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 > 鱗歌 さんの口コミ一覧。107ページ目
鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3877
性別 男性
年齢 53歳

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2121.  ワーキング・ガール
社会風刺を交えたコメディとして単純に楽しめばよいのでしょうけど・・・ウーマンリブの流れから80年に『9時から5時まで』だったアメリカが、90年にはなぜ『プリティ・ウーマン』になってしまったのか、というと、その間にあったのが例えばこの作品なのかな、と。無能な男性が出世する一方で、女性というだけで社会的に下の立場に追いやられれているという思い。男女間の差別なく公平な競争を望む夢。しかし実際に女性の社会進出が進んでみると、そこに待っていたのは「競争って、大変よね」という現実、いやむしろ、そもそも公正な競争など最初から存在しないということ、いわば“勝ち組の論理”だった、ということだった訳で。いくら「あんな無能でも男性であるが故に出世できるなんて許せない」といくら噛みついてみたところで、それは「有能な女性なら誰でも出世できること」とは別次元の話だということ。で結局、自称プリティ・ウーマンたちの一部は“競争”ではなく“白馬の王子様”を夢見ることになるのだろうけれど、本作ではまだ、ワーキング・ガールたちの“競争”に対する夢が残っている。ここでは、蹴落とすべき無能上司は、もはや男性ではなく、主人公と同じく女性。一発アイデアで成功しちゃうという単純な図式のサクセス・ストーリーではあり、ファンタジーなんだけど、そこに「成功のためには主人公の女性は様々なルール逸脱を行わざるを得ない」という現実的側面と、「素敵な男性が無条件に現れてサポートしてくれる」というプリティ・ウーマン的側面とが入り混じっている点、皮肉な感じもいたします。あとこの映画、脇をハリソン・フォードとシガニー・ウィーバーという2人で固めたのも嫌味を感じさせず、うまいキャスティングですね(この2人、あまり深く役柄を考えず「俳優はどう映ればいいかだけを気にすりゃいいのさ」という事に徹する職人、という点で共通した、貴重な役者だと思います)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-12-24 09:23:50)(良:2票)
2122.  ロンゲスト・ヤード(1974)
まあアメフトって何て野蛮なスポーツなんざましょ。などとあまりマジメに受け取って眉をひそめられては、困るのでして。これもまあ、「極端なキャラの人々がぶつかり合って生き様を表現する」というタイプの映画、ではあるけれど、本作の場合、バート・レイノルズの軽いノリによってコメディ調が加わり(プチ・カーチェイスまである)、戯画として笑い飛ばせる作品になってます。そもそも彼がリンチにあってもあまり悲惨さが無いですしね。それに彼のキャラだけが一本筋が通っておらず、フラフラと揺れ動いていて、ユーモラス。後半はひたすら試合(乱闘?)のシーン、どうしてもカットごとに日照の向きや天候が不統一になっちゃうのですが、その違和感も最小限にとどめられていて、(ゴメンなさい、ルールはさっぱりワカランのだけど)手に汗を握って試合(乱闘?)を楽しめます。本作、囚人チームが看守チームに対し、理不尽な圧力を受けつつ試合を挑む点、何となく『勝利への脱出』の原点か、とも思わせますが、ノリはむしろ『メジャー・リーグ』の原点、という感じすらします。いや、やっぱり『キャノンボール』シリーズへの繋がりが一番大きいかもね。リチャード(クレジットではディック)・キールは存在自体がエゲツない、貴重な存在。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-12-17 15:51:15)
2123.  関の彌太ッぺ(1963)
映画前半はもう、エエ話のオンパレード、まさに5分に一度は炸裂する美談また美談。「いやぁエエ話だったな~」と、ここで「終」の文字が現れるんじゃないかと何度思ったことか。で、後半は突然、話は十年後へ。少々血なまぐさい展開の中、一度途切れた物語が、一度断絶した人間関係が、逆廻しのように繋がっていく、しかし決して元通りには戻れない(何しろエントロピー増大則があるからな。何のこっちゃ)。花はあの時と同じように咲き、同じようにお小夜は新しい着物を着せられている。そして、あの日と同じ、運命の森。しかし人間は、かつての自分たちには戻れないのです。ラストシーン、低い位置のカメラが捉える道端の彼岸花の赤さが、突き刺さります。・・・それにしても十朱幸代の表情、一体どう受け止めればいいのやら(そもそもこの演技でよいのやら)。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2011-12-15 23:19:09)(良:1票)
2124.  フロント・ページ(1974)
記者生活から足を洗いたいジャック・レモンと、それが気に食わぬウォルター・マッソー編集長。そこに発生したのは死刑囚の脱獄騒ぎ、保安官を始めとするアヤシゲな人々も騒動に加わって、てんやわんや、というお話。←これでは全然あらすじになってませんが、要するにそういう映画、なんですね。いかにも舞台劇、舞台で見たら面白いのかも知れない。でも・・・ゴメン、映画としては乗り切れませんでした、芸達者二人の丁々発止、コレがあまりにハイテンションの連続で、ついていけない。“間”の無い漫才を見せられてる気分。体調の良い時に観ましょう。って、良かったつもりなんだが。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2011-12-15 22:37:10)
2125.  シルバラード
出演者たちが皆、「やった~西部劇だ~」と楽しくノリノリに演じてる(ように見える。気のせいかも知れないけど)のが、イイですね。拳銃をクルクル回す練習、かなりしたんじゃないですかねえ、そりゃ西部劇に出演させてくれるなら私だって練習しますぜ。製作側もノリノリ、詰め込めるだけ詰め込んで(銃撃戦の充実ぶり。登場人物の多彩さ。ちょっと欲張り過ぎてまとまらない面も?)、これぞまさに娯楽大作、愉しいこと愉しいこと。善玉4人が集まるべくして集まり、一方の悪玉はいかにも悪玉で、恨みだの復讐心だのを過度に強調することなく、内面より行動、ただ戦う。理屈っぽくないのがまたよろしい。要するに、西部劇って面白いんだよ、ということを言わんとした映画で、その目的は十二分に果たされた訳です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-12-10 09:37:23)(良:1票)
2126.  ウォルター少年と、夏の休日
少年が預けられた伯父たちは、スーパー爺さんだった、というオハナシ。なんですが、コメディタッチだけど笑うに笑えず、ファンタジーなんだけどワクワクせず、どうも煮え切りませんなあ。どうしてこんな内容で映画作ろうと思ったのか、理解に苦しみ、私にとってはコレ、怪作のひとつ。しかし、大真面目に暴走するデュヴァルの破天荒ぶり、アホらしい話をもっともらしく語り続けるケインの茶目っ気、泣き顔オスメント君の真摯な眼差し、いずれも、そりゃ、あざといと言えばあざといかも知れないけど、時々、とってもイイ表情をして、やっぱりこのヒトたち、「持ってる」よなあ、とは思わされます。ライオンを絡めたのも上手い。でもやっぱり、ストーリーは安直でヒドイと思います。少年の成長を描いているつもり、らしいけど、はっきり言って、この少年、まったく成長してません。母に向ってついに想いを発するクライマックス、これが単なる「甘え」なんだから、もう。あと、邦題に入ってる訳のわからん読点「、」も嫌い。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-12-07 23:23:20)(良:1票)
2127.  エクソシスト 《ネタバレ》 
愛娘が突然アバズレになって、自傷行為に走ったり、親をののしったり。コレ、原因が悪魔憑きでまだ良かったですよね。悪魔にも憑かれてないのに娘がこんな風に不良化しちゃったら、親としてはたまらない。一方、医者は「これは病気だね」と、とりあえず検査、検査。これも一種のドクハラですな。作品中でもっともホラーなシーンが、この検査シーンだったりする。と言う訳で、“積木くずし”プラス“白い巨塔”というのが、この作品。そのはざまで、なんとも御気の毒なのが、カラス神父。このヒト、本当に可哀そう。何だか自分の事で精一杯みたいなのに、こんな変な事件に巻き込まれてしまい。当然ながら何ができるでもなく。悩みを抱えつつ名もなき人生を歩み、最後は変な悪魔と対消滅するような形で、ひっそりとこの世を去る。メリン神父と悪魔との壮絶な闘いの後だけに、さらに何とも寂しい最期。なんだかこの映画、「コワイ」より「寂しい」映画、なのです。ところでこの映画では、「チューブラー・ベルズ」なる曲がまるでテーマ曲のようになってますが(私も本作でしかこの曲は知りまへん)、エンドクレジットを見てると、この曲以外にも、ペンデレツキ、ヘンツェ、クラムに、何とウェーベルンの曲まで。しっかし何ゆえわざわざ既存曲を引用せねばならんのか、と言いたくなるほど、殆どどこで使われているのかワカランものが多くて、ペンデレツキの弦楽四重奏曲第1番(特殊奏法で有名)は、サイレンの音とリミックスされちゃってるし、クラムの『ブラック・エンジェルス』(クロノスQ結成の動機となったことでも有名な曲。第1曲「電気昆虫の夜」が引用)は、こりゃ単なる効果音としか誰も思わんよ(お腹に字が浮き出るシーン)。ウェーベルンの代表作『5つの小品』は・・・ええと、どこで引用されてたのかワカリマセンでした、すみません。と言う訳でやっぱり「エクソシスト=チューブラー・ベルズ」で結構です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-12-07 00:05:50)
2128.  刑事コロンボ/構想の死角<TVM>
これはもう、若き日のスピルバーグの野心、というものを味わえばそれだけでも十分に楽しめちゃう作品でして。ビルの窓から見降ろす光景から室内の光景へ、という、めまいがするような冒頭シーンから、気分はもうヒッチコック。細かくカットを割ってみたり、長廻しやってみたり、人物配置にこだわってみたり。いっそ本作を観るにあたっては、ストーリーを気にせず、犯人が誰かも気にせず(これは明白なので気にする必要は無いけど)、カット割りとか、背景の窓外の光景とかを見ているだけでも、愉しかったりしちゃいます(時間や予算がもっとあれば、照明技術なんかももっと良くなったのでしょうが)。では内容に関してはつまらないのか(私はどうもこのシリーズが苦手なのです)、というと、いや、本作、ミステリとしてもなかなか面白い。脚本にも恵まれたんじゃないですかね。連続殺人モノで、しかもその二重殺人がちょっとシャレたラストに効いてる、というのが心憎い。犯人は例によって脇が甘く、犯行は発覚するべくして発覚したという印象はありますが(まあ短い作品ですし)、トボけた味わいのコロンボが(室内でもコートを脱がず、コート着たまま料理なんぞしてる)、チクチクと犯人の痛いところを突きつつ、最後に猛然と犯人を名指しし対決していく過程、実にスリリングな仕上がりで、「もしかしてコロンボシリーズって、本当は面白いのか?」とか、つい思っちゃうところでした(いや、実際、面白いのかも知れませんが・・・苦手なもんで)。
[地上波(吹替)] 8点(2011-12-06 23:12:43)
2129.  紳士協定
ユダヤ人差別を告発するために主人公の作家さんが、しばしユダヤ人としての生活を送ってみる、というオハナシ。当時としてはこのテーマを取り上げたのは画期的だった、と言われればそうなのかも知れないし、またこれが当時の限界だった、と言われればそうなのかも知れないけれど。でもやっぱり「浅すぎる」よね。時代の切り込み隊長を買って出るなら、それこそ“肉を斬らせて骨を断つ”というような、相応の覚悟が必要なのでは。「根深い問題でもありますし、まあこの程度から始めてみましょう」的なヌルさが、完全に作品をスポイルしているように思え、豪華で手の込んだ映画の作りが、かえって虚しくもあり。要するにオスカーを獲っちゃう程度の「手加減」が本作の泣き所。コメディとして笑いの中に風刺を効かせるでも無し、生真面目な作りの一方で、冒頭から「パパ、再婚しないの?」なんぞと、通り一遍の恋愛モノを予告してみたり。肝心の差別問題については、映画の中で映画的に描写されることも殆ど無く、軽いイジメラレ体験を息子に語らせてみるあたりが関の山。んなコトばっかりやってるから、後で(不本意であったとは言え)赤狩りにも加担するんでしょうが、と言いたくもなる。石をぶつけられる覚悟が無ければ、時代に楔を打つことはできない。この作品の存在自体が、“紳士協定”の上に乗っかっているような感じがして仕方が無い。無論、かく言う私こそ、そんな大それた勇気など持ちあわてはいないが、その勇気の無さをしっかり自覚して生きていきたいとは思っている。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2011-12-04 10:16:54)
2130.  オールウェイズ
この映画に出てくるオードリー・ヘップバーンは、役名こそあれど、限り無く「本人役」に近いニュアンスでの登場(『ベルリン・天使の詩』でのピーター・フォークみたいな感じがする)。そしてまるで、「私はこんなオバチャンになっちゃったのよ」「いつまでもアイドルじゃないのよ」「みんな、もう私の事は忘れてもらっていいのよ」と言ってる気がする。だからと言って忘れられるものじゃないよね、とスピルバーグが言ってる気がする。本作の主人公ピートも、中盤で死んでしまい、やがては忘れられていく存在。ファンタジー映画らしく、幽霊として現実世界に何かと干渉しているようでいて、実際にはこれと言って何もしていない、ただの傍観者。別に傍観したくてしてる訳じゃないけど、傍観せざるを得ない、死者なのだから。一方の生き残った者たちは、彼らは彼らでピートのことをなかなか忘れられない。しかし生者が死者にいつまでも捉われている訳にもいかない。で、最後に死者と生者は一瞬、交錯し、永遠の別れを告げる。しかしその一瞬とは、永遠の一瞬でもある。これは、忘れられていく人々、であると同時に、決して忘れ去られることの無い人々、の物語。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-11-27 00:49:02)(良:3票)
2131.  クラッシュ(1996)
主人公の夫婦は冒頭からいきなり、他の相手とエッチをしている。互いにそのことは了承済みであり、「浮気」ではない。性の自由化? いや、それどころか“不自由”にしか見えない。性というものに支配された存在、それが人間。つくづくカワイソーな存在であるように思えてくる。「性」を通して解放されようって思想があるけど、そんなもん思想と呼べるのか? むしろ「性」から解放されない限り、自由ってのも無い、のが本当のところで、人間、「性」を含めたあらゆる不自由を抱えつつ、いや不自由に支配されつつ、生きるしか無いのよ。「性」とは結局のところ、自己否定、自己破壊。そりゃま、他人がヤッてるコトに関しては何ともウラヤマしかったりするけど、いざ自分の行為として捉えるならば、空虚感しか残さぬ不毛な行為、ということになる(これってヒガミ過ぎですかね~)。これはまるで、この映画で描かれている、「有名人の起こした交通事故に憧れていながら、実際に自分が交通事故に遭遇すると、そこには気まずさしかない」というのにも繋がる。さらに不条理に感じるのは、窓から眺めるとそこには無数のクルマが、衝突事故も起こさず淡々と走り続けていることなのだ。他人が「性」とどう折り合いをつけているのかは本当にワカランもの。自分はあくまで自分として、その気まずさと向き合うしかない。というラストであるように思えました、ハイ。
[DVD(字幕)] 7点(2011-11-23 08:29:50)
2132.  13/ザメッティ
集められた13人がグルリ輪になって、各々の前の人間に向け引き金を引くロシアン・ルーレット。観客は誰が勝ち残るか賭けに興じる。って、このゲーム、実際にやったとして、傍で見ててそんなにオモシロいですかね~。私にはわからん。しかし映画は面白い。この映画の凄さは、映像そのものというより、映像の積み重ねにありますね。ワンシーンごとに切り離して単独で見てしまえば、別に目を覆うような残酷さがある訳でもなく、なんということもない光景であったりするのですが、映画として、ショットの積み重ねとしてそのシーンが存在することにより、強烈な意味を放つことになります。例えば「主人公が車窓の外を眺めている」という平凡な光景。この光景が映画の始めに置かれた時と、ラストに置かれた時で、全く違う意味を持つ、ということ。
[DVD(字幕)] 9点(2011-11-20 12:02:20)(良:1票)
2133.  九龍の眼/クーロンズ・アイ
正直、チグハグな印象のある作品ではあるのですが・・・爆弾犯との闘いに焦点を合わせればよいものを、前作を引きずって変な小競り合いを盛り込んだもんで冗長な作品になっちゃったし、クライマックスの闘いも相手が少なく前作ほどのインパクトが無い・・・だもんで本作があまり好きではなかった頃もあるのですが。でもコレ、悪くないよね、と最近は思ってます。前作ほど気合いマンマンという感じじゃなくて、散漫になろうがツジツマあわなかろうが、やりたいアクションをやりたいように演じてみせる。なんだか映画作りを楽しんでるなあ、という作品で、好きになってきましたよ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-11-20 11:17:22)
2134.  ビッグ・ガン 《ネタバレ》 
仏・伊合作、となってますが、開始早々から雰囲気はイタリア映画そのもの(舞台がイタリアだというだけではなく)。アラン・ドロン演じる主人公のヒットマン、引退を決意したところ組織に命を狙われ、誤って妻子が殺されてしまう。と言う訳で、復讐に立ち上がる男と、彼の命を狙う組織との終わりなき闘争が描かれるのですが、カーチェイスといい、残酷描写といい(リンチの場面や、列車での射殺シーン)、やっぱりイタリア作品っぽいなあ、と。悪役がたくさん出てきて、とりあえず皆いかにも悪そうなのが良い。主人公も、組織との闘いをどこか淡々とこなす。悪役どもがいてこそ、主人公がいる。復讐を果たすこと、いや組織から狙われることそのものが主人公の生きがい、生き様。ラスト、その生きがいが無くなった時こそが、主人公の死ぬべき時。首尾一貫ぶりが素晴らしいと思います、ハイ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-11-20 08:53:06)
2135.  突破口!
「ウォルター・マッソー=由利徹」説ってのが常に根強くある訳ですが(ホンマかいな)、本作の二枚目ぶりはなかなかのもの。見ようによってはピアース・ブロスナンあたりを彷彿とさせたり(ブロスナンよりは深みがある。ブロスナンの魅力はあの浅さにある)。まず冒頭、緊迫感あふれる銀行強盗シーン、そしてこれに続くド肝を抜くカーアクション。しかも奪った大金は、実はマフィアの隠し資金だったもんだから、さあ大変。逃亡を図る主人公と、迫りくる追手の姿を、長廻しなどを効果的に用いながら、練りに練ったカットで(とは言えおそらくは偶発的な事象も織り込みながら)描き、派手さと渋さを兼ね備えた見事なアクション映画となっています。妻を失いながらも冷静に事態を受け止め、策を練る主人公。仲間が死んでも「うまくいったぜ」と言うばかりの、頼りにならずむしろややアブナイ相棒。ただ事態を楽しんでいるだけのような刺客。彼らの持つ「温度差」が、本作の“駆動力”となっていて、オモシロイところでもあります。
[DVD(字幕)] 9点(2011-11-19 11:11:42)
2136.  トブルク戦線
砂漠を横断し、トブルクの燃料基地破壊を目指す特殊部隊の活躍。という、“冒険アクション映画”の要素が強い戦争映画で、荒唐無稽なところもあり(敵に同士討ちさせたり)、娯楽作品としてなかなか楽しませてくれます。ただ、この「楽しませ方」ってのが、とりあえず印象的なキャラをちりばめておいて、ここぞという場面ではそのキャラたちに惜しげも無く死んで行っていただくという趣向。「準主役は、死んで映画を盛り上げる」というのは、よくあるパターンではありますが、一本の映画の中であまりコレを連発するのも興醒めとなる原因ですので、ご注意。あと、ドイツ軍になりすます、ってのが姑息中の姑息で、馴染めない点でもあります。こんな姑息な作戦なら、途中、裏切り者が出ても、「そりゃしゃーないわな」という気分になっちゃう(しかも意外に盛り上がらず不発だったりする)。とは言え、戦闘シーンのダイナミックさは折り紙つき。ミニチュア撮影のシーンも含め、大迫力。そう、戦闘シーンが充実してりゃ、やっぱりとりあえずは楽しめちゃうもんです。
[DVD(字幕)] 7点(2011-11-19 01:51:28)
2137.  怒りの葡萄
新天地カリフォルニアを目指し、ポンコツトラックに乗り込む一家の姿。その苦難の姿をただ卑屈に描くのではなく、むしろ一家をはじめとする登場人物たち各々が、活き活きと描かれ、また数々の印象的なエピソードが積み重ねられていくことによって、多層的なドラマが展開されます。見事と言う他ありません。舞台は大恐慌の時代、むかしむかしのオハナシな訳ですが、活き活きとした描写が古さを感じさせない・・・のみならず、むしろ今この時代に繋がる点が多々ありそうなのが、コワかったりもします。ある人たちは言う、太平洋戦争が勃発したのは、日本が戦争を起こすように仕向けられたからだ、と。この映画で描かれているアメリカの姿を見ていると、「そりゃそうだろ、そうせざるを得んだろ」という気がしてきます。どの国も苦しく、どの国も外へと活路を見出すしかなかった時代。国が矛盾を抱え、国民が飢え、国内に危機が巻き起こったならば、もはや「外敵」を設定するしかない。・・・で、現代、今。まさに、そういう時代、ですよね???  この映画のヒューマニズムこそ、今もっとも必要とされているものではないか、と。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2011-11-17 00:13:29)
2138.  アナコンダ2 《ネタバレ》 
先日の金曜ロードショーでの放送で、それなりの高視聴率を上げてしまうのが不思議と言えば不思議だけど、どうもこのテの映画、関東地区より関西地区の方が視聴率が高いらしい、と言えば、何となく納得してしまう。理由は無いけど。で、この第2作目とやら。第1作と同様(とは言っても内容的には何ら関連性が無いが)、ヘビの扱いが非常に悪い。何かにつけ無視されがち。いやこの第2作ではそれなりにヘビとの戦いが内容のメインにはなっているけれど、登場人物たち、密林の中でいつ背後から襲われるか、などと心配している気配が無い。要するに、台本に「今はヘビが襲ってくるシーンではありません」と書いてあるかのごとく(そりゃ書いてるだろうが)、気を抜きまくって、ジャングルの不気味さみたいなものはさっぱり感じられない。実際、密林と呼ぶには妙に明るいし。と言う訳で、ヘビの扱いは悪いし、人間どももちゃんと演技をしない。しっかり活躍しているのはサルだけで、こちらは見事なカット繋ぎを見せたりする。演出側もサルにだけは敬意を払っているらしく、ここぞという場面では必ずサルの表情を挿入。いやホント、サルだけは素晴らしいです、ハイ。あとこの映画、ラストのヘビ退治の方法は、これはなかなか斬新じゃないでしょうか、土砂に埋めて退治するなんて。ヘビなんだからきっと、埋められても出てくるような気がするけど・・・。
[地上波(吹替)] 6点(2011-11-16 22:20:51)(笑:1票)
2139.  裸の島(1960) 《ネタバレ》 
こういう映画が当時外国で評価されてしまったというのは、要するにこれが極東のナントカいう国の“真実”の姿だと思われちゃったのかな、と。映画の中で描かれる「貧しさ」というものは、とかく意味を持って受け止められやすい。ホントはこんな夫婦いないんですけどね、とか言いながら上映しても同じくらいの評価を受けたのかな、と。我々も馴染みの薄い国の映画を観る時には、何でもかんでも真に受け過ぎぬように気をつけましょう。むしろこの映画、今の目で見ると、「この生活、何年やってるんだろう。奥さんまだまだ華奢だけど」とか思っちゃうのだけどダメですかねえ。きっとこの二人、ホントの夫婦じゃなくて、男は妻子持ち、女は元OLで、不倫関係、都会から逃げてきてこの島でひっそり慣れない生活をしているんだろう、とか想像しちゃダメですかねえ。罪滅ぼしに孤児二人を引き取って暮らすも後悔の日々、今や食事中も会話が無い(=やっぱりセリフ無しで家族を描く、という手法自体に無理があるんだよ)。重い水の桶を運ぶ妻。観てて「コケるなよコケるなよ」と念じてしまうのは、ひとつには大変な作業であることがヒシヒシと感じられるから。またひとつには「ここで水をひっくり返すなんて演出、はっきり言ってベタだよね」と思っちゃうから。念じた甲斐もなく、水をひっくり返してしまい、駆け寄る夫に大して今度は、「暴力だけはふるうなよ」と念じるのだけど、理由はふたつ、上に書いたのと同じです、ハイ。で、念じた甲斐もなく、あーあビンタしちゃったよ。この生活何年やってて、どのくらいの頻度でこういう事件が起こるのか。起こるべくして起きた失敗だと思うのだけど、いちいち立腹して、いちいちビンタするのか。ベタな演出で描かれる「部分」は、なかなか「全体」へと繋がらないもんです。麦をまく⇒麦踏みをする⇒収穫、という一直線の描写も安直で、多層性を欠き、かえってこの島の暮らし全体が見えない。ホントの生活ってのはそんな因果関係の明確なもんじゃなくて、いろいろ仕込んで、いろいろ苦労があって、それらを乗り切った先にようやくささやかな幸せがある、そういうもんじゃないですかねえ。とか思っちゃうんですけど。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-11-13 14:56:44)(良:1票)
2140.  仇討(1964)
仇討の果し合いが行われようとしている冒頭。その順位が着々と準備が進められるシーンから、時間を巻き戻し、そもそもの事件の発端が描かれる。そして、時間軸を自由に行き交いながら、事件がさらに次の対決を生み、そして冒頭で示されていた果し合いの全貌がいよいよ明らかになったとき、退っ引きならぬ立場に追い込まれた主人公の焦燥感が、痛いほど我々の心を突き刺す。震えが来るほどのクライマックス。凄まじい、とは、まさにこの事。
[CS・衛星(邦画)] 10点(2011-11-08 23:37:56)
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