2201. 狼よさらば
《ネタバレ》 重苦しい雰囲気が全編を覆い尽くし、妻子の仇はそのままというところに後味の悪さが倍加します。ブロンソンの凶行に対する警察の決着のつけ方に、この国特有の「ご都合主義の正義」が見てとれました。 [DVD(字幕)] 5点(2011-01-05 01:59:31) |
2202. ターミナル
《ネタバレ》 自分ではどうする事も出来ない困難な状況に陥った場合どの様に振舞うのか。ビクターは絶望せず、悲嘆せず、他人の不幸を願わず、他人や世間を恨まず、助けを請わず、節を曲げず、焦る事無く一つ一つ乗り越えて行く人物でした。その思いが意地からではないごく自然な飄々としたものである事にとてつもない心の強さを感じます。というか、人間離れしていて白ける部分もあります。 [DVD(字幕)] 6点(2011-01-05 01:54:42) |
2203. 居酒屋兆治
《ネタバレ》 山口瞳の原作にほぼ忠実に作られていました。キャスティングが絶妙で、全員がぴったり役にはまっていました。ただ、大原麗子さんを思うと、もう本作を観る事は出来ません。 [ビデオ(邦画)] 6点(2011-01-05 01:47:45) |
2204. 駅 STATION
誇りと信念を持って職責を果たす三上刑事。その職責は、他人の命を絶つ事の苦しみを伴い、男女の情よりも重い。そんなやるせなさを「舟唄」流れる空間がかきたてます。 [ビデオ(邦画)] 7点(2011-01-05 01:42:00) |
2205. 死刑台のエレベーター(1958)
気だるい雰囲気に覆われているものの話の中身自体は取るに足りないものでした。ただ、ラストで二人の悪事がそれと共に浮かび上がってくるシーンに、空気を切り裂くような出来事をも淡々と見せるルイ・マル監督テイストを味わえました。 [映画館(字幕)] 5点(2010-12-18 11:01:42) |
2206. 男たちの挽歌II
《ネタバレ》 強引な展開、これ見よがしな人間ドラマ、天下無敵の殴りこみ模様。今作の男たちの生き様は胸に沁み入ってはきませんでした。ただ、製作者の力業にしてやられたようで、キット殉職からラストまでを三度見直しちゃいました。 [DVD(字幕)] 5点(2010-12-14 22:53:33) |
2207. 私は貝になりたい(1959)
戦争行為や自国軍隊の有り方はもとより、勝者が正義面する軍事裁判の理不尽さを見せ付けられます。天が罰を下せるのなら何千何万何十万の非戦闘員を爆弾で殺戮した米兵も絞首刑になるのです。当人や残された肉親が味わう思いを何時の世代までも語り継がねばならない事をエンディングに思いました。 [DVD(邦画)] 8点(2010-11-23 23:34:49) |
2208. 女は二度生まれる
枕営業に精を出す芸無し芸者の小えんと客達が織り成す都合のいい男女関係が淡々と描かれています。したたかでしなやか。子宮でモノを考える人物を演じさせたら若尾文子の右に出る者はいない事を実感します。 [DVD(邦画)] 5点(2010-11-23 22:33:28)(良:1票) |
2209. 男たちの挽歌
足を洗おうとするヤクザがたどるお決まりの展開や、物語の盛り上がり部分に水を差し続けるくどい音楽に辟易するも、見ごたえのある作品でした。釘付けとなったティ・ロンをはじめ、男達が示す「友愛」模様に、近ごろ胡散臭さが漂うこの単語の値打ちをあらためて認識させてもらいました。 [DVD(字幕)] 7点(2010-11-21 02:11:51) |
2210. ターミネーター3
2>1>3。2で止めておくべきでした。 [DVD(字幕)] 4点(2010-11-08 22:10:29) |
2211. 暗黒街の弾痕(1937)
更生する事の厳しさが描かれる多くの作品の中にあって、監督が表す寒気がする無情さは一味違います。観る者の同情や非難をはねつけるが如き彼女の最期の台詞が泣かせます。彼女が主役のドラマに見えました。 [DVD(字幕)] 6点(2010-10-02 21:49:00) |
2212. カリフォルニア・ドールス
本作は、プロレスを楽しみたきゃプロレスを観ればいいというプロレスものとは一線を画す出来栄えです。決戦に到るまでの巧みな話の盛り上げ方、じっくり魅せてくれた決戦模様。三人組同様に観る者を楽しませる精神に満ち満ちた作品に大いに満足しました。 [映画館(字幕)] 8点(2010-09-23 17:58:30) |
2213. モダン・タイムス
絶え間なく繰り広げられる大小取り混ぜたギャグ。着眼点やセンスはもとより、身体能力の高さに驚きました。間が悪いわ失態を演じるわで何度も御用となるチャップリン。ラスト、薄幸の娘と手に手を取って飄々と歩む後姿に、生ある限り、何度でも夢を持って、やり直せば良いという、力強い意志が滲み出ていました。 [DVD(字幕)] 8点(2010-09-20 00:56:07) |
2214. わるいやつら
清張作品で個人的に最上の原作。びっくりするほど豪華なキャスト、捻りを効かせたラスト。なかなかの仕上がりだと思いました。 [DVD(邦画)] 7点(2010-09-03 00:04:54) |
2215. 張込み(1958)
張り込み場所が都合良過ぎるのはご愛嬌。実直&無骨の二人組の、暑さに閉口しながらの地を這うような様子に、被害者の無念を晴らすという職務のリアルさを感じました。地味なテーマでありながら最後まで飽きさせない展開は見事。また、慟哭するなら、やらなかった後悔よりやった失敗に対するものでありたいと思わされました。 [DVD(邦画)] 7点(2010-08-22 00:51:19) |
2216. 眼の壁
原作未読。事件が拡がるも深みを感じず惹かれるものがありませんでした。 [DVD(邦画)] 5点(2010-08-20 21:47:10) |
2217. ハリーとトント
大切な者との別れを重ねながら寿命が尽きるまで生きるハリーの佇まい。その静かさと遠くまで歩む距離が比例しているように思えます。子供達との関係に羨望を覚えました。 [DVD(字幕)] 7点(2010-08-20 00:29:57) |
2218. ゼロの焦点(1961)
原作既読ですが結婚一週間で失踪した事しか覚えていません。画面から漂う陰鬱な空気が作品を盛り上げてゆくはずが、誰にも惹き込まれず、謎解きの妙も薄く、崖上のドラマも盛り上がらず。いまいちな作品でした。 [DVD(邦画)] 5点(2010-08-19 00:58:09) |
2219. ポセイドン・アドベンチャー<TVM>(2005)
人間ドラマとして見るべきところは皆無。ご都合主義丸出しの展開。一家の脱出行も緊迫感はなく終盤は「何をグダグダ言うてんのや!さっさと行け!」毒づきまくりでした。オリジナルと思って借りたら、存在を知らなかったリメイク作品。せっかくだからと思って観ましたが、とんでもないシロモノを180分に亘って見せ付けられました。災難でした。 [DVD(字幕)] 1点(2010-08-18 01:11:51) |
2220. 黒の奔流
展開は清張作品らしいもので常に次が解かり、リンゴをむいている姿にラストも予想通り。意表を突かれる事がなく物足りなさがありました。敏腕且つ酷薄な色事師の弁護士をして制御しきれなかった女被告人、一枚上手の女事務員。三人の心模様はまさにタイトル通りで役者の好演が光ります。松坂慶子の初々しさも印象的でした。 [DVD(邦画)] 5点(2010-08-18 01:03:28) |