば通じない人もいる。そういう細かい描写の積み重ねでしか描けない部分を描くから、映画は面白くなる。この映画も「なんちゃない話」なんだが、「味わい深い話」でもある。 この「奇跡」という映画の設定はちょっと変わっている。主役の兄弟は離婚してしまった両親にそれぞれくっついて鹿児島と福岡に住んでいる。この家族はもともと大阪に住んでいたという設定なのでみな大阪弁である。鹿児島の母の実家に身を寄せる兄・航一は家族みんなでもう一度暮らすことが夢。「意味分からん」が口癖でなかなか鹿児島になじめない。一方、弟の龍之介はバンドでプロデビューを目指す父親と父親の出身地である福岡で二人暮らし。持ち前のオープンな性格から友達も新しくできて、今の生活に不足を感じていない。いや、むしろ自由な生活を満喫している。 この二人のそれぞれの世界を軸に物語は進行する。それぞれの家族との交流。それに先生や友達との交流。そして電話を通じた兄弟の交流。水泳や勉強や遊びに明け暮れる二人だが、周りの人とのコミュニケーションを経て少しずつ大人になっていく。「世界」の何たるかを理解していく。この映画は子供の成長をとてもうまく描いている。その成長が分かるあからさまなシーンは無い。だから観客は子供と同じ目線に立ちながら、同時に彼らの成長を慈しむことができる。この表現力は素晴らしいと思う。 ラストの爽快感は開通した九州新幹線のせいだけではないはずだ。この映画は私に子供時代に誰もが持っていたはずの活力や好奇心や夢を思い出させてくれた。劇場を出たときに心の濁りや目の翳みが澄み渡るこの感覚は新鮮だった。
[映画館(邦画)] 7点(2011-07-01 00:13:49)
194.  ディア・ドクター 《ネタバレ》 
邦画につきもののテンポの鈍さには少し辟易したが、登場人物の心の内を推し量る面白さが味わえる良質な映画だった。きれいごとになるのを避けながら、観客に過疎地の医療について思いを致させる力量には唸らされた。俳優陣もそれぞれの役割をきちんと把握して演技しており、丁寧な演出をうかがわせる。意味の無い風景等のシーンが挟み込まれている(小津安二郎の影響?)が、「ゆれる」の時よりもそれが自然な感じがした。 伊野はおそらく金と情に流されてふらふらと診療所に入ってしまっただけの偽医者であり、はっきりとしたポリシーを持って医療に携わるような人間ではなかった。つまらない人間であるはずの伊野に不思議な魅力を与えた鶴瓶の演技は見事だ。落語家出身だけに、ともすれば演技のアクが強くなりがちだと思うが、適度に抑制された演技で複雑な内面を持つ伊野を好く演じていた。脇を固めるその他の俳優の演技もよかった。 印象に残ったシーンは伊野と相馬(瑛太)の終盤のやり取り、斎門(香川照之)や大竹(余貴美子)の刑事による取調べのシーンなど。登場人物それぞれに見せ場が用意されていて構成の妙が光る。 伊野失踪後の登場人物それぞれの反応を映すシーンも自然かつ皮肉が利いていて面白い。伊野を信用したことを認めまいと躍起になったり、責任転嫁したりで、その見苦しさが人間らしく味わい深いと感じた。ただし、伊野が失踪後に再登場する一連のシーンは不要だ。行方は杳として知れず。それだけのほうが余韻が楽しめたと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2011-06-22 23:35:30)
195.  127時間 《ネタバレ》 
岩に腕を挟まれて身動き取れなくなったある若者の127時間。その間、彼は何を考え、何をしたか? まず良かったところから。主役のアーロンの人物造形がとてもリアルだ。隣に住んでそうだ。イケメンでいい奴なのだがちょっと変わっていてアウトドアがやたら好き。ウィークデーはアウトドア用品店でバイト。週末は車に自転車を積んでアウトドア三昧。何度も来てるブルー・ジョン・キャニオンなんてマジで俺の庭だから的なノリの軽さ(悪い意味ではない)。道に迷ってる女の子には声をかけちゃうし、ヒーロー気取りで秘密スポットも教えちゃう。この親しみやすさ(キャラクターの汎用性)が後半のドラマを盛り上げる。 あとは音楽の使い方がよい。この映画では、ぶっちゃけて言えばほとんどの時間を主人公アーロンは腕を岩に挟まれているわけだから、ジェームズ・フランコの一人芝居が延々と続くことになる。いくらアカデミー賞にノミネートされるほどの演技力と言っても、それだけで90分はさすがにキツい。だから音楽とか回想シーンの使い方が重要になってくる。回想のリアルさ(要は自分の選択に関する後悔の連続)もさもありなんという印象で面白かったが、それを盛り上げる音楽の選曲がとてもよかった。しっくり来ていた。 一方、減点要素。どうしても、取り扱ったテーマ上、どうしても退屈な部分が残ってしまう点。僕が結末を知っていて、「何だかんだやってても結局は○○しちゃうんでしょう!?早く○○しちゃえ!」と思いながら観てしまったせいもあるかもしれない。この映画を観る人はできるだけ事前に情報を仕入れずに行くことをオススメする。結末だけが面白いわけではないが、結末については何も知らずに観てほしい作品だ。 あとは、主人公の窶れぶりがイマイチ物足りない。確かに目の下の隈とか顔色の蒼白さとかはある。しかし、もっと目やにが出るだろうし、口の周りには干からびて白くなった唾液がついているはずだし、口内の水分も少なくなってもっと呂律も回らないはずだ。5日間くらい風呂に入らずに埃っぽい野外にいたら、もっともっと不潔にはなっているんじゃないか。細かい部分だがちょっと考証が甘いかな。 総合するとほんとは6点くらいなのかもしれないが、この映画のポジティブなメッセージには共感できるので少し甘めの7点。ビデオを前にしての一人ライブシーンはよかった!そのユーモア力に拍手!!
[映画館(字幕)] 7点(2011-06-19 17:51:53)(良:1票)
196.  グレッグのダメ日記 《ネタバレ》 
子供時代、ちょっとひねくれた男の子だったなら素直に楽しめる作品。小学校時代の「あるある」話をうまく90分にまとめている。この映画の舞台はアメリカの中学校だが、ちょっと幼稚すぎやしないか。日本で育った僕には小学校高学年の頃が強く思い出された。ひょっとしたら日本の子供のほうが少しませているのかもしれない。 当時のクラスは明確に階級に分かれていた。いじめっ子がおり、いじめられっ子がおり、変な奴がおり、アウトサイダーがいる。第一階級は喧嘩が強かったり運動神経がいい奴で、ここに入るのは並大抵なことではない。第二階級ではいわゆる普通の人であることが大切だ。第一階級を目指すがために第三階級に転落の憂き目にあう人間は多い。目立ちすぎるがためにいじめられてしまうのだ。中庸を以って良しとする考え方が大事だ。 そんな中、主人公のグレッグは第二階級から果敢に第一階級を目指す。人気者としてアルバムに掲載されようとする。容貌としては問題ないが、体が小さい上に、小学校からのどんくさい幼馴染と一緒なのが目下の悩みだ。彼はマキャベリストになり、上を目指すためにあらゆることをする。レスリングを始め、親友との絆を断ち切り、強い者には巻かれ、弱いものをいじめる。しかし、事態はどんどん悪化してしまう。彼のランキングは急降下し、遂にはいじめられるようになってしまうのだ。 彼のやることがことごとく裏目に出るさまは観ていて心地よかった。一種のノスタルジーを感じた。同じ第二階級に属していた僕としては、彼の姿に同情しつつ、その中に自分が見えた。僕も彼と五十歩百歩の卑怯な人間だった。この映画は当時に観たかった。そして、人気者を目指すのではなく、女の子にもてようともせず、もっとかっこよく生きたかった。
[DVD(字幕)] 7点(2011-06-14 22:35:04)(良:1票)
197.  キッズ・オールライト 《ネタバレ》 
ニックとジュールスのレズビアンカップルは第三者から精子提供を受け、2人で1人ずつ子供を産み、4人で暮らしている。ある日、子供たちは自分達の「父親」にどうしても会ってみたくなり、連絡をとることにするのだが…。といういかにもおいしそうな食材をコメディタッチで料理しているのだからきっと面白いだろうと思い、それなりにハードルを上げて臨んだが、期待を裏切らない出来だった。 僕の周囲には同性愛者がいない(少なくとも外見上は)ので、こういう映画でしか、同性愛者の考え方とか嗜好とかは見えてこない。更にはゲイの映画は多いけど、レズビアンの映画はあまり観たことがなかったので、特に興味深く観られた。こういう映画だけで判断するのは問題なのかもしれないが、レズのカップルがゲイのポルノを観るというシーンにはびっくりした。それで興奮できるのか!まあ、それ以外は普通の夫婦と変わらないという印象だった。 ただし、基本的にはコメディといっても、主人公カップルはシリアスに離婚の危機まで迎えちゃったりする。あんまり軽い気持ちで観ると足元をすくわれてしまうのでご用心。逆に言うと、そこまで掘り下げているから、この映画のテーマである「家族というもののあり方」が浮き彫りになってよかったとも思う。単に笑わすだけのコメディじゃ観客に考えさせるのは難しい。 家族が離婚の危機をどうやって乗り越えていくのか。これは異性愛・同性愛関係なく普遍的なテーマである。この映画はレズビアン夫婦の話なのだが、うまくこの問題を普遍化できていると感じた。カップルの間に生じる問題は異性愛だろうが同性愛だろうが関係ない(=同性愛は決して特殊ではない)というポジティブなメッセージにも賛同できる。この映画は同性愛者の啓発映画としての役割も十分に果たしていると思う。
[映画館(字幕)] 7点(2011-06-05 00:30:28)
198.  神々と男たち 《ネタバレ》 
イスラム原理主義組織が暗躍し治安が悪化するアルジェリアで、フランスへの帰国を拒み、修道院に留まり続けた8人の修道士達の映画。実話に基づく。丘の上にある修道院で暮らす彼らとふもとに住む村人達(イスラム教徒)との交流を通じて、宗教の相違による争いとその空しさ、さらに信仰という行為そのものを描く。  修道士たちと村人の関係は良好だ。宗教の違いを認め合い、修道士たちは村のイスラム教の祭りにも参加する。また、修道士の中には医師もいる。病気や怪我をした村人は、丘を登り、皆、彼に診てもらうのである。原題のGodsの意味もここにある。ここでは修道士はエホバ同様アラーにも敬意を払うのだ。村人も彼らを敬い、相補的な関係が築かれている。しかし、原理主義者たちは違う。彼らは武装しキリスト教徒を襲って虐殺する。彼らにとってはアラーを信仰しない者は敵である。そして彼らの手は修道院にまで迫っていた…。  映画としては、修道士達の礼拝の様子や会話、村人達との交流が淡々と描かれながら進行していく。礼拝については、その厳かな雰囲気は良く出ているのだが、日本人の僕には少し退屈だった。一方で、村人達から帰国しないで欲しいと嘆願されるシーンや帰国すべきかどうかという問題に関するそれぞれの意識の温度差が如実にあぶりだされる修道士達の話し合いのシーンは大変興味深く、心を打たれるものがあった。特に「最後の晩餐」を思わせるクライマックスシーンは本当に感動的だった。そして誰が生き残り、誰がこの話を語ったかを意識すると更に感動は深まると思う。  さて、僕はこういう映画を観るといつも思う。ああ、本当に宗教がこの世から無くなれば良いのに、と。
[映画館(字幕)] 7点(2011-05-15 01:08:10)
199.  八日目の蝉 《ネタバレ》 
原作未読。「大好きだったお母さんは私を誘拐した人でした」。この一言で、大体映画のアウトラインはほぼ説明されてしまっているのだが、この母子(ではないが)のたどる運命はなかなか興味深く、ぎっしりと二人の思いが詰まっており、2時間半という長尺にもかかわらず、まったく退屈することなく観られた。  野々宮希和子は秋山丈博との不倫の末にできた子を堕胎し、それがもとで子供を産めない体になってしまう。その後、丈博の妻江津子が子を授かるが、その子を希和子は誘拐して「薫」と名づけ、4年にわたって共に生活する。結局、警察は希和子を発見し、薫は本当の両親のもとに戻り「恵理菜」として育てられる。そして十数年が過ぎ、恵理菜は大学生になった。  この複雑な育ち方をした恵理菜を演じた井上真央、そして彼女をさらってしまった希和子を演じた永作博美の演技がこの映画の肝になるわけだが、それが素晴らしいのだからこの映画はその時点で成功している。加えて、脇を固める小池栄子もかなり重要かつあくの強い役どころだったが堂々の演技だった。一方、残念だったのは薫役の女の子だ。子役全般に言えることだが、なぜか海外のほうが圧倒的に自然に感じる。余貴美子、田中泯の演技も演出のせいかもしれないが、わざとらしすぎてちょっと抵抗があった。  一方、原作は読んでいないが、脚本では江津子がすこしヒステリックに過ぎ、悪役になってしまっているのが少し残念だった。分かりやすい悪役がいないほうがこういう映画は楽しめると思う。彼女は彼女で可哀想だが、わざわざ希和子に妊娠を誇示しに行くくだりは少しやりすぎではと感じざるを得ない。美しい小豆島の景色を背景に描かれる希和子と娘の交流シーンも良いが、幕切れのあたりが気に入った。ちょうどいいところで終わって深い余韻を残す。  総体的には良質な脚本(原作)に良質な演技。まっとうな映画を観たという満足感に浸れる作品だ。「おくりびと」以来だ。もっとこういう邦画が観たい。
[映画館(邦画)] 7点(2011-05-09 22:39:02)(良:2票)
200.  ザ・ファイター 《ネタバレ》 
「ザ・ファイター」というタイトルはあまり相応しくないかもしれない。これは「家族のかたち」を描いた映画だ。典型的なステージママであり、早くにボクサーとしての才能を開花させたディッキーをえこひいきする母アリス、かつてシュガー・レイからダウンを奪ったという過去の栄光にしがみつく兄ディッキー、そして主人公ミッキーの収入を当てにする膨大(笑)な数のニート姉妹達。主人公のミッキーはその負わされた責任を時として受け入れ、時として反発し、どちらにしても葛藤する。 バーの女のシャーリーンと出会い、つかの間の慰安を得る彼だが、彼女と家族との関係は悪く、新たな心労の種にもなってしまう。このシャーリーンを絶対善として描かず、やや突き放した描写を行っているところがこの映画のうまいところだ。人間は他者を100%理解することはできない。誰かを愛することはできても、その誰かをいつも助けることはできない。彼の心の拠り所となりながらも、彼の家族との対決姿勢を強め、結果的にミッキーにストレスを与えるシャーリーンというキャラクターがこの映画の肝だ。少し体形を崩したエイミー・アダムズは良い演技をしている。 また、ディッキーを演じるクリスチャン・ベールの並外れた演技力も恐ろしい。アリス役のメリッサ・レオと共にアカデミー賞を受賞したが、それもうなずける。エンドクレジットで実際のディッキーが映るが、ベールはまさに彼になりきっていた。 最後に、この映画の中で、主人公のミッキーはボクサーであるとともに家族とも闘い、自分で運命を切り開くという宿命を一貫して背負っている。そういう意味では「ザ・ファイター」というタイトルは相応しいのかもしれない。
[映画館(字幕)] 7点(2011-05-05 20:35:20)(良:1票)
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