2161. 霧の中の風景
テオ・アンゲロプロス初体験。各方面絶賛の映像は個性は感じますが美はラストショット以外では感じられず。詩的なエピソードを交えつつ幼い姉弟の目を通して生きる厳しさを表したかったかのようなストーリーがダメでした。二人が一度も発する事がなかった「ありがとう」の一言。二人に感情移入できなかったところです。名匠が示した世界は「ツライ、つらい、辛いと喚いているばかりじゃ心にシワが増えるだけ♪」が浮かぶ辛気臭さで疲れました。唯一揺さぶられた、青年の「こんな別れ方をしたくなかった」に点数の全てを。この世は出会いと別れの繰り返し。どんな別れ方をするのかが肝心なのです。 [DVD(字幕)] 4点(2021-07-04 21:19:16) |
2162. トライアル・アンド・エラー
リチャード・アッテンボロー目当てなところへピーター・セラーズも出演という、コンビニで1本ジュース買ってもう1本貰えるというお得感に喜んだのですが。犯行に至る迄は引きつけられたのですが、被告(アッテンボロー)も認めている有罪を自分の手柄にしたいからと国選弁護人(セラーズ)が無罪を勝ち取ろうとするところから、その作戦の馬鹿丸出しのグダグダ加減にクスリとも笑えずウトウトとストップ・アンド・リワインドの連続で異様に長く感じ、結末も「まぁ、理屈に合ってるよね」高揚感ゼロ。曲者2人の存在感と滑らかなカメラワークは見事だっただけに、拙い脚本が何とも残念な作品。 [DVD(字幕)] 4点(2021-06-30 22:26:47) |
2163. サルート・オブ・ザ・ジャガー
お目当てルトガー・ハウアーは狂気を孕んだ悪漢でないものの、凄みは見せてくれまずまずといったところ。見た目も台詞回しもヒョロヒョロの男子高校生にしか見えなかったジョアン・チェンがダメでした。とどめを刺す殺し合いではなくノーサイド精神あるスポーツというのが目新しのですが、どの試合模様もおんなじで、暗く見辛い画も相まって、激しさに比例しない興奮度でした。サロウは別として義理と人情の板挟みを見せるゴンゾが本作MIP。荒廃し絶望しかない世界にも勝ち組負け組・貧富の差・上下関係が存在する点が印象深い異色作でした。 [DVD(字幕)] 4点(2021-06-30 19:11:44) |
2164. 汚れた英雄(1982)
初見。大藪春彦作品にあるギラギラしたところが皆無の草刈正雄、のっぺりとした演出、共に致命的。補うかのように何度も流れる主題歌が何ともはや。ただ、当時からアドレナリンが分泌されまくるこの歌への懐かしさに+1点。この歳になっても爆上がりです。 Riding High Riding High You are the lonely rider I know・・・・ Riding High いやぁ、名曲! [DVD(邦画)] 4点(2021-06-30 15:30:43) |
2165. シンデレラ(1976)
始まって早くにリチャード・チェンバレンが歌い出したのには「うわぁ・・・ミュージカルとは知らなんだ、えらいもん借りてしもた」激しく動揺。全てのシーンでの衣装、歌、ダンスの安い作りにテンション上がらず。ストーリーの味付け部分と言える政略結婚要素も安っぽい。ステップマザーを演じるマーガレット・ロックウッド(60歳)の往年の美しき悪女ぶりが健在だったところに点数の全てを。 [DVD(字幕)] 4点(2021-06-27 00:02:56) |
2166. 舞台恐怖症
ディートリッヒとヒッチコックの組み合わせが興味深かったのですが。綺麗なお肌!以外に印象に残らず。ハラハラもヒリヒリもする事ない起承転結。ウトウト閉じかけた瞼を何度も見開かせてくれたマイケル・ワイルディング(河原純一投手をもうちょっとオトコマエにしたような)とアラステア・シムの初めてお目にかかるお二人に2点ずつ。 [DVD(字幕)] 4点(2021-06-15 02:48:27) |
2167. 黒い画集 ある遭難
清張作品なので遭難の真相に興味津々だったのですが。荒天の山の怖さだけが心に残るだけの何とも締まりのない話でした。誰にも見られて無くても神様は見ているかのような雪崩に点数の全てを。 [DVD(邦画)] 4点(2021-06-14 09:45:04) |
2168. 燃える戦場
《ネタバレ》 女性が一人も登場しないアルドリッチ節炸裂の男気溢れる作品と言いたいところですが、英米兵全員のヘタレ振りが見るに堪えない。やっとこさ登場した高倉健のお陰でリタイアは免れたものの、軍人としての筋を通しているのが健さんだけというのは、ある意味アルドリッチ節なのかもしれませんが、これでは激走からのラストも「アホクサ」で白け返るのみでした。健さんの流暢な英語に+4点。 [DVD(字幕)] 4点(2021-06-13 23:22:12) |
2169. セメントの女
トニー・ローム殺しの追跡の続編で気乗りしないまま鑑賞。予想通りの凡作でした。監督がシナトラのお抱えだという事で、サミュエル・フラーが言う「映画は戦場のようなものだ」とは無縁のお気楽な撮影現場が浮かぶところが脳天気な音楽と併せて何ともはや。 [DVD(字幕)] 4点(2021-06-08 12:35:47) |
2170. 断絶(1971)
これも一つの生き方、人それぞれ。車という拠り所がある男の子2人の50年後は何となく想像出来ても、寄生虫のような女の子の老後は無いように思えました。ウォーレン・オーツの役どころがサッパリ意味不明なのが残念。10代20代に観ていたら感じ方は違っていたのだろうかと考えるところです。ロジャー・コーマンの本作感想を知りたいとも思いました。 [DVD(字幕)] 4点(2021-05-26 01:25:20) |
2171. 電送人間
大笑いした「キャバレー大本営」に1点、全身金粉ダンサー(007ゴールドフィンガーの製作者は本作を観ていたのだろうか?)に1点、天知茂をサイコパスにしたような中丸忠雄の眼力と台詞回しに2点。ストーリー、ロマンス、サスペンス、何れも観るべきものが無い凡庸な作品。 [インターネット(邦画)] 4点(2021-05-17 08:55:25) |
2172. 媚薬(1958)
ジェームズ・スチュアート&キム・ノヴァクの共に一本調子な台詞回しでのメリハリない演技も相まって、魔法のしょうもない使い方に白けっぱなしでした。エルザ・ランチェスター&ジャック・レモンも今一つ。MIPが猫だというのが何ともはやな凡作です。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-05-03 02:40:50) |
2173. ならず者(1943)
ウォルター・ヒューストン、トーマス・ミッチェルの癖の強さに高まる思いが、ジャック・ビューテルの棒読み台詞回しにその都度冷まされてしまいます。ダラダラした展開に気持ちが削がれる一方に。ハワード・ヒューズが金に物言わせて道楽に興じた凡作に引っ張り出された名優二人がお気の毒。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-04-27 04:52:08) |
2174. 別離(1939)
イングリッド・バーグマン24歳 ハリウッドデビュー作と言うことで、私が苦手としている白けてしまう気の強さが無く、素直に美貌(+4点)を眺めていました。セルズニックのお好きな不倫話で、「痴人の愛」鑑賞の口直しにもってこいと言える小綺麗で愁嘆場も無い造りとなっております。ま、しかし、セルズニック印のご都合主義男によるご都合主義なよろめきドラマにあほくさとしか言いようがありません。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-04-23 01:28:33) |
2175. ウィンダミア夫人の扇
お目当てロナルド・コールマン若かりし姿は、そこそこな美男子であっても哀愁の「あ」の字も無く、あの渋みのある声も彼の魅力の一つなのだと実感する拍子抜けな脇役ぶりでした。「オバハンの風上にも置けない腐れ・・・(以下自粛)」なアイリーンを軸にした物語は、ヤドンの如きテンポで進んでゆき、哀れみさえ誘う有閑階級の姿にリタイア寸前。これがアイリーンのたった一つの善行(4点)の前振りだとしたら、「監督さん、焦らし過ぎでっせ~」と言いたくなる出費の元は辛うじて取れた一品。 [DVD(字幕)] 4点(2021-03-17 16:51:26) |
2176. あなたは私の婿になる
サンドラ・ブロックの硬軟織り交ぜた好演のお陰で偽装結婚ものの「グリーンカード」から感じた胸糞悪さはなかったのですが、邦題に見合ったベタな展開でライアン・レイノルズの心模様の曖昧さに明後日には忘れているであろう平板な作品です。 [DVD(字幕)] 4点(2021-03-10 16:51:03) |
2177. ニューヨーク 最高の訳あり物件
略奪婚で奪った夫を略奪された女と略奪した夫の元妻が同居する物語。二人の価値観や好みの違いをコミカルに描いているものの、旦那が何の魅力もないただの尻軽男なので、いくら映画の絵空事とはいえ現実味のない結末に白けるばかりで明後日には内容を忘れてしまうであろう凡作です。余談ながらエレベーターが住居に直結しているというのに「?」「へぇ~」であります。 [DVD(字幕)] 4点(2021-03-10 02:19:19)(笑:1票) |
2178. ポルトガル、夏の終わり
シントラの街並みの美しさには目をみはるものがあります。有名どころが揃っていながら抑揚無い退屈な作品でした。 [DVD(字幕)] 4点(2021-02-26 23:57:01) |
2179. クリムゾン・タイド
艦長と副長の主導権争いも双方が徒党を組んで武装するに至ってバカらしくなってしまいました。二人の最終的な処分のご都合主義全開さがバカらしさのとどめです。テロップの核発射権限は大統領が持つというのに、「そりゃ、こんな体たらくで、地獄絵巻に引きずり込まれたら泣くに泣けんよね」と思わされたところに点数の全て。野暮な事を言いますが、艦内に連れ込んだ犬にオシッコさせてる&艦内でタバコスパスパの演出にも萎えてしまいます。ハンス・ジマーの勇壮な音楽も浮いてしまっている残念な力作です。 [DVD(字幕)] 4点(2021-02-15 15:55:01) |
2180. パラダイン夫人の恋
ラトゥール登場シーン以外にヒッチコックらしさが微塵も感じられないのに驚いています。巨匠監督で超豪華な俳優&一流スタッフを揃えても脚本が素人が書いた糞粗末な代物だとこんなにも酷い作品になる事が記憶に残りそうです。脂肪がつき過ぎてギョッとするお姿ですが、艶のあるお声での語り口が余人には出せない味わいのチャールズ・ロートンに点数の全てを。彼が終始醸し出す気だるく投げやりな雰囲気は演技なのか素なのか気になるところです。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-02-09 12:06:05) |