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放浪紳士チャーリーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1446
性別 男性
自己紹介 初めてこちらのサイトに投稿させていただいたのが2004年の1月。間もなく15年目の節目を迎える事に。
何かきっかけだったのかなあ・・・と思い返してみると、モンゴメリー・クリフト&エリザベス・テイラー主演「愛情の花咲く樹」(1957)が、なんで作品登録されてないんだ!って義憤(?)に駆られ投稿を始めたことを思い出しました。
レビュー数、今日現在1337本。自分が投稿した作品のレビュー読み返してみると結構気恥ずかしいことをつらつらと、とりとめもなく書いてるなあと反省しきり。
でも「冷たい熱帯魚」(2点)と「パッセンジャーズ」(6点)「3時10分、決断の時」(8点)なんか我ながら良くこんな文章書けたなと感心。
これからも宜しゅうお願いいたします。

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201.  ある映画監督の生涯 溝口健二の記録
自分が映画監督溝口健二という人物を知ったのは、映画を観るずっと以前に読んでいた、新藤兼人氏著「小説・田中絹代」がきっかけ。ここに書かれていた数々の暴君的振る舞いと奇矯なエピソードとは裏腹に、残されている写真等では薄く笑みを浮かべ一見「好々爺」にも見える。一体、この人はどういう方なんだろうかと、いまひとつ人物像が掴み難く、実際つい最近まで映画自体も敬遠していた次第。このドキュメンタリーに登場してくる皆さんって、溝口映画の常連としてのみならず、日本映画黄金時代の土台を支えてきた錚々たるメンバーの方々ですよね。「俺たち(私たち)が日本映画を支えてきたんだ」っていう、他の何事にも変え難い自負と誇り高いプライドが、溝口監督の思い出を語ることで生き生きと各々の顔に浮かび、また更に輝きを増しているようにも見えます。凄っげえなあ・・・、ここまで彼らを心酔させた溝口健二っていう人は。中でも圧巻はやはり田中絹代本人の証言でしょう。彼女の老いても尚、凛とした語り口を聴いていると、もちろん「小説・田中絹代」はフィクションには違いないのだけれど、ああ、もしかしてあの中に書かれていた事はかなりの割合で真実が含まれていたんじゃないかって思えてきます。それだけにこの小説の映画化、市川監督吉永小百合主演「映画女優」の出来が意外と平凡だったのが悔やまれます。でも小説の方は読む価値充分に有りです、興味が有る方は是非!近年再評価が著しい個人的日本映画ベストワン監督、成瀬巳喜男のこの種のドキュメンタリーも製作されないもんかなあ・・・。
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-09-29 12:44:24)(良:2票)
202.  祇園囃子
デビュー当時の若尾文子の可憐さももちろん捨てがたいけれど、何といってもこの映画は美代春姐さん=木暮実千代のものでしょう!彼女の立ち振る舞い、仕草、そうめんを啜る姿に至るまで、いちいち見惚れているうちに映画が終わってしまいました。それにしてもここに出て来る男どもは、どいつもこいつも悉くサイテーな連中ばかりですね。お茶屋の元締め浪花千栄子の、涼しげに憎々しい巧みな名演との相乗効果で、木暮姐さんの虐げられ耐え忍ぶお姿がいよいよ妖艶にみえてくるのも、溝口演出の計算のひとつなんでしょう。暑い夏の京都裏小路の情緒ある風景、クライマックスからずっと背後に流れるお囃子の音色のここち良さ・・・。もうたまりません。格調高い風俗描写映画のひとつの完成された形がここに在ります。(→池袋文芸座「リスペクト溝口健二特集」にて)
[映画館(邦画)] 8点(2007-09-23 12:30:03)(良:3票)
203.  ブラックブック 《ネタバレ》 
とにかくグイグイと、あくどい位に押しまくる力技で一気に見せてくれますね~、この監督は。まずヒロインの性格設定がいいです、決してただの品行方正なかよわき美女ではなく、下半身が適度にだらしなくて(!)生活力溢れた女性の流転の半生というのが、下世話な興味をそそってくれました。ナチスものサスペンスとしても、大人のエロを期待する方にも、娯楽作品としてもどれを取っても観客を十分満足させてくれる一級品だと思います。作中で女スパイ「マタ・ハリ」の話題が出ましたが、どちらかと言うと自分には、ヒッチコックの名作「汚名」でのイングリッド・バーグマンと、このヒロインがちょっと重なって映りました。青い軍服が似合うナチ将校役、セバスチャン・コッホ氏がやたら格好いい。ナチスものはこれまで数多く観てきたけど、こんな人好きのする親しげなナチ将校を観たのは初めてかも。完全にイメージを覆されました。ただ中盤あたりの、白昼堂々内通者を運河に投げ捨て射殺するまでに至るシークエンスには若干不満が残ります。
[映画館(字幕)] 8点(2007-09-16 10:47:39)
204.  善き人のためのソナタ 《ネタバレ》 
統一ドイツ前のコチコチの社会主義者がヘッドフォン越しにソナタを聴く事で、次第に感化されていくお話なのかって、ポスターを観た印象では予想していたんですが、更にそれよりも奥行きがあり深い余韻を残す秀作でした。主役の大尉は盗聴する事により、これまで自分が知らなかった未知の世界を知る、音楽、思想、そして男女の秘め事、他者を愛するという感情を。おそらく彼は、人好きのする社交性抜群の、自分とはまるで正反対の人間であるあの劇作家に惹かれ愛してしまったんでしょう。しかし彼には同性にそんな感情を抱く事などおよびもつかない、だから太った娼婦を自宅に呼び欲望を満たそうとしても決して満たさせる事はなく、更に盗聴するという行為に傾倒していく・・・。私自身も普段の生活の中、「わかっちゃいるけど止められない」っていう行動を繰り返して生活し、人間ってそうやって年を取ってくものなのかと、ある意味諦念に似た感情を抱いていました。ラストシーン、宅配ビラちらしの仕事をカート曳きながらトボトボ歩く彼の姿はもしかしたら将来の自分の姿なんじゃないかって、ホントに身につまされましたね。大尉と劇作家がラストまで一度も顔をあわせないっていう緻密な構成もお見事!本年度アカデミー最優秀外国語映画賞も納得の仕上がりです。(追記)主役の大尉を演じたウルリッヒ・ミューエ氏は今年7月にご逝去された由、この作品での彼の芝居ぶりに鬼気迫るものを自分が感じたのは気のせいじゃなったんですね・・・。ご冥福お祈り致します!
[映画館(字幕)] 8点(2007-09-15 13:22:58)
205.  渚のシンドバッド
岡田義徳と浜崎あゆみのまだ何色にも染まってないような初々しさに、観ているこっちも思わず顔がほころんでくる。特に浜崎演じる少女果沙音の、全身から立ち昇ってくるような倦怠感というか、虚無感状態表現が素晴らしい。橋口監督作品「二十歳の微熱」も「ハッシュ!」も観ているけど、「ハッシュ!」が演出的には格段の進歩を遂げているとはいえ、作品そのものはこっちの方が自分は好きですね。この監督独特の長回しが非常に効果を挙げているシーンと、逆にちょっとカット割りした方がいいんじゃないかと思う箇所もあり、ないまぜ状態ではあるけれど。各シーンごと、登場人物のリアルな息遣いが伝わってくるようで思わず引き込まれます。岡田が父親(村井国夫)に投げつけられる無神経な台詞、「お前が男だったらな・・・」がイタい・・・、イタくてたまらないくらい尾を引く。その後、しばらく岡田君が身じろぎもせず凍り付いて動けない状態を、カメラがじっと捉え続けるシーンは特に秀逸。リリー・フランキー主演、橋口監督次回作にも大期待!浜崎は歌手としては一時代を築いたのだから、そろそろ女優復帰という選択肢はないのだろうか?ないか。あっても良くないか?
[DVD(邦画)] 8点(2007-08-24 10:58:12)(良:1票)
206.  白いドレスの女(1981) 《ネタバレ》 
私見では、古今東西悪女映画ベストテンにランクインされるべき秀作だと思います。同じ年に我が日本で、桃井かおり主演「疑惑」が公開されたのも何かの偶然か。この二作以降、観ていてこっちがイライラする愚女映画は数あれど、美・知・色三拍子揃った悪女映画の傑作がなぜか生まれてこないのが寂しい。ビリー・ワイルダーの「深夜の告白」や、ラナ・ターナー主演「郵便配達は二度ベルを鳴らす」と、これを比較して観るのも一興かも。ラストのキャスリーン・ターナーのほくそ笑みと、前出「疑惑」桃井かおりが煙草をくゆらせる不敵な笑みが、自分には重なって見えてきます。登場人物全員、ぬらぬらと全身から汗を毛穴から噴出させてる様子もかなりエロチック。ああっ、この手の悪女にとことん翻弄され堕とされてみたいっ!ひと夏だけでもいい、いや一週間だけでも、今日一日だけでも・・・。(←どんどん弱気)
[地上波(吹替)] 8点(2007-08-05 10:41:09)
207.  仔鹿物語(1946) 《ネタバレ》 
子供の頃、多分NHKの昼間の放送でこれ観ました。水彩画みたいな、総天然色のテクニカラーにうっとりと見入ってしまった記憶があります。とにかく映像に圧倒され細部までははっきり覚えてないけど、ラストは子供心に衝撃だったような気が。えっ!何で殺されちゃうの?みたいな。考えたら子供に現実の厳しさを教えてあげられる格好の内容ですね、これは、いわゆる情操教育にぴったりかも。多分「ローマの休日」よりこの作品のがグレゴリー・ペックに出会ったのは先じゃなかったかなあ・・・。久しくこの映画や、同じ監督の『緑園の天使』(←こっちは馬)とかって地上波放送されてないですよね。昔は夏休みになるとアニメに混じって、こういう良質な映画が何気なくフツーに放映されてたけど。僕の中では『ラスカル』と印象が何となくだぶる。♪ハリ、ハリ、リトルラスカル♪(←ちょっと口ずさんでみたりする)
[地上波(吹替)] 8点(2007-07-23 14:30:53)(良:1票)
208.  わが町(1956)
これまで大阪人を描いた作品では、同じく織田作氏原作『夫婦善哉』が最高作かと思ってましたが、これも浪花下町を舞台に笑いとペーソスが散りばめられた秀作に仕上がってます。川島監督独特の特異な感覚はここではやや陰を潜め、ロケーションを最大限に生かし、今のニッポンにおいてはもはや絶滅種と思われる、豪快に生きたある一人の浪花日本男児の一代記が綴られていきます。最初あまりにディープな大阪弁を聞き取るのが難しかったほど。この男の生き様をただただ肯定的に描くのではなく、後半孫娘(南田洋子←美しい!)に批判させる事で、人物像に奥行きが出て一本筋が通った作品になったのではないでしょうか。それより何よりも当時の大阪下町の町並み、風物、風景こそがこの映画の最大の魅力でしょう。主役のタアやん=辰巳柳太郎はじめ、隣のおっちゃんおばちゃんを演じる殿山泰司、北林谷栄等脇役もすこぶる充実。一般受けする大スターは出てないけど、巧いバイブレイヤーを使う事によって、温かな雰囲気が滲み出せたのは川島監督の手腕によるものかと思います。好きなシーン、町の写真屋の前で子供たちとマラソン大会の写真をみつめるシーン、あとは・・・、やっぱりラストのプラネタリウムの南十字星かなあ・・・。う~ん、また大阪行きたくなってきた・・・。
[映画館(邦画)] 8点(2007-07-14 13:02:43)(良:1票)
209.  紙屋悦子の青春
静かな静かな反戦映画です。私は予告編を観た時から、直感的にこれは良い映画だろうなって確信してました。おそらく評価が分かれるのは、ほとんどワンシーンワンカットの、動きを極端に抑制したカメラワークでしょう。ストーリーは淡々と進行するので、正に退屈と紙一重ギリギリ一杯の線。私は好きです、この映画。ストーリー自体には起伏はないものの、長回しに耐えうる演技力を備えた役者たちの魅力と、人物の感情の起伏はきちんとこと細かに描かれていたから。ずっと抑えに抑えていたからこそ、後半特攻隊に志願した明石少尉(松岡俊介)が胸に秘めた想いを隠し今生の別れをしに紙屋家を訪問するシーンでの、悦子(原田知世)の感情の噴出が効果的に効いてるなあって思いましたね。それぞれが役柄を良く飲み込んだ自然体の好演技を披露。これまでさして興味のなかった本上まなみが思いのほか巧かったのにはびっくり。この映画が黒木監督の遺作になったんですね・・・。「美しい夏キリシマ」の舞台挨拶で監督をお見かけした事がありますが、いかにも生真面目そうなお人柄とお見受けしました。晩年に監督がこだわってらした作品のテーマは、これからもこれら一連の作品を観た観客の中にきっと生き続ける事でしょう。
[映画館(字幕)] 8点(2007-07-13 11:20:57)(良:2票)
210.  風船
映画としての評価は正直好悪相半ばという印象。というのも、川島監督映画、これまで何本か観た中で最低最悪の人物(三橋達也)がこの映画で、主役づらして終始のさばっているから。極端にドライだっり、ウエットだったり、ただの親バカだったりと、性格の振り幅がやたら激しい数多くの登場人物の中だからこそ、純粋無垢な魂の持ち主である珠子(芦川いづみ)の存在がひときわ清冽に浮き上がってきます。とにかくこの映画の芦川いづみは素晴らしいっす!自分が映画の中のヒロインに恋してしまったのは、多分『初恋のきた道』のチャン・ツィイー以来の事。もう鑑賞後ほぼ丸一日経っているのに、彼女の面影が頭から離れません。なんというか・・・どんな言葉をもってしても、この映画の彼女に賞賛の言葉は及ばないような気がします。小児マヒという身体にハンデを持った難しい役どころにもかかわらず、あざとくなくしかも素直な演技で森雅之をはじめとする演技巧者たちを自然な存在感で圧してました。ラスト浴衣姿で踊る彼女から、まるで慈母観音のような後光が射しているようにも自分には見えましたね。北原三枝、新珠三千代、左幸子と、当時の日活若手女優が研を競っていてそれだけでも見ごたえあり。特に森英恵の衣装をシーンごとに着替え、さながらファッションショーのごとく登場してくる北原三枝の脚線美がお見事!主役(三橋達也)への憤り憎しみよりも、芦川いづみへの思慕が勝った・・・・ということでこの点数。(→フィルムセンター川島雄三特集にて)
[映画館(邦画)] 8点(2007-07-04 14:27:33)(良:2票)
211.  嘆きのテレーズ 《ネタバレ》 
自分、フランス映画それほど熱心に観てる人間ではないんですが、これはものすごく好きな作品です。偏愛『冒険者たち』は別格として、これまで観たフランス映画の中では一番好きかも。なんか文学的で香りがする端正な作品ですよね。心理的サスペンス映画であると同時に、どうしても避けられない運命の轍にはまった一組の男女が辿る人生行路を、深みのあるモノクロ映像で的確に描いていきます。ラストの幕切れも皮肉な味わいだけどこれで良いのでは?ハリウッド映画にはどうしても出せない芳醇なコクと苦味がこの映画には滲み出ているような気がします。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-06-23 13:03:35)
212.  人も歩けば 《ネタバレ》 
川島監督自身この作品について、「これはもう負け犬でございます」というコメントしか残されていないので、ご本人がそこまでおっしゃるのであれば、逆にその不出来具合を是非この眼で確認してみたかった映画。なんだなんだ、面白いじゃないすかあ!これ。脚本もご本人で手がけられているし、かなり個人的趣味世界が濃厚に反映されているので本人ただ照れてただけなのか?それともただクソ真面目な映画大好きの、当時の批評家連中に酷評されたのか?脇役一人一人、胡散臭いアメリカ人に至るまで、主役を喰える位の芸達者悪達者クセ者連中を揃え、画面所狭しと暴れ回らせているので、逆に主役のフランキー堺の存在感が稀薄になってしまってるほど。特に自分は森川信(←初代おいちゃん)の江戸っ子口調の口跡の良さ、沢村貞子の巧さに舌を巻きました。この映画唯一のまともヒロイン役、先年亡くなられた小林千登勢さんは「クイズヒントでピント」でのおっかさんでしか知らない世代なので、そのキュートさにびっくり。ラストの夢オチもこの映画でなら自分は許せます。とにかくこの映画、いささか趣味に走りすぎたところも含め、監督の特異な人物観及び世界観がギュッと100%濃縮還元された、ファンなら絶対見逃せない映画だと思いましたね。でもDVDもビデオも出てないんすね、これ、なんでだろ。犬がストーリーにもっと絡んでくるのかと思ったけどw(→京橋フィルムセンター『川島雄三監督特集』にて鑑賞)
[映画館(邦画)] 8点(2007-06-22 11:26:32)(良:1票)
213.  私は告白する
主役のローガン神父は、まさにモンゴメリー・クリフトに当てはめ、創造されたようなキャラクターですね。常に思索にふけり、懊悩している端正なマスクのこの神父役、当時全盛期を迎え内面的演技に磨きをかけていた、クリフトにはうってつけの役どころだったと思います。地味な題材ゆえに、ヒッチコックのフィルモグラフィーの中では特に黙殺されがちなこの映画、果たしてこの神父は教会の戒律をあくまで固守し、告白された罪を白日の下に晒す事はないのか?クリフトの一挙一動演技に真実味があるからこそ、クライマックスまで緊張感が保たれ心理的サスペンスの佳作として成り立った作品のような気がします。・・・ただクリフトファンのはしくれとしては、こういう陰性な役柄より陽性なクリフトの姿を映画でもっともっと観たかったっていうのが正直な気持ち。フレッド・ジンネマン監督『山河遥かなり』を観ると、コメディにも十分対応可能な役者だったような気がするんだけど・・・。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-05-21 13:52:13)(良:1票)
214.  ヒッチコックの ファミリー・プロット
何といってもブルース・ダーン(山田康雄)バーバラ・ハリス(小原乃梨子)の吹き替えバージョン、『日曜洋画劇場』放映時のものがベスト。シャーリー・マクレーンはじめ、少々喜劇味かかった女優さんのアテレコをやらせたら小原さんに敵う人はいないと思います。ホントこの人のアテレコは凄い!小原さんの声質、自分昔っから大好きなんです。ガキの頃ドロンジョ様に感化されたせいもあるやも。この映画、ヒッチコックとしては既に枯淡の境地にいたのか、全盛期の頃の大技も使うつもりはハナっからなかったみたいですね。ユーモラスなカーチェイスシーンは「北北西」や「泥棒成金」の明らかなバリエーションだし、以前使ったテクニックを規模を縮小しつつ再利用してるって印象。でも他人の技ではなく、かつて駆使したご自身の技を使っている事に文句などつけれるはずもありません。やっぱりと名人と言われる方は亡くなるまで、唯一無二の存在なんだよなあ・・・。
[地上波(吹替)] 8点(2007-05-19 11:10:25)
215.  現代人
渋谷実監督作品初鑑賞。先日池袋文芸座にて。何故か全篇フランス語字幕付きという、不思議な環境での鑑賞となりました。戦前の著名な溝口作品自分は未見の為、山田五十鈴といえば戦後の映画での、主に和装姿のどちらかと言えば受身的役柄の彼女しか知りませんでした。いやあ、びっくりしました!この映画での、この「マダム品子」アグレッシブ演技。今に至るまでの、彼女が名女優の呼称をほしいまましていた所以を改めてこれで納得。主演の池部良や小林トシ子なんて、彼女にかかったら赤子も同然、お釈迦様の手の平で遊ばれてる孫悟空みたいです。天下の二枚目、池部良を四つんばいにさせ足げ状態でドライヤーで髪を乾かすシーンなんてもう爽快そのものwストーリーは、同時期のアメリカ映画「陽のあたる場所」日本版翻訳バリエーションといったところ、それにお役所と出入り業者との癒着をねちっこく絡めた構成。まあ当時としては野心的なテーマゆえに、高い評価を受けた(この年キネ旬ベストテン第四位)理由も判ります。だってスピーディな展開で面白いもん、これ。池部良自身もこの映画を気に入ってるのか、最近出版された「映画俳優 池部良」の表紙カバーはこの映画での山田五十鈴とのツーショットシーンでしたね。マダム品子が経営するバーのセット・美術も独創的で◎。(追記)偉大なる巨星遂に落つ・・・!そんな言葉が、今日の山田五十鈴さん死去のニュースを聞いた途端、私の中に浮かびました。そりゃ若い頃の「浪華悲歌」も素晴らしかった。戦後の「東京暮色」も「流れる」も「ぼんち」もちょい出の「疑惑」でも。「全身女優」山田五十鈴の映画の代表作を挙げようなんざ、おこがまし過ぎる。それでも敢えて私は、この「現代人」での極め付け悪女「マダム品子」役を、彼女一番の代表作として挙げたい思います。DVD化されればこの作品、もっともっとレビュー数増えると思うんですが・・・。成瀬監督の「流れる」の出演者の皆さん、殆ど鬼籍に入られました。生前山田さんがインタビューで、この作品の裏話を面白おかしく語られてましたが、あちらでもこの面々が勢揃いして山田さんを出迎えられてたら、さぞかし楽しそうな光景だろうなあ・・・と。ご冥福、心よりお祈りいたします。
[映画館(邦画)] 8点(2007-05-11 11:30:38)
216.  ホリデイ 《ネタバレ》 
「旅の恥を掻き捨てられなかった」恋愛適齢期女性お2人のオハナシ。演じるキャメロンとケイト・ウィンスレットの二女優が水を得たような好演ぶりでとにかく魅力的!脇をサポートするジュード・ロウもジャック・ブラックもいい味出しまくり、この4人のやり取りを観てるだけでも時間があっという間に過ぎていきます。監督兼脚本のナンシー・マイヤーズ女史の、ビリー・ワイルダー(←モデルが他に思いつかない)あたりの、ハリウッド黄金期偉大な脚本家へのリスペクトが伝わって来てくるのが嬉しくて、全編ニヤニヤしっぱなしで鑑賞しました。ノンクレジットで不意に出てくる大スターの扱いも遊び心があって好き。「三銃士」の台詞が効果的に使われていた、テントの中のシーンの雰囲気醸成が特に気に入ったので一点プラス。年が明けたら彼らカップルはどうなるんだろうっていう先行きへの危惧は残りますけどね。veryautumnさんと同じく、自分もこの手の映画「ラブ・アクチュアリー」以来の高評価にさせて頂きます。やっぱキャメロン、いいわ。歳取ったらローレン・バコールみたいになってくれないかなあ・・・。※ところでイギリスのタクシーの運ちゃん、到着した時は家の前までは行けないとか言ってたけど、帰りはちゃっかり家の前まで車着けてましたよねえ・・・、一体どういう事なんざんしょW
[映画館(字幕)] 8点(2007-04-02 13:10:01)(良:1票)
217.  おとうと(1960)
この映画を観るまで岸恵子という女優さんには、「巴里のおば様!」(←「赤い疑惑」)というイメージが自分の中で既に出来上がっていたけど、この名作を観た時に180度変換しましたね。か細いけれど芯が強くて、大正時代の袴が似合う日本的で闊達な女性というイメージに。声が舌ったらずのようなキャンディボイス、後年のハスキーで物憂い感じとはまた違い素敵なんです!自分にも三歳違いの姉がいるんで、この姉弟の気持ちの揺れ動きは良く理解出来ました。家庭生活の責任を放棄してるかのような父親(森雅之)、足が悪い事で世をすねている母親(田中絹代)がしじゅう家の中でぶつぶつ呟いてる描写も秀逸。クライマックスの病室で二人が紐で手を縛って眠るシーン、海外の評論家からは別の変な意味に誤解されたみたいだけど、どう考えても彼らの解釈の仕方の方がおかしいですよね。湿っぽくないさらっとした幕切れも好き。おとうとの名前が碧郎(へきろう)なんてインパクト大のおかしな名前だったんで、この映画を昔姉貴と観た後いきなり後頭部をどつかれ、あんたは絶壁郎君だね、なんてからかわれたっけなあ・・・。
[地上波(邦画)] 8点(2007-04-01 14:51:04)
218.  疑惑の影(1943)
うん、テレサ・ライトは「可憐さ」という点においては、ヒッチコック映画歴代ヒロインの中で間違いなくブッチ切りでナンバーワンでしょ!「清楚な」ジョーン・フォンテーン、「情熱的な」バーグマン、「美貌の」グレース・ケリー、「軽薄そうな」ティッピ・ヘドレンと比較すると彼女はブロンドではないけれど、この映画では野郎どもの「守ってあげたい」願望をそそらずにはいられません。だもんだから、相手役の刑事のデクノボーぶりは歯がゆくなるほどいらだたしい。ああっ、俺なら彼女をあんな危険な目にさらす事なく、スマートに守ってあげられるのにぃ・・・。ところでこの映画全編で不吉に流れてくる「メリーウィドウ・ワルツ」(陽気な未亡人のワルツ)ですが、今某生命保険会社「●リコ」のテレビコマーシャルで繰り返し流されてますよね。いわゆるブラックジョークってヤツですか?
[地上波(吹替)] 8点(2007-03-04 13:01:39)(良:1票)
219.  十戒(1956)
「映画は見世物」という精神を終生貫いた、サイレント時代からの巨匠デミル監督が晩年にこしらえた超大作。多分スクリーンで観ていたら、絶対もっと評価は上がったはず。王様ブリンナーも、無駄に色っぽいアン・バクスターのお妃もすこぶる魅力的で、こういう映画にありがちな説教臭さが少ないのが一番有難い。紅海が真っ二つに割れるシーン、子供だましと思いつつ何度観ても興奮してしまいます。自分は「ベン・ハー」よか断然こっち!
[地上波(吹替)] 8点(2007-02-24 16:20:31)
220.  インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
クライマックス、インディがボロ橋を叩き壊し、一行が絶対絶命の危機を脱するシーン。ヒロインのケイトが「(呻くように)OH MY GOD~!!」と呟くんです。映画館で観た時は確か訳が「神様、お願いだから助けて~」でした。その後テレビ放映された時に観たら、吹き替えでは「ちょっと、もういい加減にしてよ~!♪」・・・なるほど、英文訳っていうのは答えが必ずしも一つじゃないんだってこの映画で学び、少しばかり大人になった気がした、十五の夜。(←曲に乗せるとよりモア・ベター)
[映画館(字幕)] 8点(2007-02-02 16:13:29)
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