2061. グッバイ、レーニン!
《ネタバレ》 体が弱い母親のために、ベルリンの壁が崩壊し、東ドイツが消滅した事実を隠すという、息子の母親への愛に満ちた嘘を周りの愛すべき人々と共に描いた心温まる作品です。自分にはこんなに私の事を愛してくれている心優しい息子がいる・・・。その時点で母親にとってはベルリンの壁の崩壊や東ドイツの消滅なんて大した問題では無くなってしまっていたんでしょうね。 [DVD(字幕)] 6点(2008-12-13 19:38:41) |
2062. ドッグヴィル
《ネタバレ》 3時間近くの間、人間の嫌な部分をこれでもかと見せられ気が滅入りました。ラストも後味が悪かったし、鑑賞後はとても疲れました。 [DVD(字幕)] 2点(2008-12-13 17:28:41) |
2063. ベルリン・天使の詩
《ネタバレ》 冒頭、モノクロの映像で2人の天使が空からベルリンの街並みを眺めている。この天使の視点の際に用いられるモノクロの映像からは柔らかな陽の光や、生命感や体温などは感じられず寒々しい映像が印象的です。そして、二人の天使が会話を始める。後に人間になる天使ダミエルはこう言う。「霊でいるのにうんざりする時がある。永劫の時に漂うよりも僕を大地に縛り付ける自分の重さを感じたい」と。やがて彼は一人の人間の女性を愛し、彼女を探す為人間として地上に舞い降りる・・・には少々不恰好な地上への登場の仕方でしたが。でも、人間になった瞬間、モノクロからカラーに映像が切り替わるこの時が感動的でした。吐く息は白く、一歩一歩踏みしめる足音。そこには歩んできた自分の足跡が確かに残っている。色にあふれた世界やコーヒーの温かさを感じ、人と触れ合う。彼のこの映画の一番最後のつぶやき「僕は今、知っている。いかなる天使も知らない事を」が感動的であり、説得力がある。この映画のテーマは何気ない日常の中にある幸福や、限りある生命である人間への讃歌という単純明快なものだと感じました。天使だった頃に憧れた自分の重さを確かに感じながら、彼の人間としての物語は今始まったばかり。だからこそ、この映画にラストシーンは無く、「乗船完了!」の声の後、「つづく・・・」という幕の閉じ方は明日への希望を感じさせる何とも素敵な終わり方だと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2008-12-11 22:44:22)(良:1票) |
2064. レボリューション・めぐり逢い
パチーノの熱い演技だけがむなしく印象に残る・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2008-12-11 22:24:08) |
2065. ロマンシング・ストーン/秘宝の谷
《ネタバレ》 冒険ものとしてまずまず楽しめました。ロマンティックで、笑いもあり、ちょっぴりお色気もありで面白かったです。キャスリーン・ターナーが体を張って魅せてくれていたと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2008-12-09 22:09:56) |
2066. かもめ食堂
いいですね。このゆ~ったり、まったり感。こんな日常に憧れますね。観ている間仕事の事や、気忙しい日常を忘れさせてくれます。でも、鑑賞後はニッポンの現実の世界にちょっとだけ戻りたくなくなるかな。 [映画館(邦画)] 6点(2008-12-09 21:51:53) |
2067. さよなら子供たち
《ネタバレ》 ルイ・マル監督の少年時代の実体験を映画化したものです。ルイ・マル監督にとって、とても辛い仕事だった事でしょう。美しくもどこか寒々しさを感じさせる色調の映像が印象に残ります。今まで幾つもの映画を見てきましたが、この作品のラストシーンは最も強烈に印象に残るラストシーンの一つであり、忘れること事ができません。神父とユダヤ人の子供が一列になって連行されていく。それを見送る子供たちが誰からともなく「さよなら神父様」と口々に声を掛ける。それに神父が振り返り、たった一言「さよなら子供たち」と返す。それに続くジュリアンの何ともやるせない、物悲しい表情。非常に重く、忘れ難いラストシーンです。見送る者と見送られる者。この両者の間に人種や信じる神が違う以外に同じ人間として何の違いがあるというのか・・・。神というものが存在するならば何故こんな蛮行を見逃されるのか・・・。映画が終わり、劇場を後にしてからもいつまでもこんな結論の出ない思いが頭の中をぐるぐると回っていた事を思い出します。公開当時劇場で見てから20年が経った。観ようと思えば再び観るチャンスはあるのですが、いまだにもう一度観ることが出来ずにいる作品です。 [映画館(字幕)] 9点(2008-12-09 10:56:50)(良:2票) |
2068. サン★ロレンツォの夜
《ネタバレ》 第2次世界大戦中のイタリアのとある農村。ファシストの迫害から逃れてアメリカ軍に助けを求める為の旅に出た村人達の逃避行の様子がユーモアを交えて描かれています。この作品の語り部となる少女や村人達の素朴さが印象深いです。しかし、旅の途中でファシスト派の村人達と遭遇し、村人同士が互いに殺し合うという何ともやりきれない悲劇が起こる。タヴィアーニ兄弟は戦争さえなければ仲睦まじく暮らしていけたはずの平和な農村、争いの舞台になるはずのない農村をあえて戦争を描く舞台とすることでそこに暮らす素朴で善良な人々さえも変貌させてしまう戦争の愚かさと狂気を描こうとしたのではないでしょうか。何ともやりきれない話ですが、逃避行の旅でさえも冒険だった少女の視点で描いた事、それを昔話として当時の記憶を回想するという手法で描かれたことがこの作品にとってとても良かったと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2008-12-08 23:54:22) |
2069. イル・ポスティーノ
《ネタバレ》 イタリア南部に浮かぶ小島の美しい風景にまずは魅了されます。主演のマッシモ・トロイージはこの作品の完成直後にこの世を去りました。とても好きな役者さんだったのでその早すぎる死が残念でなりません。そんな病と闘いながらの彼の演技には心を打たれます。特に、島の美しい風景の数々ー波の音、風の音、美しい星空などーを録音していくシーンの彼が特に強く印象に残ります。 [映画館(字幕)] 6点(2008-12-07 18:44:48) |
2070. アパートメント(1996)
《ネタバレ》 良質の恋愛サスペンスでした。複雑に絡み合う4人の男女の関係と、その心理描写が巧みで、現在と過去が交錯するという手法は一つ間違うと支離滅裂になってしまうものですが、徐々に謎が明らかになっていき、最後は全ての謎を解き明かしてくれる語り口が見事でした。映像も音楽もとてもスタイリッシュで、どこかミステリアス。全編に漂うこの雰囲気も良かったです。この雰囲気にフランス語の響きがとてもよく似合っていました。途中、ヴァンサン・カッセルとモニカ・ベルッチがあと少しで出会えるのにすれ違ってしまうというシーンがありますが、こんなことって案外誰の人生にもあることかもしれないですね。本人は全くそれに気付くことなく。 [ビデオ(字幕)] 8点(2008-12-06 20:59:39) |
2071. マレーナ
《ネタバレ》 あの凄まじいリンチのシーンがあってどうしても好きになれないです。主人公の少年や町の人々にもあまり感情移入できませんでした。シチリアの美しい風景と音楽は良かったですが。 [DVD(字幕)] 4点(2008-12-06 00:34:47) |
2072. マンハッタン殺人ミステリー
《ネタバレ》 久々にコンビを組んだウディ・アレンとダイアン・キートンが相変わらずの名コンビぶりを見せてくれたのが嬉しかったです。サスペンスといえども、そこはやっぱりアレン流。この作品でもおなじみのアレン節で、とにかくアレンがしゃべりまくってくれます。それに絡む久々の競演を全く感じさせないダイアン・キートンもお見事!の一言。特に犯人に脅迫電話をかけるシーンは大爆笑でした。この作品でも全編に見られるNYのさりげない風景。やっぱりアレンの映し出すNYは素敵ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2008-12-05 21:38:55) |
2073. ウディ・アレンの影と霧
《ネタバレ》 作品の舞台は1920年代のとある町という設定との事。全編モノクロで雰囲気も音楽も何かその当時の映画っぽい雰囲気が不思議な作品です。町を徘徊しているという謎の殺人鬼を追う自警団にアレン演じる気弱な男が駆り出され、そこにヘンな人物が次々に登場するヘンな一夜のお話。大した話ではないですがウディ・アレンの遊び心が出ているようでいいですね。タイトル通り影と霧の雰囲気が不思議な感じで楽しかったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-12-05 21:27:14) |
2074. インテルビスタ
《ネタバレ》 楽しい映画でしたね。日頃の仕事風景まで全部見せます!フェリーニのファン感謝祭といったところでしょうか。それとフェリーニが人生を捧げてきた映画と、チネチッタへの感謝の気持ちを込めると同時に裏方さんにもスポットを当てて、日頃は表に出る事の無い裏方さんへのフェリーニの敬意と感謝の気持ちが感じられました。肩の力を抜いて楽しめる作品だと思います。この作品の撮影現場もこの映画のようにとても楽しかったんでしょうね。私からも映画でそんな様子をたっぷり見せてくれたフェリーニに感謝したいと思います。アニタ・エクバーグが若かりし頃の甘い生活のワンシーンを見つめる様子が切なかったです・・・。 [映画館(字幕)] 7点(2008-12-03 22:02:04)(良:1票) |
2075. 俺たちは天使じゃない(1989)
デ・ニーロの演技は面白かったです。とても楽しそうに演じてましたね! [映画館(字幕)] 6点(2008-12-02 02:08:38) |
2076. グリーン・カード
《ネタバレ》 なかなか面白くて素敵なシーンも沢山あって、好きな作品です。お互いの事情のため偽装結婚した男と女。面接が上手くいけば即離婚するはずだった2人。最初は当然全く噛み合わなかった2人が喧嘩しながらも一緒に過ごすうちに少しずつ距離が縮まっていって最後は・・・とストーリーは予想通りです。でも、どんでん返しが痛快な映画もあれば、予想通りに行ってほしい映画もある。「グリーン・カード」はまさにそんな映画ではないでしょうか。お互いの特徴を確認しあうシーンでドパルデューが自分で自分のことを「鼻は特大」と言ったのには思わず笑ってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-11-29 23:37:49) |
2077. ザッツ・エンタテインメント
ミュージカルはあまり見ないのですが、数々の名作の、名優たちの、名シーンを選りすぐったこの作品には興味があり、DVDにて鑑賞しました。これは本当に楽しかったなあ!時にはアクロバティックに、時には優雅に、時には大勢のダンサー達と豪華絢爛に。そのダンスと歌に、そして大掛かりなセットに当時の映画人たちのパワーに圧倒されまくりでした!もちろん未見の作品も多かったですが、ぜひとも単独で見てみたいと思う作品も沢山あり、楽しい宿題をいっぱいもらったような気分です! [DVD(字幕)] 8点(2008-11-29 17:16:59) |
2078. 硫黄島からの手紙
太平洋戦争末期、硫黄島や、その他の南の島の戦場でも武器は破壊され、弾薬も底を尽き、食料や水や医薬品も無く、逃げ場も無い小さな島で日本軍は悲惨な戦いを強いられたという。確かにそういった状況はあまり描かれてなかったかもしれない。実際にその戦場を体験された方々が事実を語るドキュメンタリーとの比較は難しいが、皆が玉砕に突き進んでいったという戦場で一人一人の兵士が実際には何を思い、考えながら戦い、斃れていったのか。その思いは将軍も下級兵士も同じだと思う。それを思うとあまりにも悲しい。 [映画館(字幕)] 6点(2008-11-29 14:44:44) |
2079. レナードの朝
デ・ニーロは改めてすごい人だと実感。やはりこの人は努力の人なんだなと思います。でも、この作品に関してはロビン・ウィリアムス演じるセイヤー医師が強く印象に残りました。人と関わるのが苦手で、ずっと研究室勤務。その彼が初めて患者と接する。気が弱く、不器用で口下手ですが、誠実な人柄である医師を演じる彼が素晴らしく、ひげ面にあの笑顔がたまらなく好きです。人と接する事が苦手だった彼がレナードと出遭ったことで彼に友情を感じ、人と人が出会い、心が触れ合う事の素晴らしさを知ったのだと思います。そしてラストでレナードが目覚めた直後の映像を見つめるシーン、一番の理解者であった看護士との「彼は先生の友達」という会話の後、お茶に誘う終わり方はとてもよかったと思います。 [映画館(字幕)] 8点(2008-11-28 20:23:57) |
2080. 再見(ツァイツェン) また逢う日まで
《ネタバレ》 幼少期のエピソードには参りました。これは本当に泣けます。両親と4人の子供が貧しくも明るく生きる姿、そして両親が亡くなって子供達が離れ離れになっていくのですが、子供たちがいい時も悪い時もその表情が実に豊かで素晴らしかったです。それだけに4人が大人になってからの後半が皆さんと同じく、実に惜しい作品でした。最後のコンサートのシーンは感動を盛り上げようとする意図は分からなくはないんですけどね。 [DVD(字幕)] 5点(2008-11-27 21:41:18) |