221. 私立探偵・濱マイク/我が人生最悪の時
林海象の映像美がノスタルジックなムードを上手く作っていて、世界に浸れるのがいい。個人的にはあまり永瀬正敏の芝居がしっくりこないが、濱マイクはなかなかのキャラクターかな。妹・茜を演じる大嶺美香さんとはたまたま5年程前にお知り合いになれて感動したものだ。女優をやめた彼女の今後に激励の意も込めて7点。 7点(2003-11-30 17:26:12) |
222. 知りすぎていた男
『北北西に進路を取れ』と並んで、ヒッチコックらしいとぼけた味が加味されたサスペンス。観客を楽しませようというサービス精神に満ちあふれていて、今観ても充分楽しめる。有名なシンバルのシーンの緊張感もなかなかのもので、現代の映画制作者には見本にしてほしい。 7点(2003-11-30 17:18:12) |
223. ジョニー・ハンサム
ハンサムって何なんだろう? この概念はいつも俺を悩ませる。女性みんなが惚れてしまうようないい男ってありえないしなぁ。中でも、作品タイトルにハンサムがつくと厄介である。観客の異論など受け付けず、彼はハンサムなのだから。本作のローク然り、ドラマ『ハンサムマン』のV6長野然り・・・。俺もHNを「ハンサム恭人」にするべきか検討中である。 6点(2003-11-30 16:44:59)(笑:2票) |
224. 処刑人
《ネタバレ》 全体的に正義の定義が一貫していなかったのが気になる。映画なのだから、主役コンビを絶対的正義と扱ってもいいし、本作のように迷いを表すのならば、ラストで真の正義にたどりついてほしい。話題のデフォーはやりすぎ。好きな役者だが、本作では全体の流れを乱しており、主役を喰うのではなく只のスタンドプレイと感じた。新鋭の監督には難しい注文だが、デフォークラスの役者もしっかりコントロールしなければいけない。 6点(2003-11-30 16:33:38)(良:1票) |
225. ジョー、満月の島へ行く
《ネタバレ》 結局本作では何がしたかったのだろう。「余命半年と宣告された男の悲哀をコメディタッチで描く」と聞けば、まぁ興味は持てる題材なのだが、プロットといい、着地点といい最後まで制作側の意図がわからなかった。このジャンルでは当時最高ともいえるキャスト2人がまったく活かされていないのも残念。ハンクスのユーモアすら感じられないのだから・・・。 2点(2003-11-30 16:22:35) |
226. 将軍の娘/エリザベス・キャンベル
《ネタバレ》 宣伝にある「レイプより酷いこと」とは何だろうという視点で観客は映画を観ている。そうなると真相が透けてしまい、謎が謎でなくなっている。これは宣伝のミスでもあるのだが、やはりミステリーの形式をとるのならば、情報の出し入れに注意し、巧みに観客をミスリードしてくれないと困る。それにしても、ウエストは中途半端。次回作では、全体のビジョンを持って撮影してほしい。 4点(2003-11-30 16:16:12) |
227. ショーガール
《ネタバレ》 卒業旅行で行ったラスベガスの街並みが映り、スフィンクス型のルクソールホテルが浮かび上がった時には、社会人として疲れを感じていた頃だったのでなんか涙が出そうになった。よくないことだが、あの頃に戻りたいなと・・・。えっ!? そんなことより内容だって? いや・・・たくさんの裸とガーション&バークレーの醜く過剰ないがみあいしか記憶にないんだよな。とにかくプロットがひどすぎたね、これは。 3点(2003-11-30 04:04:07) |
228. 女王陛下の007
《ネタバレ》 内容的には文句なく面白い。ストーリー面では、新機軸としてボンドが本気で女性を愛した。一方、ニューボンドには風貌的にはコネリーの面影のあるレーゼンビーを抜擢した。しかし、風貌よりも演技面を重視すべきだったのかもしれない。とはいえ、コネリーの後では誰がやっても批判があるのは当然で、ムーアもレーゼンビーというクッションがあったからこそ受け入れてもらえたのだろう。そう考えれば意義ある一作である。 8点(2003-11-30 03:54:35)(良:1票) |
229. プレデター
《ネタバレ》 ずっと何かにプロットが似てるなと感じていたが、今オオカミさんのレビューを読んでいてわかった。そうか、これは『激突!』のアクション版なんだなと。歴史小説家であり、脚本スクールの講師でもある柏田道夫氏が「創作は如何に上手にパクるか」だと述べている。もちろん、これは盗作ということではなく、先人のアイデアを如何にオリジナルのアイデアへと昇華させるかという意味だが、本作はその見本といえる。 7点(2003-11-30 02:15:39) |
230. シュレック
《ネタバレ》 徹底的にディズニー映画を皮肉った作品。ラストのどんでん返しは面白いだけでなく、様々な示唆にとんでいる。美醜の概念をひっくり返され、不覚にもCGアニメ映画で色々と考えさせられてしまった。しかし、プロットまでお姫様救出後をメインに据えることはなかったのではないか? 素直に救出までの過程をもっと描かないと中だるみしてしまってだらけるだけ。ディズニーへの闘争心と観客への配慮は別物として考えてもらいたい。 4点(2003-11-29 21:01:17) |
231. シュリ
ハリウッドの真似をすればいいという訳でもないと思うが、そのパワーには感服。しかし、ヒロインの正体が観客には初めからばればれなため、主人公が只のバカな男に思え、ロマンスも全く盛り上がらない。日本では韓国映画がブームになっているが、やはり日本映画にはまだまだ演出面で追いついていないというのが正直な感想。今回は、南北問題という深刻なテーマに挑んだスタッフにねぎらいの意味を込めて甘く採点。 5点(2003-11-29 20:55:26) |
232. ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク
《ネタバレ》 前作の序盤には、もしかしたら将来ジュラシックパークが現実のものとなるかもしれないというリアリティをもたせる工夫がされていた。しかし、本作ではもう恐竜は存在するという設定のため、はじめから飛ばしていくが・・・荒唐無稽すぎてついていけない。恐竜がゴジラになっちゃダメでしょ。まぁGODZILLAもジュラシックパーク化してたからどっちもどっちだけど。 3点(2003-11-29 20:46:14) |
233. ジュラシック・パークIII
ジョー・ジョンストンに監督が替わり、完全にB級ファミリーピクチャーとして開き直った感あり。少年が終始わずらわしく感じるが、まぁ、子供に感情移入してもらうためには必要だったのだろう。そこさえ納得できれば、本作なかなかの出来だと思える。ラストまでハラハラドキドキの見せ場を作ることに成功していて、3作目としては上出来。 6点(2003-11-29 20:40:30) |
234. ジュラシック・パーク
《ネタバレ》 当然のことながら恐竜のできばえには文句なし。スクリーンから飛びださんばかりの迫力に終始釘づけ状態。とはいえ、ファミリーピクチャーの体裁をとっているからといって、アッテンボローの役はあまりにいい加減だろう。ちゃんと最後に対策練らないとまた悲劇が起こっちゃうって・・・あっ、いいのか。続編作るんだもんね(笑)。 7点(2003-11-29 20:35:57) |
235. ジュマンジ
当時の最先端のCG技術を活かした設定はないものかと考えたあげくに出てきたと思えるリアルすごろく。さすがに映像は驚きにあふれ、観ていて楽しめる。しかし、少々プロットが甘かったかな。もう少し家族愛や彼らの成長を丁寧に描けていれば、ファミリー映画としてももっと評価できただろう。 6点(2003-11-29 20:30:01) |
236. ジュニア
小さなおっさん・子供と体格差を用いたコメディが続き、次はどんなに小さなものをと思っていたら、女性になっちゃいますか? これまでよりは設定に凝っている気もするが、コメディ開眼と言いたいならば、S・マーチンやC・チェイスのようなコメディを演じてみればいい。ライトマンももっと本格的なコメディを真のコメディアンと組んでやりなさい。 3点(2003-11-29 20:26:54) |
237. 呪怨 (2003)
《ネタバレ》 ビデオオリジナル版は未見で、本作を鑑賞。オムニバス形式でそれぞれの呪怨体験を綴り、ラストでまとめあげるパターンながら、時系列のずらし方はまずまず上手く言っている。しかし、如何せんカメラアングルがまずい。白塗り少年&母親が登場する際は、必ず画面に余白が作られており、登場するのが読めてしまい、びっくりすらしない。まとめ方も雑で、結局何をしたかったのか不明。奥菜恵はどうなっちゃったの? 3点(2003-11-29 20:21:28) |
238. 十二人の怒れる男(1957)
観ているだけで汗が出る。人の生死を賭けた12人の男達のぶつかりあい。取り扱われる事件自体は大したものではないが、陪審員達の票の流れが変わっていく緊張感。ワンシチュエーションでこれだけ画面に釘づけさせるとは・・・さすがルメット。個人的には笑いのある三谷版パロディの方が何度も観たいと思える。しかし、それは本作の緊迫度が凄まじく、俺が怖じ気づいてるからだろう。 10点(2003-11-29 20:16:21) |
239. 12人の優しい日本人
《ネタバレ》 本作品は傑作『十二人の怒れる男』のパロディであることは今更言うまでもないが、巧みな日本人論になっている点が面白い。少々小ネタに頼りすぎている点はマイナス要素だが、基本プロットが「優柔不断」で「権威に弱く」「情にもろく」そして「責任をとりたがらない」日本人の本質によって転がっていく。三谷が尊敬してやまないB・ワイルダーにも迫る、シビアな視点を笑いで包んだ傑作。もちろん、中原俊の演出も巧みで素晴らしい。 9点(2003-11-29 20:08:55) |
240. キル・ビル Vol.1(日本版)
《ネタバレ》 出だしからタラ得意の時系列崩し。観客に謎を解きたがらせる巧みな話術で、さすがと唸らせる。中ボス・ハンナも颯爽と顔見せ。沖縄でソニーへリスペクト贈った後は、四の五の言わせぬ大乱闘。深作はもちろんのこと、三池崇史・石井聰互といった現代作家の影響も大。そして、絶妙なvol2への橋渡し。とってもいびつな映画だが、そんなの確信犯。バイオレンスが苦手じゃない人は、やんややんやと盛り上がろう!ヤッジマイナ!! 8点(2003-11-29 19:54:32) |