221. 王は踊る
リュリが死のまぎわに、国王ルイのために過ごした時間を回想するところから始まります。こういう始まり方をした映画はラストに余韻を残さなければ失敗だと思います。リュリは男色遊びをしながらもルイにつくすのですが、ルイへの愛情があまり伝わって来ません。また他に愛している男がいるリュリの妻の心象も見えてきません。BGVとして楽しむには豪華な映像と華麗な音楽でいいと思いました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-01-08 01:58:07) |
222. 日曜日には鼠を殺せ
《ネタバレ》 この時代の映画で、この結末。少し驚きました。マヌエルの母親が死んでしまい、敵が罠をしかけている場所に飛び込んで行く理由もないのですが、「裏をかいてやる」とニヤリと不適に笑っての行動が、殺されること?なんか無駄死にのようにしか思えなかったです。理解不能でした。日本のタイトルの「日曜日には鼠を殺せ」というのも映画同様に意味不能です。鼠は誰のたとえなんでしょう? [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-01-08 01:43:05) |
223. 逃亡地帯(1966)
《ネタバレ》 ストーリーが薄すぎて感情移入が出来ないままに終わってしまいました。田舎町を牛耳っている金持ちと、金持ちに頼っている人々の話に重点を置いた方が楽しめたかも知れません。マーロン・ブランド、レッドフォード、ジェーン・フォンダ、だれも魅力的に思えませんでした。古い映画は、その古さが芳醇に感じるときもありますが、この映画は気の抜けたビールみたいでした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-01-03 04:00:56) |
224. ある結婚の風景
《ネタバレ》 シビアな話でした。結婚して時を重ねて、自分はどんどん年をとっていくのに、自分の結婚、人生はこれでいいのだろうかと迷うのは、ごく自然なことであり、迷わない人よりも幸せを知っている気がします。それでも現実の問題としては、年をとる前に別の人生があるかもと考えてしまう。それを倦怠期と呼ぶのかも知れませんが、ここまでリアルに見せられると圧巻として言えません。世の中、自分が一番に望んだ人としか結ばれないとしたら、結婚する人は激減するであろうし、だからこそ多くの結婚が妥協の産物です。結婚後に悩むか悩まないかは結婚をゴールに決めているか、いないかの違いであり、結婚をゴールに決めて、やっとゴールにたどりつけた人は、たとえ妥協で選んだ相手でも、愛が無くても、離婚したら次がないから、自分からは離婚しないような気がします。この映画を見ていて結婚生活に立ち向かう勇気と苦しみは、不幸なのかも知れないけれど、立ち向かえない人の不幸よりは恵まれていると思いました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-01-03 03:57:33) |
225. 大いなる休暇
オープニングの映像がきれいで期待していました。内容も面白く見ましたが、しばらくしてタイトルを見たときに内容を思い出せませんでした。雰囲気のある良さ気な映画なのですが、良さ気な感じだけで感動はありませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-01-03 00:48:23) |
226. 叫びとささやき
《ネタバレ》 最初の方でドールハウスの映像が丹念に映されますが、この三姉妹そのものがドールはウスの住人のようでした。はじまってすぐに赤のイメージと同じトーンの明るさで映画は流れていきますが、ラスト、死んだ二女の日記の回想で自然光の中の艶やかな黄色の場面で映画は終わります。何をしてどう生きて、どのように悩んだとしても、行きつくところは死だけ、そんな不思議な安らぎを感じました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-12-10 07:06:29) |
227. リトル・イタリーの恋
《ネタバレ》 美しい景色と古風なストーリーの恋愛映画でした。ロゼッタとジーノの恋は一目惚れの情熱的な恋。コンチェッタとアンジェロは傷ついたあとの恋。60年代「卒業」で感動していた人たちも、あとで花嫁を奪われた夫や、その家族はどんな気持ちだろうと思うようになったけど、この映画は、そう言う意味で傷つく人がいません。わかりやすいけど、うまく行き過ぎかも。ジーノ役のアダム・ガルシアは絵に描いたような二枚目ですが、性格的にも魅力的になっていくところがうまいなあと思いました。個人的にアンジェロ役のジョヴァンニ・リビシの顔が大好きなので、たとえブサイク役で性格も暗くてもかわいいなあと思ってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-12-10 06:46:42) |
228. アラクノフォビア
焼津の半次なみに蜘蛛が苦手なのですが、蜘蛛の映画だと知らずに、この映画を見ることになりました。何度も止めようとしたのですが、止められない状況だったので最後まで見ました。途中で友人が面白がってビデオに取っているのも知らずに、何十年かぶりに両手を握りしめて叫びながら映画を見ました。あとで、涙を浮かべて怖がっているビデオを見せられてYou Tubeに流すと脅されています。「ロード・オブ・ザ・リング王の帰還」は蜘蛛のシーンは少しですが、この映画は蜘蛛だらけで、後半は体中が気持ち悪くなります。蜘蛛嫌いな人は止めた方がいいです。友人が「それだけ、わめきながら蜘蛛を怖がったのは、映画を楽しんでいる証拠だから」というので、そうかもしれないと思って得点は高めです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-12-01 07:51:49)(笑:1票) |
229. 善き人のためのソナタ
《ネタバレ》 仕事に忠実で迷いのなさそうなヴィースラー大尉が、自分の立場が危険にさらされてしまうのにドライマンたちを助けようとした経緯がいまひとつわかりませんでした。エレベーターの中でボール遊びをしている子供が、西側に肩入れする親の話をしていたとき「名前は?」と聞いた後で「ボールの名前」と言い返すシーンと、口を閉ざしたまま長い時を過ごしたあとの大尉の哀惜感が好きです。聴く人がみな善人になる「善き人のためのソナタ」があれば、いつも聴いて自分も善い人になりたいです。どんな人が善い人なのかはわからないけど。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-11-28 11:29:57) |
230. インシデント
《ネタバレ》 キャンディー・クラークがでるから見るか、と言うくらいの気持ちで見ましたが童貞と処女だと殺されてしまうので乱交するというシチュエーションは情けないです。ただ面白い演技をする俳優とかを見つけたので、ちょっとよかったかなと。予断ですが、童貞だと噂されている、もうすぐ50歳になる知り合いのおじさんが「どうして童貞って見分けをつけられたんだろう」と、ずっと気にしていました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-11-20 23:37:01) |
231. ウエディング
《ネタバレ》 アルトマン監督が亡くなってから再度見ました。30年近く前に見たときにも、とても面白かったけど、人数が多すぎたせいでわかりにくい部分もあったのと、自分が人生において色々と経験不足だったせいか、理解できなかった部分もあったことに気がつきました。ずっと記憶の中で結婚前に妊娠したのが花嫁だったと勘違いしていました。見直して良かったです。何人か亡くなり、問題をかかえたり病気持ちの人が大勢出てきますが、フェリーニの映画のように祭りのあとの清涼感に惹かれてしまいました。見終ったあとに、また見たいと思う映画は「マルホランド・ドライブ」以来です。最初に見たときよりも、この映画を楽しめるような年の重ね方をして生きてこられたことをうれしく感じました。愛さずにはいられない映画でした。 [映画館(字幕)] 9点(2007-11-20 23:23:32) |
232. 麦の穂をゆらす風
《ネタバレ》 今に続くアイルランド紛争をアイルランド側から見た映画です。どんな戦いでもなにかしら息抜きがあるものです。ケン・ローチの映画が好きなのは悲惨な状況の中で、ホッと息をつける、息を抜ける部分があるからなのですが、この映画にはそれがないので悲惨さだけが残りました。余所の国のことはもとより、同じ国の人のことさえも理解するのはむずかしいけど、理解しようと努力することは出来ます。この映画を見て理解する努力をすることですら難しいということを実感しました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-11-17 05:54:52) |
233. やさしくキスをして
《ネタバレ》 大好きなケン・ローチの映画の中でも一番苦手な映画。いつものように人種や宗教などの違いなどからくる差別や偏見を扱っていますが、この映画に関してはみんなが自分の幸せばかり押し通しすぎです。あまりにも自分の立場を考えてと主張しすぎる人が多くゲンナリでした。他の人の幸せのためにと身をひく慎ましやかさに感情移入しやすいので、こういう映画は嫌いです。エジンバラの大学に行く妹と、学校長はのぞいて、みんな不幸になればいいと思ってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-11-12 23:13:49) |
234. 明日へのチケット
《ネタバレ》 大好きな監督3人のオムニバスで、1作目7点、2作目6点、3作目7点。1作目の余韻が3作目にはほとんど残っていないのが、人生なんてそんなものみたいで気に入りました。1作目のヴァレリア・ブルーニ・テデスキはフランソワ・オゾンの映画の時とは違って、おさえた雰囲気がとても良かったです。3作目のスコットランド人の描写は本当にリアルで、さすがケン・ローチという感じ。スコットランドに行ったときに似たようなサッカーファンの人たちに知らないうちに巻き込まれて、言葉も通じないのに、あちこち引っ張り回されたことを思い出しました。この3人組そのものでした。マーティン・コムストンは、「SWEET SIXTEEN」同様に楽しませてくれました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-11-05 16:28:17) |
235. SWEET SIXTEEN
ケン・ローチの映画はどれも好きですが、この映画ではすっかり同調してしまいました。一生懸命に尽くす子供に対して迷惑ばかりかける母親。個人的に他人事とは思えなくてはまってしまいました。面倒ばかりかける母親でも生をあたえてくれたことを思うと、一生縁は切れないのでしょうね。フィクション映画なのにどっぷり感情移入しました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-11-05 16:26:11) |
236. ディスタービア
《ネタバレ》 自宅謹慎で暇をしている主人公が、隣近所をのぞき見しているうちに、怪しい隣人を見て、その男が連続殺人犯なのか、それとも勘違いなのかを、気を持たせながら探っていく・・・ありがちなホラーミステリーです。当然のようにかわいい少女が出てきて、犯人探しをしながら、少し駄目な主人公と親しくなっていきます。この手の映画は単に好きか嫌いかで決まると思いますが、いまひとつ突き抜けるものが無くて、怒るほどでもなく、クスリと笑えることもなく、可も無し不可も無しでした。 [試写会(字幕)] 4点(2007-11-03 06:38:49) |
237. 天上草原
今まで「らくだの涙」「天空の草原ナンサ」の2本のモンゴル映画を見ていたので、この映画の色彩や雰囲気の違いに驚きました。3本ともストーリーはすべて淡々としていて良い意味で大差はないのですが、こちらは内モンゴルのカラーが強く、空気感や行間に中国の匂いが濃厚でした。3本を見てそれぞれの角度から眺めるモンゴルの遊牧民の生活が興味深かったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-11-03 04:24:27) |
238. リリイ・シュシュのすべて
自分にとっては映画というより実際に体験したことばかりがだったので、現実的すぎて暗くなったけど、すでに乗り越えてきた時代だったので重くはならなかった。中学時代は多くの人にとって地獄があったのではと思う。地獄の中にいるからこそ、抜け出したいと光を探すのだと思う。この時代を生き抜けたら、大人になっても大丈夫な気がする。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-10-31 14:05:57) |
239. ラブ・アクチュアリー
《ネタバレ》 都合の良いストーリーに不愉快になりました。リリー・フランキーが言った「あからさまに感動を誘うような映画は、図々しい性格の人が、鈍感な性格の人に見せるためにつくるもの」という言葉が浮かびました。わざわざクリスマスストーリーにして、話をきれいにまとめようとしたところも苦手です。登場人物たちみんながラストでハッピーエンドになる話は大好きなのですが、この映画に関しては、安直で強引なストーリー展開でひいてしまいました。簡単にまとまりすぎる話は、逆に薄っぺらく感じてしまいます。すぐにストーリーを忘れそう。リーアム・ニーソンもエマ・トンプソンもでているのに、もったいない映画です。 [映画館(字幕)] 2点(2007-10-13 06:35:07) |
240. 雨に唄えば
雨に踊るシーンと音楽が楽しくて大好きですが、それ以外ほとんど覚えてなくてこの点数です。「雨に唄えば」オリジナルでヒットしたクリフ・エドワーズのものも大好きです。 [地上波(字幕)] 6点(2007-10-13 06:32:13) |