2121. ロング・グッドバイ
原作未読。思いを振りかざさず、思いは左右されず、思いはぶれず。エリオット・グールド演ずるマーロウが探偵としての矜持を魅せてくれます。一癖も二癖もある登場人物達が物語の味わいを深めております。 [DVD(字幕)] 7点(2012-01-05 02:28:50) |
2122. 赤い砂漠
病人の独り言をメリハリもなく延々と綴っているだけで退屈で苦痛でした。色がついていようがいまいが私にはカンケイのない事でした。 [DVD(字幕)] 1点(2011-12-28 00:02:32) |
2123. 戦火のかなた
戦争の非情さ。遺言として迫ってきた「無防備都市」に対して、戦時下にある人の数だけ存在する事を淡々と示した本作。共に忘却の彼方になってはいけません。異端視する姿勢の行き着く果てが戦争なのではないかと思えた第5話が印象に残ります。 [DVD(字幕)] 4点(2011-12-26 23:48:08) |
2124. 昭和残侠伝 血染の唐獅子
今作の風花コンビの絡みは道行きを始めとして今一つ趣きに欠けていました。しかし、 本シリーズが魅せてくれる滅びの美学を存分に堪能できました。今作では竹>染次>風間重吉でありました。個人的に苦手な津川雅彦が唖然とするほどの男振りで、文代の「あんたも行くの」に答えた台詞に涙腺決壊寸前となり、「三社祭の馬鹿踊りだいっ」に鳥肌が立ちました。 [DVD(邦画)] 7点(2011-12-23 03:57:28) |
2125. 美女と野獣(1946)
有名な童話が、重厚絢爛に、おどろおどろしく、愛憎露わに、表現されています。終始ドキドキ、ハラハラし画面に目が釘付けとなりました。大変豪華な童話でありました。 [DVD(字幕)] 8点(2011-12-21 21:57:01) |
2126. 舞踏会の手帖
丁寧に描かれる各人の20年間の生き様。クリスティーヌ16歳の初舞踏会から20年で36歳。まだまだ長い人生をどう過ごすのだろうか、再び20年先に彼らと顔を合わせたらどんな話をするのだろうか。歳を重ねるということに考えが及ぶ作品でした。 [DVD(字幕)] 6点(2011-12-21 21:31:42) |
2127. カビリアの夜
オスカーの真意が薄々想像出来たので重苦しい思いで見ていました。幸せなんて望むもんじゃないよ、負け組は死ぬまで負け組なんだよ。不貞腐れる私をラストで黒い涙を流しながらも前を向くカビリアが励ましてくれました。ジュリエッタ・マシーナの魅力満載の作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2011-12-17 16:49:06) |
2128. ドイツ零年
敗戦の廃墟の中での疲弊した暮らし。貧すれば鈍する様子をまざまざと見せつけられます。その状況で少年を炊きつけ、結果に逃げを打つナチ残党の卑劣さ。あまりの救いの無さに底冷えします。 [DVD(字幕)] 5点(2011-12-14 20:55:25) |
2129. しあわせの雨傘
《ネタバレ》 「飾り壺」と自虐する満ち足りた暮らしをしている社長夫人。何の困難もなく社長になり議員になりメデタシメデタシ。からりとしたコメディタッチのストーリーに目くじらたてることはないのですが、お若い時からやりたい放題なさっているのを見ると白けてしまいます。「終電車」で共演した二人、30年の時を経て、ブクブクに肥えたドパルデューは痛々しく正視に耐えなかったのに対して、まろやかで艶やかなドヌーヴは一見の価値がありました。 [DVD(字幕)] 5点(2011-12-04 17:11:30) |
2130. ノスフェラトゥ(1978)
タイトルの映像と音楽の異様な雰囲気に寒気が。吸血鬼ものとして展開は淡々としたものですが、大胆なカメラワークで見せる美しい映像に、底冷えのする怖さがひたひたと迫ってきて、息苦しさを味わい通しでした。愛する者が常に先に逝く、自身は永遠に逝けない。ドラキュラ伯爵の瞳に宿る悲しみが本作を支配していたように見えました。 [映画館(字幕)] 8点(2011-12-03 12:40:18) |
2131. メメント
メメント : 企画倒れ。10分で内容を忘れる。10日で見たことを忘れそう。刺青の代わりにここに記す。 [DVD(字幕)] 2点(2011-11-30 16:42:58)(良:1票) |
2132. いとこ同志
後味の悪い事この上ない物語。性悪小娘はともかくとしてポールに悪意がないというのが何ともやるせない。この世にありがちな不条理さを映画でまざまざと見せられるのは疲れます。 [DVD(字幕)] 5点(2011-11-28 01:59:02) |
2133. フィツカラルド
《ネタバレ》 山をジリジリと登って行く船を見て、ピラミッドもこうして造られたのかなぁと頭に浮かびました。成せば成る事を見せてはくれたものの、あまりの冗長さとインディオの真意にくたびれてしまいました。奥さん(?)の懐の大きさ、大らかさに励まされるものがありました。 [映画館(字幕)] 5点(2011-11-28 01:26:41) |
2134. パッチ・アダムス
笑いの効用、生の質を高める医療。大いに共感出来ますが、独り善がりな面とユーモアを逸脱した下品さが鼻につきました。極めつけの尻出しスタイル。学校に対する恩など微塵も無いのでしょう、白け返りました。ルームメイトの彼のほうに人間味を感じました。 [DVD(字幕)] 4点(2011-11-23 14:54:45) |
2135. 嘆きの天使(1930)
《ネタバレ》 中盤以降の展開はあまりと言えばあまりの無情さに目を背ける場面が多々ありました。道化になれず、死に場所を教室に求めたラート。エミール・ヤニングスが渾身の演技でもって見せる、謹厳実直であり続けたが故の地べたを這いずり回るような苦悩が重く迫ってきました。そして、ローラや興行主が極悪人ではない事が彼の憐れさを浮き彫りにさせていました。 [DVD(字幕)] 7点(2011-11-22 21:10:24) |
2136. 列車に乗った男
男二人の佇まい。孤独な二人の心の通い合い。その淡々とした様は大人の味わい。円熟のジャン・ロシュフォールが絶品。放つ言葉全てに惹かれました。 [DVD(字幕)] 6点(2011-11-20 12:39:59) |
2137. 私は「うつ依存症」の女
大事な人を傷つけ、自身を痛めつけ、自身を嫌い抜く。リジーの眉間の深い皺を見るのがたまらなく辛かった。タイトルが心の拠り所が鬱しかない彼女を言い表しています。 [DVD(字幕)] 5点(2011-11-19 12:32:34) |
2138. 影の軍隊(1969)
全編を覆い尽くす陰鬱な空気はメルヴィル監督ならではのもので、陰惨極まりない展開と結末が胃に堪えます。 [DVD(字幕)] 6点(2011-11-11 00:05:58) |
2139. サラエボの花
《ネタバレ》 母が背負ってきた苦しみ、悲しみが明らかになった時。普通の人々を狂った加害者にし、普通の人々に辛酸を舐めさせる、紛争の救いの無さを思い知らされます。そのような中にあって、母と娘の絆が何物にも勝る救いのある結末にこちらも救われる思いでありました。 [DVD(字幕)] 6点(2011-11-10 23:25:43) |
2140. 近松物語
《ネタバレ》 上下の隔てのある不義密通。命で償わねばならぬ時代に自分の心に正直に生きた二人。手を繋いだ二人の面持から本懐を遂げた喜びを汲み取れる一世一代の晴れ姿が、覚悟の死地への行進であるラストシーンのこれ以上ない非情さ。その背中にかける言葉がありません。合掌するのみでした。 [DVD(邦画)] 9点(2011-11-05 19:39:32)(良:1票) |