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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2398
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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2141.  翼の凱歌 《ネタバレ》 
陸軍省協力で撮られた戦意高揚映画なんだけど、驚くべきことは監督があのバリバリ左翼の山本薩夫だと言うことでしょう。この人も戦争に負けるまでは普通の日本人だったということなんでしょうね。共同脚本ですが黒澤明も加わっていますが、どのパートが黒澤担当なのかは皆目見当がつきませんでした。前半30分は入江たか子とそのひとり息子、そして夫とともに殉職した飛行士の息子の三人のいかにも戦前的な親子情愛物語風の展開です。やがて入江の息子は戦闘機の士官パイロットに、もう一人は中島飛行機のテスト・パイロットになって一式戦闘機隼のテストをすることになります。兄である士官パイロットは温厚で沈着冷静、義弟のテスト・パイロットは無鉄砲と言うキャラ付けにはいかにも官尊民卑な価値観を感じさせられるところです。隼の実機を使った飛行シーンはなかなか貴重で、その軽快な運動性がよく理解できるようになっています。ラストにはサービス・ショットですが鹵獲したB17爆撃機を使って空中戦まで見せてくれてもう垂涎ものです。 民間人がヘマをしたのを賢い軍人が正しく判断を下して隼の開発に成功した、という風にお話は進むのですが実はここに大きな欺瞞があります。史実では一式戦闘機隼は頭の古い陸軍にその開発コンセプトが嫌われて、一時は不採用・開発中止がほぼ決定していたのです。それが海軍の暴走で太平洋戦争が勃発、航続距離が長い戦闘機が必要になってあわてて隼を戦場に出したらこれが大活躍したというのが真相なんです。なんせ開戦時には20機ぐらいしか隼がなかったというから呆れたお話です。もちろんそんな事情は一般国民は知る由もなく、こうやって映画にまでして“手柄は我がもの”としちゃうんですから厚かましいにもほどがあります。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2014-01-22 20:15:04)
2142.  アルマゲドン(1998) 《ネタバレ》 
数ある小惑星激突もの映画の中でも、発見から地球衝突までの時間が18日と言うのは最短記録じゃないでしょうか。政府から早期発見に失敗したと責められるビリー・ボブの言い訳がまた凄くて、「発見に必要な予算の3%しかもらっていない」とは恐れ入りました。そのせわしなさを反映して物語の展開も急スピードと言うか雑で、良くも悪くも2時間半なんかあっという間に過ぎてしまいます。でも小惑星で穴を掘り始めてからの時間感覚は逆に超スローで、あと18分で核爆弾を起爆しなければいけないと言う切羽詰まった局面でくじ引きなんかふつうしないでしょ。バラバラと幾つもの隕石が地球に降ってきたとしても、それがパリや上海をピンポイントで直撃する確率はどんだけだよ。 と、怒りがこみ上げる様なシーンのてんこ盛りですが、正月にボーっと観る様な映画としては最適なんでしょうね、今回は比較的平穏な気分で観ることが出来ました。ブルース・ウィリスもおバカ映画としては味が有る演技だった気がしますし、これでラジー賞受賞とはちょっと可哀想な気もします。でもこの人、この年には『マーシャル・ロー』と『マーキュリー・ライジング』でもラジー賞ゲットして前人未到の単年度三作で受賞という偉業を成し遂げていて、これはこれで凄いことです(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2014-01-02 00:24:31)
2143.  雲霧仁左衛門 《ネタバレ》 
何とも豪華というかムダに絢爛なキャストでしょうか! 八代目と九代目、松本幸四郎の親子共演なんて映画じゃ滅多に観れないもんですよ。でもこんだけ脇役にまで大物俳優が出ていると、かえって目移りはするしお話しが散漫になるので副作用が強いんだと良く判りました。女優の扱いがまた露骨で、岩下志麻(ミエミエのボディダブル・ヌード)、倍賞美津子(手拭いで胸を隠して入浴シーン)、宮下順子(ロマンポルノの人だからと言っても、初登場シーンはあまりにムダ脱ぎ)と監督の脳内での女優格付け順が露骨に判って失笑ものです。と言うことは、ただ一人エロに無縁な役だった松坂慶子がいちばんの大物女優だってことなんですかね(笑)。 せっかく“大江戸版ワイルド・バンチ”な食材なのに、下手な料理人のおかげで恐ろしく不味い料理が出来ちゃったと言うしかありません。チープな音楽に安直な脚本、この監督は撮り方がTV時代劇と基本的に変わっていないのが良く判ります。池波正太郎もさぞやご立腹だったんじゃないでしょうかね。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-12-23 20:13:56)(笑:1票)
2144.  ハンガー・ゲーム 《ネタバレ》 
もし自分が不幸にしてこのゲームの参加者になってしまったら、ゲーム中はどこかに隠れていて残りの23人がひとりになるまで待ちます。その最後のひとりがとてつもなく強いリスクはありますが、そいつと勝負するのが最善の選択だと思います。たぶんみんな同じこと考えて隠れてしまい、ゲームが成立しない可能性が高いのではないでしょうか。劇中ではゲーム開始早々に集団が出来てあぶれ者を狙うようになりますが、これは事前に予想できたはずで開催者としてはこうならない様な工夫が絶対に必要でしょう。と考えると、やはりこの映画(というか原作小説)の設定は×でやはりタイマンのトーナメントかリーグ戦でしかこのゲームは成立しないんじゃないかと思います。ここら辺の詰めの甘さは原作がジュブナイル小説だということも関係あるかもしれませんけど、映画として観せるならもっと毒味がなければいけません。原作通りなのかもしれませんが、あのルール変更だけは何とかして欲しかったところです、どっとシラけました。 どう見ても『バトルロワイヤル』と数多あるデストピア系映画を融合させた様な作品ですが、原作者のスーザン・コリンズは“『バトルロワイヤル』は原作小説を読んだこともないし映画を観たこともない”と言い張っているそうです(笑)。
[CS・衛星(吹替)] 4点(2013-12-07 23:25:54)(良:1票)
2145.  俺は都会の山男 《ネタバレ》 
公開されたのが新東宝倒産の半年前ということもあってか、タイトルクレジットには大蔵貢の名前が消えています。この映画は“山”や“登山”とはいっさい関係がなく、吉田輝雄の演じる乱暴男のキャラが“山男”と言うわけです。 この男、就職面接で居眠りをした挙句人事部長をぶん殴ってとうぜん就活は失敗、チンピラと組んで“喧嘩商会”なる商売を始めます。要は腕っ節の強さを活かして喧嘩の仲裁(というか助っ人)でカネを稼ごうというわけですが、この“山男”が超硬派なのに女には滅茶苦茶モテて若いのから熟女まで七人もの女が金魚のフンみたいにまとわりついてきます。まあそこは“ハンサム・タワーズ”の吉田輝雄ですから納得しましょう。彼は菅原文太や宇津井健と違ってアクション演技にキレがあってボクサー役でも務まりそうな身のこなしです。 本作は新東宝には珍しいドライでC調なギャグが連発され、ひょっとして東宝の喜劇シリーズより可笑しいんじゃないかと思わせるところもあります。豪華と言うか、コロムビア・トップ・ライトや江戸家猫八といった当時のお笑いのスターたちがワン・シーンずつ登場する構成なのが新東宝にしては珍しく、中でも由利徹の裁判官と南利明の書記のギャグには笑ってしまいました。警察を徹底的にバカにしたり当時の池田政権の政策を名指しでおちょくったりするアナーキーなところもプログラム・ピクチャーとしては珍しいところです。 さて実はこの映画には奇妙な部分があります。留置場の担当警官というホントのチョイ役なんですけど、制帽をま深に被っていてアップショットもないので判りにくいのですがどうも丹波哲朗みたいなんです。その警官にむかって「お前最近トップ屋なんかして稼ぎやがって」なんて言う楽屋落ちなセリフがあったのでこれは丹波だと確信しちゃいました(彼は当時TVドラマ『トップ屋』で活躍してました)。とすれば、そのころは大蔵貢と喧嘩して丹波は新東宝をクビになってたはずで、大蔵貢に無断でノン・クレジット出演させたってことでしょうか。なんか新東宝末期の混乱が透けて見える様な気がします。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-11-29 20:40:17)
2146.  女の防波堤 《ネタバレ》 
新東宝の映画の中では、『九十九本目の生娘』ほどではないけどかなりカルト的な存在なんだそうです、この映画。 太平洋戦争終戦直後、空襲で家族を失い焼け出された小畑絹子と親友の荒川さつきは、進駐軍相手の慰安所である特殊慰安施設協会(RAA)に採用されて慰安婦になります。同僚には戦争未亡人もいましたがほとんどはもともとその道のプロの女ばかりで、米兵相手に慰安所は大賑わいです。小畑絹子はNO.1の売れっ子になりますが上司の課長の愛人になったおかげで福生の進駐軍クラブの歌手になり、これはちょっと楽な仕事でした。ここで空軍将校と知り合いめでたく結婚、ところがここから波乱万丈の転落人生に拍車がかかってゆくのです。 お約束通り夫は生後間もない娘を残して戦死、次はギャングの情婦になってヤク中になり、中毒を治療するために入院したら主治医に惚れられて結婚、慰安婦の過去がばれて離婚され自棄になって有楽町のガード下にたむろする街娼にまで落ちぶれる、映画の後半40分はもうジェット・コースター状態です。 小畑絹子は新東宝にはもったいないほどの美人なんですが、裏社会でぐれているときの演技と時折おとずれる平穏な生活の時の淑女ぶりとの落差があまりに大きくて、笑ってしまいました。この映画の呼び物は三原葉子がリンチされる『肉体の門』に出てくるようなシーンだと思いますが、別にヌードを見せるわけじゃないけどなかなか迫力がある肢体です。もっとびっくりしたのは荒川さつきが脳梅毒で文字通り狂死するシーンで、あのリアルな死にざまは子供が観たらトラウマになること間違いなしです。あと特筆すべきはあの古賀政男が音楽を担当していることで、劇中流れるギターのメロディーも古賀政男がつま弾いています。 製作年代はちょうど売春防止法が施行された頃で、こういったことは大きな社会問題だった時代だったことを考えると、新東宝らしい題材であることは確かです。正統派の監督が取り組めばとてつもなく重くなりそうなテーマなのに、新東宝らしくエロを強調したおかげで単なるジェット・コースター・メロドラマに仕上がったという感じでしょうか。 ラストで「もう二度と戦争をしてはいけない」という小畑絹子のセリフがあるんですが、とってつけた様な白々しさが漂い偽善の極みでした。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-11-11 21:30:03)
2147.  女獣 《ネタバレ》 
それにしても、いくら新東宝だからと言っても、このタイトルもう少し何とかならなかったんですかね。雰囲気だけでストーリーとは無関係で意味不明、まあそんなことで新東宝プログラムピクチャーに難癖付けてもしょうがないのは判ってますけど。 いきなり現金を輸送する銀行の車が襲撃されて銀行員たちは皆殺し、おまけに共犯の女まで始末されてしまう、そんな非現実的ながらもハードな幕開けです。この事件の捜査のために警視庁は婦人警官をズべ公に変装させて女子少年院に潜入させるのですが、こんな危険なこと婦警にやらせますかね? 作戦は上手くいって新宿の組織にまで潜り込めますが、どうもこの組織は麻薬取引の元締めでもあるらしいと判ってきます。ここで同じく潜入していた麻薬Gメンの菅原文太が登場です。実はこの映画が思ったより観られたのは、文太が一応ヒーローであるがなぜかほとんどストーリーに絡んでなかったからだと思います。とにかく新東宝時代の文太は、主演するとただでさえひどい出来の映画にとどめを差す必殺ぶりを如何なく発揮してましたからね。 この映画、麻薬中毒者の悲惨な禁断症状や新宿の風俗などが予想外の丁寧さで描かれています。ジャズ喫茶のバンド演奏なんか、音楽担当があの『11PM』の有名なテーマ音楽で知られる三保敬太郎なので、なかなかの迫力です。女優陣も左京路子や星輝美といった個性派を使っているところがグッドです。またところどころで遊園地のアトラクションを効果的に使ったショットがあったりして、撮り方が普通の新東宝映画とはちょっと違うなと思わせるところもあります。 でもやっぱり所詮は新東宝の映画、ユルユルな脚本ではどうしようもありません。文太をあまり活躍させなかったことには敬意を表して、ここはプラス一点とさせていただきます(苦笑)。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-11-08 23:20:34)
2148.  ドラム 《ネタバレ》 
あの怪作『マンディンゴ』と同じ原作者の小説を映画化。『マンディンゴ』の姉妹編と呼ばれていますが、あえて言えば『マンディンゴ』のパラレル・ワールドみたいなプロットであります。 ドラムとは主人公である奴隷の名前で、演じるのはケン・ノートンだが役柄は『マンディンゴ』で演じたのとは全然関係はなし。アフリカの高貴な血筋を引いているというのは似ているけど、こっちでは母親が地主の愛人だった白人女と言うところがちょっと捻っています。 ややこしいのがドラムのご主人さまになる奴隷商人で、『マンディンゴ』で最後はたしか死んだはずの長男と同じハモンド・マックスウェルという名前なんです。彼の乳母兼女中頭もルクレチアと同じ名前で、同じ女優が演じているとなると『マンディンゴ』を観た人には頭の中に?がいっぱい湧いてきます。そこら辺はパラレル・ワールドなんだと割り切るのが無難でしょう。 登場人物はみな一段とグロテスクな奴ばかりになっていて、エロ度もアップしております。見どころはウォーレン・オーツとイゼラ・ヴェガという『ガルシアの首』のゴールデン・カップルの再登場で、ヴェガも豪快な脱ぎっぷりでした。最後は奴隷の反乱でウォーレン・オーツとケン・ノートン以外はほぼ皆殺しという結末ですが、反乱奴隷が襲ってくるシーンはまるでゾンビ映画みたいでした。 冒頭の手抜きのナレーションから始まって雑な部分が目立つ映画で、はっきりいって『マンディンゴ』の方がずっとマシでした。
[ビデオ(字幕)] 4点(2013-10-25 21:13:32)
2149.  バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 《ネタバレ》 
この映画が世に出てきたときは、さんざん罵倒されてきたバブル時代がついに肯定的に懐古される様になったんだなと感無量でした。バブル時代まっ盛りのときには自分は東京にはいなかったけど、ほんとにタクシー拾うのに万札ヒラヒラさせてたんでしょうか、それともこれは都市伝説と思った方が良いのでしょうか? バブルの申し子ホイチョイプロダクションと今年はついにフジTVの社長にまで成り上がった亀山Pがタッグを組んだわけですが、映画としてはまあ予想通りのつまらなさでした。ドラム式洗濯機を研究してたらタイムマシンが出来ちゃった、くだらないけどなかなか秀逸なアイデアなので実にもったいない。バブルの崩壊を防ぐためにタイムトラベルして不動産総量規制を止めさせる、いかにも経済週刊誌の記事を真に受けたサラリーマンが考えそうな発想ですが、まあそれはそれでいいでしょう。でも肝心の脚本がTVのヴァラエティのネタを安易に並べたようなレベルの低さなのです。阿部寛をはじめ出演者たちがみなTVドラマの様な演技なので、これがまた全然笑えません。こういうのを典型的な頭の悪いコメディと呼ぶべきでしょう。 と貶してはいますが、広末涼子が予想外にいい味出してたのでプラス1点させていただきます。 
[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-08-30 23:55:09)
2150.  激動の昭和史 軍閥 《ネタバレ》 
「軍閥」なんて大上段に構えたタイトルだけど、実質的には東條英機ひとりにスポットを当てた脚本構成になっています。「陸軍および東条悪役・海軍善玉」という当時の常識からはほとんど飛躍していない史観ではあるが、及川や嶋田といった海軍高官たちの無気力・無責任ぶりはしっかり描いています。山村聡の米内光政をはじめ、一部の配役が『日本のいちばん長い日』と同じであるところは面白い。 どうせ東條英機をメインにするなら、その器量は単なる木っ端役人に過ぎなかった東條が独裁的な権力者に変貌していった謎に迫って欲しかったところです。そして大新聞の戦争責任についても、これはいまだにマスコミのタブーとされていますが、もっと突っ込んで欲しかったね。 通史としては薄い内容ですが、本作の後に小林正樹の『東京裁判』を続けて観たらいいかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-08-04 19:48:51)
2151.  幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形 《ネタバレ》 
日本ホラー映画の歴史に名を残すあだ花、『血を吸う』三部作の記念すべき(?)第一作です。大映が倒産、日活もロマンポルノ専業にと邦画メジャーが息も絶え絶えだった時期の、苦し紛れの企画だったそうです。でもねぇ、『幽霊屋敷』じゃないし『血を吸う人形』なんか出てこないし、それどころか誰も『血を吸う』なんてことはやってません! 瀕死の人間に催眠術を施したら死なずにゾンビみたいになっちゃった、と言うのが大まかなプロットでE・アラン・ポーの小説がネタ元みたいです。上映時間は短いし登場人物も驚くほど少ない低予算映画ですが、ゴシック・ホラーとしての雰囲気が少しは出ているのかなと思います。冒頭に中村敦夫が登場してこの人が主人公かと思いきや、本人としても不本意だったろうと推測出来る様なフェードアウトをしてしまいます。リビング・デッドのようになって殺人を繰り返す小林夕岐子は変なコンタクト・レンズを着けただけのお手軽メイクなんですが、不気味な美しさは伝わってきました。 まあこの映画の意義としては、そこそこヒットしたおかげで『血を吸う』シリーズが誕生し、そこから岸田森という邦画を代表する(?)ヴァンパイア役者を誕生させたということになるんでしょうね。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-07-11 20:34:17)
2152.  イントルーダー/怒りの翼 《ネタバレ》 
A-6イントルーダーが主役の様なもので、その飛翔シーンが堪能できます。私はこの頃の米軍機ではA-6がいちばん好きで、そのスタイルはF-4ファントムなんか足元にも及ばないカッコよさです。でも、製造した会社が“グラマン鉄工所”と揶揄されるほどの頑丈な飛行機なのに、映画の中ではバタバタと撃ち落とされちゃうのが悲しい。まあこれがヴェトナム戦争の現実だったのかもしれません。 いくらJ・ミリアスが撮ったとはいえ、あまりに乱暴な内容にはびっくりします。軍法会議で裁かれたからいいってもんじゃないでしょ、命令無視して勝手にハノイを爆撃しちゃあ。このイケイケぶりは、製作当時は湾岸戦争の真最中だったことも関係あるんでしょうかね。R・アークエットも出てたけど、彼女の役なんてストーリーにはまったく必要なかったんじゃないでしょうか?
[CS・衛星(字幕)] 4点(2013-06-24 23:42:47)
2153.  エクスペンダブルズ 《ネタバレ》 
うーん、正直言って騙された!という呻きがまず出ちゃいます。だって、ポスター観たらあの面々が手を変え品を変えて大暴れするのかと思うのが普通でしょう。それなのにB・ウィリスやシュワちゃんはほんの一瞬のカメオ出演、D・ラングレンは裏切っちゃうし実際に殴りこみかけるのはスタローンとJ・ステイサムにJ・リーの三人以外は初めて見た様な俳優とは、もういい肩すかしでした。自分にはスタローンのアクション映画に思い入れが全然ないくちなので、この雑であってなきがごときストーリーはきつかったです。アクションシーンがまた暗くてカット割りが多く、何が起きているのかさっぱり判らなくなって、“消耗品”のくせにあれだけの人数相手に誰も死ななかったということに最後まで気が付きませんでした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2013-04-14 22:17:17)
2154.  ハプニング 《ネタバレ》 
掴みはOK、あの訳のわからなさはなかなか良いアイデアです。でもだんだん風呂敷を広げてくると、出ました、“植物の陰謀”説、このいかれっぷりがシャマラン印なんです。TVのニュース解説では政府の陰謀をマジで論議しているし、もう疲れます。M・ウォールバーグが造花の鉢植えに話しかけるシーンは、もうギャグとしか思えないけどけっこうシリアスに撮っているのには脱力です。訳のわからないものからファミリー(本作の場合は疑似家族ですけど)が逃げ回るというプロットはスピルバーグの『宇宙戦争』を連想させますが、肝心のウォールバーグとZ・デシャネルの夫婦の言動に説得力がなさ過ぎです。 あのラスト、“オチのシャマラン”という金看板は今後おろしますということなんでしょうか。それはちょっと考え違いですよね、シャマランはやっぱ弾けなくちゃいけません。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2013-01-22 19:57:49)
2155.  ラスト・タイクーン 《ネタバレ》 
S・フィッツジェラルドの未完の遺作にして最高傑作が、名匠E・カザンのこれまた遺作として映画化されたと言うのは何かの因縁でしょうか。でも残念ながらまとまりのない冗長な作品なのは確かです。脚色はH・ピンターですが上手い脚本とはとても言えない代物で、ラストなんかはピンターお得意の不条理劇風に持ってゆきたかったのは判りますが、上手くいかなかったみたいですね。D・プレザンスがシナリオ書きに行き詰ってクビになる英国人作家で登場しますが、これはまるでピンターのセルフ・パロディみたいです。 むかしからこの映画を一度は観たかったのは、デ・ニーロとJ・ニコルソンの唯一の共演作だったからです。実際ニコルソンが登場するのは後半で20分ぐらいですけど、同じフレームにデ・ニーロとニコルソンが収まって演技しているところが観られたと言うのは感無量です。そのほかにもこの映画は無駄に豪華と言ってよいほど俳優陣です(A・ヒューストンなんてびっくりするほどのチョイ役でした)。これもハリウッド俳優たちのカザンへのリスペクトの顕れだったかもしれません。
[DVD(字幕)] 4点(2012-12-14 19:48:04)
2156.  ボーダー(2008) 《ネタバレ》 
デ・ニーロとパチーノ、これが最後の共演であると願いたいところです、と言いたくなってしまいました。両名優が『ヒート』以来の対決だと言うのに、メジャーではなくインデペンデント系映画だというのもまた驚きです。テーマも昔から何度も見せられてきた“街の掃除屋警官”もので目新しさは無し。『ヒート』とは真逆の結末と言うのも両雄のバランスを取っているつもりなんでしょうかね。この映画の脚本のユニークなところは、“名前のトリック”とも言うべきトラップを使っているところでしょう。デニーロ=ターク(愛称)=トム・カワン(本名)、パチーノ=ルースター(愛称)=デヴィッド・フィスク(本名)、ラストまでお互いどころか周囲の者まで愛称でしか呼ばないのでややっこしいです。外国映画の役名は覚えにくいよな、と感じているのは自分だけじゃなかったんだと気がつかされました(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-11-19 21:45:19)
2157.  バンテージ・ポイント 《ネタバレ》 
同じ事件を8人の視点で描く、と言っても30分程度の出来事なのでスポットを当てる人物が替わるたびに同じシーンを違うショットで見せられると言うのは、能がなさ過ぎると思います。つまり観客が見せられるのは“違う視点”からは程遠い映像でしかないということです。『パルプ・フィクション』でタランティーノが見せてくれたような世界を期待していたので、かなり失望させられました。タラのテクニックと才能を再認識した次第です。テロリスト側の男たちがみんな同じ様な風貌なので、誰が誰だか途中から判らなくなってしまったのもマイナスです。 でも私が思うにこの映画の最大の失敗は、○○○が×××だったと言う現実には絶対あり得ないバカな設定でしょう。こんな風に不測の事態が起きたらどうやって世界に説明するのでしょうか、全体主義国家の独裁者じゃないんだからね。△△△が犯人の一味だと言うのもミステリーならば禁じ手でしょう、これならもうなんでもありの世界になっちゃいますよ。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-10-31 20:47:21)(良:1票)
2158.  ウッディ・アレンの愛と死 《ネタバレ》 
W・アレン映画にしては珍しいコスチュームもので、ロシア軍とナポレオン軍の合戦シーンまであります(もっともTVのお笑いバラエティでやってるレベルですが)。だけども実際にはこの映画はアレンがスタンダップ・トーク芸を見せたくて撮った様なもので、のべつくまなく喋り続けです。私はこのアレンの芸は嫌いじゃないですけど、耐性のない人には堪らないでしょうね。そのアレンにしゃべくりで返すD・キートンが、ヘタなコメディ演技ですべりまくっていてちょっと無残でした。ギャグもヘタな下ネタのオン・パレードで全体的に学生の自主映画みたいな感じです。この映画のつぎに撮ったのが『アニー・ホール』とはある意味で凄すぎです。
[ビデオ(字幕)] 4点(2012-10-27 12:20:36)
2159.  ならず者部隊 《ネタバレ》 
50年代はハリウッド製戦争映画の不作の年代で、本作もその中の一本。南部の大農園主であるR・ワグナーが徴兵されて(たぶん)フィリピン戦線に派兵され、農園の小作人たちと同じ部隊で苦労しながら人間性に目覚めてゆく、というのが大まかなストーリーです。アメリカは州兵単位で師団を編成するので、同郷の地主と小作人が同じ部隊で肩を並べて戦うというのはまああり得る話でしょう。軍隊はどこの国でも階級が同じならみな平等というのは大原則ですが、アメリカ南部のように貴族的な風習が残っているとちょっと面白いことになる場合もあるわけです。映画としては良くあるパターンなんですけど、それを戦争映画にしたところがユニークと言えなくもない。 この映画の唯一の見どころは、実はワグナーの上官であるB・クロフォードのキャラ設定なんです。異常に臆病で自分に対して敬礼をさせない(自分が指揮官であることがばれると狙われるから)。常に二人の美青年兵士に警護させていて、彼らとホモセクシュアル関係にあることが暗示されている。この二人だけは上半身裸で、実に変な雰囲気なんです。そんなクロフォードも解任されてしまいますが、そのとたんにきちんと階級章をつけた軍服とヘルメットを着用してジープに乗りこみ、あっという間に狙撃兵に撃たれて死んでしまいます。まるで覚悟の自殺みたいな最期で、名優らしい存在感がありました。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-09-29 23:32:16)
2160.  潜水艦ろ号 未だ浮上せず 《ネタバレ》 
あの大蔵貢が社長になる前は、『戦艦大和』を観れば判るように、新東宝の戦争映画には独特の暗さと厭世感に満ちていました。潜水艦の戦いを描いたこの映画も、ヒーローとして活躍するような登場人物は一人もおらず、艦長以下乗組員はみな家庭や恋人に後ろ髪をひかれる様な思いを残して出撃して、淡々と散ってゆくのです。 随所に潜水艦内の実写映像を使用しているのがモノクロ本編に良くマッチしています。ただ艦内のセットは低予算の悲しさであまりに大雑把過ぎて実感を損ねています。旧海軍の潜水艦はUボートに比べて大型だったにしても、潜水艦内の閉塞感がまるで表現されてないのは残念なところです。もっと致命的なのは戦闘シーンにおけるミニチュア・ワークにまるでスケール感がないところで、安物の潜水艦プラモデルをマブチ水中モーターで走らせている様な映像は、もう自主映画レベルです。同じ年に東宝では『ゴジラ』が製作されていることを考えると、もうちょっと何とかならなかったんでしょうか。
[DVD(邦画)] 4点(2012-09-22 22:29:40)
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