Menu
 > レビュワー
 > もっつぁれら さんの口コミ一覧。12ページ目
もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 542
性別 男性

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728
>> カレンダー表示
>> 通常表示
221.  女と男のいる舗道 《ネタバレ》 
ヌーヴェルヴァーグとかは勿論のこと、予備知識はなるべく入れずに観るようにしているのですが、この映画の一番最初でキャストとスタッフのクレジットがアンナ・カリーナの横顔の上に載せられているのを見て、何て斬新なオープニングなんだと衝撃を受けました。 ストーリーが章ごとに区分されて進む形式やこのオープニングクレジットなど、これがヌーヴェルヴァーグ的な表現なのかどうかはわかりませんが、今のこの時代に観ても十分に驚きを与えうる映画だと思います。 必見はアンナ・カリーナが「裁かるゝジャンヌ」を観ているシーンで、劇中で涙を流すジャンヌをアンナ・カリーナにオーバーラップさせる演出。このセンスはもう最高。 また、手紙に自身の特徴を書いているときに立ち上がって身長を測っていた姿がとても可愛らしく、手を広げて測っているときに顔が指で押されてフニャっとなってしまっている時の表情がたまらなく好きですし、「右を向くのも自分の責任、不幸になるのも・・・」と、哲学的な会話が展開されるのもゴダールらしい味が出ていていいです。 最後に銃で撃たれて悲劇的な結末を迎えるところや、全体的なストーリーが自分好みではないところが残念でしたが、客を楽しませるために「面白いストーリーを作ってみました」みたいなわざとらしい話を聞かされるくらいなら、こういうストーリーの方が何倍も楽しめると思います。
[映画館(字幕)] 6点(2011-08-12 00:02:11)
222.  素晴しい哉人生 《ネタバレ》 
どこかで似たようなタイトルの映画を観たと思ったら、原題まで本当にソックリで面白い。 直訳すると、「人生は素晴らしいんでないかい?」といったところでしょうか。 映画の舞台となっているのが、戦後間もない貧しい時代の最中で、家族全員食べるものもままならない程の生活。手に入るものといえば、カブの葉の部分くらいなもんで、飼っている鶏がたまに卵を落としたり芋が食卓に出ようものならもう大宴会。 そんな世の中だから、盗みをしないと生きていけない人も沢山いる。そんな困難にもめげず、それでも笑顔を絶やさず生き抜こうとする人々それぞれの人物像とそれに呼応するかのようなコメディタッチの映像が本当に元気にさせてくれます。 それだけでなく、レバーソーセージを分けてくれた客の心遣いなど心暖まるシーンもあって、ネオリアリズモで見られるような暗さが微塵もないのがすごく良いです。 ひとつの家族を描いたとても小さな物語だけど、人々の逞しさや優しさが描かれ、些細な喜びも大きく感じられるような映画でした。
[映画館(字幕)] 7点(2011-08-04 00:28:53)(良:1票)
223.  山の王者 《ネタバレ》 
まぁ、何と言うか、非の打ち所がないんじゃないかってくらいの、もう本当に良く出来た映画だと思います。 中でも特に凄いのが仮面舞踏会の後に起こった出来事が翌日に明かされるシーンなのですが、マーカスが家に帰った時に部屋の中で起きていた状況と翌日に交わされた会話を基に、観ている我々は真相を推理していくのですが、全ての台詞が伝わるわけではないというサイレント特有のディスアドバンテージを逆手に取って、凄くスリリングなシーンに仕上げているところがまずひとつ、そして、裏の部屋で話を聞いていたシリアに画面が移ったとき、カメラがズームアウトしてシリアの見つめるベッドが大きく映し出されたショットで推理の回答を提示するという、とってもニクい演出に痺れました。 誰に勧められる訳でもなく、自ら杯を重ねていったマーカスは自業自得と言えるでしょうけども、観ている我々としては、ここは広い心でもって彼の悔いる気持ちを受け入れたいところ。 また、スリリングと言えば、最後の二人が追い詰められるシーンも緊迫感があって食い入るように見てしまいましたし、神に祈りを捧げ雪崩に向かって歩を進める二人の後ろ姿はもう涙が出てしまう程です。 “人は誰でも過ちを犯すもの”このように言えるくらいの寛大さがあれば、やはり傑作と言える作品だと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2011-08-02 00:09:02)
224.  キートンのセブン・チャンス 《ネタバレ》 
相変わらず大勢の追っ手からひたすら逃げまくっているキートン。逃走中はいつもいろんな危機が彼を襲うのだけど、本当によくここまでそのアイディアが出てくるものだなぁと感心させられてしまいます。 前半での結婚相手を探すシークエンスは、あのように手当たり次第に求婚し片っ端から振られてゆく姿は本当ならば笑えるシーンなのでしょうけども、自分も30代で未だ独身の身でありますので、素直に笑えないところでもありました。 最初の方で、メアリーがキートンに向けて書いた手紙が「他の人と結婚すればいいわ」と書いておきながらその後で「今日は1日家にいます」と、心がまだ離れていないのを遠回しに伝えようとするのが洒落ていて良かったですね。 それよりも、凄いのはやはり後半の怒涛の逃げ回るシーンでしょう。キートンがぶら下がっているクレーンを追いかけてきた女が操縦し、死んでしまったと思われていたところにキートンが彼女らの目の前にノコノコと現れたところで笑ってしまったのですが、このちょっと前で、これは自分だけかもしれませんが、キートンを死なせてしまって悲しんでいたときの女の台詞「You've killed him.」の日本語字幕が「やだ、死んじゃったわ」と軽い感じの表現だったのも面白かったです。 序盤で出てきた犬が最後に再び登場して、仕上げのオチをバッチリと可愛らしく決めてくれていたのもGood!
[映画館(字幕)] 8点(2011-08-01 10:53:56)
225.  イタリア麦の帽子 《ネタバレ》 
非常に珍しく入手するのが困難な「イタリア麦の帽子」を巡るアイディアが凄く面白い。 このストーリーは、手に入れるのが難しいものなら何でも、そのアイディア一発で映画が作れてしまいそうなだけに、このアイディアをパクった作品が後世に作られてもおかしくなさそうですが、リメイクも含めて意外と存在しないそうですので、これは今からでも遅くはない、是非ともリメイク作品を作って欲しいところです。 麦の帽子以外でも、手袋やブーツを生かしたコメディアスなサブプロットも上手い具合に効いていたり、他にも傘・ネクタイ・補聴器・置時計など使われた小物は沢山あって、いろいろな場面で楽しさが感じられる作品だと思います。 我々日本人にはわかりにくいですけど、帽子というのは当時のフランス人にとって非常に大事なアイテムなんだなというのが良く分かる映画です。
[映画館(字幕)] 8点(2011-07-31 01:40:13)
226.  サンライズ 《ネタバレ》 
幸せだった夫婦が一人の女によって壊されてゆくという、なかなかシンプルなストーリーなのですが、このような普遍的とも言える定番作品は自分にとってかなりツボです。 自分が映画で楽しみを見出すのは、ベタなストーリーを映像のテクニックや演出、ストーリー構成や人物設定、シチュエーションなどによって如何に上手く見せているかというところに尽きるわけで、変に捻ったストーリーよりもこの映画で見られるような登場人物の心理を丹念に描く形でストーリーが進んでいくものの方が面白く感じられます。 この映画は、前半の教会から出たところまではもう素晴らしいと言うしかなく、特に街に出てきたときに、夫が妻に許しを請うところと妻が少しずつ警戒心を解いていく一連のシークエンスは、もう完璧と言ってしまえるほどの見事な描写です。道のど真ん中で交通渋滞なんかお構いなしに熱いキスを交わしているシーンの後の二人が並んで歩くショットでハッピーエンドだったら素敵だなぁと思っていたのですが、その後にやや長めの息抜きがあって、この落差はちょっと勿体無かったなぁと感じました。 後半の大波にさらわれるシーンも大迫力で、こちらもまた筆舌に尽くし難いほどの名シーンなのですが、その後に妻が助かるシーンを挿入してしまったことで、妻が生きていたことの喜びが半減してしまったような気がしましたが、二人が再会した時の幸せそうな表情が良かったですし、ラストの美しい“サンライズ”ショットも、紆余曲折あった夫婦が再出発するという意味も含んでいるようで、とても感動的なエンディングでした。
[映画館(字幕)] 8点(2011-07-31 00:33:44)
227.  荒野の七人 《ネタバレ》 
オリジナルの方はまだ観ていないのですが、「七人の●●」とか「●●の七人」という作品で、7人全員にスポット当てることが出来ているものって、あるんでしょうか? この映画も、途中までは凄く良い。人数集めをするシーンで、一人また一人と仲間が増えていく時の高揚感は他の映画では感じることの出来ない盛り上げ方で、ここまではかなり好き。けど、5人目くらいまではしっかりと人物描写をしながら人数を増やしていっているのですが、最後の方になるとちょこっと顔出して終わりといった手抜きとも言える進め方なのでどうしても中途半端な印象が残ってしまいます。ここは上映時間をあと30分増やしてでも7人全員のキャラを確立させて村に行って欲しかったです。 ついでに、もう一つ不満なのが村民の態度が コロッと一変してしまうくだりなんですが、「死体がこの辺一帯に散乱するのはイヤだ」とか言って7人が逆に締め出しを食らうところは、まぁ、起承転結の“転”にあたるところを組み込んだつもりなんでしょうけど、馬鹿げていると言うか何というか、あれだけ頼っておきながら手のひら返されて裏切られるとイラッとさせられてしまって、ここは大きくトーンダウンしてしまいました。 それと、1回目の銃撃戦の後のダラダラとした流れもダメ。 ユル・ブリンナーを初めとする豪華キャストの格好良さにオマケして、大甘の6点。
[映画館(字幕)] 6点(2011-07-09 15:01:28)(良:2票)
228.  十誡(1923) 《ネタバレ》 
前半は史劇、後半は現代劇という構成になっていたのは驚きました。 自分としては、前半の史劇の方を130分観たかったというのが正直な印象。 海を切り開くシーンや炎の壁を作るシーンなどは、今の映画と比べるとやはりちゃっちぃくて迫力に欠けるところはあるものの、モーゼの圧倒的な存在感や物語に漂う荘厳な雰囲気は大好きです。 後半の偽装建築の話は、今の日本人からすれば先見の明があるなぁと感じる人も多いと思いますし、終盤近く、カーテンの傍にいる女を銃で撃つシーンは、ヒッチコックのあの有名なシーンの“はしり”ですね。 まさか、ヒッチコックよりも先に、しかも40年近くも前に先に使われていたなんて衝撃でした。
[映画館(字幕)] 6点(2011-06-05 11:39:12)(良:1票)
229.  自転車泥棒 《ネタバレ》 
街の廃れた感じ、質屋のシーツのストックから、この時代がいかに貧しかったのかがわかります。 冒頭で職安の係員が主人公の名前を呼んだときに後ろの方で地べたに座っている主人公を捉えるショットがありますが、その背後に映っている更地の何と多いこと。わずかに建っている建物も相当古い感じで、戦後間もない時代を思わせますし、また自転車一台買うにも身を削らないと買えないという貧困ぶり。しかも、質屋の倉庫に山積みになっているシーツを見るに、このような経済事情の人は主人公一人ではないことも見て取れるでしょう。 自分が好きなのは、教会で大勢の人が祈りを捧げるシーンだとか、子供と一緒に食事をするシーンなんですが、ここはイタリアの日常が出ていて結構好きなシーンです。 最後に主人公が自暴自棄になって自転車を盗んでしまい逃げるシーンは、必死になって逃げる自転車のスピード感やそれを捕まえようと追いかけ回す人々の多さからくる臨場感がとてもスリリングなシーンになっていて、それまでの市井の人たちを描いていたゆったり感とのギャップもあって、非常に見応えのあるシーンで良かったと思いました。 また、イタリア人って「うちの息子はローマで一番の働き者」とか「うちのママのパスタは世界一」とか言ったりして、母子愛がかなり強い国民性らしいのですが、そんなシーンもちゃんと出ていたりして、いろいろと面白かったです。
[映画館(字幕)] 7点(2011-05-28 15:10:49)
230.  キートン西部成金 《ネタバレ》 
前半はハッキリ言って面白いところはさほどないです。 いつものコメディにキレがない感じですが、前半からキートンお得意の動物を自在に操るシーンがいくつか出て来たりと、それなりには楽しむことが出来ます。 面白いのは後半からで、いつもの通りキートンが追いかけられるのがお決まりのパターンですが、今回は牛の大群に追いかけ回されるという怒涛の展開が凄い! ここは確実にいつも以上の迫力で逃げ回っているため、絶対に必見のシーンでしょう。 また、馬の背中からの映像も出て来たりと、撮影に対しての探究心や試行錯誤が垣間見られるところもGoodですし、ラストのキートンの勘違いっぷりも面白かったです。
[映画館(字幕)] 7点(2011-04-26 01:20:00)
231.  嵐ケ丘(1939) 《ネタバレ》 
物語が重いし、おまけに画面が暗い。いつの時代の話かはわかりませんが、身分や家柄が絶対という世の中で起こる雇い主の娘キャシーと使用人ヒースクリフの恋愛物語。 物心付く前は身分だの家柄だのという基準なんて当然気にするわけもなく、純粋に相手の人柄や外見のみが判断基準となるため、身分違いのままお互いが成長すれば当然周囲から反発を食うことになってしまったり同じ身分の異性に魅かれていったりという事が起こりそうですが、そういった部分の葛藤の気持ちだったり、またはお互いに乗り越えていく様をどのように描くのかというのが、古今東西いつの時代も変わらぬ“身分違いの恋愛モノ”における重要な部分になってくると思います。 自分がこの映画を好きなところは、幼少期と青年期の描き方が素晴らしく、それがストーリーのバックグラウンドにしっかりと根を張っているところです。 丘の上にある大きな岩を城に見立てて、王様とその僕(しもべ)のような台詞回しで愛を誓い合うシーンが非常に美しく、そのため、エドガーと結婚する際やパーティー会場のテラスのシーンなど、心が離れてゆくような描写があっても違和感なく最後まで観る事ができました。 また、パーティー会場にヒースクリフが入ってきてキャシーと出会う瞬間のキャシーの表情の絶妙、そして極めつけの最後、ベッドで寝ているキャシーの元にヒースクリフが現れた時、キャシーがゆっくりと目を開いていく表情は、他にどんな映画を探しても決してあのような印象深いショットはお目にかかれないと思います。 映画の終盤になって回想シーンが終わった後も、依然として暗い雰囲気でありながらもとてもロマンティックな雰囲気で締めくくられ、岩に向かって歩く二人の後姿で幕を閉じるラストシーンが凄く良かったです。
[映画館(字幕)] 9点(2011-04-21 23:41:37)(良:2票)
232.  ポーリンの冒険 《ネタバレ》 
映画の本筋であるポーリンの半生と恋愛話のストーリーは特に面白いとは思えず、むしろ、彼女自身の強烈なキャラクターによる縫製工場の上司とのやり取りや、急にステージに立たされた時の度胸の良さなどの方が彼女の魅力が出ていて、見ているとスカッとして面白かったです。 連続活劇「ポーリンの冒険」のラストシーンがずらずらと出てくる場面があるのですが、本当にいろいろなタイプのピンチがあるんだなぁ~という感じで、映画の本筋とは関係ありませんがここは面白かったです。 一番好きなのが、舞台出身の役者がボソボソと台詞を喋っているところを監督が演技指導をし、そのお陰で期待以上に豪快な演技をカマしていたシーンですね。役者の登場シーンからしてインパクト絶大で、指導の前後で余りの驚愕の変貌に思わず吹き出してしまいました。 また、サイレント映画の撮影現場の雰囲気も知ることが出来たりと、“本筋以外では”なかなかに楽しい映画でした。
[映画館(字幕)] 6点(2011-04-17 02:34:33)
233.  天国は待ってくれる(1943) 《ネタバレ》 
ルビッチはカラー映画になってパワーダウンしてしまったような気がします。 冒頭の閻魔大王のいる部屋のあの妙な違和感。オレンジがかった赤い柱やボタン一つで足元の床が開く装置が凄く不自然な感じがしたのですが、ここは天国に行くかか地獄に行くかの審判が下される場所で、誰もが漠然と先入観を持っていると思われるシーンなので、カラーでハッキリと映像化されてしまうとそのギャップに違和感を感じる場合もありうるので、ここはモノクロでも良かったのではと思いました。 また、ストーリーが、ただ一人の男の女性遍歴を語るというごくありふれたストーリーで、特に驚くようなことするわけでもなく、また死後の世界を舞台に持ってくる必然性もみられないと思います。一人一人の台詞が多すぎて少々鼻につくところもあり、しかも、ルビッチお得意の小物使いもすっかり影を潜めてしまっているところが非常に残念でした。 最初のフランス人のメイドが十分に個性が出ていたにもかかわらず、最初しか出てこなかったりといった中途半端なキャスティングも問題ですし、やはり、決定的にコメディとしての面白さに欠けるというのが致命傷でしょう。 そもそも、一人の男が過去の女性遍歴を語るというストーリーで面白かった試しはないです。
[映画館(字幕)] 5点(2011-04-16 02:06:19)
234.  テンプルちゃんの小公女 《ネタバレ》 
テンプルちゃんの映画は初めて観ましたが、さすが天才子役と言われているだけあって演技から踊りからみんなお上手。 父親と別れるときの悲しげな表情、女校長にビンタされそうになった時の毅然とした表情、父親と再会した時の涙もみんな絵になってます。 また、脇を固めるキャスト陣も秀逸で、隣に住むインド人や小間使いのベッキー、同級生の背の高いイヤミな女の子からビクトリア女王まで、どの役もみんなキャラが立っていて見応え十分。しかも、ビクトリア女王が画面に映っている時はバックにイギリス国歌が流れていたりする細かい仕事振りも良い感じです。 ストーリーも、戦争によって自分の身に降りかかる不可避の災難にも希望を捨てず、健気にそして前向きに困難に立ち向かい“信じるものは救われる”というごくオーソドックスな物語に胸を打たれました。 最後の方で、テンプルちゃんが病院に駆けつけ、将軍に案内してもらっているところで一度すれ違いのシーンを出すことによって、クライマックスの前に落差をつける演出もさすがですし、父親の姿を見て再会というのではなく自分の名前を呼ぶ声にハッと気づくというのがベタなんですけど好きです。 余談ですが、自分が観たのは日本語吹替えver.なんですが、エンディングソングが流れる中で日本語ver.製作スタッフの紹介があり、テンプルちゃん役に大杉久美子さん、そして製作に水野晴郎の名前がクレジットされていて、しみじみと感動の余韻に浸っているところに軽い驚きがあった。 まさか、こんなところでヤツの名前を見るなんて・・・。
[映画館(字幕)] 9点(2011-04-14 00:20:20)
235.  ヒッチ・ハイカー 《ネタバレ》 
緊張感はハンパないです。 しかし、いくつかアラがあるのが難点。 オープニングのファーストショットが長回しで撮られているのですが、夫婦を銃で撃ってから警官が現場に来て懐中電灯で状況を確認するところまで、何故時間の経過を感じさせないような撮り方をしてしまったのか? 確かに、犯人役の男の抜け目のなさや開きっ放しの片目などキャラが立っていて存分にスリルが味わえるものの、如何せんストーリーに深みが感じられないと思います。 映画後半では、警察がラジオ放送を利用してワナを仕掛けたにもかかわらず、せっかく荒野の中で釣りの格好をしていてもその場違いな様子をスリルに結び付けられないプロットだったり、巻き込まれた側の一人が銃の名手であることを伏線にして最後にそれを生かして事件を解決することもしなかったり・・・。ちょっと勿体無いような気がしました。 結局、ただ事件が起きて犯人が捕まって終わりというだけのストーリーにしかなっていない。事件が起こる前に登場人物の背景も語られず人物描写もロクにしない。だから、解放された二人がひと言も喋らないで終わってしまうという、味気のないエンディングになってしまうのだと思います。
[映画館(字幕)] 7点(2011-04-11 01:10:25)
236.  スローガン 《ネタバレ》 
大筋のストーリーは特に印象に残らず、ごく普通の恋愛物といった内容。 注目すべきは、冒頭のアフターシェーブローションのCMの時点でもう既に本編に突入しているという奇想天外な幕開けでしょう。 自分はこの映画を劇場で観たのですが、フランスの映画館で流れる上映前のCMを流してくれているんだなと思って見ていたら、それも映画の一部だったというのが驚愕で、ここは一杯食わされました。 他には、ベネチアの水路を猛スピードで駆け巡るシーンがあったっけなぁ?という感じで、フィーリングの問題ではあるんですけども、自分にとってはそれだけの映画にしかなりませんでした。 何が「スローガン」なのかもサッパリ・・・?
[映画館(字幕)] 5点(2011-04-10 14:37:34)
237.  マドモアゼル a Go Go 《ネタバレ》 
コメディが軽い。まぁ、その軽さがフレンチテイストで良いんだけど。 ゆる~いコメディでよく見られる、頭を物で殴って気絶させるシーンがこの映画でも出てくるのですが、大抵は「そんなんで気絶するわけねぇだろ」ってツッコミたくなるくらいの殴り方で、そのユルさがまたいいのですが、この映画は特に生ぬるい。だいたい、クッションだか枕だか知らんけど、そんなんで殴られて気絶する人いませんから(笑)。 最後の方で、お金が入ったケースをラグビーみたいにパスするシーンとか、1800秒数えていた女が用を足しに席を立った事をやや遠まわしに表現する演出や、写真の入った“ロケット”の場所を電話で教えている時に女のいる場所がバレてしまうシーンなんかはちょっと洒落てて好きです。
[映画館(字幕)] 6点(2011-04-09 21:48:28)
238.  東京物語 《ネタバレ》 
普段、洋画しか観ない自分が何故この映画を観たかというと、マイページの「好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧」で1位にランキングされていたからなのですが、結論から言ってしまうと、想像以上に面白かった。 映画全体を考えると、さすがに老夫婦を中心に描いているだけあって、なかなかゆったりとしたテンポで物語が進んでいくのですが、ただ単にそれだけで終わる映画ではなく、終始に渡ってローアングルで尚且つ固定されたカメラでどっしりと構えて撮られているのがストーリーを落ち着きのあるものにし、映画全体に安定感をもたらしているのだと思います。 映画の途中で熱海のシーンがあり、そこで海を眺めていて立ち上がろうとした時に立ちくらみがするシーンがあるのですが、防波堤の上というちょっと危ない場所に立っているにもかかわらず、それでも防波堤から足を踏み外したりということは絶対に起こり得ないだろうと安心して見ていられるのは、やはり前述した安定感ゆえのものだと思います。 最後、原節子が号泣するシーンは、義理の父からの「お前さんにゃ本当~に幸せになってもらいたいんだよ」という台詞に感極まってしまうわけですが、義理の母が自分のアパートに1人で来た時に言われたのと全く同じ台詞だったのが、亡くなった義理の母の記憶を呼び起こさせ、そして二人揃って同じ気持ちで自分の事を大切に思っていてくれているんだなという思いが改めて伝わってきて泣いてしまったのだと思います。 蛇足ですが、屋内の撮影で空間の奥行きを感じさせる人物配置での撮影や、会話時の人物を喋り始まった1秒後くらいに顔を正面に向けさせて撮る特徴的な構図、観光バスの車内撮影など、興味を引かれる映像がいろいろあって面白かったです。 バスに乗って東京見物をしている時、みんなで同じタイミングで顔を動かしたり、振動に合わせて皆揃って揺れる様はいとをかし、といったところでしょうか。(久々の邦画なので、ちょっと和風な表現をしてみました笑)
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-04-09 01:00:32)
239.  戦場のピアニスト 《ネタバレ》 
冒頭のピアノを弾くシーンで客席を映したショットがないことから、スタジオのような所なのか大勢の客が集まっているホールなのかがわからず、ちょっとした違和感を感じていたのですが、演奏を止めて客席が映し出され、逃げる時になって初めて全体が把握できるような演出になってしまっていたのが余り良くなかったように思えます。 いろいろと他のレビュワーの方のコメントを拝見しますと、過剰な演出が少なく真実に基づいて描かれているとの意見が大半だったのですが、自分にはそうは感じられませんでした。 適当に人を選び地面に伏せさせて頭を撃つシーンでは、画面の一番手前の人は本当に頭の禿げた人だったのか?血が流れる様を克明に見せるために頭の禿げた人を手前にもってきたのではないのか? また、女性が走って逃げているところを後ろから撃たれて背中を丸めるようにして倒れたシーンの後、シュピルマンが死人のふりをして追っ手をやり過ごしましたが、本当にその女性の傍を這って行ったのか?その二つの出来事は本当に一連の流れで起こったのか?バラバラのエピソードをひとまとめにしたのではないのか? 何故、こんな馬鹿げたような疑問をでっち上げるのかというと、この両者にカメラワークの問題があり、前者は明らかにシュピルマンの目線の映像ではなく血を流した頭のアップの映像ですし、後者はシュピルマンの這う姿と背中を丸めて倒れている女性を同じフレーム内に収めることで過剰な“生と死が隣り合わせ”な映像になってしまっていて、カメラの位置関係や編集などを考えると真実をありのままに捉えたような映像には見えませんでした。 いずれのシーンも、真実はその現場に居合わせた人にしかわからないですし、真実をそのまま描くべきか、それとも手を加えるべきかという議論になってしまいますが、少なくとも故意的な演出の意図をもって撮られているのは明らかだと思います。 それと余談ですが、部屋にかくまわれている時、音を出すなと言われた直後にピアノが姿を現すという、このストレートすぎる展開も面白いとは言えないと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-03-20 00:11:08)
240.  タワーリング・インフェルノ 《ネタバレ》 
全体的にスローすぎるというのが率直な印象。 こういったパニックものというのは、スピード感を出してスリルを持たせた方が良いと思うのですが、冒頭での倉庫のボヤへの対応の遅さから、早くも期待が薄れてしまったような感じで観ていました。とにかく、最初から最後までスピード感が全くなく慌てるそぶりをする人が少ないからなのか、どうしても冗長な場面ばかりになってしまって、そこが良くなかったような気がしました。 火事が倉庫から飛び火しても、マックイーンは悠長に建物の図面を眺めているだけで、さっさと階上に飛び込んで行って他の団員に指示を出すとかしてリーダーシップをとるような活躍を最初からしてくれてれば格好良かったのに、見せ場は後半のみだったのが残念ですし、ポール・ニューマンに至っては建築家の役で出ていましたが、建築家が奔走すること自体すごく疑問で、しかも自分のオフィスに隠し部屋を作って他の人間が仕事をしている最中に情事に耽るという大馬鹿者で、それなりの活躍はしましたが偽装を指示した社長にも匹敵するほどのワルな印象が残ってしまったのが自分にとっては良くなかったです。 また、子供二人と婦人を鉄パイプを伝って降りるシーンのあの安っぽさ。ちょっとスリルのあるシーンを作ってみましたみたいな、いかにも取ってつけたような感じのドキドキ感を味わうのにちょうどいい長さ(笑)の鉄パイプだったので笑ってしまいました。 色々とレビューを拝見したところ、人物描写が丹念で良いとの意見をよく目にしたのですが、ヒッチコックの某パニック映画を観たことがあるせいか、映画開始から15分くらいで早くも火が出ていたので、ちょっと本題に入るのが早すぎたように思えます。これだけ多くの登場人物が出てきているわけですから、もっとそれぞれの人物描写を掘り下げていった方が良かったのではないかと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2011-02-27 17:15:15)(良:1票)
010.18%
120.37%
230.55%
391.66%
4295.35%
58515.68%
614426.57%
716630.63%
87313.47%
9234.24%
1071.29%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS